放課後、御坂美琴は学園都市を疾走していた。
理由はもちろん、あのツンツン頭を見つけるためである。
理由はもちろん、あのツンツン頭を見つけるためである。
(そうよ、私は決めたの。素直になるって。何度も決意揺らいじゃって佐天さんには迷惑をかけたけど、もう大丈夫。それに、そもそもうじうじするのは私の性に合わないのよ!)
佐天のおかげで、少し吹っ切れた美琴は、本日最後の授業が終わるや直ぐ様学校を飛び出し上条探しを始めた。
探しだして30分は経つがまだあのやたら目立つウニ頭を見つけることは出来ないでいる。
探しだして30分は経つがまだあのやたら目立つウニ頭を見つけることは出来ないでいる。
(いないわね…でも諦めないわよ。今日の美琴センセーは一味違うんだから!!)
そして、美琴は上条探しを続行した…
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「いない…」
御坂美琴は公園のベンチで項垂れていた。捜索開始から3時間が経過したが、未だに上条を発見する事が出来ないでいた。既に日も沈み始めている。
「たく、なんでこー会いたい時にあのバカは見つからないかしらねー…」
(その癖、私がピンチの時には向こうから来るのよね…ホント、罪な奴…)
そう考えてはいるが美琴の表情はとてと柔らかかった。惚れた弱味と言うやつだろうか。
(は~あ、どうしたもんかしらね、せめてアイツに連絡位とれれば…あ。)
美琴はスカートのポケットからあるものを取り出す。
それは…愛らしいカエルのキャラクターを型どった、文明の利器。携帯電話。
それは…愛らしいカエルのキャラクターを型どった、文明の利器。携帯電話。
「この手があったか…」
美琴はとてつもない脱力感に苛まれた。
(いつもの癖で直接探し回ることしか頭になかったわ…って、べ、別にいつもアイツを探し回ってるわけじゃないんだから!! ッてこれじゃダメだろ私!?)
考え事をしている様な様子をしていると思ったら、いきなり顔を真っ赤にしてあたふたしだし、その後直ぐにどんよりとしたオーラに包まれ項垂れる。
1人、無言で百面相する少女が、そこにはいた。
1人、無言で百面相する少女が、そこにはいた。
(でも、いざ電話かけるとなるとそれはそれで緊張する…それにアイツに電話とかメールしてまともに繋がったことないし… …ダメダメ弱気になるな御坂美琴!ここで逃げたらまたうだうだ考えちゃうでしょ!深呼吸、深呼吸…すーはー、すーはー。ひっひっふー。ひっひっふー。よし!!)
少し間違った方法でなんとか意を決した美琴は通話ボタンを押した!!
prprpr…
「よう御坂」
「ふにゃぁぁぁぁああ!!!!!?????」
「わぁぁぁぁぁ!!!???何!!?どうした!!??」
いきなり本人登場。マジ心臓止まるかと思いました。
「あ、あ、あ、あ、あんたぁぁぁああ!!!!脅かすんじゃないわよ!!!!」
「驚いたのはこっちだわ!!!!俺は普通に声かけただけだろうが!!!」
「うっさい!!!人が電話かけてるときにいきなり話しかけるあんたが悪いでしょ!!!???」
「え?電話中だったのか?それは悪いことしたな。すまん。でも流石にあれだけ驚かれると上条さんとしても傷つきますよ… 」
そう言って結構本気で落ち込んでいる様子の上条。いつもの美琴ならここで「そんなの知らないわよ!」とでも言ってしまうのだろうが…
(バカ、私ったらまたッ…!せっかく向こうから話しかけてくれたこのチャンスを棒にふる気!?それじゃダメでしょ!?)
なおも落ち込んでいる上条の様子を伺いつつ、心を決める。大丈夫。朝の私とは違う。少し、素直になるだけでいいの。と自分に言い聞かせ美琴は口を開いた。
「そ、その…ご、ごめん。ちょっとオーバーだったわ。」
「へ?あ、ああ。さっきは俺も悪かったんだし気にすんな?」
「あ、ありが、とう」
「お、おう」
よし!上出来!!と心のなか密かにでガッツポーズする美琴だった。逆に上条は何か違和感を感じたようで微妙な顔をしていた。
「「…」」
しばし、沈黙。耐えられなくなったのか上条が先に話し始めた。
「ま、まあその話はいいとして!
そう言えばお前!!今朝はどうしてあんなとこに!お陰でクラスメイトに半殺しにされて!そのせいでまともに授業受けれなくて!挙げ句この時間まで補習させられて!流石の上条さんもこれほどの不幸を味わったのはそうそうないですよ!!」
そう言えばお前!!今朝はどうしてあんなとこに!お陰でクラスメイトに半殺しにされて!そのせいでまともに授業受けれなくて!挙げ句この時間まで補習させられて!流石の上条さんもこれほどの不幸を味わったのはそうそうないですよ!!」
「あ、そ、それは! …その、いろいろあって… ごめん、なさい。」
「…い、いや、分かればいいんですけどね」
…お前、もしかして御坂妹か?」
バチィィッ!!
そう言った瞬間10億Vの電撃が飛んできた。
そう言った瞬間10億Vの電撃が飛んできた。
「ッ!!?ッぶねぇぇ!!?ほ、本物であらせましたか…」
「当たり前よ!間違えるな!」
「なら熱でもあるのか?」
バァァァァァン!!!!
