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無題 ◆IWqsmdSyz2氏


「涯、辛いかもしれないが・・・話してくれ。
オレと沢田さんは状況を飲みこめていない。何があったのか・・・」

赤松を葬った後、重苦しい空気を断ったのは
意外にも零の一言であった。

埋葬、というにはあまりに簡素な別れだ。
成人男性一人分の深さを確保するだけの余裕などありはせず、
それでも懸命に掘ったいびつなくぼみに、赤松の亡骸は安置してある。
上から沢田の上着をかけ、そうして短く済ませたはずの弔いは
延々と尾を引き、彼らをこの場にとどめ続けていた。

田中沙織から逃げ隠れて、数十分というところだろうか。
体感で言えば一時間――否。半日とも思えるような暗い刻。
零の言葉に顔を上げた涯の表情は、肉体疲労とは別の疲れが窺えた。

「あぁ・・・」

元より感情を表に出さない涯に比べ、零の落ち込み具合は痛々しいほどで
(無論涯とて零同様に、むしろそれ以上に思うところはあるのだろうが)
それ故に沢田は二人の少年が思い行くまで静かに待とうと考えていた。
しかし、涯に向けられた零の声色は凛としたもので、
沢田は自身の抱いていた大人としての責任は
やもすると彼らに失礼なのではないかとすら感じたのだった。

「赤松さんの怪我についても含めて・・・
涯の知ってることを聞いておかなければ先に進めない・・・!」

対する涯の答えもまた、力強いものであった。




「あの女は・・・田中沙織・・・・」

沢田はメモを取り始める零を尻目に、ふと考える。
田中沙織。
彼女の顔さえも知らない。
岩陰から視認できた、この地で戦うにはあまりに頼りない体躯と
掠れた細い声から女であることは疑いようもない事実だとわかる。
だが現状、沢田と零からすれば、田中沙織は正体不明の殺人鬼。

「オレが赤松から逃げている途中・・・オレと田中が鉢合わせた・・・!
田中がオレに向けて発砲・・・その後もみ合いになったが・・・
オレの段取りでは・・・誰も死ぬことなく済むはずだったっ・・・・・!」

「つまり・・・赤松さんと再会するよりも先に・・・
田中沙織と涯が接触したってことだな?」

「そうだ。オレは・・・田中から逃げる機を待っていた・・・。
しかしそれが訪れるよりも先に・・・追いついてきた・・・!赤松が・・・!
結果・・・状況は一転し・・・赤松がボウガンで撃たれた・・・」

差し詰め、戦いは不毛だとか涯くんを撃つなら俺を撃てなどと言ったのだろうな、
沢田は赤松の亡骸に向けて小さく溜息をつく。
赤松の人柄を思えば想像に難くないことだった。

「・・・それで、涯は赤松さんを連れて逃げたってわけか?」

零の言葉に、涯は苦々しげに眉根を寄せた。




「いや・・・一度は田中との敵対関係は解消されたんだ・・・!
赤松の説得で・・・田中は自分の状況を話す気になり・・・・・・
棄権資金目的で人を襲っていたのだと・・・そう言っていた・・・。
だから・・・既にかなりの大金を集めていた田中に・・・
オレと赤松が棄権資金に届くだけのチップを渡すことでその場は治まった・・・!
そして・・・
伊藤開司という男に会うべきだという言葉を残して、田中は去っていった・・・」

「どういうことだ・・・?」

涯の話と現在の辻褄が合わない、と沢田は素直に首を捻る。

「問題はその後っ・・・!
体を休めていたオレと赤松の元に・・・何故か田中が戻ってきたことっ・・・!
あいつは・・・赤松に向けて再びボウガンを撃ち・・・
“棄権は不可能だった”・・・そう告げた・・・!
もはや人を殺すも厭わない様子の田中から・・・オレと赤松は逃げたっ・・・!」

