とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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耳かき特訓から



とある寮にて

御坂美琴は呟く。暇な時間をどう過ごそうかと物思いにふけっていた。
(はぁ~暇ね。黒子はジャッジメント、初春さんは黒子と一緒、佐天さんは補習だっけ…)
そんな暇な時間をどう乗り切るかと考えていたときに後ろから一人の少女が話しかけてきた。
「お~い。みさかー。暇かー暇ならお願いがあるんだが~」
「土御門。アンタねーメイドが主人にお願いするって…まあ別に大丈夫だけど」

「おー。さすがみさか、話がわかる。実は薬局でこれを購入してほしいのだー」
そう言って1枚のメモ用紙を美琴に渡した。
メモ用紙に書かれていたのは。

○○印耳かき
綿棒
ベビーオイル

「土御門。アンタ耳かきなんてアナログな物」
学園都市では耳掃除といえば耳の中に小型の掃除機を使って吸い出すのが一般的であり、耳かきを使う人は少なかった。
「おー。やはりみさかもそう思うのかー。実は兄貴が言うには」
「舞夏よく聞くんだにゃ~。メイドと言えば耳かき。耳かきと言えばメイド。この二つは切っても切り離せない関係なんだぜよ」
舞夏は兄貴である土御門元春が語った講釈を美琴に話してみた。
「んで。アンタは兄貴の言うとおり耳かきをするんだ」
「メイドと言えば耳かき。と言うわけではないが、耳かきも考えてみれば立派な奉仕になるからなー」
「奉仕ね…わかった。暇つぶしがてら買ってくる」

(いい暇つぶしになるかな?)そう思いつつ美琴は出かけていった。
そして薬局に到着し舞夏の注文通りの品を手に取った時
「アイツに耳かき……ボッ!!」
美琴は上条に耳かきをしている姿を想像してしまい赤面してしまった。
(ななななな…何考えているんだ私は…なんでアイツなんかに耳かきしなくちゃいけないのよ。でも…)
何度も自問自答しながらも結局舞夏と同じ品を購入する美琴であった。

(二つも買ってしまった。舞夏に見られないようにしないと)
そう思い寮に戻るなり舞夏に見つからないように自分の部屋に戻ってみたが。
「おがっ……」
「お~~みさかー。おかえりー」
そこには美琴の帰りを待っていたかのように舞夏が待機していた。
舞夏は驚いてフリーズしている美琴の手から買い物袋を奪い取り中を確認し始めた。
そして注文した品が二つあることに気がつき、にや~~っと笑みを浮かべながら。
「なんだーみさかも誰かに奉仕したかったのかー。んでその奉仕する相手は白井の言う類人猿なのかー?」
「………」

驚きから恥ずかしさに変換した美琴は何も言えず顔を赤くしながらプルプルしていたら。
「よろしい。この土御門舞夏がみさかに耳かきの極意を伝授しよー」
「へっ?伝授?あんた耳かきしたことがあるの?」
「あるぞー。兄貴だけだが経験はばっちり」

そう言って舞夏は美琴のベットに腰掛けて太ももをポンポンと叩いた。
「アンタ兄貴に膝枕で耳かきしているの?」
「みさかー。兄貴の言葉じゃないが、膝枕には耳かき。耳かきには膝枕。これは切っても切り離せない関係なんだぞー」
そう言って右手には耳かきを持ち左手で美琴を手招いていた。
しょうがないと思いつつも美琴は舞夏の太ももの上に頭をおいた。
「おー。みさかー大胆だなー。まさかおなかに顔を向けて寝るとは思わなかったぞー」
「しょうがないじゃない。反対向くと足が落ちそうだったし」
「こっちのほうが見やすくて私はやりやすいぞー」
そう言って舞夏は美琴の耳掃除を始めた。

