とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part6

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匿名ユーザー

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第6章 当たり


12/24 PM11:03 曇り


 入る時より数倍暗い顔をして出てきた二人を店長が迎えた。

店長「いやー助かったわぁ。ありがとう二人とも!一時はどうなるかと思ったけどこれで私も帰れる」

 店長は悪びれる様子もなく、二人に感謝して展望台のチケットを渡し、「じゃ、デート続き頑張ってね」などと空気の読めない
ことを言って去っていく。
 二人はもはやそれを否定する余力も残っていなかったので、ただただその後ろ姿を見送った。

上条(何だったんだあの人は)

 考えてみたらあのプリント機やこの嘘発見器を導入する人間である。正直関わらない方が無難かもしれない。

美琴「ところでさ」
上条「ん?」
美琴「手、いつになったら離してくれるわけ?」

 上条の右手はまだ美琴の左手首を掴んだままだ。その状態は店長以外が見ても恋人同士にしか見えないだろう。

上条「…………これからどうする?」
美琴「無視すんな」
上条「帰るとか言うなら、この手離さないのでよろしくです」
美琴「…………、え?」
上条「いやほら、展望台のチケット今日の夜12時までじゃねえか。俺とじゃ不満かもしれないけど今行くしかねえだろ?
    しかも1枚2000円てもったいなさ過ぎ。あと、お前へのお願いもゆっくり考えたいしな。オーケー?さぁ行くぞ」
美琴「えっ、ちょ、ちょっとー」

 結局手は離さず、上条は美琴をエレベーターまで引っ張っていく。
 悪い気はしなかったが、美琴はその不可解な上条の行動にひたすら混乱する。



12/24 PM11:09 曇り


 最上階である42階に展望台はあった。
 ガラスのような透明な板がドーム状に張られていて、上部は今空いている。真冬には寒々しい光景だが、暖房を入れ、空気を
上手く循環させているのかそこそこ暖かい。屋根の部分は10分もあれば閉じることが可能で、突発的な大雨でも降らない限り
快適である。今日はクリスマス仕様なのか、イルミネーションに彩られた15メートル程もある銀色の金属製ツリーや、星形の
オブジェなどで彩られて、可愛らしくも幻想的な雰囲気になっていた。

上条(それにしても……………)

 その小さな体育館くらいある空間はパラパラと人が居たのだが、そのほとんどが恋人らしきカップルだった。
 さすがにその空気に耐えきれず、エレベーターのある建物からその空間に入った後、数十秒ほどで上条は美琴の手を離してしまう。
 二人はとりあえず人気の少ない場所を選び、手すりに寄りかかった。
 今のお互いの距離は大体一人と半分ほど。

美琴「星、見えないわね。雪も降らないし」

 そう言われて上条も見上げたが、確かに黒い雲が静かに空を覆っているだけだった。小さな光も、白い粉雪も見えない。

上条「星に関しちゃ、曇って無くてもあんま見えないんじゃねえか?」

 下を除くと、学園都市が様々な人口の光に覆われていた。
 時期的なせいか、所々ライトアップされていたりして中々綺麗だ。

美琴「この夜景全部消して、雲を寄せれば星見えるかしら」
上条「………だから、お前が言うと冗談に聞こえないからやめろって」

 夜景はキラキラと綺麗なのに、二人の心の中は暗い。

美琴「で、お願いはどうする?」
上条「んー、そうだなぁ」
美琴「お願いを100個に増やしてくれーとかは無しね」
上条「言わねえよ!どこの小学生だよそれ」
美琴「アンタが幸福になるってことで、私が出来る範囲なら何でも良いわよ。変なこと以外で」
上条「変なことって?」
美琴「………そこにつっこむな馬鹿!」
上条「?」

