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宰相府・地下(―とある秘密の文書―)


 そこはあらゆる科学がその力を失う場所。

 宰相府の秘密の扉の向こう、目の眩むほどの奈落が口をあけ底は見えない。

 七つの螺旋に対応した七つの階段が、その暗闇へと吸い込まれていく。煉瓦作りの壁に刻まれた薄暗い階段には灯りの数も少なく、足元もおぼつかない。それを一歩一歩踏みしめて下っていくと、現実から一歩一歩遠ざかっていくような不安感に襲われる。その不安感もやがては消え、ただ自分の足音だけがどこまでも響いていく。そこはもう魔術の世界なのだ。

 そこは魔術師たる宰相を主とする、地の底へと伸びる魔術師の塔である。

 魔術とは、そこに本来存在しないものを存在させる技術である。たとえばそれは、16世紀に存在する戦闘機械や生きたオートマタであり、現代に存在するアイドレスである。その時代、その時代の人間にとってそれは容易に信じうるものではなく、理解を越えた出来事である。そして人は自分の理解を越えた物を信じることは難しい。それ故に魔術師はいついかなる場所にあっても白眼視される。それはかつて星の海を渡る巨大な星間帝国であったわんわん帝国においても当然例外ではない。わんわん帝国宰相シロは、魔術師であるが、臣民達がそのことを知る事はけしてない。魔術師がその正体を人々に明かすことは、決して無い。

 宰相府の地下深くに隠された逆さまの塔の頂点、星辰の間。そこは魔術に支配された世界である。

 七つの階段のうちでも一つだけが、星辰の間まで続いている。もう一度言おう、ここでは全ての科学がその力を失う。距離や広さの間隔も曖昧になり、気がつけばあなたの隣には誰かが立っているかもしれない。もっとも、この場所に入ることのできる者は少ない。宰相直属である秘書官達ですら、ここには立ち入りを禁止されている。そこにはあらゆる星座が本来の位置とはあべこべに描かれた星図があり、宰相はここにおいて星辰の動向を比較し、世界への反逆、大規模儀式魔術を行う星の位置を待つ。

 悪魔の如き容貌とサイケデリックな色彩を身に纏う異形のI=D、クエスカイゼス。宰相の騎士である今日子のために改装されたこのドラゴンメイルも、星辰の間に置いて戦乱の時を待つ。そして知恵者を母に、芝村裕子を父に持つ、鋸山シリーズの姉妹たちも目覚めの時を待ちながら、魔術師の塔という揺り篭の中で眠っている。

宰相府・地下(設定)


特徴
『逆さまの塔』は魔術のためにある。

地上の建物が左右対称を成しているのも、また『逆さまの塔』がそれらの対称点にあるのも、

すべてそのためである。

また、I=Dクエスカイゼスを始めとする機材の出し入れは転送装置を用いているため、

大掛かりな搬入口はない。


宰相府・地下(イメージ図)


終わりに

添付ファイル