とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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第2部 第06話 第一章開戦前(6)


8月9日(日)

日常生活において有能な母があらかじめ気をきかせ、外出許可を事前に
9時間延長し、朝6時に変更してくれたおかげで私と当麻は不法滞在をまぬかれ
早朝3時にゲートを通過し、帰宅できた。

1時間ほど仮眠し、いつもどおり5時に起きる。
2日続けてのほぼ徹夜状態だが、一仕事終えた高揚感で不思議と疲れは感じない。
私はぬるめの風呂につかり全身を伸ばし疲れをほぐす。

母の根回しとパパ2人の雑談により話は盛り上がり、最初の予定の2時間では終わらず、
2時間延長し、さらにもう1件はしごした。

娘を失う父親の尋問なんて話はどこにもなく、終始なごやかな雰囲気で終始した。
途中パパと当麻が10分ほど外にでて何やら話こんでいたようだが、当麻は
問いただしても何を語り合ったか言わなかった。

ただ、パパは現状を受け入れてくれたことは間違いはないだろう。
パパは大覇星祭の時に婚約式を開くことを提案してくれた。
パパは私が嫁ぐではなく、上条・御坂の両家が一体になることを
コンサルタントとして提案した。まだ若すぎる2人を4人の大人がともに支える。
パパは言わなかったが、私と当麻の背負っている過酷な運命を親もともに背負うと
言いたかったかもしれない。

それにしてもパパと当麻の父親がロンドンの飲み友達なんてできすぎだろう。
ママと詩菜さんがジム仲間、パパと刀夜さんが飲み友達?
話ができすぎでこんな小説がもしあるなら、ご都合設定にしか思えない。
事実は小説よりも奇なりか・・

ともかく、お見合いは終わり、私と当麻は若すぎる夫婦生活を法律上ではないが、両家公認の
元始めることとなった。

この件は、しばらくは終わり。本業回帰ね。
さあ行動開始よ。
私はPC3台と脳を直接リンクし、能力をフル稼働させて情勢分析をはじめる。

まずは、ばらまいた暴露情報の影響評価だな。

多数の国家と多数の民族が暮らす欧州で統合の象徴のEU本部とバチカンの幹部のずぶずぶの汚職や
米系投資銀行との癒着の暴露はリーマンショック後、社会不安と深刻な不景気に襲われた欧州社会へ
深刻な社会危機を招くだろう。暴露後先週1種間だけで、ユーロは対円で15円暴落し90円になり、ドルは
75円になった。

粉飾決算が明確になったギリシャはついに株式市場も債権市場も閉鎖され、全銀行が営業停止になった。

イタリアでは大手銀行で取り付け騒ぎが発生し、首相以下複数の閣僚が逮捕された。
また、教会財産を勝手に処分する土地投機にかかわった疑いで複数の枢機卿・大司教・司教・司祭も拘束された。

やりすぎだな。私は自分の小細工が予想以上の反応を示したことに驚きを禁じ得ない。

更なる暴露も予定していたが、出す必要はなさそうだ。
タックスヘイブンでの秘密口座の政財宗教界の大物の預金残高・取引記録・脱税の証拠
だが、そこまでやれば冗談抜きに世界秩序が崩壊しかねないので封印する。

先物で莫大な利益を出したところで市場そのものが崩壊しては意味がない。
今日食蜂にあって対策を考えよう。

それにどうせ月曜日には日本銀行も介入するだろうし、週末にはG7もワシントンで開かれるだろう。
儲けの半分くらい差し出して相場を支えるか。
情けは人の為ならずとも言うし。窮鼠猫を噛むともいう。賭け事は勝ちすぎても
いけない。ほどほどが一番なんだからさ・・私はPCの画面を閉じ情勢分析を中断する。

そろそろ配偶者を起こす時間だ。
私は声をかける 当麻・起きて・・お・き・て
寝起きの悪い配偶者はなかなか起きない。
(全く人として基礎ができてないわね、だらしがないわよ当麻)
しょうがない・・もう7時なのに以外に体力がないわね。


いつもなら頭髪に数十億ボルトの電撃を蓄えて威嚇するとこだが、一度当麻に泣いて
やめるように懇願されたことを思い出しやめる。
代わりに能力で筋力を上げお姫様だっこの要領で配偶者をベットから移動させる。
さすがに当麻も目を覚ます。

「美琴・・そんなことしなくても起きるよ」
「そう・・?起きる気配もないくせに、朝食お願いね」
「まったく人使い荒いな・・職場でも鬼上司か?」
「何よ。遅く起きたくせに、それ」
当麻は口で私の口を封じしばらくして一言いう。
「美琴は笑っている方はかわいいぞ」