 美琴は思わず赤くなる。しかしこの暗さじゃ見えないだろう。

上条「幸せ……ねぇ。世界平和とか?」
美琴「真面目に考えなさいよ。さすがにちょっと荷が重いわ」
上条「ちょっとかよ!?………んー、じゃあ例えば今後一切俺にビリビリ攻撃しないってのは?」
美琴「却下。それかなり荷が重い」
上条「………………おい」
美琴「言われなくても今度から出来るだけ減らすわよ………漏電以外は」
上条「漏電はするってのか」

 自分が幸せになる方法。上条はもうそれに気付いている。しかし、それが美琴の幸せに繋がるかは分からない。恐らく望み薄だ。
 今ならあの時の偽海原の気持ちが解かる気がする。
 これがロシアンルーレットだとすると、弾はどの程度の割合入っているのだろうか。いや、そもそもどうすれば当たりを
増やせるのだろうか。

上条(………無意味だな)

 いくら考えても所詮確率論でしかない。いつから自分はこんな弱くなったのだろうと上条は内心首をかしげる。

上条(うじうじ考えるのは性に合わねえな。こう言うのは女子の専売特許だ)

 このまま悩み続けることも、諦めることも無理に思われた。

美琴「何今にも死にそうな苦い顔して悩んでるのよ」
上条「え、んな顔してたか?………さっきの話だよ。俺が幸福になるお願いでお前が不幸になったら意味ねえなと思ってなー」

 美琴は根っこのところでは優しいから、ひょっとしたら無理をするかもしれない。
 そうして美琴が不幸になってしまったら、上条が幸福になることはまずできないだろう。

美琴「………アンタ、私に何させる気よ」
上条「いや、お前は何もしない。するのは多分俺だ」
美琴「何それ??つか、さっきから何度も言ってるけど、アンタは一人で悩みすぎなのよ。できるだけ何でも話しなさい。
    それともアンタはまだ私を見くびってるわけ?もっとこの御坂美琴を信じろっての」

 上条は返答しない。再び二人の間に沈黙が流れる。
 ややあって、上条が一つ息を飲んだ。

上条「そうだな。決めた。いっちょお前を信じてみるか」
美琴「……………何?」
上条「でも、その前に、言っておきたいことがある」

 上条は、まったく馬鹿げたことを考えているなと心の中で自嘲する。
 ハズレが1つしか入っていないクジ引きでハズレを引くような自分が、アタリが1つしか入っていないクジ引きに手を出す
ようなものだ。普段なら確実にそんなことはしようとしない。
 でも、美琴が信じろと言ったのだ。今これを信じないなら、これから一切何も信じられなくなるような気がした。例えそれが
裏切られようとも。
 だから上条は信じる。アタリが出ると。
 その有り得ないことをしている自分が可笑しくなって、美琴を見つめながら少し笑みを浮かべる。

上条「俺さ、最近身近に、好きな人が居ることに気付いたんだ」
美琴「…………………………………え?」

 美琴はその言葉に頭を思い切り殴られたかのような衝撃を受ける。自分が真っ直ぐ立っているかよく分からない。

美琴(………………………居たんだ。好きな人)

 落ち着こうとしても体が熱くなり、高速で脈打つ自分の鼓動が聞こえる。目も耳もぼやけて、現実が妙に遠くなったかの
ような感覚に陥る。
 先程とは逆の立場。しかし美琴だって安易にそれが自分だなんて思えない。
 これまでのことを考えると、上条が自分を好きだなんて到底思えない。一体それが自分である可能性はどのくらい残っている
というのだろう。単純に確率で考えてみようと過去を振り返り、今まで上条のそばに居た女性を心の中で指折り数える。しかし
それが一人、また一人増えるごとに自分の体が削られていくような感覚に襲われ、6、7人数えたところで断念してしまった。
 膝が笑いだす。

美琴(で、でも、さっきこいつはクリスマスイブには好きな奴と過ごせって言ってたじゃない。なら……)

