その名の通り、電気で作動し、審判をしてくれる機械。
ただし、
攻撃権の判定まで行ってくれる訳ではなく、あくまでトゥシェが有効であるか否かを判断するものである。
この機械の管轄は
1 トゥシェが行われているか、否か(十分な力で、かつ、一定時間
ポイントが押されている事がトゥシェの条件)。
2 有効面を突いたか、否か。
3 一方が突いた後、もう一方のトゥシェが許容される時間内に行われたか、否か。
を判断する事なのである。
フェンシングの試合中にピーピー鳴っているのは、この機械である。
トゥシェが行われると電子音と共に、ランプが点灯する。有効面ならば色付きのランプ。そうでなければ黄色、または白のランプが点灯する(
フルーレ、
サーブルの場合。
エペは常に色ランプが点く)。ちなみに行った側のランプが点灯する(かつては突かれた側のランプが点灯していた)。
得点が成立する第一条件はランプを点灯させる事であるので選手も審判もこの音には敏感になる。
ランプが点灯すると、一旦競技は中断され、折に触れて得点が判定される。
攻撃権が加味されるのはこの時である。
始めて競技を見た人はランプが点いたにもかかわらず得点が入らないと、不思議に思うが、これは
攻撃権が関わっている。
フェンシングの中継が少なく、分かりにくいと言われる理由はここにあるのかもしれない。
少し前(ちょうど編集者が
フェンシングを始めた時)にルールが改定され、トゥシェの判定が厳しくなった。より長く、かつ正確に
ポイントを押さなければ認められなくなり、かつて圧倒的な威力を誇った
振り込みの敷居が高くなった。代わりにルミーズ、
コントルアタックの地位が向上し、より立ち回りが重要になった。
その他には3に挙げた、許容時間が短くなった事もあり、これもその風潮に拍車を掛けている。
この機械がなければ試合は出来ない。
最終更新:2009年12月10日 23:16