次はレールガンが飛んできた。ほんと、この人は学ばないよね。
次はレールガンが飛んできた。ほんと、この人は学ばないよね。
「うぉぉぉぉぁあああああ!!?ごめんなさいでしたぁぁあ!!?」
「…よろしい」
「…じゃあどうしたんだ?今日のお前変、っていうか…おかしいぞ?」
「あんたは喧嘩売ってんのか。」
「い、いえいえ!決してその様なつもりは…」
(たく。せっかく人が素直に謝ってるってのに失礼でしょうが…)
「なんつーか、ちょっといつもと違うから、調子狂うんだよな。まあ先程のやり取りで十分調子取り戻したんですが。 …その、なんか困ってるなら言えよ?協力する。」
「別に、そうゆうんじゃ…でもありがとね。心配してくれて。」
「い、いや気にすんな?」(今日こいつほんとにどうしたんだ?朝からおかしかったけど、なんか調子狂うな…なんかこう、いつもより素直ってゆーか…)
「あ、あんたは今帰り?」
「おう、でもちょっとスーパー寄って食材の買い出しだけして帰ろうかと。」
「あ、そうかあんたは自炊派だっけ。」
「まあ自炊のが安くつくしな。それに案外料理ってしてみると楽しいもんだしな。」
「あーわかる。そうよね。最初めんどくさいんだけど、段々凝った料理作ったりね。」
「そうなんだよ!って御坂は料理すんの?確か常盤台って学食で済ませるんじゃなかったか?」
「調理実習でね。でもそこらの学校の調理実習とは訳が違うのよ?おせちとか懐石とか作らされるんだから。」
「ま、マジか…常盤台凄まじいな…俺そんなもん作ったことねぇよ。」
「アハハ、そりゃそうでしょ!それが普通よ。で、最初は大変だしめんどくさかったんだけど、段々それが楽しくなってきてね。」
「へー。正直以外だな~。御坂ってあんまり料理しなさそうって思ってたわ。」
「電撃食らいたいの!って言いたいとこだけど、まあ無理もないわねー。普段の私見てたらそりゃそうなるわ」
(あれ?)
そこで美琴は気が付いた。いや、上条も。
((こいつとこんなに普通の話したことあったっけ?))
とゆうことだ。それまで二人の会話と言えば、やれ勝負しろだ、やれ無視すんなとか、逃げんなとかだ。せいぜいよくて偽デートの時位だろう。そこで美琴は一つ気付いたことがあった。
(これってやっぱり、私が少しでも素直になるようにしたから? それだけで、こんなに変わるの?)
美琴は驚いていた。
今まで自分が出来なかったこと。今回の場合は上条と普通の会話をするとゆうこと。それが自分を少し変えるだけで簡単に叶った。ならもっと素直になれたらどうなるのだろうか?
今まで自分が出来なかったこと。今回の場合は上条と普通の会話をするとゆうこと。それが自分を少し変えるだけで簡単に叶った。ならもっと素直になれたらどうなるのだろうか?
(見てみたい。そのためには私が頑張らないと駄目だけど、でも、もしかしたら私が素直になれば、こいつと…)
一方で上条も考えていた。
(なんか楽しいな。こいつと話すの。いつもは勝負だなんだで、それどころじゃないけど、なんかこいつ、いつもより素直だし、最初調子狂ったけど、慣れてみれば結構話しやすい。
…いつもこれくらい素直なら可愛いのにな)
「…タ、…うしたの?、ねぇ、ねぇってば!」
「へ?あ、わりぃ、ぼーっとしてた!」
「もう、しっかりしなさいよね。」
(やばい、俺今何考えてた?御坂が可愛い?いや、そら見た目は可愛いさ。中身が問題なんであっt…あれ?今の御坂って、全然普通だよな?なら結局可愛いってことに…待て待てぇぇぇい!上条さんはロリコンではありませんのことよ!?年2つしか変わらねぇけど!!中学生に手を出す凄い人にはなりたくありません!!)
考え事をしている様な様子をしていると思った ら、いきなり赤面し、直ぐ様項垂れる。
1人、無言で百面相する少年が、そこにはいた。
1人、無言で百面相する少年が、そこにはいた。
「アンタ、大丈夫?」
「な、なんでもないです…」
先程の美琴の様子を知っている者がいれば間違いなくお前が言うな。と突っ込まれているであろう。
そこで、ふと上条が何かを思い出したように顔を上げた。
そこで、ふと上条が何かを思い出したように顔を上げた。
「あ!御坂、今何時だ!?」
「え?18時20分だけど…」
「やばい、タイムセールおわっちまう!わりぃ、御坂!俺行くわ!また今度な!」
「あ、ちょ、ちょっとまって!」
「ん?どうした?」
美琴には先程新たな感情が芽生えていた。
素直になることができた、その先にあるもの。それを少なからず垣間見た美琴は心からそうなりたいと思った。自分さえ素直になれればそれも夢じゃないのではないか。と。
素直になることができた、その先にあるもの。それを少なからず垣間見た美琴は心からそうなりたいと思った。自分さえ素直になれればそれも夢じゃないのではないか。と。
(そうよ。今はチャンス。これを逃す手は無いわ。)
「そ、その、一緒に行って良い?」