 何でも良いからすがろうと、そんなことを考えてみるが、そもそも上条は最初に『皆忙しいから一人だ』と言っていたはずだ。
ならば好きな人がその中に含まれているかもしれないし、今ここにいるのも仕方なくなのかもしれないと考えてしまう。
 思考の悪循環が止まらない。
 今すぐここから逃げ出したくなる。
 それでも美琴はその動揺を気取られたくなくて、どうにか斜め下を向き表情を隠す。

美琴「…………………………」

 何か言おうとしたが、声が出ない。

上条「それで、そいつが誰か教えるから………その後にもし御坂が嫌じゃなかったら、そいつとの仲が上手くいくように手伝って
    欲しい。もし嫌なら、綺麗さっぱり忘れてくれ。それがお願いだ」

 美琴は体の震えを抑えるため、片手で強く自分の腕を抱く。

上条「……………ダメ、かな」
美琴「……………………………わか、わかんない」

 ようやくそれだけ言ったが、声が震えているのを隠そうとしたため小声しか出ない。
 本当に何も考えられない。出来ることなら耳を塞ぎたい。

上条「あ、さっきも言ったけどな、このことでお前を不幸にさせる気はサラサラねえからな!」

 その言葉に、ようやく美琴は上条の顔を見る。

上条「お前もちったー俺を信じろよ」

 美琴の体はまだ震えていたが、その言葉に心の奥底が少しだけ居心地良くなるのを感じた。
 いつだったか、上条が不可能を可能にて絶望の中に居た自分を救ってくれた時のことを思い出す。あの上条が真剣な瞳で信じろと
言っているのだ、なら例え世界中の全員が信じるなと言ったとしても、自分だけはそれを信じる自信がある。

美琴「……………分かった。私も………アンタを………信じる」
上条「おっし!…………じゃー言うぞー」

 上条は自分の中の恐怖をぬぐい去るためわざと軽く言う。
 鼻で自然に息を吸い、口から細くゆっくりと全て息を吐き出す。

美琴「ちょっと待って!!」
上条「っ、…………なんだよ?」
美琴「こっち………ココ、ココで言って」

 美琴はさっきよりまばらになった恋人達を更に避けて、人気の少ない中央近くにある金属製のクリスマスツリー下へと上条を
誘導する。いざというとき自分が暴走したらまずいので、そのための措置―――と自分に言い聞かせる。

上条「………良いか?」
美琴「待って!!」

 少し速めの深呼吸を10回以上してから、上条を思い切り睨み付ける。そうでもしないと心が折れて今にも恐怖で泣きそうだった。

美琴「おっしゃこいやー!!」
上条「何でお前の方が緊張してるんだよ」

 そう言って笑おうとした自分の顔がガッチガチになっていることに上条は気付いた。
 腕が震えるのを抑えるために握り拳を作り強く握る。
 どうやらお互い様のようだ。

上条(雪でも降れば雰囲気出て勢いで言えそうなのにな)

 そう思ったのが悪かったのかもしれない。

上条「ん?雪?」

 顔に水滴が付いたような気がして、空を見上げる。
 その次の瞬間、ザーーー!!と通り雨が上条と美琴に向かって降り注いだ。
 わずか10秒ほどで二人はびしょ濡れになり、わずか20秒ほどでキャーキャーと恋人達が建物の中に逃げ込み、結果屋外には
二人だけが取り残された。

美琴「アンタ………天候まで操るってどんだけ不幸なのよ」
上条「お、おれのせいかよ!?」

 言いがかりだ!とは思ったものの、過去に世界の破滅の危機まで招いたことがあるので、天候くらい朝飯前かもしれない。

上条「入るか?」
美琴「いい。このまま言って」

 美琴はずっと表情を変えずに睨んだままだ。この状態を一旦崩されるのがきついのかもしれない。そして美琴の髪や顔も少し濡れているからか、妙に色っぽく見えてしまって、ゴクリと喉を鳴らす

