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帝国遊戯 ◆iL739YR/jk氏


(これを読む際は、実際にお手元にトランプをご用意していただけると、よりいっそうお楽しみいただけると思います)


「…それで、一体何で勝負するつもりなんだ…?」
カイジの懐疑的な視線を察し、利根川を軽く口元を緩め、ふっと息をもらした。
「私とお前の真剣勝負だ…決まっている。“奴隷の剣はまだ折れていない”…のだろう?」
「そういうことなら…」
カイジは用意されている備品の中から見慣れた絵柄のカードを探し当て、それに手をかける。
「待て。今回はそれは使わない」
「…何?」
利根川の言葉にカイジは静止する。
「今回行うゲームはただのEカードではない…カイジ、お前との再戦をあんな程度で終わらせるわけがないだろう…?

『Eカード』…あれはあれでスジの通ったゲームだと思うが、所詮は絵空事…夢物語。現実的には今少し納得出来ない部分もある。

例えば『市民』は『奴隷』に勝つ。両者の置かれた立場からすれば、概ねそうなのだろうが、いつもそうとは限らない…
何しろ『奴隷』はその気になれば『皇帝』さえ刺す!! 『市民』ごとき凡夫を刺せぬ道理は無い…

『市民』といえども独裁的な支配をするような『皇帝』にいつまでも素直に従っていたりはしないだろう…時には激しく抗い、やがて革命を起こす。

『奴隷』は『皇帝』を刺せる事もあるだろうが、『皇帝』が『奴隷』に対してより圧倒的であった場合、『皇帝』はその権力を持って『奴隷』など握りつぶす…踏みつぶす…
如何に抗おうと所詮は『奴隷』…手痛い返り討ちにあうだろう…

『市民』と『市民』は常に分け…本当にそうか? まあ、概ね平和的で争いなど起こらぬであろうが、たとえ『市民』同士であっても思想の違いで紛争は起こる…
そのとき、もしもある片一方の勢力が圧倒的なら…そこには何らかの決着が付く。つまり勝敗が存在する。
例えば、『皇帝』を支持する『市民』、『奴隷』と交流の深い『市民』では意見の食い違いも多かろう…

屑どもの救済のための遊戯なら、Eカードで十分…奴らには『現実』の重みは酷だからな…だが、せっかくの再戦…私たちはもっと『リアル』に行こうじゃないか…より『現実』的に……
そこで……これらを補い、より奥深い物としたゲームを私は考案した。その名も…帝国ゲーム、『E10』…!!」
「エンペラー……テン…?」

ギャンブルルーム内。あるテーブルに座し、向かい合う二人の前に置かれたのはトランプ。
「では説明しよう…帝国ゲーム、『E10』を。本来ならば、Eカードの様に特別にゲームカードを仕立ててあることが望ましいが…今回はトランプで補おう。
巨大な権力に相応しいものとして、皇帝カードの代わりはキング(K)のカードを使う事にする。
ごくごく普通な市民を示すカードは2~9の数字のカード。
そして、搾取され続け、こき使われる見世物…皇帝や市民にとってはまさに道化師…滑稽なピエロ…奴隷カードの代わりにはジョーカー(Jk)を使う」
そう言いながら利根川はダイヤとスペードのA~9、ダイヤのK、Jkの計20枚のカードを並べる。
「皇帝側、奴隷側ともにA~9を共通で持ち、皇帝側はK、奴隷側はJkをそれぞれ持つ。
つまり、それぞれの開始時所有カードは

皇帝側 A~9+K  の10枚
奴隷側 A~9+Jk  の10枚

まだ触れていないAは特別なカードなのだが…どのような意味を持つかは後で説明する。
ゲームの基本的な流れとしては、上記のカードの内2枚を組み合わせ、5つのペアを作る。
そのペアを2枚のカードの合計値が大きい順に縦に並べて配置する。このとき、もし合計値が同じペアが存在する場合、特に制約はない…その順番は好きにして構わない。
そして、このペアを交互に4回出し合う。一度出したペアは再利用できない。また、使われずに最後まで残ったペアは勝負なし。無論、その得点計算はしない。
つまり、各ペア提出4回の1セットでゲームが進行する。そして、今回は皇帝、奴隷の回数を平等にするために全4セットとする。

ペアを構成する2枚を選択する条件にも得に制限はない。ただし…Aは11、Kは10、Jkも10と換算する。いわゆるトランプゲームのブラックジャック的解釈だ。
とはいえ、ブラックジャックのようにAを1と読み換えたりはしない。
何故なら、この『E10』ではAは特別なカードだからだ…」

「もったいぶるなよ…Aはどう特別だっていうんだ…」
「慌てるな、カイジ…それを説明するためには、肝心の勝敗について説明する必要がある。なぁに…難しくはない。基本はEカードを踏襲している。
数字カード同士の組み合わせは市民、Kとの組み合わせは皇帝、Jkとの組み合わせは奴隷を示すので、皇帝は市民に勝ち、市民は奴隷に勝ち、奴隷は皇帝を刺す。

