とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part29

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御坂シスターズinロシアこぼれ話


美琴「ほへぇ。久しぶりね。こぼれ話」
上条「それは俺が入院してたからだな。前回のこぼれ話の後、酷い目に合ったんで回復にここまでかかっちまったんだよ」
美琴「ま、まあ……そう、かな?」
上条「おいこら何目を逸らしてやがる。そういやテメエ、あん時助けてくれなかったよな?」
美琴「お、男が女に助けてもらうって何かカッコ悪くない? アンタ、どっちかってーと、そう考えてる節があるし」
上条「そりゃ時と場合による。前回は助けてほしかったですねー」
??「そろそろゲスト紹介してくんないかな? 何かこのままだとおねーたまとヒーローさんのピロートークが永遠と続きそうなんだけど」
美琴「って、どこがピロートークなのよ!?/// 例えにしても完全に的外れなまでに間違ってるわよ!!///」
??「ほへ? お姉様って『ピロートーク』の意味が分かるの、ってミサカはミサカはお姉様に言葉の意味を尋ねてみたり」
美琴「……ま、まだアンタには早いわよ! そういう話!!///」
上条「あん? 今回のゲストって番外個体と打ち止めなのか?」
番外「そりゃロシア編と言えば当然だね。くぅ! やっと正式ゲストで呼ばれたよ!! ちなみに最終信号、ピロートークってのはこういう意味」(MNW配信開始)
打止「はわわわわわ!! そんな細かくなくていいし、前の段階から流さなくていいから!! ってミサカはミサカは思いっきり顔をゆでダコにしてみる!!」
??「打ち止めに余計な事吹き込ンでンじゃねェよ!!!」
番外「おっと。もんのすごい場外からどこぞのロリコンが叫んでるから、最終信号弄りはこの辺で止めておくね。ギャッハ☆」
上条「度胸あるなぁ…」
美琴「はぁ……相変わらずねぇ……この性悪女。とと、それともう一人いるわよ今回」
上条「へ? そんなに多いの? 誰?」
??「こんにちは。そして初めまして。今日はよろしくお願いいたします、とミサカは丁寧にお辞儀をしながら入室します」
上条「あれ? 御坂妹、だよな? どうしたんだその格好? いつもの常盤台の制服じゃなくて、何だかロシアっぽい暖かそうな格好をしているが……つーか、御坂妹なら何度か来てるだろ? 初めましてって何だよ」
美琴「あははは。やっぱ初見だと見分けつかないよねー。その子は普段どことなく私たちに絡んでくるあの子じゃないわよ。てことで今回はこういう表記ね」
妹達「はい。ミサカはロシア在住のミサカ一〇七七七号です、とミサカは改めて自己紹介します」
上条「い、いちまんななひゃくななじゅうなな? いちまんななひゃくななじゅうなな? いちまんななひゃくななじゅうななって何だ? 御坂妹、お前は何を言ってるんだ?」


妹達「これまた随分懐かしいネタですね、とミサカは関西圏にある某県立高校を中心に巻き起こったエンドレスエイトを思い出しながらツッコミを入れます。それと、設定をお忘れですか? とミサカは問いかけます。ミサカたちは実験の後、学園都市に十人ほど残して世界中にばらまかれたのです、とミサカは簡単に説明します。それにしてもMNWを介して拝見するのと、生で拝見するのとではやはりかなりの違いがありますね、とミサカは憧れの貴方と出会えたことに至上の幸福を感じます。ぽっ」
上条「お、おう。よろしくな……(って、待て待てこれ以上近づかないでくれないかな? その、きみのねーちゃんがだな――って、あれ? だんまり? 顔は少し不機嫌だけど)
美琴(はぁ……MNWがあってもこの子自身は初めてコイツと逢う訳だし、それをやっかんじゃ、こっちの方が悪者になっちゃうもんなぁ……)
打止「さっすがお姉様。ミサカたちは遺伝子レベルじゃ同質でも一人一人を個々として扱ってるから妹を立ててるってことだね、ってミサカはミサカはお姉様の行動に感激してみたり」
美琴「まあ……ね……」
番外「ほほぉ。てことは一〇七七七号。今日ならおねーたまは多少ヒーローさんに何しても寛容になってくれるかもよ?」
妹達「そうなのですか? では、初めてお会いした記念にこうやって手を握るくらいはOKですか、とミサカは彼の手を優しく両手で包みこみます」
上条「ひぃやああああああ!」
美琴「ぬ、ぐ……」
上条「お、落ち着け御坂……な? な? って、そう言えば今回ってロシア編なんだよな? 何でゲストがこの三人な訳? 禁書的には三大主人公の一方通行と浜面の方がいいんじゃね?」
打止「はまづら? 誰ソレ? ってミサカはミサカは素朴な疑問を抱いてみたり。ちなみに一方通行は今日はお留守番だよ、ってミサカはミサカは報告してみる」
番外「番犬は鎖に繋いでお家で大人しくさせとかないとね!」

