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分別 ◆IWqsmdSyz2氏


「赤松にとって、黒沢って男は“英雄”だった・・・のかもな・・・」

沢田の声音は穏やかだった。
それからいくらか沈黙が続き、すっと物が動くような気配がする。
どうやら沢田が立ち上がったようで、そのまま足音が玄関に向かった。

「まだ時間がある・・・涯、おまえはもう少し休んでおけ」

涯と沢田の会話を黙って聞いていた零は、そこではじめて腕時計を確認する。
時刻は午前4時をいくらか過ぎたところであった。

カイジがこの小屋にやってきたのは、午前2時ごろ。
そこで簡単なやりとりをしてから零と涯が再び眠りについたのは午前2時半ごろだった。
第二回放送後からカイジがここを訪れるまでの間にも睡眠を取っているため
現在までに零と涯の二人は3時間と少し、体を休めたことになる。

長時間の思考に働き詰めだった脳と、緊張状態が解けないままだった体は
わずか3時間の睡眠でも驚くほどに回復していた。

一般にレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは90分と言われている。
カイジと出会うまでに約90分の睡眠、カイジと出会って以後に約90分の睡眠。
合計で凡そ180分。3時間の睡眠というのは、理想的だった。
特に寝入り端の90分から3時間はノンレム睡眠、つまり深い眠りの比率が高い。
ノンレム睡眠が、脳の疲れを癒してくれる。
4時間半、あるいは6時間と眠ることが出来れば疲労もそれだけ回復するだろうが、
長時間無防備でいられる余裕などないことは明白。
レム睡眠中は脳が働いている浅い眠りの時間帯であるため、
この時に目覚めることが出来れば、すっきりと活動を開始することができる。
サイクルに則った睡眠をとることは、効率のよい休養に繋がる。
休むことも許されないような状況の中、この3時間は最善の休息だったと言えるだろう。

当然、睡眠のサイクルには個人差がある。
しかしながら、零、涯共に大きな違いはなかったようで、
数分前――涯が夢から飛び起きて沢田と会話を交わし始める頃、零も寝醒めたのだった。

それ以後、二人の会話を盗み聞くような罪悪感を感じながらも、
その会話は成されるべき会話であり、妨げてはならないという判断で
零は狸寝入りを決め込んでいた。

「放送まで2時間近くある。もう一眠り出来るだろう」

「沢田さん・・・あんたが眠っていない・・・!」

沢田の思いやりに、涯は毅然とした声で答える。

当初は第三回の放送まで零と涯が眠り、沢田が見張りをする予定であった。
第三回放送の後に見張り役を交代し、沢田が休息を取る。
昼近くなってから行動を開始するプランで考えていたのだ。

それが、カイジの訪れとともに変わった。
零と涯は午前3時まで体を休める。
3時から第三回放送までは沢田とカイジが眠る。
そう、午前3時に見張り役を交代するという話で落ち着いたはずだった。
とはいえ、やはり「交代」は、年少者を休ませるための方便だったのだろう。
涯が赤松の夢から醒めるまでの間、沢田は決して二人を揺り起こすようなことはなかった。

現在、零の横ではカイジが眠っている。
つまり、零、涯、カイジら三人の仮眠のために、沢田一人が見張り役を買ってでた形になる。

「なぁ涯・・・あまり甘く見てもらっちゃ困るぜ・・・
俺は一日二日眠らずとも十分に動けるように出来てんだ」

「でもっ・・・・!」

涯も引く気はないらしい。
それを悟ったか、沢田は新たな提案を持ち出した。

「・・・二人で見張るってのはどうだ?
お前一人に見張りをさせるなんてのは、大人のすることじゃねぇ・・・・
頭を使うってのは存外疲れるもんだから零は休ませておきてぇし、
カイジも足を負傷してる中、随分長いこと歩いてきたらしい・・・
そんな中 俺は微塵も眠くねぇときたら、涯と俺、二人で見張りをするのが一番だろ?」

名前を呼ばれ、零は相当に戸惑った。
沢田を休ませるために一番良い方法は、ここで零が起き上がり
涯と二人で見張りをすると申し出ることだろう。
いくら子供扱いされたとしても、二人なら大丈夫だと押しきれば拒否はできないはずだ。

しかし、その行動は一方で沢田の思いやりや意志を踏みにじることになるのではないか。
それぞれに為すべきことがある。
沢田が見つけた使命は、零を含めた“息子たち”を守ることなのではないか。

同時に零は、自身が為すべきことを考える。
少なくとも沢田は、零や涯が見張りに立つことを望んではいない。

――否、他人の心境を慮るのは大切ではあるが、
第一に考えるべきは生存率をあげること、このゲームに抵抗し対抗することだ。
行動を共にする仲間が不眠不休でいるようでは、心配事以外の何物でもない。
沢田は第三回放送後に睡眠を取る、と話がまとまったのは数時間前のこと。
カイジと出会い状況が変わった今、放送後に体を休める暇があるかはわからない。