例えば、2+K(12:皇帝) と 4+9(13) は数字の大小でこそ市民の方が大きいが、皇帝と市民であるので、皇帝側の勝ち。4枚のカードの合計(25)が皇帝側の得点となる。
同様に 3+9(12) と 3+Jk(13:奴隷) は市民と奴隷であるので、皇帝側の勝ち。合計(25)が皇帝側の得点となる。
そして 3+K(13:皇帝) と 2+Jk(12:奴隷) は皇帝と奴隷であるので、奴隷側の勝ち。この場合も合計(25)が奴隷側の得点となる。

お互いの提出カードが市民と市民だった場合、つまり、三竦みで勝敗がつかないようなときは数値の大きい方が勝ちとなる。
つまり、5+6(11) と 9+8(17) のような場合、より大きい数値を出した側が勝利し、合計(28)が得点となる。
5+6(11) と 7+4(11) など、三竦み、数値の大小の双方で引き分けとなった場合、このカードの得点はこの時点ではどちらの物にもならず決着がつくまで保留される。

もし、次の試合が 3+K(13:皇帝) と 2+Jk(12:奴隷) で、奴隷側の勝ちならば、この場合、全8枚の合計(47)が奴隷側の得点となる

さて…カイジ。いよいよ本題…説明を後回しにしていたAだが、これが実に特別な意味を持ち、妙味を出す。
そうだな…数字が『市民』、キングが『皇帝』、ジョーカーが『奴隷』ならば…差し詰め、Aは『装備』。
三竦みには当てはまらないが、彼ら3者にとって大事な力となる…道具…
トランプでは1番、エースを示すとしてAの記号が用いられるが、この『E10』では、まずAvoid(回避)の頭文字のAを意味する。
例えば 3+9(12) と 2+Jk(12:奴隷) は市民と奴隷であるので、皇帝側の勝ちとなるが…
もし3+9(12) と A+Jk(21:奴隷A) のように、Aとともに奴隷を示したならば、この奴隷提出は市民を『回避(Avoid)』できる」

「回避…?」

「ああ、無論、攻撃を回避されたのだから市民は手痛い返り討ちにあう。不意を突かれた市民は奴隷の剣に屈する…これは奴隷側の勝ちとなる。

また 3+K(13:皇帝) と 2+Jk(12:奴隷) は皇帝と奴隷であるので、奴隷側の勝ちとなるが、ここに 3+K(13:皇帝) と A+Jk(21:奴隷A) となった場合、
もともと奴隷は皇帝を刺すのであるから、この場合のAはAscendancy(優勢・支配権)となり、20点ボーナスがつく。

つまり、これらの法則は三竦みの関係を覆すように、あるいは利益を拡張するように機能する。
ただし、A+K(21:皇帝A) と A+Jk(21:奴隷A) となった場合、これが特殊。
本来なら A+KでAが付いているので奴隷の攻撃を回避し、奴隷に勝利できる皇帝であるが…それを奴隷はAを持って上回る。つまり、Aの効果を相殺し、奴隷側の勝ちとなる。
A+Kは言わば市民を支配し、奴隷の暗殺をも回避する状態にあった圧倒的…そんなほぼ必勝の状態の皇帝を刺した功績をたたえ、50点ものボーナスがつく。
同様に市民Aと奴隷A、皇帝Aと市民AもA相殺のロジックでボーナスがつく。

ちなみに 市民と市民の時に片方がAを伴った場合は単純に数値で判定し、ボーナスは付かない。市民A同士によるA相殺もボーナスなし。高得点を狙えるAは無駄に費える…

以上が帝国ゲーム、『E10』のルールだ…整理しよう…」

利根川は淀みなくスラスラとルールをメモ用紙に清書していく。

帝国ゲーム『E10』ルール
  • 皇帝側 A~9+K  の10枚
  • 奴隷側 A~9+Jk  の10枚
  • 皇帝(K)、奴隷(Jk)、市民(2~9 ただしKと組み合わす提出は皇帝を意味し、Jkと組み合わす提出は奴隷を意味する)
  • A=11、K=10、Jk=10と換算。
  • 2枚ずつ5ペアを作り、合計値が大きい順に配置。
  • 交互に1ペアずつ提出。Eカードと同じ三竦みで勝敗が決定。
  • 通常、皇帝は市民に勝ち、市民は奴隷に勝ち、奴隷は皇帝に勝つ。
  • 三竦みで勝敗がつかないときは数値の大きい方が勝ち。
  • Aはそれだけでは三竦みに当てはまらないが、Avoid(回避)、Ascendancy(優勢・支配権)を与える。
  • 通常負ける側のみがA入りペアの場合、Avoid(回避)が発生し、負ける側の逆転勝利となる。
  • 通常勝つ側のみがA入りペアの場合、Ascendancy(優勢・支配権)が発生し、+ボーナス20点。
  • 双方がA入りペアの場合、AvoidとAscendancyは無効。通常通りの勝利判定となり勝者に+ボーナス50点。
  • 但し、市民同士の勝負の場合のAは上記に当たらない。ただの数値として判定され、ボーナスも発生しない。

