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計画 ◆X7hJKGoxpY氏


最初の定時放送は終了した。
鷲巣は大まかにメモを取り終え、アカギに顔を向ける。
しかしアカギは素知らぬ顔で空を仰いでいた。

(こやつ……何を考えておる)
一つだけ確かなのは、例によってこの男が死を恐れていないこと。
だが、その目で何を見ているのかは相変わらず分からない。
鷲巣とて頭の回転は常人の比では無いが、赤木しげるだけは人智では計り知れないのだ。
(チッ……)
鷲巣はメモ用紙にスラスラとペンを走らせてアカギに渡す。
『何故儂を同行させる?』
それは、鷲巣が抱いていた最も大きな疑問の一つ。

アカギは鷲巣に協力することを強いた――だが、そもそも一体何を協力させようというのか。
主催者の情報など、実際必要となるのは脱出の準備が調った後。
少なくとも今必要なことではあるまい。
ましてや、アカギは鷲巣にその情報を聞こうともしていないのだ。
つまりその情報は不要であるとアカギ自身も判断していることになる。
ならば何故協力を強いたのか。
考えられる理由は一つしかない。
何らかの理由で赤木しげるは己を同行させたいのだ。
協力せねばならぬという枷を付けて。
一体その目的は何なのか。

アカギは書かれた内容を読むと、僅かに笑みを浮かべながら筆談で返した。
『アンタに協力してもらうためだ』
まるで馬鹿にされている。
鷲巣は怒りに肩を震わせながら、筆談を続けた。
『戯言はいらん。本音を言え』
『半ばは本音だ』
『残りの半分は何だ』
『じきに分かる』
どうやらアカギには答える気は無いらしい。
だが、当然のことであろう。
ここで易々と狙いを明かす馬鹿もそうはいまい。
鷲巣巌は紛れもなく危険人物なのだから――


「それで……これからどうするつもりだ………アカギ………」
鷲巣は諦めて今後の行動方針を尋ねた。
じきに分かるというなら、今すぐ問い詰めることも無いだろう。
アカギは再びメモに言葉を書き連ね、鷲巣に渡した。
「ククク……まあここは一旦別行動だ………役に立ちそうな情報を集めてくれ」
「情報収集か……まあいい、それで集合場所は?」
「病院前でどうだ?……次の放送の前に集合しよう」
「……わかった」
無論、この会話はダミー。
本当の指令はアカギから渡されたメモに書かれていた。
アトラクションゾーン以外で死体から首輪を集めること――それこそが鷲巣に課せられた行動である。
二人はそのまま言葉を交わさずに別れた。

* *


アカギはアトラクションゾーンへと向かっていた。
B-3が禁止区域であるということは、アトラクションゾーンに人が集まっている公算は大きい。
となれば、無論死人も多く出ているはずであり、首輪を調べるには最適であった。
アカギは別段機械には強くないが、手先は器用である。
爆弾だの盗聴器だのには手をつけられずとも、首輪そのものの解体は出来るかもしれない。
否、アカギの目的にはそれが必要不可欠だった。

数時間前の平井銀二との出会い、その時にはこのプランは立っていた。
平井銀二の持っていた情報、それは僅かに首輪に手を触れ、目線を向けていたことからも分かる。
間違いなく、首輪の無力化であろう。
おそらくは、位置情報から爆弾を爆発させないようにする、その手立て。
アカギにはその原理は分からない、だが何らかの手段で爆弾を無力化させることが可能なのは察しがつく。
しかし、その手段は大きな問題を抱えていた。
首輪に異常があれば当然運営側は気付く。
そうなれば、このギャンブルは間違いなく結果が出るのを待たずに中止となるだろう。
待っているのは戦力差の大きすぎる運営側と参加者側との戦争である。
当然勝ち目はない。
勝ち目を作るとすれば虚をつかなければならぬ。
人間、誰しも理外からの攻撃には弱い。

アカギはその虚を狙っていた。

いないはずの人間が内側から攻撃し、混乱を起こすその瞬間に参加者が一斉に立ち上がる。
内側と外側からの波状攻撃。
それこそがアカギの狙いであった。
そして――おそらくは平井銀二の狙いでもある。
察するに平井銀二は、アカギにその虚を作らせるために原田を引き取ったのであろう。
――アカギがそれだけのことを成し遂げる人間だと見切って。

潜り込むために必要な点は二つ。
まず、禁止エリアに入っても死なぬこと。
そしてもう一つは、あらかじめアカギが死んだと主催者側に誤認させること。
その二点とも、首輪を外すことで解決できる。
怪しまれずにただ一人、首輪を外すことが出来れば勝ちの目は見えてくるのだ。
一見不可能にも思われるが、その実可能性がないわけでもない。
まず、怪しまれぬためには鷲巣と行動することが活きてくる。
鷲巣との同行は死を欺きやすくための運営側に対するトラップ。
いつ殺されてもおかしくない状況を作り上げるためには恰好の存在である。
行動を共にすることだけでも価値があるのだ。
問題はあと一点。
いかに首輪を外すか。
不穏に思われるのを防ぐためにも他者は当てに出来ない。
これが命運を分ける鍵となるであろう。


運営側を騙しつつ首輪を解除し寄生虫として忍び込む。
それが赤木しげるの計画の全貌である。
無論、そのリスクは大きい。
アカギは全参加者の中で最も危険にさらされることになる。
だが、アカギはその危険になど気付かぬように笑うのであった。
(あっさり死ぬくらいで丁度いい……)


【E-3/平地/夜】
【赤木しげる】
 [状態]:健康
 [道具]:五億円の偽札 不明支給品0~2(確認済み)支給品一式
 [所持金]:600万円
 [思考]:もう一つのギャンブルとして主催者を殺す。アトラクションゾーンへ向かう。首輪をはずして主催者側に潜り込む。
※過去に主催者が開催したゲームを知る者、その参加者との接触を最優先に考えています。
 接触後、情報を引き出せない様ならば偽札を使用。
 それでも駄目ならばギャンブルでの実力行使に出るつもりです。
※危険人物でも優秀な相手ならば、ギャンブルで勝利して味方につけようと考えています。
※首輪に似た拘束具が以前にも使われていたと考えています。
※主催者はD-4のホテルにいると狙いをつけています。
※五億円の偽札
五億円分の新聞紙の束がジェラルミンケースに詰められています。
一番上は精巧なカラーコピーになっており、手に取らない限り判別は難しいです。
※2日目夕方にE-4にて平井銀二と再会する約束をしました。
※鷲巣巌を手札として入手。回数は有限で協力を得られる。(回数はアカギと鷲巣のみが知っています)
※鷲巣巌に100万分の貸し。
※鷲巣巌と第二回放送の前に病院前で合流する約束をしました。

【鷲巣巌】
 [状態]:膝裏にゴム弾による打撲、右腕にヒビ、肋骨にヒビ、少し動けるようになってきています
 [道具]:防弾チョッキ
 [所持金]:0円
 [思考]:零を殺す、沢田を殺す、平井銀二に注目、有賀を自らの手で殺す。赤木しげるのに同行して動向を探る。 首輪を集める。

※赤木しげるに、回数は有限で協力する。(回数はアカギと鷲巣のみが知っています)
※赤木しげるに100万分の借り。
※赤木しげると第二回放送の前に病院前で合流する約束をしました。


067:銀と銀と金と銀 投下順 069:姫と双子の紳士
080:十八歩 時系列順 070:陰陽
052:手札 赤木しげる 070:陰陽
052:手札 鷲巣巌 084:帝図(前編)(後編)




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