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キハ141系気動車
JR北海道


 キハ141系は沿線の都市化が急速に進んだ札沼線(学園都市線)の列車増発を目的に、当時大量に余剰となっていた50系客車(オハフ51形)を気動車化して誕生した一般型気動車である。

 1990年に、エンジン1台のキハ141形、エンジン2台のキハ142形が登場した。走行機器はキハ54形を基に設計されており、台車、変速機は廃車発生品を使用。最高速度は95km/hであった。車内は客車時代と同様のセミクロスシートであるが、混雑緩和のために、ロングシート部分の増設とクロスシート部分の3列化が行われた。

 1994年には中間車のキサハ144形が登場した。このキサハ144形は走行用エンジンを持たない付随車である。登場時はキハ142形に、後にはキハ143形にはさまれる格好で運行されている。

 1994年からは出力をアップさせた改良型であるキハ143形が登場した。車体はそれまでのキハ141・142形と同じ構造ながら、エンジン、変速機、台車などはキハ150形のものをベースにした高性能のものを採用しており、出力の向上とスピードアップが図られて、最高速度は110km/hとなった。また、車内も混雑緩和のために、デッキの仕切りが撤去された。

 キハ141系は登場後、車内サービス向上のため一部の車両で冷房装置の取り付けが行われるようになり、キハ143形・キサハ144形は全車が冷房化されている。しかし、キハ141・142形は冷房化が行われることはなかった。

 ナハ29000形を中間に挟んでバーベキュー列車に使用されたこともあり、2004年の夏にはキハ141・142形それぞれ1両がバーベキュー列車専用塗色となっていた。

 キハ141系は登場後20年近くにわたり、札幌近郊の路線でありながら非電化であった札沼線(学園都市線)の札幌‐北海道医療大学間における通勤・通学輸送で活躍していた。しかし、2012年に当線区が電化されたことで用途を失い、キハ141・142形・キサハ144形はすべての車両が定期運用から離脱している。キハ143形については、キサハ144形を抜いた2両編成となってワンマン機器の搭載などの改造を施され、室蘭本線の苫小牧-室蘭間へ転用された(ミニコーナー記事)。

 定期運用を失い廃車されたキハ141・142形・キサハ144形については、大半がミャンマー国鉄へ譲渡されたほか、岩手県の釜石線で運行されるSL列車の客車へ改造するためJR東日本に譲渡された車両もある。 

 2014年1月現在、キハ143形が室蘭本線苫小牧―室蘭間で普通列車の運用に就いているほか、その運用の送り込みも兼ねた千歳線経由の札幌―東室蘭(室蘭)間一往復の運用がある。

その他の情報


2012年まで見られた札沼線での運転風景 上から撮影
中間車のキサハ144形 札沼線での運転風景
北広島駅に停車中のキハ143形 キハ143形の車内
[2013/3/5、勝オロ]
[2014/1/28改]


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(Hokkaido University Railway Research Group, Japan)
最終更新:2017年04月15日 19:39
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