眠気は恐ろしい。
思考力や集中力は著しく低下し、体だけではなく心理状態にまで影響する。
睡眠不足状態は酩酊状態と変わらないという実験結果があるくらいだ。

「・・・わかりました。
第三回放送まで、二人で見張りをしましょう・・・
放送前に零とカイジ・・・カイジさんを起こして・・・
放送後に沢田さんが仮眠をとればいい・・・!」

涯が口を開いたのは、
零が心を決めて起き上がろうとしたほんの僅か前の瞬間だった。

「助かるぜ、一人で見張りをするってのは思ったより骨が折れるもんでな・・・
俺が小屋の南側、お前が北側を見張る。それでいいな・・・?」

沢田の言葉が終わる頃には、玄関から清新な空気が吹き込んできた。
即ちそれが、二人が小屋を後にする合図であった。

引き戸がぴしゃりと音を立てて閉まったのを聞き届けてから、
零は頭を抱えながら起き上がる。

(考えた末に結局何も出来ず・・・・・ただ寝たフリ・・・・!これに終始・・・・!
最悪だろ・・・・!何やってんだオレは・・・・・!)

すぐにでも、寝ているふりなどやめればよかった。
涯と沢田が交わしていた、赤松や黒沢についての会話。
それは、たしかに遮るべきではないものだった。
しかし、その後に続く見張り談義はどうだろうか。
沢田を諌めれば、彼も体を休めることが出来たはずだ。
仲間であるのならば尚更、「眠らずにいても平気」、それを信じてはならない。

今すぐにでも、二人の後を追って外に出るべきだ。
零は、標のメモやカイジから借りた名簿、パンフレットをかき集めると
デイパックから食事――食パンを取り出して立ち上がった。

(睡眠と同様・・・食事は大切だっ・・・・!
ブドウ糖の摂取・・・それと同時に・・・・噛むことで脳に刺激を与えることができる・・・)

こんな状況で規則正しい生活など出来るはずもないが、
こういった状況だからこそ、食事と睡眠を最低限とらなければならない。
思考能力や集中力の低下を避け、精神状態の安定にも繋がる。
生きるため、生き延びることを考えるのならば、必須ともいえる行動である。

三人分の食料と、思いの外分厚いパンフレット群ですっかり両手はふさがってしまう。
仕度が済んで間もなく、零の脳裏にひとつ、心配事が浮かび上がった。

部屋をカイジ一人にして大丈夫だろうか。
怪我の具合が深刻であるのならば症状はもちろん気になるところだ。
しかし、零が不安に感じたのは、別の観点だった。

カイジと交わした言葉は多くない。
それでも、カイジは信用に足る人物だとわかっている。
山口の件も含めて、ゲーム開始から現在までのすべてを総括し、
零はカイジを信用性のある人物だと判断していた。

だが――零の見当が外れている危険がないわけではないのだ。

零は再び腰を下ろし、一度手荷物を床に置いた。
デイパックの山の中を、一つずつ確認していく。

沢田はダガーナイフを武器として携帯している。
高圧電流の流れる警棒も、見張りの間は腰に差して行動しているようだ。
涯はどうやら、鉄バットを武器として持ち出したようで、
部屋を見回してもバットの影は存在しなかった。

涯の持っていたデイパックから、手榴弾を8つと首輪。
零のデイパックから針金を5本。

武器になりそうなものをすべて取り出すと、使えるかどうか改めて調べる。
それが済むと、零は自身のデイパックの中に武器すべてを詰め込んだ。

(万が一・・・・カイジさんが悪い気を起こすようなことがあったとして・・・・・
基本的には信じているが・・・・もしもそういうことが起きたとして・・・・)

ふと山口の顔が思い浮かぶが、零はそれをかき消すように頭を振った。

(裏切るとか・・・そういうことではなく・・・!
ただ・・・・カイジさんから見て・・・オレたちが信用できると映っているかどうか・・・
そればかりは・・・オレたちからはわからないんだ・・・・・!)