(その頃の黄泉川宅)
一方「黄泉川は仕事、芳川は就活、で、あのウルセエ二人がいねェンだし、ゆっくりさせてもうらおうと思ったのによォ……」

(再びスタジオ)
美琴「ふーん。あのもやしが来ない細かい理由は聞くつもりないし来ないなら来ないでそれは嬉しいわ。で、はまづらって誰? そんなの居たっけ?」
上条「スキルアウト崩れで暗部の使いっ走りに転落した後、シンデレラストーリーのように主人公までの階段を駆け上がった奴なんだけどなぁ……てかお前と番外個体はハワイで会ってるだろ……」
美琴「あー、言われてみれば」
番外「そういや居たね。そんなモブキャラ」
上条「一応モブじゃないんだけど、モブとまで言うか……?」


「ここで耳寄りなお知らせがあります。スカートの下から『尻尾』を伸ばしているわたくしレッサーですが、実はスカートの下はスパッツではなく直パンツです」
「その何の役にも立たねえ情報を渡されて俺にどうしろってんだ!?」


美琴「……………」
打止「……………」
妹達「……………」
上条「ああっ!? 女性達からの視線が痛い! 上条さん、否定したのに!」
番外「どうしろも何も、この状況で男がやる事って言ったら一つでしょ」
上条「その一つはやっちゃいけない事なの!」
妹達「下着が見たいのでしたらミサカがいつでも見せてあげますよ、とミサカはスカートをたくし上げて縞パンをあらわにします」
美琴「だーっ! しまえしまえ! ったく、どうしてアンタ達はそう羞恥心が薄いのよ!」
妹達「そう言えばMNWからの情報によりますとお姉様は下着の上に短パンを穿いているそうですね、とミサカはお姉様の脆弱さに笑いがこみ上げてきます」
美琴「公衆の面前でパンツをひけらかす方がどうかと思うんですけど!?」
番外「で? 肝心のヒーローさんはぶっちゃけどうなの? おねーたまみたいに完全ガードしてんのと、このレッサーって人や一〇七七七号みたいな丸出しなの」
上条「それどうしても言わないとイケナイ事か!?」
打止「……ミサカはゲコ太のパンツ穿いてるけど見る? ってミサカはミサカは男の人がどうしてこんな物を見たいのかよく分からないけど」
上条「………いや、打ち止めのは色んな意味でヤバイから本当にやめとこ」


「色目使ってんだから反応しろよ!! とっとと押し倒せば既成事実になってイギリスのための尖兵一丁上がりになるのに!!」
 ――――
「は、はうあーっ!?」
「っ!? ど、どうしたのよ五和?」
 奇行に驚く建宮斎字に、五和はおどおどした調子でゆっくりと目を逸らし、
「い、いえ……。その、何か、嫌な予感が……」


美琴「は、はうあーっ!?」
番外「おっ、こっちでも嫌な予感がしてる人がいるねぇ」
打止「リアクションも五和って人と同じだね、ってミサカはミサカは相槌を打ってみる」
上条「五和も御坂も、何をそんなに驚いてんだ?」
妹達「おおっふ…他のミサカ達から話は聞いていましたが噂に違わぬ鈍感っぷりですね、とミサカはこれを攻略しなきゃならないのかと溜息を吐きます」
番外「まぁ一部ではある種の名物になってるくらいだからね、この鈍感さは。おねーたまもこのレッサーって人を見習って、もうちょっと攻めたらどうなん?」
美琴「せせせ攻めるって何をよ! 何をどう攻めるってのよ! か、関係ないじゃない!」
打止「そしてこれがお姉様名物ツンデレって奴なんだよね! ってミサカはミサカは解説してみる!」


