とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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第2部 第07話 第二章(1)


8月10日(月)午前5時

昨日は思わぬ有名人を発見し、少々びっくりしたが、
ヴァチカン強硬派が学園都市を
攻撃することはある程度想定していた。

統括理事会の資料だとヴァチカンには神の右席という、最強の
魔術師集団がいるという話だった。ひとりで中規模国の陸軍に
匹敵する威力があるという評価で油断はできない。
だが人工衛星や監視カメラのデータで見る限りローマ正教全体の
攻撃ではないと判断できそうだ。ささと処分するか・・

さあて・・と。前方のヴェントね。資料には敵意・悪意を持つなという
簡単な記載しかないので、インデックスへ電話する。
ロンドンなら夕方9時か・・インデックスは日本語はOKだが
英語で確認することとする。

「もしもし、・・」
「みことひさしぶり美琴は発音はキングス・イングリッシュなんだね」
「どっちも大丈夫よ。ところで前方のヴェントが来たわよ学園都市へ」
「ローマの?」
「ええ、ものすごい力を持っているらしいけどどんな力か明細資料がないのよ。
 教えてくれる?」
「みことは顔見た?」
「え?ああ監視カメラでちっらと」
「へえ・・そう。よく倒れなかったね」
「見るだけで倒れるの?」

「うーん 天罰」
「天罰?」
「ヴェントは、姿を見て少しでも敵意を抱いたものを誰でも失神や仮死状態にする
かつてれびやほんでえんかくちでちらみでも昏倒する」
「なるほどそうか、私はどんな相手にも敵意は抱かない。客観的に観察するように
 している。で倒す方法は?」
私は知らないふりをして詳細を聞き出す。そして一番知りたい情報を入手する。

「本人を殺すか、十字架を壊せば終わる」
「なるほど」
「そうだね。みことはロンドンにこない?ステイルもかおりも会いたがっている」
「ええいいわ。どうせ今月中に欧州に行く予定だから。今日はありがとう。」
私は、さらに聞きたいことがあるのを抑え残りは終わり次第かけることを
心に誓う。
じゃ・・その可愛いお姿を使いましょ。前方のヴェントさん

さあてと

深呼吸をして呼吸をととのえる。
そして気を取り直し私はいつもように寝起きの悪い婚約者を起こす。
どうせささやいたところで起きてくれないので、ベットから持ち上げ
キスをして起こす。

「美琴そこまでしなくても起きるよ」
「そう・・ごめんね」
「でもさ 美琴がおいしいからついつい食べちゃったよ」
「いいのよ。当麻が優しいからついつい甘えちゃった。ごめんね」
「美琴?なんか悩みじゃないか?」
「ちょっとお客様の設定の仕方で悩んでいたのよ」
「客?」

「前に話した魔術師さんの件よバチカンからね」
私は、当麻にひととおりバチカンについて説明していた。
「なるほど、美琴に会いに来たと?」
「ええそれと当麻とこの街の理事長閣下にも会いたいらしいわ」
「で・・どうする」

「どうせならこんな可愛い子を扇動するバチカンさんへ教訓を与えたいわね」
私は当麻へアイデアを伝える。
「美琴それは面白いけどバチカンは困るだろうな」
「まあブーメランとも言うかしらね」
「で・・ヴェントは?」

「今アリタリア航空でロシア上空よ。到着は夕方でしょうね」
当麻は、私のひたいに指をあてる
「無理はするなよ」


「ええ、それで悪いけどちょっと協力してくれない?彼女の悩みを聞いてほしいのよ」
「え?美琴は優しいな」
「ひとつ確認したいのよ彼女のバチカンへの気持ちをね」
「で仕事は?」

「休みといいたいとこだけど実験内容を変更するわ。「天罰」というヤツの研究にね」
「当麻は到着を確認したら私が迎えにいくわ だから外出してもいいけどスマホは
 忘れずにね」

 ・・・・・

PM7:00
「もしもし当麻、ゲートにゲストが到着し、職員が昏倒したわよ」
「そうか・・」
「5分まって今いくから」

私は、動きやすい短パンと半袖のTシャツに着替え30秒で移動する。
そして事前に準備したあれの設定を行う。
(最速時速約1000KMか これ以上は少し風圧がきついかな あれができることは
                      今は知られたくないしな)
「当麻、準備いい?」
「ああ」
「じゃ・・右手でさわんないでよ」
「ああ」
 当麻を抱え、いつもようにマンションの屋上へ跳ね、そこから一気に東ゲートへ
 進む。約1分で到着する。

