ミニコーナー > 八王子通信 > ♯7

#7 - Dec31 / 2008

 忘年会・新年会などと,酔客の多くなる季節になりました.
 駅のベンチで寝てしまう人,車内で熟睡してしまう人,そして最終列車を逃がしてしまったり,降りる駅を通り過ぎてしまったり.挙げ句,自分の落ち度を棚に上げて駅員ほかに八つ当たりする人.もしくはただ単に気が大きくなって横柄な態度を取る人.鉄道会社職員も大変です.

 さて,酔客と鉄道といえばこれです.



 都市圏の鉄道ではよく見かけますね.車輌の連結部に付いているゴム製の部品「転落防止幌」です.乗車口と間違えてホームから車輌連結部に足を踏み出し,転落することを防ぐために取り付けられています.その発祥については「視覚障害者が乗車口と間違えて転落した事故が起きた」という説がありますが,少なくとも東京圏においては「酔客が乗車口と間違えて転落した事故が起きた」ために,1990 年代に JR 山手線で取り付けられたのが始まりです.

 この転落防止幌,鉄道会社や取り付け時期などによって機能は同じでも形状はバラバラです.先ほど示したものは JR 武蔵野線の 205 系でU字型のものとなっていますが,



 こちらは京王電鉄の 9000 系.板状のシンプルなもので,車輌本体から続く帯が入っていません.さらに,



 こんな形状のものもあります.京王電鉄 6000 系です.

 ところでこの転落防止幌,乗車口ではないところから人が転落することを防ぐことを目的としていますから,さらに高度な転落防止策が講じられている路線では付いていないことがあります.例えば首都圏新都市鉄道・つくばエクスプレス線は開業当初から全駅にホームドアが設置されていますので,車輌に転落防止幌が付いていません.

 まぁともかく「酒は呑んでも呑まれるな」です.大人の嗜みなんですから.

[取材・文責:雅]




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(Hokkaido University Railway Research Group, Japan)

最終更新:2017年03月08日 17:59
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