 美琴はモバイルとは別の、携帯電話に目をやる。
 ゲコ太のくっついてる携帯電話だ。
 とあるツンツン頭の少年の番号に何度か掛けているのだが、全く繋がる様子がなかった。


番外「ニマニマニマ。ちなみに何で『何度か』かけたのかにゃー?」
美琴「ふっ。悪いけど、アンタが思い描いている幻想はぶち壊してあげる。こん時はコイツがクーデター真っ只中のロンドンに居たって聞いてたから心配だっただけなのよね。知り合いが危険な状況下にいるって分かってるんだから、そりゃ何度か掛けるわよ。これはコイツじゃなくても私の友人知人が相手なら、絶対そうするものなの。人としてね」
打止「あー分かる分かる、ってミサカはミサカはお姉様に同意していみたり。でも、繋がらないことの方が圧倒的に多いんだよね、ってミサカはミサカは苦笑いしてみる」
妹達「ところでお姉様。どうして、お姉様はこの人の番号を知っているのですか? とミサカは問いかけます」
美琴「そ、それはその……!/// えっとなんて言うか……!?///」
上条「そりゃあ、俺と御坂の携帯はペア契約になってるからだな。だからほれ、俺の携帯にもカエルのストラップが付いてるぜ――って、ちょっと待った。お前、御坂妹の妹ならMNWで知ってんじゃね?」
妹達「お姉様の面白リアクションを引き出すためにすっとぼけて問いかけました、とミサカは衝撃の事実を暴露します」
美琴「って、うぉぉぉぉぉいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
番外「そういやこの子も天然だけど結構辛辣だったっけ」
打止「……ロシアって土壌だとミサカたちの性格はみんなこうなるのかな? ってミサカはミサカはちょっと慄いてみたり」


 御坂美琴は九月にあった大規模な体育祭『大覇星祭』で、上条当麻の学校の競技を観戦した事がある。


番外「わ~お。おねーたまってば、そんな面白そうな事してたんだ」
美琴「はいはいその辺りのくだりは散々やったから、過去のこぼれ話を読んでね」
妹達「さりげなく宣伝を入れてきましたね、とミサカは感心します」
番外「ちぇー。おねーたまってば反応悪」
美琴「ふっふーん。それくらいの煽り、○天さんから散々あったんで免疫が出てきてんのよ」
番外「ん? 何その人、ぜひミサカのおトモダチにしたいんだけど」
美琴「そそそそそそそそそれはだめ!! だってアンタたちまだ学園都市の機密事項だし、その人は普通の学園都市の学生だし!!」
妹達「? なんだかお姉様が否定しているのは学園都市機密事項以外の理由が混ざっている気がするのですが? とミサカは疑問を抱きます」
上条「というか、佐○さんが御坂をさんざん煽ってんのは原作【禁書目録】の話じゃないよな。この話の趣旨的には原作【禁書目録】で話しよーぜ」
番外「はうむ……正論……」
妹達「解りました、とミサカは疑問を胸にしまって首肯します」
美琴(よっしゃーナイスよアンタ! 今この時だけは褒めてあげる!!)
打止「それで罰ゲームをやって、さっき言ってたペア契約の話に繋がるんだよね! ってミサカはミサカは下位個体達の会話から得た情報をひけらかしてみる!」
上条「そう言えばその罰ゲームん時に初めて打ち止めと会ったんだよな」
美琴「あーあー私との罰ゲームの筈なのに、私がちょっと目を離した隙にどういう訳かアンタが私の妹二人と両手に花状態でデレッデレしてた時ね! 私との罰ゲームなのにね!」
上条「デレッデレなんてしてなかったし、何でそれで御坂がイッライラしてんだよ!?」
美琴「はぁっ!? イッライラなんてしてないんですけど!?」
上条「してんじゃん!? 頭がバッチバチ鳴ってんじゃん!?」
打止「これが学園都市名物ツンデレ―――」
美琴「それはもういいから!」


 ニュース番組の中では、アナウンサーが雪のロシアの状況を説明している。生中継というテロップはないので、少し前に撮影されたものだろう。
 その画面の端に、小さく誰かが映っていた。
 ズボンのポケットからゲコ太のストラップをぶら下げている、あのツンツン頭の少年は、一体どこの誰だっけ?