さあてと、ついたわは。
そこには昏倒した複数の通関職員とアンチスキルが昏倒していた。

「てめえは誰だ?」
「名乗るほどのモノじゃないわよ、ヴェントさん」
「名前を知っている?」

「はは・・てめえは学園都市1位の御坂美琴か?」
「さあどうかしらね・・」
「でとなりはその愛人の幻想殺しの上条当麻か?」
「愛人じゃねえよ。婚約者だよ。」
「当麻・・ばかね。名乗るなんて]

「け。。夫婦漫才かくだらね・・で、2人でやつけにきたのか?」
「そ・・」
「当麻、違うでしょ。哀れなヴェントさんに真実をしってもらいたいだけよ」
「け・・上条当麻はともかくてめえはなんでたおれねんだ」
「多分ヴェントさんが可愛いからじゃないかしら」

ヴェントは美琴に馬鹿にされたような気がして冷静さを失う。
「さあて、そんな可愛いヴェントさんに面白いものを見せてあゲるけど」

美琴はスマートフォンの動画を見せる。
「なんだこれは?」
「ヴェントさんが、人を殺している映像よ」
そこには恐ろしい顔をしたヴェントが御坂美琴に似た少女を殺して高笑いを上げている
おぞましい映像が流れている。

「は?なんだこれは合成映像か?」
「さあね 問題はそこじゃないのよ。これを放送した場所が問題なのよ」
「へ?」
「イタリアのすべての放送局よ。イタリアは今12時30分かしら。さぞおいしい
昼飯が食べられるでしょうね。」

「てめえなんてことを」
「あら・・学園都市をおねんねさせようとしたのはだれかしら・・」
「くそ・・しね・・てめえ」
 美琴はヴェントの風攻撃を約10Mの高跳びでかわす。
「当麻十字架を押さえて」

ヴェントはバランスを崩し、そのすきに当麻が右手で意識を刈り
左手で十字架を回収する。
ヴェントがばたばたするのがうるさいので私が電撃で黙らせる。
バタ・・・
「さあここからが本番よ 当麻頼むわよ」
少し電撃が利きすぎたかしらね。あんまり攻撃を受けた時の
耐性はないみたいね。
そろそろ起こすか、私はかるく・・目覚めの電撃を送る。
ビク・・


「当麻悪いけどしばらくイタリア語でしゃべるからこの同時通訳イヤフォンで聞いて
 少々日本語がおかしいけど我慢してね」
「ああ・・」

「いてえ」
「おきなさい」
「てめ・・」

「うるさいわね。あんまりうるさいと永眠させるわよ 何点か質問するので答えなさい」
ベントは相手がイタリア語でしゃっべているので少々驚き対応を若干変える。
「あ・・あ」
「攻撃対象は?」
「御坂美琴、上条当麻、アレイスタ、それらを含む学園都市全部」
「攻撃理由は?」
ヴェントはためらいつつも美琴の異様な雰囲気にしぶしぶしゃべる

「ヴァチカンの脅威になりつつあるから」
「曖昧な理由ね、そんなことで230万人を仮死状態にする理由にはならないわ」
「くそ・・てめえらだろうバチカンの嘘情報をばらまいて信用を失墜させたのは?
 そんな異教徒は死んでもしょうがねえ」

「バチカンの嘘情報?真実じゃないの?」
 美琴はイタリア国営放送の枢機卿逮捕のニュース映像を見せ、それに対する
 イタリア人の反応を映像で見せる。

「バチカンの腐敗なんて今に始まったことじゃないけど、あなたたちの所業に怒っているのは
 別に異教徒ではなく敬虔な信者よ。信者は決して多くない収入から宗教税を払っている。
 それを貧者の救済ではなく不動産投機に使うのは神の御心にかなうものなの?」

「そ・それは・・」
「教会税で養われる聖職者が1億ユーロを
       澳門やラスベガスで使っていいの?」
「大司教がシスターにセックスを強要していいの?」
「確かに・・それは・・」
美琴は陰に潜む食蜂をに目くばりをする。
私はヴェントの個人情報を入手する。それを使い動揺させこととする。
「まあいいわバチカンのことはバチカンで解決することよね。だけどひとつ聞いていい?」
「なんで科学と学園都市を恨むの?」

