スキー試乗会 インプレッション まとめ
試乗会へ行こう!
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gsykoi
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スキー試乗会に一度しか参加したことのない管理人が参加の手引きを書いてみましょうか。経験がとぼしいので説明が足りていなかったり、間違ったことを書いていたりするかもしれません。クレームや訂正は下部コメント欄にご記入ください。
対象読者は「まだ試乗会に参加したことがない人」です。
試乗会とは
翌シーズン向けのニューモデルをスキーヤーたちに試し乗りしてもらおうという催しのことです。毎年2月頃から全国のスキー場でいっせいに始まり、3月をピークにシーズン終了まで続きます。開催日はほとんどが週末。
試乗会は主にショップが主催し、スキーメーカーがそれに協力して試乗板を提供します。スキーメーカーが単独で開催したり、スキー場やスキー学校が主催したりすることもあります。
私たちスキーヤーにとって試乗会は翌シーズンのマテリアルを実際に履いて選べるまたとないチャンスになりますし、メーカーやショップは商品をプロモーションする一方でユーザーの反応を集めて生産計画や仕入れ計画を立てたりもします。
なお、試乗会は即売会ではありません。試乗して気に入ったからといってその場で買って帰ることはできません。ニューモデルが商品として市場に出回り始めるのは秋ごろです。
参加する試乗会を決める、予約する
毎年たくさんの試乗会が各地のスキー場で開催されます。自分の都合にあわせて参加する試乗会を選びましょう。本サイトでも簡単なスケジュール表を作って更新していきますのでぜひ参考にしてください。
試乗会にもいろいろある
ひとくちにスキーの試乗会といっても用意される試乗板のメーカーやタイプは主催者によってさまざまです。「どんな板に乗れる試乗会なのか」は事前にチェックしておきたいところです。その試乗会でどんな板が乗れるのかは、個々の試乗会で事前に告知されます。
一般的に、大手量販店が主催する試乗会にはたくさんのメーカーから幅広いタイプの板が揃います。初めて板を買うとか、どんな板が自分に合っているのかまだよくわからない、という人はそういう大きめの試乗会に参加してみるとよいでしょう。小規模な試乗会ですと用意される板が上級者向けばかりだったりするかもしれません。
逆に、ほしい板のタイプがはっきりしているならばタイプを絞り込んだ試乗会に参加したほうが有意義かもしれません。レース板に特化した試乗会や、山スキーばかり、フリースタイルスキーばかりの試乗会なども探せばあります。
ただし、そもそも「試乗して板を選ぼう」などと思うのはある程度滑れる層でしょ、という暗黙の前提はあると思います。なので、初心者向けや極端に価格の安い製品(激安3点セットみたいなやつ)が試乗会に持ち込まれることはないようです。
できれば行きつけのスキー場で
開催地も大切です。ふだん滑り慣れているゲレンデで試せば板の違いもよくわかりますし、きっと今後もその板でそこを滑るのでしょうから、より現実的な判断を下せることでしょう。自分のホームゲレンデで試乗できればそれが理想ですよね。
ただし、試乗会の開催は雪が緩んでくる3月に集中し、その後ゴールデンウィークまで続きます。重い雪での試乗になることはあらかじめ計算に入れておいたほうがよいでしょう。あるいは、シーズン後半まで雪質が良好な会場を選ぶというのもひとつの手です。
参加条件にもいろいろある
多くの試乗会は無料かつ事前予約制ですが、中にはそうでないものもあります。有料のもの、当日飛び込み参加可能なもの、参加資格があるもの(クラブ員のみ対象、ディーラー向け試乗会など)などです。参加要綱をよく読んで、自分の都合に合った試乗会を選びましょう。
予約
参加する試乗会が決まったら予約します(予約が必要なら)。電話一本で済む場合もありますし、書面郵送とかWEB上のフォームで手続きとかいろいろです。レッツトライ。
試乗会当日
当日の準備
「いつものスキー準備」をしてスキー場に行きましょう。試乗会で貸し出されるのは2枚のスキー板だけですので、ブーツ、ストック、ウエア、その他の小物は自分で用意していきます。比較のため、また、会場がスキー場の中腹にある場合もありますので、自分の板も持って行っておくことをおすすめします。自分の板をまだ持っていない人は、板以外は全部レンタルしておきましょう。
試乗会のための準備
多くの試乗会では受付時に身分証が必要です。また、有料であったり、ポールバーンを使った試乗会ではヘルメットの着用義務があったりします。試乗会の参加要綱をよく読んで忘れ物のないようにしましょう。
また、あらかじめ自分のブーツのソールサイズとビンディングの解放値を把握しておくとスムーズにビンディングの調整をしてもらえます。ソールサイズ(ソール長)は靴を買うときの「足のサイズ」ではなく、ブーツの外寸のことです。スキーブーツのかかと周辺に「294mm」といった刻印がありますので探してみてください。ビンディングの解放値はビンディングにインジケーターがあります。
その他の準備
デジカメ、携帯電話、スマホ、ICレコーダーなど、板の印象をメモする手段を用意しておくと、後で比較検討するときに便利です。もちろん記憶力に自信があれば必要ありませんが、「感覚」などというあやふやなものの記憶は早くに薄れてしまいがちですよ。
受付