「何か質問はあるか、カイジ…?」
「…交互に1ペアずつ提出…というのはEカードと同じ出し方という意味か?」
「ああ、まず皇帝側が裏側に伏せた1ペアを提出。次いで奴隷側が1ペアを後から出す。その勝敗を確認後、今度は奴隷側が1ペアを先出しする…この流れだ」
「じゃあ…もう1つ…もし、1セット中全4回の勝負を全てを引き分けたら…その分の点はどうなる…?
使われずに最後まで残ったペアは勝負なしなんだろう…?」
「そんなことは確率的にまず起こりえないだろうが…次のセットに移行する際にその分の点をキャリーオーバーすればよかろう。あくまでも、引き分けで溜まった点は勝者が総取り…」
「…最終の第4セットでこの全引き分けが起きたらどうする…?」
「最終セット終了後には勝利するタイミングが残されていないのだから、その場合は保留無し…点は消滅。ノーカウントだ。他に質問はあるか?」
「OK…ルールは把握した…だったら、こちらからの提案は2つ…まず1つはガンカード防止のため…1ゲームごとにトランプは別のものに交換してもらう…2つ目は…時計だ…」
カイジは利根川の腕時計を指差す。
「また、こっちの反応を変な機械で探られたらたまったもんじゃねぇ…怪しいものは全部外してもらおうか…? 無論、身体検査もさせてもらう…」
「…いいだろう」

入念なボディチェックの後、利根川の腕から時計が外される。そして…
いよいよ始まる宿命の闘い…カイジVS利根川
運命の賭博…帝国ゲーム『E10』!

第1セット 帝国側 カイジ 奴隷側 利根川

カイジは手の中のトランプを見つめる。
(とりあえず…ここが肝心……このゲーム…どの順に提出するかより、最初にどうペアを作るかで勝敗はほとんど決まってしまう。バランス重視の平均値優先で組むか…高得点ペアを乱立させるか…?)
そして、カイジは冷静に10枚のカードを配置していく。

カイジの配置
ペア1 AK (21) 皇帝A
ペア2 98 (17)
ペア3 76 (13)
ペア4 54 (9)
ペア5 32 (5)

(ちまちまと、しょぼい平均値の13を作るより…大きい数字で確実に勝ちに行く…)

先行 カイジ提出 ペア3

(どう出る…利根川…?)
利根川は5つ並んだ列の真ん中、カイジと同じ真ん中のペアを提出する。
「まずは様子見…そうだろ、カイジ?」

後攻 利根川提出 ペア3
76 VS 76 引き分け

「市民13同士で引き分け…26点が次に持ち越しだ。そして私の番…」

先行 利根川提出 ペア4

(何だ…なんでわざわざ弱いペアを…?)
カイジは鋭い眼差しで利根川の提出したカードを見つめる。
(もし、奴がこちらと同じ組み方をしていれば…あれは市民54の合計9。平均値13に拘る組み方なら…A2や、Jk3もあり得るが…いずれにせよ…)

後攻 カイジ提出 ペア2

「そうだ…それでいいぞ…カイジ」
利根川は自身の提出したカードをオープンする。

54 VS 98 カイジ勝利

「な…」
カイジはただただ驚く。しっかりと予想はしていた。だが、心のどこかで感じていた。利根川がただで済ますはずがない。何か自分の思いも寄らない策を講じていたのではないかと…
「驚かなくともいい…カイジ。これは私からお前への祝儀だ。この勝負を受け、私に復讐する機会を与えてくれたことへのな…」
そう言うと利根川はニタァーと笑ってカイジを見つめる。
(利根川の奴…確信してやがる。自分がこのゲームに…負けるはずがない…そんな感じか…)
絶対的な余裕。それが為にわざと負けた? しかし、そうとしかいいようがない。あの利根川のカード提出は。
「利根川…その余裕、砕いてやる…勝負だ!」
カイジは並べたペアの頂点、最強ペアを提出する。

先行 カイジ提出 ペア1

(…馬鹿め!)
利根川は見定める。カイジのペアを。
(奴は既に6、7、8、9の4枚を提出した…故に、あのペアはガラス張りも同然…)
「…温い!」

後攻 利根川提出 ペア1
AK VS AJk 利根川勝利 ボーナス50点

「どうした、カイジ? この程度か…?」
「くっ…」

勿論、カイジとて自分のペアが読まれることは理解していた。だが、利根川の組んだペアの中に奴隷Aさえなければ確実に勝てる勝負だった。
皇帝Aや奴隷Aは、勝てればいいが、負ければ今の自分同様に多大な点数を敵に与える諸刃の剣。だったら市民Aで普通の市民を狙い打つのも安全を考えれば一つの策…
少なくとも、カイジは利根川が序盤からそんな一か八かの大勝負に出るとは思っていなかった。
(確かに…温かった。甘く見ていたんだ…心のどこかで利根川を…)
利根川との勝負の後…チンチロ、沼、十七歩…カイジは数々の激戦を繰り広げてきた。
それ故…その経験、成長が与えた余裕…今の自分なら、利根川にも楽に勝てるのでは…?
そんな甘い囁き……!