「そして俺らと合流し・・・今に至るというわけか・・・?」

沢田の言葉に、涯は黙って頷くと零に向けて言う。

「これまでがどうであろうと・・・
田中沙織が赤松を殺したことには変わりない。
そして・・・オレたちが赤松の意思を継いでいくということも・・・」

零は口早に、わかってる、と呟いてから
一言ずつ確かめるかのように沢田、涯に向けて話を始める。




「・・・涯の話を聞いて・・・・聞きたい事・・・
そして・・・わかったことがいくつかある。
まず質問したいんだけど・・・赤松さんの怪我に応急処置をしたのは?」

「え・・・?」

「腹部の傷ではなく・・・腕の傷の方・・・適切な止血がなされていた・・・!
涯がそういった知識を持っているのならば既に自分の怪我に施しているだろうし・・・
赤松さんにしても同様、処置できるのならば涯の傷を優先的に手当てするだろう。
とすると・・・田中っていう女の人が・・・?」

「あぁ、それなら・・・腕の傷は最初に撃たれた時のものだ。
その通り、田中が止血した。以前は看護師だったとかって・・・」

「わかった・・・。
それと・・・もう一ついいか?
田中って人は・・・棄権資金を集め終えた・・・!
つまり一億円分以上のチップを所持しているということ・・・。
しかし棄権することが出来ず、そのため方針を優勝狙いに変えた・・・」

「棄権申告をする場所が禁止エリアだった・・・そう言っていたが」

「・・・なるほど。
で・・・田中さんはどんな様子だった?
再度涯たちを襲ってきたとき・・・躊躇う素振りもなかったのか・・・?」

「・・・そうだな。
会話を成り立たせることが出来るだけの理性は残っているようだったが・・・
少なくともオレは・・・明確な殺意を感じた」




涯の答えに対し、零は一瞬悩むような表情を見せたが、
それは本当にごく僅かな変化で、
沢田は不思議に思いながら零の言葉を待った。

「涯はオレたちと再会したとき・・・
“あいつは銃とボウガンを持っている”と言った。
しかし・・・実際に赤松さんに対して使われたのはボウガンのみ・・・。
銃があるなら、当然そちらを使用したほうが手早く確実だ・・・。
もしかして・・・涯に対して発砲した以降銃は使えない状況なんじゃないか?」

「・・・その可能性は高い。
壊れたか弾切れか・・・なんだと思うが」

「わかった・・・」

零は、沙織と再び接触を計ることに意味があると考えていた。
理由は大きくわけて三つ。
涯の怪我に関しても元看護師という立場の沙織に診てもらいたい。
伊藤開司に関係しているのならば話を聞きたい。
そして沙織を対主催に引き入れたい。

このまま沙織が人を襲い続ければ赤松のような被害者が増える。
それよりも早く沙織が死んでしまう可能性もあるが、
どのようになっていくにしても、
“人が死ぬ”ということ自体を避けたい零にとって芳しくない。

先刻は詳しい状況がわからなかったこともあり、
沙織から逃げ隠れるという判断をした。



しかし、涯から聞く限り
沙織自身、殺し合いを望んでいるとは思えないのだ。

(悪いのは・・・・このゲーム自体・・・
生きたいと考えるのは当たり前のこと・・・
それが殺意へ結びつくように仕組まれたゲームのシステムが悪・・・!)

沙織の武器がボウガンである点については
決して不幸ではないと零は思っていた。

ボウガンの矢という嵩張るアイテムならば支給量も高が知れる。
多く見積もっても十数本であろう。
当然、矢をセットするのには、銃のリロードより時間がかかる。
素人ならば尚更である。

つまり、こちらが有効な遠距離武器を所持していなくとも、
隙をつける可能性は十分だということだ。

万が一、涯に向けて使用したという銃器が再び使えるようになる場合も考えられる。
弾切れや故障などが原因ならば良いのだが
例えば安全装置の問題や弾詰まりなど、
田中沙織本人が冷静さを取り戻したときに解決しうる状態であるならば
のんびりとしている時間はない。