「今すぐスキーできる装備から板だけを除いた状態」で会場に行きます(ストックを忘れずに!)。リフト券も参加者負担がふつうですので(有料の試乗会でも)受付前に買っておきます。会場はたくさんのノボリやテントが立っているのですぐにわかると思います。
受付で申し込み書に記入し、試乗の手順と注意事項について説明を受けます。この説明はきちんと聞いておきましょう。
私が過去に参加した試乗会では、スタッフがこの大事な説明をこちらの聞く準備も確認せずに棒読み早口無感情で機械的にまくしたてため、何が起こっているのかさっぱりわからないままほとんどを聞き漏らしてしまい、後でたいへん困ることになりました。某アルペン学園東大通り店シーズンスポーツ館はこの点を大いに反省すべきでしょう。
受付を済ませると、参加者であることを示す参加証(パス、ID)が渡され、以後メイン会場に自由に出入りできるようになります。
試乗の流れ
1. 板を物色する
ロープで仕切られたメイン会場には試乗板がメーカー別にずらりと並んでいます。お好みの板を物色しましょう。最初からお目当ての板があるならまっすぐそのメーカーのブースへ行けばいいですね。
有名メーカーのデモ系上位機種は人気があり、試乗希望者が集中します。どうしても試乗しておきたい板がある場合は気合を入れて朝イチで乗り込むか、板が戻ってくるまで辛抱強く待ちましょう。時間つぶしで別の板を……なんてやっているとすれ違いでいつまでも乗れないかもしれません。
お目当ての板が特にないのならヒマそうなスタッフに手当たりしだいに声をかけましょう。板のところに立っているスタッフはそのメーカーの営業マンです(受付や案内・整理をしているのは主催店のスタッフ)。どんどん話しかけてどんどん説明を受けましょう。
スタッフには自分の欲する板のイメージや滑りの指向、好みのスタイルをできるだけ具体的に伝えるようにします。「整地をカッ飛ばすのが好き」とか「検定を受けたい」とか「のんびりラクなのがいい」とか。スタッフからも色々と質問をされると思いますので、見栄を張らずに答えましょう。
よしこれ乗ってみるか、という気になったらスタッフに前述のソールサイズと解放値を伝えてセッティングしてもらいます。
2. 試乗する
スタッフの「いってらっしゃ~い」の声を背中に受けて試乗に出かけます。
どんな板を探しているかは人それぞれだと思いますので、「こう試乗せよ」といった具体的な方法論は書きませんし、そもそもそれを書くだけの知識も経験も私にはありません。
ですが、一度にたくさんの板を試乗するので、ムダがないように工夫するとよいと思います。たとえば「Aゲレンデで大回り、Bゲレンデで小回り」など“規程演技”を決めてひとつひとつチェックしておけば確認モレが防げますし、条件を揃えることで板の違いがよくわかり、印象を整理しやすくなりますよね。
要は、自分がどんな板を求めていて、それを確かめるにはどんな風な試乗をすれば効果的で効率的なのか、自分なりの作戦を立てておくとよいということです。たとえば「何も考えずに板まかせで楽しく滑れる板」がほしいのなら、むしろ規程演技などにとらわれず自由に滑ったほうが合目的的と言えますね。
誰にでも言えることがあるとしたら、そうですね、まずは自分の板で試乗コースを滑って評価の基準を作っておくとか、たくさん乗りすぎてわけがわからなくなってきたら自分の板に戻って感覚をリセットする、なんてことはしてみてもよいのではないでしょうか。
受付の際に説明を受けると思いますが、試乗にはふつう20分から30分くらいの時間制限があります。ほかのお客さんが順番を待っているので、板を借りたままご飯を食べに行ったりしてはいけません。また、試乗可能コースに制限があることもあります(コブ禁止、ジブ禁止など)。まずはこれらのお約束を破らないように注意してください。
試乗板は借り物です、大切に扱いましょう。ブッシュ(灌木)や地面が露出した場所は避け、エッジや滑走面を必要以上に痛めないように気を使ってください。ビンディングをはずす時はストックの剣先を使わず、手かストックのグリップ側ではずします(スキーの裏で踏んではずすなんてもってのほかです)。
3. 返却する
気が済んだら(または持ち時間が尽きたら)メイン会場に戻り、板を返却します。
返却の際に、いったん受付に寄ってその板について簡単なレポートを書く必要がある場合があります。レポートと言ってもペライチで選択式の質問がいくつか、とかそんな感じ。ショップやメーカーにとっては重要なデータなので、めんどうでも協力しましょう。
借りた場所に板を戻し、ついでにそこにいるスタッフに滑ってみた印象などを伝えましょう。「でしたらこちらなどいかがでしょう」ともっと自分に合った板を選んでくれるかもしれません。
気に入った板に出会えるまで、あるいは今使っている板より良いものがないという結論が出るまで物色・試乗・返却を繰り返します。
試乗が済んだら
受付で試乗終了を告げ、参加証を返却します。この際アンケートなどに記入を求められる場合があります。協力しましょう。
試乗会場ではたいてい「早期予約」を受け付けています。もし素晴らしい板にめぐり会えたのなら予約してしまいましょう。今日び、スキー屋さんは売れ残りを防ぐためにギリギリの数しか板を仕入れません。人気の板は早々に売り切れてしまう傾向があるので、確実に手に入れたかったら予約をしてしまいましょう。早期予約すると特別価格で買えることもあります。
ホームページやブログを持っている人は、ぜひインプレ記事を書いてください。試乗会に参加したくてもできないたくさんの人たちがあなたのインプレを待っています!
<おわり>