考えたくはないことだ。
だが、カイジが零たちの荷物を検めるようなことがあるかもしれない。
カイジが零たちの所持品を密かに盗むようなことがあるかもしれない。
そうなったとき、カイジを責めることは出来ない。
事前に対策を打てるのならば、心苦しさを無視してでも打つべきなのだ。

ずっしりと重さを増したデイパックを、零は静かに背負った。
パンフレットやパンを拾いあげて抱えると、再び玄関を目指す。

零が一歩を踏み出すと床板がみしりと鳴る。
眠っているカイジを起こしてはなるまいと、次の一歩は慎重になる。
それは、ただ純粋に
疲れているはずのカイジをゆっくりと休ませてやりたいという思慮から来る行為だ。

他人に疑念を抱くことは、何も悪いことではない。
悪気を感じることではない。勘違いであるのならばそれでいい。
しかし、どうしても罪悪感は拭えなかった。

「カイジさん・・・すまない・・・・・!」

「・・・・あ」

寝言だろうか、たしかにカイジが声を漏らしたように思われて、零は思わず振り返る。

「・・・カイジさん・・・?」

先程まで寝息を立てていたことは確認済みである。
まさか、零の声で目を覚ましてしまったのだろうか。
それともやはり、ただの寝言なのか。
零は確かめるべく、再びカイジに声をかける。

「あの・・・・起こしましたか・・・・?」

零が一言終えるより先に、カイジは突然に上半身を起こす。
あまりの勢いに零は驚きながらも、謝罪の言葉を紡いだ。

「ご・・・ごめんなさい・・・・!騒がしかったですよね・・・」

カイジの返答は、零の予想から外れたものであった。

「どこだっ・・・・!ここはいったいっ・・・!」

ただならぬ様子に、零はカイジへと駆け寄る。
カイジはまるで記憶喪失であるかのように、辺りをキョロキョロと見回しながら
落ち着きなく不安げだった。

「どうしたんですか・・・・!」

荷物を床に下ろすと、零はカイジの顔を覗き込むようにして声をかける。
カイジは零の顔を見ると、ようやく事態を把握しはじめたようで、
目線をあちこちに泳がせながら小さくつぶやいた。

「おまえは・・・零・・・・!
ここは・・・・さっきの小屋で・・・・」

“さっきの小屋”という表現には違和感しか存在しない。
カイジは沢田と二人、この民家付近で見張りをしていたはずなのだ。
カイジが零たちの横で眠っていたのは、
途中で見張りを沢田に任せて休息を取っていたからだと、そう思い込んでいた。
しかしながら、今のカイジはまるでこのゲームが始まる前、
あのホテルで目を覚ましたときのような反応をみせている。

「カイジさん・・・一体何が・・・?」

「なぁ零・・・眠ってたか・・・?オレは・・・」

「いつからかはわかりませんけど気付いたときには・・・」

零の返答に、カイジの表情は険しくなった。

「何時だ・・・?今・・・」

零が腕時計の文字盤を見せると、カイジは声も出ないといった様子で強く目を瞑った。

自分が眠っていたかどうかの記憶さえないという。
ここまでくると、零も薄々勘づく。
カイジは、眠りたくて眠ったわけではないのだろう。
現在、さながら時間を切り取られたような感覚に陥っているはずだ。
そう、カイジが今まで寝息を立てていた原因は睡眠ではなく、気絶だ。

疲労や空腹、貧血が原因で気絶したとしてもおかしくはない状況。
さしづめ、見張り中に気絶してしまったカイジを沢田が屋内に運び込んだというところだろうか。

(・・・ん?・・待てよ・・・)

整合性はとれている。
しかし、すると沢田の言動におかしな部分が出てくることに、零は思い当たった。

何が原因であったにしても、突然に気絶するような仲間を心配しないはずがない。
今まで共に行動してきた沢田が、今まで通りに行動するのであれば、
涯の申し出た見張り交代に対して、二人体制の提案よりも先にカイジの介抱を頼むのではないか。
そういった提言がなかったということはつまり、
沢田はカイジの気絶をさほど気にしていなかったということになる。

(おかしい・・・沢田さんなら間違いなく・・・・気遣う・・・!
オレたちに対してと同じように・・・カイジさんの体を気遣うはず・・・・!)

怪訝な表情を浮かべる零を前にして、カイジは深く溜息した。

「多分・・・確信は持てないが・・・おそらく・・・いや・・・思い出してきた・・・!」

そしてその溜息が吐き終わるより早く、カイジの目に涙が浮かぶ。

「沢田さんだ・・・!沢田さんに・・・!どうしてっ・・・・!」

「どうしたんですか・・!沢田さんが・・・一体なにを・・・?」

カイジは混乱した様子で続けた。

「殴られたんだ・・・!沢田さんにっ・・・!
そこで意識が途切れてる・・・・みぞおちあたりを・・・殴られてっ・・・!」

沢田がカイジを気絶させた。
ヤクザの世界に生きる沢田にとって、油断している素人を気絶させることなど訳ないのだろう。
どうやらそれが真実らしい。すると、沢田の言動に違和がなくなる。
気絶の原因がわかっているのならば、大げさに心配する必要などない。
気絶に対する気遣いは不要になる。
しかし、と零は考える。
それならば、気絶させること事態が、何らかの気遣いになっていたのではないか。
理由なく仲間を殴るなど、沢田は決してしない男だ。