先行 利根川提出 ペア5

後攻 カイジ提出 ペア4

32 VS 54 カイジ勝利

第1セット終了 カイジ 66点 利根川 92点

(最後のペアは何とか勝てた…がっ…!!)
カイジは思い出す…己の命を賭けた…利根川との運命の一戦を……
(思い出せ…あのときの俺の気持ち…熱…感覚の全てを…こんな温い気持ちで…利根川に勝てるかっ…! 何を考えてるんだ俺は…)

ゲーム終了後、場に並べられているカードは、カイジ、利根川両者共に触れることなく、全て黒服が回収し、代わりに新たなトランプの封が開けられる。
「ギャンブルルームの備品は全て我々主催側が管理している。古いカードを破棄するのも、新品の封を開けるのも我々の仕事…お二人とも、これでよろしいでしょうか?」
カイジ、利根川共に頷いたのを肯定の印と見なし、黒服は持ち場へと戻っていく。
そして、新品のトランプから互いにゲームに必要な10枚のカードを選び取る…

第2セット 帝国側 利根川 奴隷側 カイジ

「さて、意気消沈するのはまだ早い…このままずるずる負けるなんてのは勘弁してくれよ…カイジ」
先行 利根川提出 ペア4

このとき、カイジの配置…
ペア1 AJk (21) 奴隷A
ペア2 85 (13)
ペア3 76 (13)
ペア4 94 (13)
ペア5 32 (5)

(…相手の最強ペアにぶつけても傷の浅い市民32…奴隷最強のペア、奴隷A…この2つ以外は平均値13をキープする…この配置なら…行ける!)

「当たり前だ…俺は…負けない!」

後攻 カイジ提出 ペア3

54 VS 76 カイジ勝利

「よし!」
ガッツポーズをするカイジを見て利根川は軽く微笑む。
(無駄だ…貴様はこのゲームでは絶対に勝てない…何故ならば……)
そう…そのとき、利根川は確信していた。自分の揺るぎ無い勝利を。彼は手にしていたのだ…このゲームの必勝法を…!

そんなことは露知らず…カイジも勝利への勢いを感じていた。
(…行ける。心機一転…温さを捨ててから、流れはこっちに来てる。このまま勝負の熱さで…突っ走る!)

先行 カイジ提出 ペア4

そんなカイジの様子を見てほくそ笑む利根川…
(せいぜい今のうちに小銭を稼げ…カイジ…)

後攻 利根川提出 ペア3
94 VS 76 引き分け

「引き分けか…ならば再び祝儀をやろう…」

先行 利根川提出 ペア5

(…また、わざわざ弱いペアを…?)
カイジは再度、利根川の提出したカードを見つめる。
(…分からねぇ。奴の本当の目的が…何で自ら負けたがる…まるで、この後、確実に負けを取り返せると分かっているみたいな…)

そして、カイジ。はっとあることに重い至る。
(またイカサマかっ…!)
カイジは利根川に悟られぬよう、静かに身の回りを確認する。
(生体反応を確認する手段は潰した…はず…てことは、もしかして監視されてるのか? ここは主催が用意したギャンブル用の施設…盗聴器や隠しカメラの類は当然、腐るほどあるはず…)
辺りをざっと見渡すカイジに利根川は語りかける。
「心配するな。別にカメラでお前のカードを覗くような真似はしていない…」
「信用できるか! 所詮お前は帝愛…主催者の駒…何をしてるか分かったもんじゃねぇ…」
カイジの言葉に利根川の表情は暗くなる。
「主催者の…帝愛の駒か…確かに、そうだったのかもしれんな…以前の私は…だが、カイジ! 貴様に敗れ、帝愛を追われた私に最早そのような後ろ盾など…ない!」
強い視線が蘇った利根川は改めてカイジを睨みつける。
「私は蘇ってみせる…必ずな。その為には自らの力で勝たねばならん! 組織の力ではなく…自らの力で! そうでなければ…誰も私の力を認めてはくれない…」
「利根川…」
「カイジ、だから約束しよう…『取り決め』だ…私は決して主催の協力の下、イカサマを働くような行為はしていないし、これからもしないと。これは私自身の力で挑む…お前との真剣勝負だとな…」
「言ったな…利根川…?」
カイジは自身が並べたカードに視線を戻す。
(…真剣勝負か…胡散臭いことこの上ないが…ここはギャンブルルームだ。奴の『取り決め』が嘘だったら……首輪はとっくに爆発している…よし…!)
そして、カイジもペアを提出…!