「反対されるだろうことは承知の上で・・・提案があるんだが・・・」

嫌な予感がするな、と沢田は苦笑いを漏らしながら零を促す。




「田中って女の人を・・・説得できないだろうか?
いや・・・するべき・・・だと思う・・・・・!
彼女を探して・・・もう一度・・・・・話をしてみるべきだと・・・」

当然、零の提案は沢田からすれば突飛なもので、
そして同時に“嫌な予感”そのものであった。
沢田以上に反応を示したのは涯だ。
零の言葉に噛み付くように叫ぶ。

「無理だっ・・・・・!
出来るわけないっ・・・!オレだってそれくらいやった・・・!
優勝以外に生きる道はあると・・・説得しようとした・・・!
それでも田中はボウガンを構えたんだっ・・・!」

「それは・・・つまり・・・
明確な道が見えないと駄目なんだ・・・!
彼女だけに限らず・・・不安に駆られて錯乱している状態ならば・・・
棄権という“安全”に手が届いたのに・・・結局のところそれは幻だった・・・!
当然彼女は動揺する・・・!
どうやって“安全”を手に入れれば良いか・・・考えるのはそれ一点・・・!
その後躊躇いなく赤松さんを撃つまでに心境が変化するのも・・・
この状況じゃ仕方ないとさえ言えるんだ・・・!」

「仕方ない・・・?」

「とにかく・・・!
問題は、彼女が赤松さんを撃った理由・・・!
赤松さんを殺したかったんじゃない。
自分が生き残りたかったんだ・・・!」




「同じだっ・・・!結果として赤松が死んだっ・・・!
同じだろっ・・・・・!」

「同じじゃないっ・・・!
彼女には通用するってことだ・・・!殺し合いをやめさせる説得が・・・!
“安全”を保障できると言えば・・・
人を殺すなんてリスクの高い行為からは手を引くはずなんだっ・・・!」

「安全を保障?」

既に零の考えは田中沙織を説得するための切り札にまで及んでいた。

彼が目をつけたのはギャンブルルーム。
設置された目的は、主催のみが知るところだが、
参加者がギャンブルルームを利用する目的は、チップを稼ぐことだろう。
チップを稼ぐ目的は、棄権という道へ進むため。
しかし、棄権が出来ないという事実が明らかになった以上、
チップを稼ぐ意味は大きく減る。

例外として、
対主催や脱出を目的とした人間などが
情報や自身の進退を賭けて利用することはあるだろうが
ギャンブルルームはギャンブルをする施設であるという考えに則れば
最早ギャンブルルームを使う利点も少ないように思える。

(だが・・・そうじゃない・・・!)




ギャンブルルームの最大の特長――
“禁則事項”が存在するということ。
つまり、無法同然のこの島に置いて、唯一ルールに縛られた地帯。
“ギャンブルルーム内での一切の暴力行為は禁止”
主催側はそう明言した。
そして“禁則事項を破られたときは、首輪が爆発”・・・
ギャンブルルーム内で暴力行為を働くこと即ち死に直結するのだ。

裏を返せば、ギャンブルルーム内は絶対安全。
参加者間での殺し合いは完全に封殺された部屋ということになる。


遡ること数時間前。
零自身、ギャンブルルームを利用した。
平井銀二との戦い・・・持ち金すべてを失いはしたが、
そこで得たものは大きい。
零とて、ただ負けたわけではないのだ。

ギャンブルルームの“造り”を内側から把握することが出来たのは最大の収穫である。
分厚いカーテンで閉ざされた窓、
拳で叩いて見ても音が吸い込まれていくほどに頑丈な壁、
黒服を介さなければ入室出来ないシステム。
多少の攻撃などでは影響さえなさそうな建物だ。

ギャンブルルーム自体を破壊しようとするならば
それこそダイナマイトクラスの火力が必要になってくるだろう。

そう、あの時零は確信していた
ギャンブルルームの利用価値はギャンブルに留まらない、と。



三十分利用するごとに100万円払わなければならない。
一時間で200万円。
二時間で400万円。
三時間で600万円。
当初の支給金が1000万円であるため、長時間の利用は難しいといえる。