「カイジさん・・・もしかして・・・黙って一人で危険なことを・・・・」

零の指摘に、カイジは落ち着きを取り戻して声をあげる。

「そうか・・・!オレを引き止めるために・・・・
でもっ・・・沢田さんは・・・どうしてそこまでしてっ・・・・」

状況が読めてきた。
おそらくはカイジが一人で行動――田中沙織探しに出かけようとでもしたのだろう。
沢田はそれを止めるために、カイジを気絶させ、無理矢理にでも足止めを狙った。
互いが互いの安全を想うが故に起こった出来事ということになる。


「沢田さんは・・・・まだ外で見張り番をしてくれてますよ」

零がそう告げると、カイジは俯きながら苦く笑った。

「助けたかったんだ・・・!一刻も早く・・・田中さんを救いたかった・・・!」

それが2時間近く眠ってしまうとは、と後悔まじりの様子である。
沢田の行為の意図に感謝を抱きはしても、
それでも眠ることで無為に時間を過ごしたように思えて悔やまれるのは事実だった。

カイジは焦っていた。
時間が経つことよりも、定時放送が近づいてくること。
それに急き立てられるように、焦っているのである。
第三回の放送を聞くのが怖いのだ。
田中沙織の名前が呼ばれるかもしれない、
あるいは田中沙織が殺した人間の名前が呼ばれるかもしれない。

放送前の現時点で、既に田中沙織が死亡している可能性は存在する。
今この瞬間にも、田中が誰かを手にかけている可能性は、否定出来ない。
それでも、カイジは希望を持てる。持っている。
その希望を打ち砕くのが、放送だった。
故にカイジは、第三回の定時放送が行われるよりも先に、田中沙織を見つけたかった。
彼女の生存を確認し、安心したかった。

「なぁ零・・・・また引き止められるかも知れないが・・・・
オレは探しに行く・・・!田中さんを・・・!
せっかくいい仲間に出会えたのに勿体無いが・・・それぞれの道がある・・・・!
オレは一度アンタらを騙しかけた・・・だが・・・・それでもよければ・・
再会したその時は・・・・・」


よろけながらも立ち上がろうとするカイジを、零は腕で制す。

「カイジさん・・・田中沙織は一緒に探しましょう・・・!
オレ達だって田中さんを救いたいっ・・・・・!」

「しかしっ・・・」

田中沙織の捜索が危険を伴うということを、カイジは理解していた。
対主催、ゲーム転覆の望みの綱たちを、何よりも信頼できる人間を、危険に誘うことなど出来ない。
特に、零と涯二人を巻き込むことは避けたいと、そう強く感じている。

だが、強い想いを抱いているのはカイジだけではない。
零はカイジをまっすぐに見据えた。

「オレたちと一緒に行動して・・・後悔はさせない・・・!
カイジさんに・・・よかったと思わせてあげる・・・・!
オレたちがカイジさんと会えてよかったと思っているように・・・・
カイジさんにも決して後悔はさせない・・・・!
一人で行動するよりも絶対にいい方法を・・・全力で考える・・・・!
だから・・・ずっととは言わない・・・しばらくの間でいい・・・
行動を共にしてくれませんか・・・?」

「・・・・」

「せめて第三回の放送まで・・・・!
それ以降別行動という形でも構わないっ・・・!
だけど・・・・せっかく出会えたんだからこの出会いは活かさなきゃだめだっ・・・!」

カイジとて、決意は固かった。
それでも、沢田に力づくで止められたこと、
そして今目の前で零が必死に説いてくれているという事実は、カイジの心に迷いを生みだす。

田中沙織を探さなければ、救いださなければ。その気持ちは変わらない。
それでも、一度休息をとった体は、さらに癒しを求めている。
足は痛み、精神の疲弊もピークに達していた。

「・・・・だが・・オレがここにいる間にも・・・・
今この瞬間にも田中さんはっ・・・・・!」

変わらず強情を張り続けるカイジ。
しかし、零も諦めが悪い。この件について、譲れないのはお互い様であった。

「ここで情報交換・・・・!きちんと情報を精査して・・・・
その上ちゃんと考えることは・・・田中さんのためにもなる・・・・!
闇雲に1時間捜し回るより・・・まず15分・・・!
15分でいい・・・・!時間を使って冷静に状況を整理するべき・・・・!
田中さんを探すよりも・・・・・手がかりを探すべきですっ・・・・!
田中さんのために・・・まず田中さんの置かれている状況を知るべきなんですっ・・・!」

カイジは不思議に感じていた。
今までこの島で、様々な人間と出会い、そして別れてきた。
再会を信じて、互いの道を歩くことを選んできた。
零は、そして沢田はなぜここまでして、カイジを引き止めるのだろうか。