数分後
部屋には顔を赤く染めた美琴と面白いものを見たと言わんばかりの楽しそうな顔をした舞夏がそこにいた。
「いやー。まさかみさかがあんな声を出すとは思わなかったぞー」
「うるさいっ!声が出ちゃうんだからしょうがないでしょ」
「でも声が出ると言うことは気持ちよかったんだよなー」
「うっ……それは否定できないけど。みんなには秘密にしてよ恥ずかしいから」
「誰にも言わないから安心しろみさかー。それより練習するのかー?」

練習と言う言葉に少し現実を取り戻した美琴は舞夏の指示の元耳かきを始めた。
耳かきを始めて数分後
「みさかー。初めてにしてはなかなかの腕前だったぞ。これなら少し経験を踏めば十分な奉仕ができるぞー」
そう言って舞夏は満足したかのように部屋を出て行った。そして一人部屋に残った美琴は
「経験か…まず黒子を実験台にして経験をつんだらアイツに」
そう呟き小さな闘志を燃やすのであった。

そしてその日の夜
「まあお姉さま。そんな耳かきなんてアナログな物を持って」
黒子の台詞に(食い付いた)と感じ美琴は
「今日土御門に耳かきしてもらったら気持ちよくて掃除機なんかよりこっちのほうがいいのかなーって思って」
その言葉に黒子は
(土御門~~お姉さまに耳かきなんて素敵なイベントを…)
黒子の背中に嫉妬から来る怨念のオーラを確認した美琴は(チャンス)と思い。
「黒子の耳掃除してあげようか?」
「………えっ?今なんて申しましたかお姉さま?」
「だから耳かきしてあげるって言ってんのよ。アナログでも気持ちいいんだから」
そう言って太ももの上をポンポンと叩いた。
(これは夢?そんなことがあるのですの?)
そう思いながらも黒子は頬をつねってみたが痛みを感じ取り夢ではないことを認識し
「お姉さま。もしかしてこの黒子がお姉さまのお膝の上に寝て耳かきをすると言うのですの?」
「膝枕のほうが見えやすいし…って黒子」
説明するまもなく美琴の太ももの上に黒子はテレポートで移動しお姉さまお願いしますと言わんばかりで待っていた。
そんな黒子を見て
(よっしゃ!疑われずに練習に持ってこれた)
心の中でガッツポーズをとりながらも耳かきを始めた。

耳かきを終えて幸せいっぱいの表情をした黒子を見て
(あのときの私みたいに黒子も舞夏も声を出さなかった。まだまだ修行が足らないのかな?)
そう感じ取りこの二人に声を出させるまでは上条に耳かきをしないことを誓う美琴であった。

耳かきの特訓を始めてから数日後
とある公園で美琴は耳かきを見つめながら
「何が足りないんだろう」
そう呟き考え込んでいた。なぜ考え込んでいたのかと言うと
その後何度か黒子を実験台として練習をしていたがいまだに黒子が声を出さないことに不満を持っていたのであった。
そんなことを考え込んでいるときに
「御坂さーん。こんにちわ」
「御坂さん。こんにちわ」
美琴に挨拶する二人の少女が現れた。
「佐天さんに初春さん。こんにちわ」
普段どおりに挨拶した美琴であったが、二人は少し神妙な面持ちをしながら、
「御坂さん。お話があるんですが、今からあそこのファミレスに行きませんか?」
「えっ?大丈夫だけど?」

普段とは違う二人に(なんだ?)と思いつつも3人でファミレスに向かった。

3人が注文した品がテーブルにそろうなり初春が衝撃の発言をした。
「御坂さん。白井さんの愛を受け止めたって本当ですか?」
その言葉に美琴は飲んでいたジュースを盛大に噴き出した。
「ゲホ、ゲホ、……なんでそういう話になるの?初春さん」
「えっ違うんですか?だって白井さんが詰め所で」
初春が言うに、ジャッジメントの詰め所で黒子が美琴に膝枕で耳かきをしてもらった惚気話を永遠聞かされたことであった。
「あの馬鹿…なんて話を広めているんだ」
そう思いつつも美琴は2人に真相を話した。