「それは・・」
「多分だけど身近な人を科学のせいで失った?」
「てめ。。なんでそれを?」
「本当のことを話してくれない。でないと・・・」
「しょうがねえ//」

ヴェントはせつせつと事故で弟を失いそれ以来科学を憎むようになった経緯を語る。
私と当麻は半ば弟の事故には共感しつつ、憎しみの部分には全く共鳴できなかった。
正直逆恨みだろうと突っ込みたくなる。

ヴェントの話をひととおり聞きおえ私は当麻に語りかける。
「当麻どう思う?」
「美琴?バチカンのお偉方は信者を食い物にして贅沢三昧なんだよな。」
「ええ、宗教税を喰いものし、教会財産で荒稼ぎをししかも無税。」
ヴェントは美琴達の話をうなだれて聞く。

十字架は奪われ、術式は解除され、しかも自分の術式を利用されイタリアで多くの
信者を昏睡させた。しかも淡々と異教徒にバチカンの悪事を語られ神の右席のプライド
はずたずただ。

ヴェントは美琴の指摘に反論できなかった。なぜなら実名で語られしかも
全部事実だからだ。美琴が流暢なイタリア語で語るのも効果的だった。
当麻が日本語で語り始める。
「美琴、ちょっとコイツに説教するからいいか?」
「ええ、お願い」

「ヴェント・・お前の遊園地や医師に対する憎悪は分かる。お前は憎んだんだろう。
 人生を、遊園地をそして医師を・・絶望し、世を憎み、自分の無力さに絶望した
 お前が復讐をばねに天罰術式という力を得、お前は強くなった、だけどお・・・・・以下省略・・」

ヴェントには長々しい上条の日本語のすべては理解できなかった。やたら話が長いのと話の言
い換えが冗長にさえ感じた。だが、自分の愚かしさは悟らざろう得ない。
一人で学園都市をつぶすと豪語したのにすべて対策され、ほぼすべての
イタリア人を昏睡させるという大失態だ。

こんな、いくら学園都市1位と幻想殺しとはいえ年端もいかない男女への
圧倒的な敗北は彼女の自信を打ち砕き、彼女は魔術師として居場所を
失った気さえした。

そろそろ締めか・・
美琴は、少々怖い顔をする。
美琴の可憐な小さめの口は流暢なイタリア語を紡ぎだす。
「ヴェント・・あなたは何と戦っているの?」
「え?」
美琴はスマートフォンを操作し千葉県にあるネズミの有名な遊園地の
資料映像を見せる。
そして、少女を強姦し捜査当局に捕まった司教の映像を見せる。

「あなたの言う通り、科学にも欠点はある。だけど人間は常に悔いあらため、こんなにも
 多くの人を幸せにしている。多くの人は失敗しながら、それでも必死に生きている。
 失敗を恨むのはいい。だけど一生懸命生きている人を科学とか異教徒という理由で、
 憎むのはどうかしら?それは主の教えに適うものなの?」

美琴の青臭いが直球の正論は、ヴェントを打ちのめす。しかも強姦しているのはピアージオ
という顔見知りだった。美琴の論法はやわらかいが鋭くヴェントに一切の反論を許さない。
証拠は具体的であいまいさがなくしかもすべて正確だったのが益々気分を滅入らされる。
(天罰か・・ここしばらくバチカンこそが天罰を受ける対象だったかもな)

ん?
美琴はスマートフォンの着信者を確認する。
「ヴェント。法王閣下よ」
「え?」
ヴェントは、法王から学園都市に対する攻撃の中止命令と、謹慎処分を直接聞かされる。
「バチカンは冷酷なのね」

ヴェントは信じていた組織から切り捨てられ、神の右席としての自信を失い、放心状態に
なっていた。
「ああ・・そうだな 美琴の言う通りだな 私はなんのために戦ってきたのか・・
むなしくなる」

「ヴェントはどうする気?」
「美琴、携帯番号を教えてくれないか?」
「ヴェントはモバイルホンはないの?」
「今はない。」

じゃ・・美琴はイタリアの携帯電話会社の最新式のスマートフォンを渡し十字架を返す。
「ここに私と当麻の番号が登録しているから困った時は連絡して、契約者名は私の会社だから
 電話料金は気にしないで」
「ああ・・美琴それから上条当麻よろしくな」
「ええ。」「ああ」
ヴェントは電撃でしびれた足をひきづりながら、迎えにきたバチカンの職員に連れられて
去っていく。