少し考えれば気づくことだ。零や沢田が正常なのだと。
この島で、この状況で再会を信じるなど、脳天気もいいところだ。
実際カイジは、アカギや平山との再会を果たせていた。
そのため感覚が麻痺している、と言える。
本来ならば、再会など信じられるはずがなかった。

田中沙織を捜し続けていることも、カイジだからこその行動だった。
再会できると信じて、再会できるはずだと思い込んでいる節があった。

カイジがこのまま強行で単独行動をする場合。
田中沙織との再会。そして、その後に仲間たちとの再会。
果たせるのだろうか。信じ続けたところで、叶うのだろうか。

疲労の影響で、カイジの思考は停滞していた。
田中沙織と会うために全てを賭ける、そういった勢いで過ごした数時間だった。
一種の興奮状態だったのかもしれない。
別れても、また会える。それを信じ続けることが出来ていた。

気持ちばかりが逸っていた。
田中沙織を説得するためには、複数の仲間を連れていた方がいいだろう、と思った。
そして、零や涯たちを巻き込みたくない、とも思った。
田中沙織を助けることと、仲間を守ろうとする意志は、カイジの中で双方が無理矢理に主張を繰り返し、
結果、無謀な単独行動に駆り立てていたのだった。

「オレは・・・どうするつもりだったんだろうな・・・・」

ぽつりと呟くカイジに、零は一瞬眉を顰める。
それでも、すぐに瞳に輝きを宿すと、明るい声をあげた。

「田中さんを・・・まず田中さんのために動きましょう・・・・!」

零はカイジから借りている参加者名簿を広げ、懐中電灯を置いて手元を照らした。
そして、ポケットから筆記用具を取り出す。

「第二回の定時放送・・・4時間前の時点での残りの参加者は26人・・・・!」

今度はカイジが眉を顰める。

「なんなんだ・・・いきなり・・・!」

「カイジさん・・・!あなたが田中さんを探してるってこと・・・・
他に知ってる人いますか・・・・?」

「え・・・まぁ・・・」

「作りましょう・・・!田中さんのためのリスト・・・・!
当然・・・ゲームに役立つ・・・生き残りのためのリストにもなるっ・・・・!」

「はぁ・・・?」

零は紙を広げると、真ん中あたりに直線を引き、紙面を横に分割した。
どうやら本当にリストを作る気らしい。

カイジは呆気に取られ、同時に狼狽えながらも、零の行動に対する興味が生まれるのは確かだった。
今までただひたすらに歩き、彷徨い、田中沙織を捜し続けた。
それでも田中との再会は叶わない。無駄だと思いたくはない。
歩き続ける中で、様々な出会いがあった。
けれども、一番会いたい人間には会えずにいた。

田中沙織を救う手立てになっていると、明確にわかる何かががしたかった。

「オレたちは第二回の放送以後、まったく移動していない・・・
カイジさんと会ったことだけが・・・・第二回定時放送以降に起きた変化・・・」

零の手が、メモに影を落とす。
自然とカイジの視線も、紙面に注がれていた。

「当然ゲームには乗らない・・・・!オレと・・・沢田さん・・・そして涯・・・!
カイジさんも加えて・・・・この4人は確実にゲームに乗っていない・・・
そして・・・田中さんを絶対に襲わない4人・・・!」

分割した紙面の上段に零、沢田、涯、カイジら4人の名前を並べて書く。
それぞれの名前の右肩に小さく星印をつけると、零は再び口を開いた。

「オレが今までに会った人間・・・トトカルチョの倍率が低いけど平井銀二って人は・・・・・」

カイジにも、零の意図が伝わり始める。

「平井・・・そいつならオレも会った・・・!
足の怪我を処置してくれたのは平井銀二・・・・
油断できないが・・・ゲームに乗ってる様子じゃない・・・」

「同感です・・・・!要注意人物であることに変わりはないが・・・・
殺し合いとか・・・・そういう次元じゃない・・・あの人は・・・
だから・・・ひとまず」

平井銀二の名前も、上段に記す。
この島で生き残っていると仮定される26人の中で、他者に危害を加える人物がどれだけいるか。
それを確認するための作業であった。
“安全”か“危険”かの分類。
分割したメモのうち上段には“安全”な人間の名前を、下段には“危険”な人間の名前を書きだしていく。
そして、田中沙織に危害を加えないとわかっている人間には星印。
零一行の情報とカイジの情報を合わせていくその作業は、さながら新しい名簿を作るかのようだ。

「あとは・・・・オレは鷲巣巌という老人とギャンブルをしました・・・・・!
70歳を超えているような老体で・・・でもあの雰囲気は異様・・・異質・・・!
とても仲間に出来るようなタイプではない・・・」

トトカルチョの倍率を調べると、優勝の可能性など到底見えないはずの老翁にも関わらず
それなりに賭けている人間がいるのだとわかる。
危険人物であることに間違いはないだろう。