「なんだぁー御坂さん白井さんの毒牙にかかったわけではなくて耳かきの練習をしていたんですね」
と佐天は安心してアイスコーヒーを飲み
「おかしいと思ったんですよ。白井さんが変な事いうから、勘違いしちゃったじゃないですか」
と初春は特盛パフェを頬張りながら答える。
「ごめんね変なうわさ流して」
美琴は弁解しつつも「黒子のやろう」と考えていた。

「さて、誤解が解けたところで、新たな情報を問い詰めますか」
と佐天は黒い笑顔を振りまきながら質問を始めた。
「御坂さんは誰の耳かきをするために白井さんを練習台にしたんですか?」
その質問には普段はおとなしい初春も食い入るようにのってきた。
「誰でもいいじゃない…将来の為よ」
美琴は冷や汗をかきながらそう答えたが
「ほう将来を考える人がいるんですね」
さらに黒い笑顔になりながら佐天と初春は問い詰め始めた。

「あうぅぅ」
美琴は顔を赤くしながらどんどん小さくなっっていった
初春がここでいきなり
「御坂さん今隣にいる佐天さんは実は耳かきのスペシャリストなんですよ」
「えっホント!」
美琴はがばっと顔を上げて佐天を見つめ始めた。

「実は私も前に佐天さんに耳かきをしてもらったことがあるんですけどこれがまた気持ちよくって」
初春は楽しそうに話し始めたところで
「私には弟がいてずっと耳かきをしてあげていてこの前人に耳かきをしたくなって初春にお願いしたんです」
そう佐天が話しているところに
「佐天さん!どうか私にその耳かきテクニックを伝授してください」
美琴が佐天の手を握りながらお願いし始めた。

ここで本日最大の黒い笑顔を出しながら佐天が
「喜んで伝授しましょう。でも交換条件があります」
「何?ここの奢りならいくらでもするわよ」
そう美琴が答えたが
「それも魅力ですが御坂さん耳かきしてあげたい将来を考えている人のことを教えてください」
佐天から出した条件は上条のことであった
「えぇぇぇぇっ!」
美琴は少しの間絶句したがしぶしぶ話し始めた。

「こっこれは…」
「完全にやられていますね…」
佐天と初春は絶句しながら美琴の上条へのラブラブな気持ちを聞き続けた。
「んでっアイツがさぁー聞いているの?」
すっかりテンションがあがった美琴に対して


「わかりましたから今から私の家に来て伝授しますから」
「えーっこれからがいいところなのにーっ」
しぶしぶ美琴は佐天の意見を聞いた。
「ナイスです!佐天さん」
いいかげん美琴の惚気話に聞き疲れた初春は佐天の対応を褒め称えた。


ここで3人は佐天の部屋に向かう道中も美琴の惚気話を聞き続けた。
「御坂さんをここまでする人はどんな人なんだろう」
と二人で同じことを考えながら佐天の部屋に到着した。

「さぁ早速始めますか」
佐天はそう言い棚から耳かきそして見慣れない銀色の穴の開いた円錐の筒を取り出した。
「何?これ」
美琴は見慣れない物を見て佐天に問い始めた。

「これは耳鏡って言って耳の中がよく見えるんですよ」
そう言って膝の上をポンポン叩きながら
「まずはどんなものか試してみてください」
そう言って美琴を膝のうえに導いた。

そして数分後
「御坂さん……」
「何も言わないでお願い…」
そう言って顔を赤く染め上げ今にも泣きそうな美琴がいた。

佐天の耳かきは美琴の想像を遥かに凌ぐテクニックで今まで掃除をしたことが無いところまで掃除をおこなったのである。
そしてぎりぎりを攻められる緊張感に耳垢がはがれる衝撃に美琴は声を出してしまい恥ずかしさのあまり震えていたのであった。