(まったく・・当麻はずるいわ・・惚れた男にそんな事をされたら・・
  言いたいこともいえないじゃないの)

「ごめんね。当麻。でも休みでも規則正しく起きた方がいいわよ」
「美琴はタフだな。でも・・みんながそうじゃないことは知ったほうがいい」
「え?そう・・?当麻今日は、コンビニ弁当でいいわよ」
「いや・・それはさすがに悪い。1時間くれないか。ちゃんと作るよ」
「ありがとう。まっているわ」

当麻は、米をとぎを炊飯を始める。
私は当麻が日課を始めたことを確認し、書斎へ戻る。

 ・・・・・・

PCの黒の画面をつけぱなっしにしながら私は曖昧にしていた
悪夢の分析をはじめる。
それを知ればもう後には戻れないかもしれないが、配偶者を得た以上これ
以上は放置できないと判断し、調査を開始する。

はっきりしているのは小6の夏休みの8月の記憶が明らかに飛んでいることだ。
そして、記憶が飛んだあと、能力が格段の向上し、超荷電粒子砲を撃てるようになった。

小6の夏休みに何が起きたかそれがすべてか・・・
すべての記録を調べるか。
恐らく自分と学園都市にとって不都合な事実しかないだろう。だがいくら不都合な
真実でも知るべきだと私は思った。

私は能力をフル稼働にして書庫、研究所、ツリーダイアグラム、統括理事会、アンチスキル
あらゆるサーバを漁ってみたが何一つでてこない。
だがないことで私は確信する。記録に残せない不都合な事実、被験者の私の記憶を消すほどの
何かが行われたことは間違いないだろう。

これはすぐに解決しないな。まてよ、記憶を消す?
そうか・・答えは自分にありか・・。いるじゃない・・専門家がさ・・。
心の領域の専門家、機械の専門家の私と対極をなす人物食蜂を頼るか・・・。
私は方針を決めこの件は終わりと心の中で告げる。

当麻は、手際よく朝食を作り終え私に伝えに来た。
「美琴お待たせ」
「当麻悪いわね。朝は大変そうだし、なんなら朝はホットモットか
 コンビニ弁当でいいわよ。」
私と当麻はダイニングに着席し、純和風定食を食べ始める。味噌と目玉焼きとのり
の香ばしい香りが食欲をそそる。味噌は大根が食べやすいサイズにカットされ
お代わりを要求したくなるほどうまい。

「朝飯は大事なのは美琴なら知っているだろう。美琴のおかげで経済状態も安定したし、
 不幸も激減したしそのくらいやるよ。」
「ふふ当麻の不幸てなんだったのかしらね。結局は経済力と粗忽さの産物なのかもね?
 幻想殺しがあるからなんてそんな幻想は私がぶち壊すわよ」
「はは。。でもさ。。美琴が不幸になるかもな・・」
「そうね。でもそんな不幸なら全然大丈夫よ」
「美琴は前向きだな。正直まぶしいよ」
「私には当麻のほうがもっとまぶしいわ」

「もう美琴はかわいいな」
「当麻、食事中よ」
「悪い。でも・・・」
「ダメ・・・」
「うう・・」
「夜までダメ 今日は出勤日で私は社会人よ」


本当は当麻に甘えたいが、きりがなくなりそうなので心を鬼にして断る。
それに。。さっさとけりをつけたい。自分の過去に。
美琴は常盤台の夏用制服一式を取り出し外出する。

 ・・・常盤台中学・・・・
防弾仕様、防盗聴器の談話室
「久しぶりね。常盤台」
「御坂さん、まだ10日よ」
「まあまだ席はあるからね9月30日までは。ところでどう食蜂も飛び級しない?」
「無理力全開よ。御坂さんと違って私を慕う子を放置できないわよ
 で今日は何の用?」
「食蜂には感謝しているわ、欧州の件ありがとう」
「珍しい御坂さんが素直力満開なんて怪しいわね」

「ちょっとお願いがあるのよ。」
「なるほどね・・ツンデレ力を利用するてわけ・・」
「ツンデレ?何それ?私はいつも素直よ。でお願いというのは、
 私の記憶を覗いてほしいのよ」
「へ?御坂さんのシールドは、防御力満載で11次元までのあらゆる攻撃・干渉を
 排除するじゃない。私の能力だって例外じゃない無理よ」

「普通ならね。でもエクステリアならどうかしらね?」
「み・御坂さんなんでそれを?」
「さあ でも私にハッキングできないものなんてないし、電子的なロックは無意味よ」
食蜂はがたがた震えだす。

