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キハ54形気動車
JR北海道


 キハ54形は、国鉄末期の1986年に北海道と四国へ新製投入された両運転台式の一般型気動車である。トータルコストの低減を主眼に設計されており、軽量ステンレス製の車体による軽量化、新型直噴式エンジンの導入による燃費の低減、メンテナンス性の向上、台車や変速機をはじめとする廃車発生品の使用による製作コストの低減などが行われている。
 北海道に配置された500番台は急行用と一般用の2種類があり、急行用は0系新幹線の廃車発生品の転換クロスシートを装備している。急行用は旭川‐稚内間の急行「礼文」に使用されていたが、2000年の宗谷本線急行の特急化以降は一般型と共通運用で普通列車で使用されている。一般用の座席はバケットタイプのクロスシートを備えたセミクロスシートとなっていたが、1995年ごろから183系特急型気動車から発生した簡易リクライニングシートを集団見合い状に固定したものに交換されている。
 新製時は札幌などにも配置され、函館本線や札沼線など各地で運用されていたが、現在では釧路と旭川に集中配置され、花咲線や、釧網本線、石北本線や宗谷本線で運用されている。
 廃車発生品の台車が乗り心地やメンテナンスに支障をきたしてきたことから、2003年からは台車と変速機を新品のものに交換する改造が行われている。この改造工事はキハ54形500番代全てが対象となっており、その中でも花咲線向けの車両は同時に車内を転換クロスシート、帯色をピンク一色に変更し、キハ54-520については車体にラッピングを施していたが、残念ながら事故により廃車となった。この事故を契機に前面補強工事が全車へ行われている。
 近年では留萌本線において積み残しが問題となり、それ以降旭川配置車を中心にセミクロスシートへと改造する動きが見られる。
 運転区間は主に、函館本線(旭川‐深川間)、留萌本線(深川‐増毛間)、宗谷本線(旭川‐稚内間)、石北本線(新旭川‐網走間) 、根室本線(音別‐根室間)、釧網本線(東釧路‐網走間)などとなっている。

その他の情報



釧路車 リバイバル礼文。幕板の赤帯が急行型の証
前面補強工事施行車。乗務員扉の上に角材が付いた 花咲線向け車両はピンク帯となっている

[2012/7/30、勝オロ]


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(Hokkaido University Railway Research Group, Japan)
最終更新:2012年07月30日 21:19
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