「あはははは…御坂さんは耳が弱いんですね」
「へっ?弱い…?」
「だって同じ事を初春にしても何もしゃべりませんし気持ちよさそうにしているだけですから」
「そうなんだ…でも私にもあそこまで出来るのかな?」

美琴は不安になりつつも佐天に聞いてみた。
「耳鏡を使えるようになれば簡単ですよ。初春にやってみたらどうです?」
「えっ?いいのかな?」
心配そうに美琴は初春のほうを向いたが

「大丈夫ですよ。白井さんからは御坂さんの腕前を何回も聞いているしここには耳かきスペシャリストもいますから」
そう言って美琴の膝の上にころんと横になった。

さっそく佐天から耳鏡を借りて初春の耳掃除にとりかかった。
「うわーほんとによく見える鼓膜の近くまで耳掃除できるよ。」
「さすが御坂さんですねもう使い方は大丈夫そうです。」
「えっそうなの?」
佐天からそう言われて心配になりながらも初春に聞いてみた。
「どうかな?佐天さんに比べてどう?」
「うーん?もう少し細かく掃除してくれればもっといいかもしれませんね?でも十分に気持ち良いですよ」
そう初春に言われて上機嫌になったところで耳掃除が終了した。

「佐天さん今日はありがとうちなみにこの耳鏡は何処に売っているの?」
「医療系の通販だったと思いますけどお母さんが買ったので詳しくはわかりません」
「そうなんだ…」
少し肩を落とした美琴を見て

「御坂さん新しい耳鏡が見つかるまで貸してあげますよ」
佐天がそう言うと始めてあったときゲコ太キーホルダーを譲ったときと同じ笑顔で
「ありがとう佐天さんすぐに同じものを見つけるからそれまで貸してちょうだい」
美琴はそう答えて足早に「黒子で練習だ」のセリフを残し寮へ帰っていった。

残された二人は
「いったいどんな人なんだろう御坂さんがここまで尽くす人って」
と上条への疑問を残しつつ見送っていた。

その日の夜とある寮では
「お姉さま。今日も黒子に耳かきを?」
ほぼ耳かきが日常になっている黒子にとって至福のときがなくなるのを不安になり美琴に聞いてみたが。
「あっいいよ。じゃあ横に」
最後まで台詞を言うまもなく黒子は美琴の太ももの上に寝転がっていた。
「じゃーん今日は秘密兵器があるんだ」
「お姉さまなんですのそれは?」
「まあ掃除してもらえればわかるから」
そう言って美琴は耳鏡を使い掃除を始めてみた。
「ああぁぁぁ…お姉さまそこはまだ黒子の未開の地ですの」
そう呟き黒子は何も言わなくなったが美琴は見逃さなかった。耳垢を剥がすたびに小さく黒子の腕が痙攣するところを。
耳かきも終わりふらふらーっとベットに横たわり屍のようになった黒子を見て
(ふーん。人それぞれのリアクションがあるんだね。これで舞夏のお墨付きをもらえれば…)
ゴールが見えてきた美琴は小さくガッツポーズをとり
(覚悟しなさい。ひーひー言わせるかヒクヒクさせてやるんだから)
そう思いある少年への思いに燃えるのであった。

そして日曜日
「土御門。ちょっと私に付き合って」
「みさかー。どうしたんだー」
美琴は舞夏に今の自分の耳かき技術がどこまであるのかを試験してほしいとお願いするのであった。
「おーそういうことなら大丈夫だぞー」
そんなやり取りをして2人は美琴の部屋に行きさっそく耳かきの試験を始めるのであった。
舞夏を太ももの上に寝かせ今までの特訓の成果を見せるべくもてる技術を全てだし片方の耳を終わらせると
「どうだった?」
「………………」
美琴の質問に舞夏は何も答えずプルプルと震えだしたかと思えばいきなり立ち上がり。
「たかが1週間でここまでの技を……負けていられないんじゃー特訓だー」
そう言って部屋から出て行ってしまったのであった。
ひとり残された美琴は
「合格なんだよね?」
そう一人呟いた。