「なるほど・・・鷲巣か・・・・。アカギの知り合いだったな・・・」

カイジは、一番はじめにアカギと出会ったときに行った情報交換を思い出す。

「アカギって人間と会ったときに、鷲巣についての情報を交換した記憶がある・・・
確かに仲間に出来るタイプではないようだ・・・・だがっ・・・・!
アカギは鷲巣を手札にしたと・・・そう言っていた・・・・」

「“アカギ”・・・」

「でも・・・鷲巣が危険人物であることに変わりはないっ・・・!
例え鷲巣とアカギに繋がりがあったとしても・・・・
だからといって鷲巣がオレたちの味方になるわけじゃない・・・!」

カイジの言葉を受けて、零は少し悩んでから、メモの下段にペンを走らせた。
こうして鷲巣は『危険』に分類。
続けて、カイジの口にした“アカギ”という人物の倍率を名簿で確認する。

「赤木しげるって男は・・・ゲームに乗っちゃいないぜ・・・!
あいつはあいつの目的があるようだが・・・・別行動中とはいえ仲間同然・・・!
白髪で飄々としたおかしな男だが・・・頼りになると思う・・・」

「ってことは・・・・田中さんに危害を加えるような人物ではないと・・・
そう判断してもいいですね・・・?」

「あぁ・・・アカギは原田克美って人間も仲間に引き入れているらしい・・・
この原田って男は訳あってアカギと別行動中だが・・・
赤木しげるという名前を出せば力になってくれるだろうと・・・そう言っていた・・・!」

メモの上段に、赤木しげる、原田克美という名前が追加される。
そして、アカギの名前には星印がつく。

「他にオレの知る人間だと・・・
この島で会ったわけじゃないが・・・一条、それから兵藤和也って男は危険だ・・・!
殺し合いに乗る可能性がかなり高い・・・
一条については話せばわかるって可能性もなきにしもあらずだが・・・
なにせオレも恨まれてるだろうからな・・・」

「そういえば・・・オレと会うよりも前の時点で・・・
涯が金髪の男に襲われています・・・・男の見た目は十代半ばから後半・・・
名前がわからない以上、生存しているのか確認が出来ないが・・・」

下段に、一条、兵藤和也と“金髪の男”という文字が書かれた。

「利根川って男も危険人物だ・・・だが・・こいつとは戦う必要がある・・・!」

「戦う必要・・・?」

カイジは力強く頷いた。
メモに利根川の名前を書き足そうとした零の手が止まる。

「確かに危険・・・だから・・・
利根川の名前は下段に書いてくれ・・・それで構わない・・・!
だけど・・・決闘・・・!利根川とは勝負をつけなきゃならない・・・・
当然田中さんの捜索を優先・・・しかし・・決闘の約束があるんだ・・・・!」

ただならぬ事情があるようで、零は頷くほかない。
田中沙織の捜索と並べて語るほどに、利根川との勝負はカイジにとって意味があるものなのだろう。

「あと・・村岡隆って男・・・!危険人物とは言えないかも知れないが・・・
しかし敵であることには違いない・・・!こいつは下段だ・・・」

利根川と村岡の名前が下段に追加される。
カイジはさらに続けて、二人の人間の名前をあげた。

「アカギによく似た髪を持つ男・・・平山幸雄・・・
三度目・・・次に再会できたときには行動を共にしようと・・・そう誓い合った・・・!
こいつは・・・仲間だ・・・!信用できる・・・!
そして・・・井川ひろゆき・・・眼鏡をかけたサラリーマン風の男・・・・
仲間にはしそこねたが・・・危険人物ではない・・・・
機会があればこちらに引き入れたい・・・そんな男だった・・・!
で・・・ややこしい話だが・・・この二人は仲間同士だ・・・!
そして・・・二人とも自発的には田中さんに危害を加えないはず・・・・」

零は平山幸雄と井川ひろゆきの名前を上段に綴り星型を書き足す。
そして、平山とひろゆき、それぞれの名前を丸く囲むと線で繋げた。

「その上・・・平山とアカギ、ひろゆきとアカギ・・・これはそれぞれ知人同士だ・・・!」

アカギの名前と、平山、ひろゆきを更に線で繋げていく。
零の思っていた以上に、仲間に成り得る人間が多くいることがわかってくる。
それだけではない。
各々が繋がりを持っているということは、大きなポイントになるだろう。

「佐原って男と石田っておっさんは・・・かつての戦友だ・・・・!
ゲームが始まってからは会えていないが・・・・
もしかすると・・・また一緒に戦ってくれるかも知れない人間・・・・!」

