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虎穴 ◆X7hJKGoxpY氏


(さて……どこに行くか………?)
仲根は地図を開いて考える。
思えば先程見かけた女は絶好の獲物だった。
或いは殺し損なった少年も、手負いの今なら楽に狩れるであろう。
だが、その二人には手を出せない。
よりにもよって、楽に、且つ確実に殺せる連中のすぐ近くに黒沢がいる。
(チッ……二千万円がパァだ………)
二人分の脱出資金となれば、それを集める労力は一人分集めるのとは大きな差がある。
他の誰かが脱出する前に集めなければならない。
時間に猶予はあまり無いのだ。
(とにかく急がねえと……)

とは言え、まずは狩り場を定めなければならない。
開始からもう四時間近く経つ。
拠点を決めてそこを中心に行動するものも多くいるだろう。
その拠点を攻める、これが第一案。
更に数人で行動しているのならばそれだけ多くの金を稼げる。
だが、問題もあった。
まず拠点となりそうな大規模な建物はいずれも距離がある。
もし外れだったとき、そのタイムロスは大きい。
次いで、地の利を得ている敵を相手にするのは困難が伴う。
罠を張ることもできれば、撤退することも容易である。

第二案としては、アトラクションゾーン内で獲物を探し続けること。
アトラクションゾーンも目立つ施設だけに人が多く集まっている可能性は高い。
また、拠点に腰を据えた連中に比べ、好戦的な相手も多いだろう。
既に数人を殺めた敵を殺せれば、一気に金も増える。
しかし、こちらは広い分他人と遭遇できるとは限らない。
(さて………どうする――)


『聞けっ……!ここに一千万ある……!!得たくば、奪いに来いっ……!!』
あたりに突如声が響いた。
(なっ……!)
あまりに唐突な出来事に仲根は驚く。
――一体どういうつもりなのだろう。
自ら場所を教えて、奪いに来い、とは。
罠であろう、と始めは考えた。
自ら囮になって、金を集めるための罠。
しかし、本当にそうか。
あの言い様では、罠であると公言しているも同然。
不用意に近づく者がどの程度いるだろう。
もっと他に人を集める言い方があるのではないか。
例えば、脱出するための仲間を募っている――というような。
その方が釣られてくる馬鹿も殺せて一石二鳥であろう。
或いは、そのような馬鹿を巻き込みたくない、という陳腐な正義感からであろうか。
考えられなくもないが、人を殺そうという人間がそのような思考をするとも思えない。
罠では無く、慈悲心と自己犠牲の感傷から他人に金を渡そうと考えている可能性もある。

(ぐっ……わからねえ………)
罠か、そうでは無いのか。
自分は黒沢のためにも死ねない人間である。
迂闊に行って罠にはまって殺されるというなら、それは本末転倒である。
やはり当初の方針通り、アトラクションゾーンで誰かと遭遇するのを待つか、拠点を攻めるか。
――そこまで考えて、仲根は自分の手が震えていることに気がついた。
(馬鹿かっ……俺はっ……!)
何を迷うことがあろう。
時間がないのだ。
少しでも早く、たくさんの金を集めたい。
確実にそこに金があるなら行かない手はない。
迷いは確実に目の前に迫った死への恐怖である。
声のもとへ向かうことは、より危険な選択。
その危険が仲根を躊躇させた。
だが、それは仲根にとって犯さなければならないリスク。
――行くしかない。
声のもとまではそこそこ距離がある。
方角は現在地から北西。
地図をバッグにしまうと、仲根は正しい走り方でその場所へと向かった。


【C-4/アトラクションゾーン/午後】
【仲根秀平】
 [状態]:前頭部と顔面に殴打によるダメージ 鼻から少量の出血
 [道具]:カッターナイフ バタフライナイフ ICレコーダー 支給品一式×2
 [所持金]:2000万円
 [思考]:声のもとへ向かう 黒沢と自分の棄権費用を稼ぐ 黒沢を生還させる 生還する


041:目的 投下順 043:道標
032:説得 時系列順 043:道標
028:刃と拳 仲根秀平 050:混乱







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