ネタバレコラム:劇中の事実と虚構


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ネタバレ注意!




 辻作品の特色として、牧薩次を中心に劇中の人物が小説を書き、その劇中劇と劇中現実が入れ子になって、読者にトリックを仕掛けるというパターンが多々あります。特に、「仮題・中学殺人事件」から「TVアニメ殺人事件」までの初期6部作は、「TVアニメ殺人事件」のエピローグで、薩次とその友人皿塚麻樹による創作と明言されてしまっています。(一部、現実か創作か曖昧な部分はある)
 そうすると、薩次とキリコは少年時代に殺人事件に遭遇したことはなく、二人の探偵としての実績は薩次がミステリ作家としてデビューしてからのものということになります。
 しかし、その後の作品で二人が数々の事件に遭遇する中で、中学時代以来の探偵としての実績は随所に語られています。また、後年辻ミステリ世界を支えることになるレギュラー陣のほとんどは「TVアニメ殺人事件」でデビューしており、これを劇中劇と割り切ってしまうと、「アリスの国の殺人(未)」以降の作品と大きく矛盾してしまいます。

 この劇中劇と劇中現実との混乱は、他のシリーズにも及んでいます。
 例えば、薩次&キリコシリーズの「寝台特急ひかり殺人事件(未)」でも薩次の劇中劇はトリックとして使用されていますが、その劇中劇における可能克郎キリエル伯爵(未)との出会いは、克郎&智佐子シリーズの「列車内での悲鳴はお静かに(未)」で回想され、キリエル伯爵が克郎と智佐子の仲を取り持つというシチュエーションまで存在します。

 さて、この混乱を読者としてはどう受け止めれば良いのでしょうか。(つづく)
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