零はメモの上段――非危険人物の欄に佐原と石田の名前を追加する。
その二者の名前に、カイジは括弧を付け足した。

「こんな状況じゃ・・・島で再会してない状況じゃ・・・
残念ながらまだ安全と判断は出来ない・・・・・!
遠藤って男も・・・知り合いだがこの島じゃまだ会ってない・・・括弧つきの上段だ・・・!
それから・・・
アカギの顔見知りだっていう南郷って男、
そばかすのある治って名前の若者・・・これは括弧が必要・・・
市川っていう老人はオレたちじゃ扱いきれねぇだろうって言ってたから・・・
下段に書いとけばいいだろう・・・」

上段には遠藤、南郷、治らが括弧つきで追加され、
下段には市川の名前が書き足された。

カイジの持っていた情報は、膨大であり、零は驚きを隠せずにいる。
零の持ち合わせている情報――標のメモと合わせれば、さらに精度の高いデータが出来上がるはずだ。

「そういえば赤松さんの知人・・・黒沢という男も・・・顔さえわからないけど・・・でも多分・・・」

零は標のメモと、涯と沢田が交わしていた会話を思い返す。
黒沢――赤松に大きな影響を与えている男。
彼が沢田の言うように、赤松の“英雄”であったことは想像できる。
しかし、零たちにとっても同じように映るかはわからない。

悩んだ末、上段に括弧つきで黒沢の名前を書くという形で落ち着く。

改めてメモを見下ろす。
この島でゲームに参加している人間たちを、零やカイジの都合で分類している。
本来ならば、分けられるはずなどない。善悪は、簡単なものではない。
けれども、こうしてお互いに情報を出し合い、完成したメモは
状況を整理する上でも使い勝手がいいことに間違いはなかった。

上段は現時点で仲間であるか、仲間になる可能性のある人物、
頼りにすることが出来そうな人物、ゲームに乗っていないと思われる人物。
カイジと零の情報を出し合った限りでは、それらの人物は合わせて15名。
その内、確実に信用できると判断した人物は本人たちを含めて9名。
零、沢田、涯、カイジ、銀二、アカギ、原田、平山、ひろゆき。
まだ接触出来ていないなどの理由から安全とは言い切れない人物が6名。
佐原、石田、遠藤、南郷、治、黒沢。

下段は危険思想を持っていそうな人物、ゲームに乗っている可能性のある人物。
鷲巣、一条、和也、“金髪の男”、利根川、村岡、市川の7名。

上段と下段を合計して22名。田中沙織を足すと23名になる。
まさか生存者26名のうち23名のデータが集まるとは。
又聞きの情報もあるとはいえ、それでも当初の予想を遥かに超える情報量であった。

星型のついている人間、田中沙織を傷つけるようなことはしないと分かっている人間が7人もいる。
改めて考えると、カイジはこれが非常に心強く感じられた。
当然、田中沙織にしてみれば、こんなリストはお構いなしだ。
彼女が誰かを殺すことを、この民家からでは止められない。
けれども、彼女の命を狙う人間の数が凡そでも把握できたことは、
カイジの心を落ち着かせると共に、活気づかせる糧にもなった。


零は名簿とメモを照らし合わせながら考える。

「森田鉄雄、天貴史、仲根秀平、それから・・・しづかっていうのは女性かな・・・。
この4人のうち誰かが涯を襲った“金髪の男”ってことになるはずなんだけど・・・
いや・・・原田さんと黒沢さんに関しては見た目の情報が全くないから・・・
彼らが“金髪の男”っていう可能性も・・・」

「・・・・」

「カイジさん・・・?どうかしましたか・・・・?」

「いや・・・・森田鉄雄は・・・田中さんが会いたがってた男だ・・・!
彼女の話しぶりから考えるに・・・ゲームに乗っている可能性は低い・・・・
対主催ってことを考えるなら・・・・・・仲間に引き入れたい人物だと思う・・・!」

「なるほど・・・!森田鉄雄か・・・
じゃあ森田さんを差し引いて・・・まったく情報がない人間はわずか3人ってことになる・・・!
そのうち一人が金髪の男だとすれば・・・結果・・情報がないのは2人だけ・・・!」

カイジはどうやら金髪についてが気にかかっているようで、不安気に零の方を見る。

「なぁ零・・・その・・・・涯を襲った金髪の男っていうのは・・・
大体どれくらいの背格好だったかわかるか・・・?」

「え・・・?ああ・・かなりの長身だったみたいだけど・・・・190はあるだろうって・・・」

「そうかっ・・・!」

カイジが心配したのは、その金髪の男の正体が佐原である可能性だった。
佐原の体格と、涯の証言は咬み合わない。
かつて共に戦った仲間、一度は死んだと思われた仲間――出来ることならば、今も仲間で在り続けたい。


カイジが腕時計を確認すると、零が当初述べていたとおり、過ぎた時間は15分だけ。
この15分でカイジが独り田中沙織の捜索に出かけたとして、
彼女に会える確率はどれだけあっただろうか。