後攻 カイジ提出 ペア5

「利根川…真剣勝負なら…祝儀はいらない…」
カイジは自身の提出したカードをオープンする。

32 VS 32 再度、引き分け

「…本気で来い!」
気合いの篭った闘気溢れるカイジの視線が利根川の全身を貫いた。
(カイジ…いくら貴様が足掻こうとも…勝てはしない…絶対にな…)
このとき、両者残されたペアは同じくペア1と2。

勿論、このときのカイジの配置は
ペア1 AJk (21) 奴隷A
ペア2 85 (13)

しかし、利根川の配置…!?
ペア1 AK (21) 皇帝A
ペア2 A8 (19) 市民A

(勝てるものか…この最強ペアでの迎撃戦術にな…!)
そう…利根川の必勝法とは…カードのすり替え…! 無論、ゲームの途中ならばカイジも注意してみているだろうが…
今回はゲーム開始前…黒服がトランプを配った時点で、既に自身の初期手札の9と予め忍ばせておいたAを入れ替えたのだ。結果、利根川は2枚のAを使い、2つの最強ペアを作ることが出来る…
そして、ゲーム終盤。相手のカードが残り少なくなり、完全に読める状態になったところを迎撃する…

先行 カイジ提出 ペア1

(…奴の残りカードはA、Jk、8、5の4枚。残りペアは1、2…この状況下で作れる最強ペアはAJk、A8、Jk8の3種類。いずれにしても…)

後攻 利根川提出 ペア2

(A8…良くて引き分け。決して私の市民Aに勝てるペアではない…!)
そして、両者ペアを開示…!

AJk VS A8 利根川勝利 ボーナス50点

「見たか、カイジ…私の実力を…!」
そう…正に圧倒的…
第2セット終了 カイジ 48点 利根川 102点
この時点で両者の点差は既に80点…!

ゲーム終了後、場に並べられているカードは、カイジ、利根川両者共に触れることなく、再び全て黒服が回収していく。
(カイジ…貴様は帝愛のゲームを知りすぎた…知りすぎた故にイカサマを恐れ、対抗策を強固にしすぎたのだ。ガンカードを防ぐ為のこの措置…これによって場に残された私のカードは村上以外、誰も触れることなく消えていく…私のイカサマの証拠は存在しない…!)
細かいところまで行き届いた清掃に、それを裏打ちする品のいい内装…
村上がギャンブルルームや、その備品を丁寧に管理していることに、利根川は初めてこのギャンブルルームに入ったときから気づいていた。
また、今でこそ開き直ってはいるが、当初は見せていた盗聴内容を語ることや、備品持ち出しなどのグレーゾーンに戸惑う姿勢…
それらを総合的に考えれば、ガンカード対策のカード交換が決まれば、古いカードを破棄する作業も、新品の封を開ける作業も、彼が自ら進んでやることは明白だった。
(これは村上への指示ではない…全て私の判断、計画。そしてすり替えの技術…よってこのイカサマは誰の協力でもない…自身の力によるもの…!)
先程のカイジへの宣言…あれも強力だった。ギャンブルルームでの『取り決め』を破れば死…利根川は自らの命を賭けて宣言したのだ。
“決して主催の協力の下、イカサマを働くような行為はしていない”、“私自身の力で挑む”と…

第3セット 帝国側 カイジ 奴隷側 利根川

(カイジ…貴様の息の根を…止める…ここで潰す!)
利根川はさりげなく懐からスペードのAを取り出し、配布されたスペードの9と入れ替える。このとき、利根川の袖口には数枚のトランプが仕込まれていた…
スーツの袖をさりげなく切り裂き、その内部の空間にトランプを仕込む…カード1枚分の厚みの増加など、予めそこにカードがあると分かった上で調べなければ、気づくのはまず不可能っ…!
そう、第2回放送前後に和也達とこのギャンブルルームに潜伏していた間に、利根川はトランプを拝借しておいたのだ…
準備は早めにしておくにこしたことはない……ギャンブルルームの備品の持ち出しにペナルティは無いのだから……

利根川の配置
ペア1 AJk (21) 奴隷A
ペア2 A8 (19) 市民A
ペア3 76 (13)
ペア4 54 (9)
ペア5 32 (5)

(さあ…カイジ…来い…! 破滅への道を歩んで…地獄へと…進むんだ…!!)

先行 カイジ提出 ペア3

後攻 利根川提出 ペア3
76 VS 76 引き分け

「どうした、カイジ…? 黙っていては勝てる試合も逃すぞ…?」

先行 利根川提出 ペア4

「そいつはどうかな…勝負は何が起こるか分からない…なぁ、利根川?」

後攻 カイジ提出 ペア5

(最弱ペアだと…何を考えている…?)
カイジの真意を測れぬ利根川…とりあえずカードをオープン…

54 VS K3 カイジ勝利

「な…に…」
「だから言ったろ? 勝負は何が起こるか分からない…ってな」

先行 カイジ提出 ペア1

(…血迷ったか?)
利根川の気づいたカイジの戦略…平均値を隠れ蓑にした奇襲…!
(奴は…全てのペアを平均値13で構成している…つまり…どこに皇帝やAがいるか分からない…!)
事実、カイジは最弱のはずのペア5に皇帝を忍ばせていた。この状況では読みも迎撃もあったものじゃない…
(ただのカン…運…そんなものに勝負を委ねるというのか…カイジ…?)
悩む利根川…そして…