そして舞夏から合格をもらったと判断した美琴は最終目的でもある上条に耳かきをすべく上条を探すため町に出かけた。
しかしふと美琴の頭の中であるものがよぎった。
「どうやって耳かきをする方向に持っていけばいいの?」
そう思い頭の中で色々なシュミレーションを行ったのだがうまくいかず一人もだえていたところに
「何やってんだお前……」
美琴が一人もだえているところに可哀想な物を見るような目で上条が声をかけてきたのであった。
「おわっ………」
「ビリビリ。お前せっかく声かけているんだから挨拶くらいはしたらどうなんだ?」
「ビリビリって言うなっ!それに声かけて返事しないのはどこのどいつよ!」
「ああ?上条さんがいつ無視したって言うんだ」
「毎回毎回私が声かけてもスルーしているくせに、あんたの耳の中どうなっているの!」
そういった瞬間美琴の頭の中に耳かきに持っていける道が開けた。
「お前なー上条さんの耳はちゃんと機能しています。ほらっ!」
上条が思惑通りの行動を示したので美琴は
「アンタがこれから私の声をスルーしないように耳掃除してあげるからアンタの家に連れて行きなさい!」
「えっ?……御坂さん。上条さんは聞き間違えたのでしょうか?耳掃除してくれるって」
「アンタね…耳がおかしいのじゃないの。この御坂美琴様がじきじきにアンタの耳を掃除してあげるって言ってんのよ」

美琴の迫力に負けた上条は仕方がなく美琴に耳かきさせるべく寮に向かうのであった。
そんな上条の背中を見ながら美琴は
(やった!耳かきだけじゃなく住所までゲット)
と心躍る気持ちでいた。

そんなこんなで上条の部屋にあがりこんだ美琴は周りをキョロキョロしつつ
「ふーんこれが男の部屋かー」
そう思っていると隣の部屋から
「にゃーいくらメイドと耳かきの関係とはいえそこまで耳かきをしなくてもいいんぜよ」
「うっさいんじゃー。今から私が本当の耳かきをやるんじゃー」

そんな声を聞き背中に少し恐怖を感じつつも
「ねえ今隣の部屋から…」
「ああ?いつもの兄弟げんかじゃねえの?」
「そう…なんか聞きなれた声がしたから」

「んで耳掃除って言ったけどあれかお前のビリビリで耳かすを取ってくれるのか?」
「違うわよちゃんとこれを使うわよ」
そう言ってポケットから耳かきを取り出したが
「お前…いつも耳かき持ち歩いているのか?」
単純にいつも耳かきを持ち歩いている女子中学生に疑問を持ったが、夏休み前の記憶がない上条はそういう流行もあったのかな?ですましてしまった。
「じゃあ頼むよ御坂さま」
上条が言うとともに美琴はベットに腰掛けいつものごとく太ももを軽く叩いた。
それを見た上条は戸惑いながらも
「あの…美琴さん?もしかして膝枕で耳かきをしてくれるのでしょうか?」
「だってこうしなくちゃよく見えないしそれに…初めてじゃないんだからいいじゃない」
最後のほうはボソボソ喋って聞き取れなかったが、
「御坂がいいなら…」
そう言って上条は美琴の太ももの上に頭をおいた。
早速耳掃除を始めた美琴であったが
「ちょっと反対側向いてくんないよく見えないから」
そう言って上条の頭を持ち自分のほうへ向けようとした。
上条も言われるがままに反対側を向いたら実琴のスカートの中から短パンが見え普段ならラッキーイベントではあるが、少しがっかりしたが。
そんながっかりしている上条に美琴は
「ねえちょっと私と勝負しない?」
耳かきの前に勝負と言われ頭の中には?マークだらけになった上条は
「勝負?」
「そう私が耳かきしている間にアンタが少しでも声を出したりリアクションを取ったら負けってこと」
「ああいいぜ。じゃあ俺が何もリアクションしなければお前の負けってことだな」
「OKじゃは今から開始ね」