何人いるともわからなかった敵が今こうして視覚的に捉えられるようになった。
メモの下段に記されている“危険人物”よりも、上段に記されている名前の方が数が多いこと。
これは、カイジの精神にわずかだが安寧をもたらした。

しかし、第三回放送でどれだけの名前が減るかはわからない。
また、安全と危険に二分したところで、その境界は不安定なものであった。
いつ誰がどちら側に変わってしまうのか、顔を合わせるまで――否、顔を合わせたところで判断できないこともある。
危険側の人物に注意することは大切だ。
けれどもそれ以上に注意が必要なのは安全側の人物であろう。
便宜上「安全」というくくりを作っただけで、必ずしも信頼できる人物ばかりではない。

田中沙織の捜索が急務であることに変わりはない状況だ。

「放送まであと1時間半はあるな・・・・」

落ち着きを取り戻したカイジに芽生えるのは、
やはり田中沙織の捜索を再開したいという気持ちであった。



【E-3/民家/早朝】

【伊藤開司】
 [状態]:足を負傷 (左足に二箇所、応急処置済) 鳩尾にごく軽い打撲
 [道具]:果物ナイフ 地図 支給品一式
 [所持金]:なし
 [思考]: 田中沙織を探し説得する (最優先)
      仲間を集め、このギャンブルを潰す 森田鉄雄を捜す
      一条、利根川幸雄、兵藤和也、鷲巣巌に警戒
      赤木しげる(19)から聞いた情報を元に、アカギの知り合いを捜し出し、仲間にする
      平井銀二の仲間になるかどうか考える下水道(地下道)を探す
※2日後の夜、発電所で利根川と会う予定です。
※アカギのメモから、主催者はD-4のホテルにいるらしいと察しています。
※アカギを、別行動をとる条件で仲間にしました。
※明日の夕方にE-4にて待つ、と平井銀二に言われましたが、合流するかどうか悩んでいます。
※カイジ達は田中沙織に関する情報を交換しました。 その他の人物や、対主催に関する情報は、まだ交換していません。
※参加者名簿、パンフレットは一時的に零に預けてあります。

【宇海零】
 [状態]:健康 顔面、後頭部に打撲の軽症 両手に擦り傷
 [道具]:麻雀牌1セット 針金5本 標のメモ帳 不明支給品 0~1 支給品一式 参加者名簿 島内施設の詳細パンフレット(ショッピングモールフロアガイド、
      旅館の館内図、ホテルフロアガイド、バッティングセンター施設案内) 手榴弾×8 石原の首輪 カイジと作った参加者リスト(メモ)
 [所持金]:0円
 [思考]:田中沙織を探し説得する 対主催者の立場をとる人物を探す 涯と共に対主催として戦う
※標のメモ帳にはゲーム開始時、ホールで標の名前が呼ばれるまでの間に外へ出て行った者の容姿から、
どこに何があるのかという場所の特徴、ゲーム中、出会った人間の思考、D-1灯台のこと、
利根川からカイジへの伝言を託ったことなど、標が市川と合流する直前までの情報が詳細に記載されております。
※カイジから参加者名簿、パンフレットを預かっています。目を通すまで借りていられます。


【E-3/民家前/早朝】

【工藤涯】
 [状態]:健康 右腕と腹部に刺し傷 左頬、手、他に掠り傷 両腕に打撲、右手の平にやや深い擦り傷 (傷は全て応急処置済み)
 [道具]:鉄バット 野球グローブ(ナイフによる穴あり) 野球ボール 支給品一式×3
 [所持金]:1000万円
 [思考]: 田中沙織を探し、殺人を止める 零と共に対主催として戦う
※石原の首輪は死亡情報を送信しましたが、機能は停止していません。
※現在鉄バット以外の支給品は民家の中に置いてあります

【沢田】
 [状態]:健康
 [道具]:毒を仕込んだダガーナイフ ※毒はあと一回程度しかもちません 高圧電流機能付き警棒 不明支給品0~4(確認済み) 支給品一式×2
 [所持金]:2000万円
 [思考]:田中沙織を探し説得する 対主催者の立場をとる人物を探す 主催者に対して激しい怒り 赤松の意志を受け継ぐ 零と涯とカイジを守る
※第三放送まで見張りをし、他の皆を寝かせておくつもりです。
※現在ダガーナイフ、警棒以外の支給品は民家の中に置いてあります



146:主催 投下順 愚者(前編)(後編)
139:英雄(前編)(後編) 時系列順 144:願意
139:英雄(前編)(後編) 伊藤開司 155:第三回定時放送 ~契約~
139:英雄(前編)(後編) 宇海零 155:第三回定時放送 ~契約~
139:英雄(前編)(後編) 工藤涯 155:第三回定時放送 ~契約~
139:英雄(前編)(後編) 沢田 155:第三回定時放送 ~契約~




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