後攻 利根川提出 ペア5
94 VS 32 カイジ勝利 

「…折れたな、利根川?」
「何…」
利根川は目にする…邪な笑みを浮かべるカイジの姿を…
「どうやってかは分からないが…お前はいつも俺に絶妙のタイミングで勝負を仕掛けてきた。そして勝ってきた…それがどんな根拠なのか知りたかったが、これではっきりとした。お前は弱い…あまりに弱い…!」
「私が弱い…だと…?」
「ああ、お前は俺の奇襲に混乱し、自身を無くした。だから逃げた…負けの傷を浅くする最弱のペア5に…! つまり、お前の勝ちに対する根拠はその程度のものだってことだ…」
カイジの言葉に利根川はわなわなと体を震わせる。
(笑わせるな…だからどうした? 貴様に勝ちの目など無い…傷を浅くする為に負けるのも戦略の一つ…ここで…勝てばいい…!)
利根川はカイジの残りカードを推理する。
(奴は平均値13で組んでいる。よって、残りペアはA2か85の二者択一…つまり…こちらのAJkは出せない。ここはA8で確実な勝利を手にする…!)

先行 利根川提出 ペア2

後攻 カイジ提出 ペア4

A8 VS A2 利根川勝利
(そうだ…そうに決まっている…!)

第1セット終了 カイジ 66点 利根川 32点

(負けはしたが…未だ46点差。奴に勝ち目は…)
「ちょっと待った!!」

カイジの叫びがギャンブルルームに響き、利根川の思考と村上の作業が止まる。
「片付ける前に確認したいことがある…利根川…」
カイジは残された利根川のペア1を指差す。
「それを見せろ…さっきのセットで使ってないカード…それはJk9のはずだよな?」
「…勿論だ」
「だったら、それを確認させてくれ。本当に…Jk9なのかどうか…?」
利根川の背中に嫌な汗が流れる。しかし、顔色一つ変えずにカイジに切り返す。
「当たり前だろう…? 何をいまさら…」
「根拠はある…ずっと不自然だったお前の祝儀とやらだ。あれに限らずお前は序盤、明らかに負けるというタイミングの先出しで弱いペアを出し、終盤の後出しまでペア1と2を温存していた…
待ってたんだろう…? 確実にこっちの最強ペアを狙い撃てるタイミングを…?
そして、さっきも言ったお前の勝ちに対する根拠…上手く引っかかってくれたもんだ…」
「何…?」
怪訝そうな顔をする利根川にカイジは言う。
「第3セットはお前のイカサマを暴くための試合…13縛りはそのためだ…」
「なんだと…?」
「俺の挑発に引っかかったお前は市民Aで勝ちを獲りに来た…それがおかしいんだよ、利根川…!
普通にゲームしてれば…奴隷側が市民Aを作ることは十分に有り得る。俺も最初は市民Aで普通の市民を狙い打つのも、安全を考えれば一つの策…そんな風に思ってた。
だけど、冷静に考えれば…無い…絶対に無い。
だってそうだろ…わざわざ奴隷側の勝つ機会を減らすだけだからな…奴隷側の市民Aの存在は…その辺の理屈はこのゲームを考えたお前の方がよく分かってるはずだろ…?」

ここで簡単に解説……先述の通り、このゲームは基本的にEカードを踏襲している。
Aや数字の大小で誤魔化されてはいるが、実は奴隷側が不利なことは変わっていない…
皇帝側の考えられる手…皇帝A、市民A、皇帝、市民
奴隷側の考えられる手…奴隷A、市民A、奴隷、市民
単純に三竦みだけで考えれば、奴隷側の方が必勝パターンが少ない…しかも、奴隷Aならば皇帝A、皇帝、市民の3種に必勝なのに対して、市民Aでは皇帝、市民の2種…圧倒的に不利……
奴隷側の市民Aは相手のAに勝てない可能性が高い上に、ボーナスで損をする…ありえない選択肢…!

追求を受け、利根川は黙る…それが何よりの正解だとカイジは確信する。
「なのに、お前はその勝ち目の薄い市民Aで俺に勝った…何故か? お前は持ってたんだよ…」
カイジは村上に利根川の目の前のカードを指し示す。
「あんたが捲ってくれ…あんたは利根川のイカサマに加担しないのが『取り決め』だからな…」
その言葉を受け、村上はただただ利根川の前に伏せられたカードを捲る…
「利根川…お前は持っていた…もう1枚のA…もう1つの最強ペアをな…」
晒された奴隷A…それが何よりの証拠だった……

