宇宙戦艦富嶽殺人事件


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1981年7月
徳間文庫

 薩次&キリコシリーズがソノラマ文庫を離れ、一般向け作品として再スタートした作品。本作を皮切りに、シリーズは架空の乗り物を冠した「~殺人事件」のタイトルで続くことになる。

 事件は、神戸の六甲大学にあるアニメーション研究会を舞台にした連続殺人事件であり、70年代末から80年代にかけてのアニメブームと、それを取り巻く若者たちの活動を、リアルに追っている。
 また、舞台は東京から神戸、そして安曇野へと飛び、トラベルミステリー的な展開も盛り込まれている。
 テーマ的には、アニメという新たな文化に取り組む若者と保守的な大人との対比、アニメ業界を取り巻く厳しい状況、そして戦時中から続くある種の人々への批判など、作者らしい主張が盛り込まれている。
 小説外の人物を安全圏に置かない「意外な犯人」の指摘も行われ、総じて辻ミステリの見本とも言うべき内容になっている。

 大学4年になり、本腰を入れて推理作家を目指す薩次は、聟田書房の名和編集長から「宇宙戦艦富嶽殺人事件」というタイトルと、「読者が犯人であり、探偵役で、被害者でもある」という条件で文庫書き下ろしの仕事を依頼された。
 名和の勧めで、自主映画「宇宙戦艦富嶽」を制作中の六甲大学アニメーション研究会を取材するため、薩次は神戸を訪れるが、上映会の最中に部員の一人が不審な死を遂げ、同時に「宇宙戦艦富嶽」のフィルムが何者かによって持ち去られる。
 事故死説に疑問を抱いた薩次は、キリコと共に事件を追うが、その中で第2第3の惨劇が起こり、事件は名和が指定したとおりの真相に向けて展開していく。

 本書初出時のアニメブームを実体験している世代にとっては、懐かしい雰囲気が満載。








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