上条「それじゃ言うぞ」

 美琴が頷く。

上条「俺が好きなのは―――――」

 言いながら、上条は異変を見た。
 美琴が突然何かに気づき、慌てながら上条を突き飛ばす。そして両手を思い切り空へと突き上げる。
 直後―――ズガン!!!!そう聞こえたのかも定かではない。それほどの何かが耳をつんざき、さらに目の前が一瞬光で真っ白
に変わる。上条は条件反射的に右手を前に出していた。しかし二人を襲ったソレに触れた瞬間、幻想殺しが効かない範疇の物
であることが解る。

上条(雷!?それも本物の!!)

 直撃は美琴のおかげで回避できたものの、周りの物に反射した側撃雷が上条を襲い、激痛と共に筋肉が思うように動かなくなる。
結果、美琴に突き飛ばされた慣性のまま地面へ転がる。
 さらに雷の影響で展望台の明かりが全て消え、視界を奪われる。

上条(御坂は!?)

 激痛が走る筋肉を無理矢理動かし、美琴が居た方向を必死に見る。
 ほとんど目が眩んで見えなかったが、美琴が無事であることくらいはなんとか分かる。表情が見えないのに、何故か泣きそう
な顔で叫んでいるような気がした。
 それらが全てスロー再生のように見える。
 直後、上条はバキッバキッ!!!という、何かが壊れるような嫌な音がするのを微かに聞いた。
 そうだ。雷は恐らく避雷針代わりになった美琴と、その隣の金属製ツリーに落ちたはずだ。
 必至に目を凝らすと、太さ1メートルはあろうかという後ろの銀色のツリーが、ゆっくりと美琴の方へ倒れていくのが分かった。

上条「御坂、避けろ!!」

 耳が狂っていて、きちんと叫べたかは分からない。それは美琴も同じようで全く聞こえていないようだ。何かを叫びながら
ゆっくりとこちらに向かってくるのが分かる。このままだと尖った枝を纏う銀色のクリスマスツリーは、恐らく美琴を直撃するだろう。
 上条は自分でも聞こえない何かを咆哮すると、激痛を全て無視して立ち上がる。

上条(はは。そうかよ)

 叫んでいるのか、考えているだけなのかは分からない。

上条(俺を幸せにしようだなんて、無茶で優しいことを言う美琴を、神様《アンタ》は俺から奪おうってのか)

 美琴へ向けて走り出す。

上条(いいぜ、神様《アンタ》がそんな可愛い美琴の幻想をぶち殺そうってなら―――――)

 計ったようにツリーが美琴の頭の上めがけて落下し、枝の一本が美琴の頭を突き刺そうとする。
 美琴は上条の方を見るばかりでそれに気付かない。
 一瞬でも速くとそこへ駆ける。脚の筋肉が限界を超す。

上条(―――――俺が全身全霊で守り抜く!!!)

 ツリーが美琴の頭蓋骨を刺す寸前。驚いた顔をする美琴を思い切り抱きしめ、そのまま地面にダイブする。
 直後ガギン!!!と言う金属が擦れる音を微かに聞いた。
 二人は冷たい床に横たわり、徐々に耳が回復して土砂降りの雨の音が聞こえてくるのを感じていた。

美琴「…………………ねぇ」
上条「ん?」
美琴「何してんのよ」
上条「何って……あ、悪い。何か全く体動きそうにない」

 思い切り抱きしめたままの腕は少しでも動かすと激痛が走った。冷たい雨に体力は奪われていくし、さっきの一連の緊張か、
今美琴を抱きしめているための緊張か心臓はバクバク言うし、さてどうしたものかと思案する。