「終わったわね」
美琴は当麻の左手を握りながら喋る。
「ああそうだな美琴」
「どうしたの浮かない顔をして?」
「今回も美琴が全部おぜん立てをし、美琴が解決した」
「そうね。でも当麻の右手がなければ私はヴェントを殺すしかなかった。だから
 ありがとう」

「そうだな・・美琴今日はいいか?」
「今日は?今日もでしょ いいわよ可愛がってあげるわよ」
「俺は美琴の役に立てているのかな」
「ふふ・・そうか、当麻まだ悩んでいたのね。でも・・私は当麻がいるから安心して行動
 できるのよ。当麻はかならず私を超える。人類を救う。私が信じているんだから絶対
 大丈夫よ。だからね。いつも一緒よ」

美琴は当麻の口を自分の口でふさぐ。

「ね・・一緒よ」
当麻は右手を太ももへ回す。
私はしたい気持ちを我慢する。
「当麻、食事が先よ」
「そんなのあとでいい」
「我儘ね。じゃ・・」


当麻背中にのって、それと右手は接触させないでよ。
いつもように、1分で自宅へ到着する。
2人で一緒に浴室へ入り、仲良く禊を済ませる。
避妊準備を完了し、一折儀式を済ませ、生まれてままの姿になる。
「いいわよ」
「おお」
「当麻、いくらでも甘えていいわ」
「喜んで、じゃ覚悟はいいか」
「あら・・突然オオカミになるの?私食べられちゃうの?」
「馬鹿だな。俺は我儘お姫様のしもべだよ」
「あら・・私は王子様に助られるか弱いお姫様になりたいけど」
2人はいつものように、ベットインしていちゃいちゃを始める。睦言はたえることはない。
また寝不足の朝が待っていることだろう。

8月11日(火)朝5時

気温は高いがもう真夏は終わりかけている。まだ外は薄暗く日の出がだんだん
遅くなっているのを実感する。
当麻が執拗に甘えてくるので今日も2時間睡眠で眠い。気合いと生体電流操作で起きたが
完全に疲労物質はとれていない。

タウリン2000mg配合の栄養ドリンクをのみ、急ぎ風呂の準備をする。
隣のベットではいつものように疲れ果てた当麻がまだ眠りこけている。

私は当麻の寝相を確認したのち、ぬるま湯の風呂につかり手を伸ばす。
そして昨日のヴェント戦を振り返る。

正直危ういな。
私は嘆息する。昨日は事前に十分対策していたので、無難に終わったが
知らない場合にはどうなった?

天罰はバリアで防ぎきれるのか?魔術というものの底知れぬ恐ろしさを実感する。
11次元の防壁と1000兆KWの出力だけでは御しきれない何かを感じ始める。

これは今すぐに魔術を詳細に知る必要がある。私は頭を切り替える。

魔術とはつまりなんだろう?私は頭脳をフル回転する。
聖書・論語・法華経・拝火教・コーラン・黄金錬成・死海文書・エリア51
フィラデルフィア実験・相対性理論・ランドルフ・アシモフあらゆる昔詰め込んだ本から
余計な部分をそぎ落とし思念を纏める。

そうか・・私の頭の中に明確な像ができる。
魔術とは神と称する人でない、un knouwnの天上の知的生命からその力を
借りることだろう。

漠然した、言葉でだまされていた隠し絵が、0と1で整理するうちに
明確に映像を結び始める。

神、天上の意思、神上、神浄・・・?

 ・・・私は脳で何かがはじけつつある音を聞いた。・・・
脳内で卵がふ化し始めたような気がする。
今ははっきりわかる。人間でない何かが自分の心の底に住んでいる。

その力は食蜂のエクステリアと私の1000兆kwの出力を、電子や陽子ひとつひとつを
オングストロームの単位で制御できる自分だけの現実を食い破りつつある。

「神ならぬ身で天上の意思に辿り着くもの」

やはり原点はそこか・・・
木原幻生・・私を化け物にし、核以上の戦略兵器超荷電粒子砲に変えた男。

SYSTEMの提唱者、学園都市の元老。ヤツこそが始まりであり終りだ。
残された時間はあまりない。
その天上の意思の莫大な力に飲み込まれる前に私はすべてを知る。
そして2人で神の意思に立ち向かう。

当麻、私は地獄のそこまであなたについていく。
何があっても私はあなたを守る。
だから当麻は私を信じて。私を守って。お願いよ。

続く・・










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