「自分自身の力で勝つ…か…確かにすり替え自体には誰の手も借りてない…本当に帝愛の奴らは口が上手いな…」
呆れた様子のカイジに、これまで黙っていた利根川は語りかける。
「…それで、カイジ。お前どうするつもりだ? まさか私がイカサマをしてたセットは無効…とでも言うつもりか?」
「……」
今度は逆にカイジが黙り始める。
「言えるわけが無い…私のイカサマがハッキリとしたセットはお前が勝ったセットだからな…」
カイジは確信していた。第1、2セット共に利根川が同様の手を使っていたことはカードの出し方からしても間違いない。
(例えば、第1セット…最後のカード提出のとき。利根川はまだペア2が残っていたのにペア5を提出して俺のペア4に負けた…あそこはペア2を出して…点を確実に伸ばすところ…
この3セットのうち、利根川がペア1、2を両方使い切ったセットが1つも無かったのが、イカサマの状況証拠だが…)
「確かに…第1、2セットに関しては…物証がない…全部綺麗に片付けられてるからな…そこのあんた…念のため聞くが…これまでのカードは…?」
カイジに問われ、村上はゆっくりと口を開く…
「全てのカードを…即座にシュレッダーにかけて焼却しました…使用済みカードをイカサマなどに再利用されない為の措置ですので……念入りに……しかし! これは私の独断です! …決して利根川様の指示では……」
そう…ここで生きてくる…利根川の期待した村上の性格が…!
「やっぱりな…分かってるから心配するな」
頭を下げる村上を軽く宥めるとカイジは利根川を睨みつける。
「お前の策は良く出来てるな…だから…勝負を無効にしろとか、ましてや俺の勝ちにしろなんて言いやしない…だが…」
カイジは場に置かれたスペードのAのカードを手にし、利根川に訴える。
「お前が第3セットでイカサマをしたのは事実…だから、最終セットは俺にも…初期手札の入れ替えを認めろ…そして、それで決着をつけよう…! 利根川…!」
「…いいだろう、カイジ。その条件で勝負だ…!」

最終セット 帝国側 利根川 奴隷側 カイジ

利根川の配置
ペア1 AK (21) 皇帝A
ペア2 A5 (16) 市民A
ペア3 76 (13)
ペア4 94 (13)
ペア5 32 (5)

(こちらがイカサマをやめる…という『取り決め』はしていないからな…ククク…)

先行 利根川提出 ペア4

後攻 カイジ提出 ペア3

94 VS 76 引き分け

(負けるわけにはいかない…絶対に……)
利根川には待っている…和也と共に歩む明るい未来が……!

先行 カイジ提出 ペア4

後攻 利根川提出 ペア3
94 VS 76 再度、引き分け

「引き分けか…」
(今回は奇襲ではない…当然だな。奴も2枚のAを仕込んでいるとなると…)

カイジの配置 (利根川の予想)
ペア1 AJk (21) 奴隷A
ペア2 A5 (16) 市民A
ペア3 76 (13)
ペア4 94 (13)
ペア5 32 (5)

(順当にこう…奇しくも私とほぼ一緒…ということは…)

先行 利根川提出 ペア5
(ここは最弱ペア…これに勝つ為にAを使ってしまっては私のAに勝てない…ここまでの点差を跳ね返せない……)

後攻 カイジ提出 ペア5

32 VS 32 三度、引き分け…

「…いよいよ正念場だな、カイジ」
積もりに積もった引き分けの分のキャリーオーバー…次の勝負に勝った者が…勝つ!
このとき、またもや両者残されたペアは同じくペア1と2……!

確認しよう…利根川の配置…
ペア1 AK (21) 皇帝A
ペア2 A5 (16) 市民A

カイジの配置 (利根川の予想)
ペア1 AJk (21) 奴隷A
ペア2 A5 (16) 市民A

(勝った……! 確実に勝った…!!)
利根川は後攻…カイジがどちらのペアを出したとしても…迎撃可能…!!

「ずいぶん余裕だな…利根川? 顔が綻んでるぜ?」
カイジの言葉に利根川ははっと我に帰る…
「そんなことはない…ただ…どうしても期待せざるを得ないのだ…お前への復讐がもうすぐ叶うかと思うとな……」
「そういうのは勝ってから言ったらどうだ…“奴隷の剣は…まだ折れていない”…からな…!」

先行 カイジ提出 ペア1

(…来た!!)

最強のペア1…そして、あの発言…“奴隷の剣はまだ折れていない”…!
(見える…見えるぞ…カイジ…!)
利根川には見えていた…醜き滑稽な奴隷がスペードのAという大剣を振り上げている光景が…
そして、それを迎え撃つのは市民…! 皇帝に組する有力市民達が、皇帝より授かったダイヤのAという強固な盾で攻撃を防ぎきる…完璧に……!
(お前の奴隷Aでは私の市民Aには勝てない…! つまり、私の勝ちだぁ!)
利根川はペア2に手をかけるが…そこで利根川の手が止まる…!!
(おかしい…奴がこんな簡単に…勝負を終えるか…? ありえない…そうだ…この試合運びそのものがおかしい…まるでこの後出しタイミングで私に勝たせようとしているような……)

そのとき、利根川に電流走る…!

利根川…ここで気づく…! カイジの仕掛けた罠…自らを破滅に導く悪魔の閃き…!!

(そうか…カイジめ…何てことを考える…!)