しかし、田中沙織はどうだろう。
1億円以上のチップを所持しているのであれば、
単純に計算して、五十時間。
五十時間はギャンブルルームに滞在できるのだ。
日数にして二日以上。

気を配らなければならないのは、
ギャンブルルームの位置するエリアが禁止区域にならないかどうかという点くらいだろう。
監視カメラ、盗聴器、そういったものが設置されているであろうことは想像に難くないが
例え主催から監視されていたとしても何ら問題はない。

(棄権が不可能になった今・・・
田中さんはチップなど無価値だと思っているかもしれないが・・・
そんなことはない・・・・!
それで安全な時間が買えるんだっ・・・・!
彼女の最も欲しているであろう“安全”が・・・!)

棄権に比べれば心許ない安全だろうが、
それにしても人を殺して優勝を狙うより遥かに“正常”な時を過ごせることは火を見るより明らかだ。




零たちも二日の時間があれば、今のように名ばかりの対主催などではなく
何らかの武器を携えて打倒主催を企てることが出来るようになるだろう。
元より、この島で主催を倒そうとするのならば時間は無限ではない。
時が経てばそれだけ禁止エリアが増え、ゲームに乗っていない人間は減る。
短期決戦で臨まなければならないことは最初からわかっていたのだ。

(オレ達が主催を倒す手立てを整えるまで・・・
あるいは味方を増やすまで・・・ギャンブルルームで待機していてくれ、と言えばいいだろうか。
対主催が可能であるという証拠を田中さんに示せれば確実だと思うんだが・・・)


「おいおい、だんまりじゃあ何もわかんねぇぞ」

沢田の言葉に、零ははっと顔をあげる。

「すみません・・・ちょっと・・・」

零の考えをすべて話したとしても、涯は納得しないだろう。
それは零にもわかっていた。
この期に及んでいざこざを起こしたくなどはないし、
先刻の涯の噛み付き具合から考えて、この案が快諾されることは永遠にありえないだろう。

今対する二人の人間は、ユウキやミツルたちのように
零自身の考えならば基本的に賛同し付いてきてくれる、というタイプの人間ではない。
沢田は零に比べて人生経験に富み、判断力もある。
涯についても、零より優れる部分は多くある。
何より対等であるためにも、彼の意見を無碍にするわけにはいかない。
(もちろんユウキたちの意見を切り捨てたことなどもなかったが)
もどかしさを、零は確かに感じていた。




涯は相も変わらず零に鋭い視線を投げかけている。
助けを求め沢田の方へ顔を向けると、
沢田は零の言葉を促すかのように首を振った。
小さく息を吸ってから、零は口を開く。

「伊藤開司について・・・彼女は知っている・・・・!
伊藤開司は十中八九・・・・・このゲームには乗らない・・・!
希望的観測でしかないが・・・・・・・!
そして伊藤開司は参加者の中でも・・・かなりの重要人物っ・・・・!」

「たかが一人の男についての情報を得るために危険に飛び込むって言うのかよっ・・・!」

「それだけじゃないっ・・・!
オレたちはオレたちの出来る範囲で・・・赤松さんのような被害者を減らすべきだと思うんだ・・・!」

赤松さんのような、というフレーズに、涯は僅かに反応し眉間に皺を寄せる。

「優勝狙いと・・・生き延びたいと考えることは違う!
田中沙織は後者だ・・・!
生き延びる術があるならば人殺しなんてやめて縋ってくるはずだろっ・・・!
だったらっ・・・」

次に零の言葉を遮ったのは、沢田だった。

「なぁ零よ・・・そいつは理想主義がすぎるぜ・・・」

涯と零のやりとりは、内容の重さはあれど
少年同士の口論に過ぎない。
埒が明かない、と思ったのだろう。
沢田は諭すような声の調子で零に話しかけた。




「沢田さんっ・・・!