美琴「そうじゃなくて、あの状況で何でアンタが下になってんのよ」

 上条は地面に転がる寸前に体を捻り、美琴の体と頭を守るような体勢を取っていた。
 おかげで上条の制服はドロドロのグチャグチャである。

上条「しょうがないだろ。咄嗟だったんだから」

 美琴は上条の胸に頭を付けているため、上条からは表情が読み取れない。

美琴「でさ」
上条「ん?」
美琴「こんな酷い状況で聞くのもアレなんだけど…………アンタは今…………幸せなの?」

 雷に打たれて、死にそうな目にあって、土砂降りの中で泥だらけになって地面に横たわり――――そして美琴を抱きしめている。
 そんな酷い有様で上条は何の臆面もなく答える。

上条「ああ、すっげえ幸せだぞ」

 言った瞬間、通り雨が嘘のように止んだ。
 さすがにそれには上条も苦笑してしまう。

美琴「ッ!…………」
上条「どした?ぐあっ!」

 顔を覗き込もうとした上条は顎に頭突きを食らう。

美琴「アンタ……グス…ちっとも……ヒック…私……」

 美琴は嗚咽を漏らしながら泣きじゃくり出した。涙を上条の胸に擦りつける。

上条「何で泣くんだよ…………って、あー。もしかして聞こえたかアレ」
美琴「泣いてなんか、無いわよ!!聞こえなく……ヒック、たって……だいたい、分かるわよ」

 あの瞬間。美琴が気にしていたのは自分の名前か、そうじゃないかだ。だから、口の動きを見てれば大体分かる。
 とは言っても、あんな極限の状態で口の動きを読むなんてそうそう出来ることではないのだが。

上条「聞こえてはいなかったのか。んじゃもう一回言うぞ」
美琴「……うん」
上条「御坂美琴。俺はお前が好きだ」
美琴「うん………ヒック。わ、わた、私も…私も………ずっと………アンタが…」
上条「うん」
美琴「好きだった」
上条「……そっか」

 その言葉を上条は噛みしめる。体の中が暖かい物で満たされる。

美琴「なのに、アンタは……ヒック、全然気付かなくて……ヒック」
上条「あー。なんつうか、それについては本当にすいませんでした」

 もう答えは出た。上条は一つだけの幸福を手に出来たのだった。
 思い起こせば全て辻褄が合う、本当は単純なことだったのかもしれない。

美琴「もう、ヒック、良いわよ………鈍感馬鹿!!」
上条「分かった。分かったから泣くのやめて顔上げろ」

 美琴は再度上条の服に顔を擦りつけてから、顔を上げて上条を見た。まだ抱きしめられたままなので、ほとんど鼻と鼻がぶつかりそうな
ほど近い。美琴の顔は泣いているせいか完全に真っ赤だった。

美琴「ねぇ………その、ほんとに私で、良いの?私、あんたがいっつも言うようにガキだし、すぐ電撃放つし…すぐ妬くし…怒りっぽいし…」
上条「お前じゃなきゃ嫌だっつの。お前が居てくれたら不幸になんかならないって、ずっとそばに居てくれたら幸せだろうな
    って、そう思った」

 自分の幸福を願う人がそばに居る。それ以上の幸福があるだろうか。

美琴「じゃ、じゃぁ。もう逃げたりしない?」
上条「逃げないどころか逃げても追いかて逃さねぇから、覚悟しとけよ」
美琴「…………うん」

 美琴は少しだけ笑った後、上条を数秒睨み付け、そっと目を閉じる。

上条(何でこんな無茶苦茶分かりやすいことに気付かなかったんだろうな俺は………)

 幸福は、すぐ近くにあったのだ。
 上条はもう間違わない。
 目を閉じて、そっと首を伸ばし唇を唇に重ねる。柔らかな美琴の唇は冷え切っていて、少し震えていた。お互いを温めるかの
ように静かに、長く、ケーキより甘く愛おしいキスをする。
 途中でパチッと美琴から火花が散って上条は慌てて右手を頭にそっと置く。

上条(絶対に………離したくない)


 そして―――――上条の意識が落ちた。






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