「御坂さん何を知っているの?」
「さあ食蜂が私の記憶を1月分小6の夏に消したくらいは知っているわよ」
「どうして気がついたの?」
「強固な自分だけの現実を持ちしかも対能力者防壁を持つ私の「自分だけの現実」を
 一部とはいえ消去できるなんて超能力者は食蜂しかしらないからね。」
「何を知りたいの?」
「真実かな・・」
「み・御坂さんは中2力満載ね・・青臭いし」
「分かっているわよ。封印された記憶なんてものにこだわる無意味さはでも
 配偶者には真実を知ってほしい」
「上条さんね。
 御坂さん、それを知ったら最悪すべてを失うかもしれないわよ」
「覚悟の上よ」
「すべてを敵に回すかもよ」
「今更だわ、当麻と婚約した以上は当然の帰結よ」
「御坂さんらしいわね。まっすぐで・・でも申し訳ないけどこの件は協力できないわ」
「予想どおりね 安心したわ。」
「え?もういいの?」
「もう必要な情報は全部入手したから」
食蜂は、美琴の自信満々の態度をいぶかしんだが、精神的な世界では圧倒的な自分に適うはずはないと動揺を隠した。
「御坂さん何を知っているの?」
「私のしでかした何かとんでもないことの記憶が消されていることよ
 でもいいわ。今はそれ以上は調べない。食蜂が関係者であることさえわかれば十分よ
 じゃ私は校長先生と渡辺先生に挨拶してくるから。今日はありがとう」

食蜂は美琴を見送りながら心の中で安堵の色を浮かべる。
だが・・食蜂は気がついていた。機械の世界では圧倒的な能力者の美琴が遠からず真実に
たどり着くことを。

(さすがに口は堅いわね。)
美琴は、お世話になった常盤台の先生方に挨拶を交わしつつ、食蜂の反応を吟味する。
多少ハッタリと推論でジャブを打ったが、おおむね反応は予想どおりだった。生体
電流を観測する限り、自分の推論はあたりという結論になる。

さあてと食蜂を監視するのはともかくとして、やっぱり・・あのジジイを責めるか?
SYSTEMレベル6開発の総責任者そして御坂美琴の実際の能力開発責任者
「木原幻生」を。

 ・・・・・・・・

私は仕事を終え、実験リポートを書きながら失われ記憶に考えを巡らす。ある意味
もう答えはわかっているのだ。
どうせ、SYSTEMがらみの実験が行われ、何か予想もしない失敗がおこり、関係
するデータや報告書さらに被験者である自分の記憶ごと闇に葬ったということだろう。
まあ・・いいわ。どうせ私がSYSTEMがらみのことで何かあればわかることだから。


私はアラームのなった監視カメラをみる。
私は、レオナルド・ダビンチ国際空港の監視カメラを見ながら、つぶやく
こんにちは「ヴェントさん」
貴女の術式は機械に通用するのかしらね・・
人はいつまで機械に勝てるのかしらね・・
興味深いわ。

さあそろそろ帰ろうかしら明日から忙しくなりそうだし。
私は、いつもようにひょいと研究所の屋上から自宅の屋上まで約1分で移動する。

「当麻ただいま」
「美琴おかえり」
当麻は見違えるほど上達したキスで口をふさぐ。
少し過去のおそらく自分の過ちで思い悩んだ心が軽くなる。
「じゃちょっとシャワー浴びてくるわね」
「ああ待っているぞ」

「当麻、私が実験でもしも間違って人を殺していたら許してくれる?」
「え?」
「どうやら私は小6の時人を殺したかもしれない。正直記憶も記録も何もないから
 正確なことはわからない」
「記録も記憶もないんだろう、そんなのどうでもいいじゃないか?それに
 学園都市での高位能力者の実験は生死が隣り合わせなんだろう?」
「ええそうね。」
「美琴らしくないぞ、そんなつまんないもので思い悩むなんて」
「ありがとう。」
「美琴そろそろいいか?」
「え。。そうね。待たせたもんね、じゃ」
「今朝は美琴がお姫様だっこしたから俺の番だ」
「え?腰傷めないでよ」
「美琴は重くねよ」
「そうね・・」
当麻は姫をベットに寝かせ、夜伽をはじめる。
そして、いつも以上に美琴は当麻をもとめ、早朝までいちゃいちゃを開始する。
もう・・偽りの平和は終り、本当の平和を求める戦いが始まる。そんな気がした。



1章 終り 2章 へ続く









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