利根川が気づいたこと…それはカイジの言葉。
『お前が第3セットでイカサマをしたのは事実…だから、最終セットは俺にも…初期手札の入れ替えを認めろ…そして、それで決着をつけよう…! 利根川…!』

(私はこのカイジの『初期手札の入れ替えを認めろ』という発言に盲目的に同意してしまった…
そう…本来ならば、ここで『初期手札のうち、市民1枚をAと入れ替えることを認める』と返事しなければならなかったのだ……
つまり…奴には認められている…初期手札の構成を破るようなカードの入れ替えを………)
利根川の手は上に動く。そして、新たなペアを選ぶ…!

利根川が手に取ったペアはAK (21) 皇帝A

(となれば答えは一つ…奴は入れ替えた…奴隷と…皇帝を!)
そう…利根川の予期したカイジの驚愕の戦術。それは奴隷側での皇帝出し…!

利根川に見えた新たなビジョン…醜き滑稽なはずの奴隷が市民の支持を受け、新たな皇帝となる光景…
そして、かつての有力市民が持つダイヤのAという強固な盾を…粉砕する…スペードのAという大剣で……完璧に……!

皇帝は奴隷より生ずる……カイジ無法の奴隷側皇帝出し……!!

(…読めるはずがない…そんなルール外の無法な提出など……と、奴は考えたに違いない。確かにこの提出は強い! 私のイカサマを逆手に取る完璧なロジック…
流石はカイジ……だが、これで終わりだ。私の皇帝Aは奴の皇帝Aと引き分ける……最終セットの全引き分け…保留点は消滅…奴の逆転は有り得ない!)

利根川は意を決してペアを提出しようとするが…動かない…

頭では勝利のロジックを理解している…が、心がその手を動かそうとしない…

(私は恐れているのか…奴が…今回も蛇ではない可能性を…)

前回のEカードでの勝負…あのときもそうだった。カイジには策を仕掛ける隙があった。しかし、実際には仕掛けていなかった。

『蛇でいてくれて…ありがとう…』

カイジはこちらが“策を仕掛ける隙があった”ということに気づき、その策を破る動きを取る…ということを読んでいた。
(これを狙っているのか…カイジの奴…)
奇しくも、今回の勝負も最後の分かれ目はそこ…!
無策なのか…策を仕掛けたのか…策を仕掛ける隙があったということに気づいたのか…気づかされたのか…
利根川の脳内を駆け巡る答えのない問答…迷い込んだ脳内迷宮…!!

(だが…奴がここ一番で無策の筈がない…今度こそ…奴は仕掛けた…絶対に…!)

後攻 利根川提出 ペア1

迷走の果てに辿り着いた答え…勝利を確信した利根川はカイジを見る。

「…俺の考えは読めたか? 利根川…」
しかし、カイジの視線は強かった…負けを感じてなど微塵もしない…!
「…ああ、お前の策は全て読みきった」
「なるほど…利根川…お前の頭の中じゃいろんな考えが巡ってたみたいだな…だが…」
カイジは開く……最後のペアの1枚目を……!

1枚目…A

(ここまではいい…問題は次…奴隷か…皇帝かっ…!!)
注がれる視線…そして開かれる…運命の2枚目…!

2枚目…A

「な…?」

カイジのペア AA (22) 

「…な…何…?」
利根川には何が起こったのか分からない…
「起こるのは革命…奴隷の刃は1本じゃない…!!」
カイジは利根川に見せる…懐に隠しておいた…ジョーカーを……!
「俺は言ったはずだ…“最終セットは俺にも初期手札の入れ替えを認めろ”とな…だから、俺は入れ替えた…奴隷と…Aを。そして…A2枚でペアを作った…必勝のペアを!」
「Aのペア…だと…?」
利根川は驚愕の色を浮かべるが…すぐに笑みを取り戻す。
「馬鹿め…カイジ、やりすぎたな…それのどこが必勝のペアだ…?
当然ながら…そんな組み合わせ、通常は有り得ない…故に、そんなAのみで構成されたペアでの勝敗の判定などルールにはない…!
無法にも程がある…そんなペアは無効…勝負なし……よって、このセットは引き分け…」
「違うな…!!」
カイジは叫ぶと、先ほど利根川が書いたルールのメモをテーブル上に叩きつける。
「これはお前が書いたルールだ。…よく、こことここを読むんだな…」

  • 三竦みで勝敗がつかないときは数値の大きい方が勝ち。

  • Aはそれだけでは三竦みに当てはまらないが、Avoid(回避)、Ascendancy(優勢・支配権)を与える。

「あ……!」
「気づいたか…そう、確かにAのみで構成されたペアAAは『三竦みに当てはまらない』…だが、ちゃーんと書いてあるぜ? 『三竦みで勝敗がつかないときは数値の大きい方が勝ち』ってな?」

「ば…馬鹿な…」

ぐにゃぁーっと歪む視界の中…利根川はカイジの持った剣…Aをしっかりと見定めていた。
しかし…剣は1本ではなかった…!
襲い掛かるは利根川の理解を超える2本目の剣…別領域の刃……!
今回の奴隷は一度に二度刺す……カイジ必殺のAA(ダブルソード)………!!

AA VS AK カイジ勝利 ボーナス50点




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