「ま・・・言いたいことはわかる」

予想外に柔らかい沢田の表情に、
零は口を噤むほかなかった。

「お前のことだ。
その理想を実行するだけのプランも考えてあるんだろうが・・・
そうだな・・・・お前には足りていないんだ」

「・・・」

「当然の如く・・・お前じゃ経験が足りない。
その癖どうも希望に賭けすぎる嫌いがある。
しかし・・・その足りない経験も・・・何らかの些細な出来事が切欠で足るかもしれない。
何十年も生きてみろって言ってんじゃねぇのさ。
ただ、今のお前の調子じゃ、涯を説得することは無理だって話だ。
いいか、赤松の死を無駄にするわけにはいかないんだ」

「無駄なんてそんな・・・」

「お前にその気があろうがなかろうが・・・
ま・・・結局のところ、そう見えるわけだ。今の段階では、な」

「・・・」




「赤松を殺した女だぞ・・・?そんな奴が・・・もし仲間になったとしても・・・
田中沙織がたとえ後悔していたとしても・・・オレは・・・」

涯は依然険しい表情のまま、しかし一段と小さな声で呟く。
己の境遇との矛盾に苦しんでいるのだろう。
良識ある少年であるならば尚のこと
この島での生死の在り方、人殺しの存在には思い悩まなければならなくなる。

「俺はな・・・田中沙織と再び接触することがあれば・・・
零の考えを実行してみるのは悪くないと思ってる。
涯の言ってることは正しいし俺もまったくもって同意なんだが・・・
零は、ま・・・俺たちのブレインみたいなもんだからな」

「沢田さん・・・!」

「だがな、零の口ぶりを聞くかぎりじゃあ、
今すぐにでも田中沙織を探しに行こうってなもんで、
そりゃ、賛成なんて出来ないさ。なぁ、涯」

涯はちらりと零を見やると、聞こえよがしに溜息をついてみせた。
沢田は軽く口の端をあげながら、ガキの喧嘩を見るのは嫌いじゃないんだがな、と付け足す。

「物事に一番大切なのはなんだろうな?
素晴らしい妙案も、タイミングを間違えれば無駄になる。
仲間の同意が得られないなら尚更だろうよ。
一番やらなきゃならないことを差し置いてでも実行するべきなのか?」

「一番・・・?」

「俺たちに希望を示したのは赤松だけじゃないってことさ、
そうだろ?零、お前の友達は優秀なんだっけなぁ・・・
色々遺してくれてるじゃねぇか」




零の手元に並ぶ標のメモには、びっしりと文字が並んでいる。
さっと目を通しただけで、その情報量に嘆息してしまうほどだった。

「そのメモを読めば・・・もっといい案が思い浮かぶかもしれないな。
何にしても・・・反対はしねぇさ、俺はな。
田中沙織のことについても、だ。
俺たちに一から十まで説明するのが面倒だってんなら一だけでいいくらいさ」

押し黙っている涯の肩にぽんと手を置くと、沢田は言葉を続ける。

「涯だってお前の意見に反対してるわけじゃねぇ。
つまりは・・・赤松を殺した女は許せねぇっていう
涯なりの主張ってわけだな、それ以上でもそれ以下でもない。
田中沙織についての話題ばかりが続けば・・・
そりゃあ田中沙織が憎くなる。
自分の感情を差っ引いて客観的に物事を見られるっていうのはな、
それは特殊なんだよ、零」

沢田の目は優しかった。
口調も決して乱暴なものではなく、それ故に零と涯は静かにそれを聞き入れたのだ。
そしてその瞳の奥に潜む鋭さが、沢田の本質であるのかもしれないと思ったとき、
少年二人は沢田への信頼をより確かなものに変えたのだった。

「さて・・・
そのメモと・・・首輪を調べようか。
涯の傷の手当ても・・・簡単になら俺がやってやるさ」




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