そう言って美琴は上条の耳を掃除し始めた。

「アンタの耳の中どうなっているのよ耳垢が沢山あるし、しかもそこに血が付いて固まってなかなかとれないよ」
カリカリカリカリと耳の中ではこびりついた耳垢をとるため耳かきが細かく動いている
しかし上条はリアクションを取ったら負けもあり沈黙を守っている。
そんな上条を見て美琴は手前側の耳垢を片付け耳鏡を取り出し奥の耳掃除に取り掛かった。
奥にある耳垢は大きくこびりついているため美琴は細かく丁寧に耳垢をはがしにかかった。

ピクッピクッ
上条が耳垢を剥がすたびに痙攣していることに美琴は見逃さなかった。
(やっぱりこいつは我慢しているんじゃないそれなら)
「あっすごい大物があるけどかなりこびりついているから少し強めでいくよ」
美琴がそう伝えると上条は一瞬絶望感漂う顔をしたが、何も言わず親指を立ててGOサインを送った。

美琴が大物取りに耳かきを動かすこと数秒
カリカリカリカリベリリ
上条の耳の中では物凄い衝撃と共に耳の奥にとてつもない爽快感が襲ってきた。そしてついに油断したのか上条は

「あぁぁぁぁ」

ついに声を上げてしまったのであった。
そして上条の声を聞き逃さなかった美琴は

「今、声に出したよね?アンタの負けってことよね?」
上条は違うといっても通じないくらいの声を出してしまい認めるしか出来なくなり。
「あーそうです。上条さんはうっかり声に出してしまいましたよ」
「認めたわね。じゃあ罰ゲームは何にしようかなー」

上条はどんな罰ゲームが来るのやらと思いつついつものごとく
「不幸だ…」
そう一人呟いた。

「まあ罰ゲームが確定したしアンタはもう我慢しなくてもいいから」
そう言って美琴は耳掃除の続きを始めた。

数分後
「もう…俺…お婿にいけない」
そう呟き部屋の隅で小さく震える上条がいた。
結局上条は美琴のテクニックに翻弄され声ばかりではなく手足の痙攣まで見せてしまったのである。
そんな上条を見て何もかも楽しくなり気分をよくした美琴から
「じゃあアンタにしてもらう罰ゲームだけど」
上条はこれだけ羞恥プレイをさせただけではなくさらに罰ゲームもあるのか。と一人絶望のふちに立たされたが美琴から出た言葉は

「アンタはこれから一生私以外の人に耳かきさせないことあと自分もしないこと」

上条は耳を疑った
「一生って…それって…」
「わかった!」
「ハイっ」

美琴の迫力に上条は思わず返事してしまった。
上条の返事に満足した美琴はじゃねーと気分よく返事をして部屋から出て行ってしまった。

部屋に取り残された上条は
「あれって……そのままの意味だよな」
そう一人ごちた。

そして美琴は寮までの帰り道耳かきをじっと見つめ
「これってある意味私のレールガンより強力って事だよね…」
なんともいえない気持ちでいっぱいであった。

そしてその夜
「おねーさまーん。今日も黒子に愛の耳かきを」
普段ならめんどくさいと思うところだが影の協力者でもある黒子に感謝の意味をこめて耳かきをしてあげた。
耳かきしている最中美琴はふっと思い出した。
「これから一生私以外の人に耳かきさせない」
(あれってプロポーズと受け止められるよね……)
そして悩んだ末の上条の返事に美琴はまさかと思った。

そんな考え事をしている美琴を心配した黒子は
「お姉さまどうされましたの?」

「ハイって返事したよね…」

「お姉さま?」

「認めたってことよね…」

「お姉さま」

「ふにゃ~~~~~~」

「おねーーーーさまーーーーー!」


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