美琴「えっと……/// さっきも見せてもらったけど、アンタって、そのストラップいつも付けてくれてたんだ……///」
上条「まあな。せっかくもらったものなんだし付けないのは勿体ねーじゃん」
美琴「そ、そう……///」
番外「はぁ……なにこのラブコメ波動……(ただしおねーたまのみ)」
打止「番外個体はこういうほんわかした空気が苦手そうだもんね、ってミサカはミサカはあなたの心中を読んでみたり。でもミサカはほっこりできて嬉しかったり、ってミサカはミサカは少しお姉様を羨んでみる」
妹達「……海外組のミサカに、はたしていつチャンスが訪れるのでしょうか、とミサカはため息を吐きます」
上条「だって、俺、お金なくてストラップを買えないし、周りが皆付けてるの羨ましいところもあったから、本当は結構嬉しいんだぜコレ」
美琴「そ、そうかな……?///」
上条「でもなぁ。なぁんか、周りに評判良くないんだよ。男子からはキッツイ目を向けられるし、女子からはどんよりした視線を感じるし、やっぱこのカエルのストラップって高校生が付けるものじゃないってことなのかね?」
美琴「そ、そんなことない……!/// に、似合ってると思うし可愛いじゃない……!///」
上条「そうかなぁ?」
番外「どうやらヒーローさんの周りはあのストラップがどういう意味のものか分かってるみたいだね♪」
妹達「ゲコ太ストラップなんてそうそうないでしょうから、モロバレなのでしょう、とミサカは推理してみます」
打止「あの人の周りの反応を聞いて番外個体が活き活きしてきた!? ってミサカはミサカはムンクの叫びの顔になってみたり!」


 一方通行は雪の中を走っていた。
 獲物を追うためではない。目的地を目指して疾走しているわけでもない。
 逃げるために。
 あの学園都市第一位のレベル5が、打ち止めを抱えて逃亡のために走っていた。
 恐ろしい。
 彼は素直にそう思う。
 木原数多よりも。
 垣根提督よりも。
 エイワスよりも。
 あの少年よりも。
 背後に迫るこの敵は、ある意味において、一方通行の価値観を支えている柱のようなものを一撃で揺さぶるほど、圧倒的に恐ろしすぎる。


上条「ほへぇ。知らない名前テンコ盛りだけど、雰囲気から察するにその知らない名前たちも結構強いんだろうけど、あいつをここまで恐れさせる相手って誰だ? あいつが恐怖のあまり逃げ出す相手ってどんだけ凄いんだよ」
打止「ちなみに、『あの少年』はあなたのことなんだよ、ってミサかはミサカはご丁寧に教えてあげてみたり」
上条「え? 俺、一方通行に恐れられてんの? 何で?」
妹達「正確には、『憧れられている』ですけどね、とミサカは本人がいれば全力で否定しそうなことをさらりと告げます」
美琴「それはともかく、この一方通行が恐れている相手に興味あるわね。人間ならお友達になりたいかも。でも女の子限定」
打止「あー、とミサカはミサカは目を泳がせてみたり」
妹達「気持ちは分かります、とミサカは相槌をうちつつお姉様から目を逸らします」
上条「相変わらず、あいつのことになると隠そうともせずにキッパリ嫌うよな、お前って。打ち止めと御坂妹の妹が呆れてんじゃねえか」
番外「……」


「やっほう。殺しに来たよ、第一位。ミサカは戦争の行方なんか興味ない。そういう風なオーダーはインプットされていない。ミサカの目的は第一位の抹殺のみ。ミサカはそのためだけに、わざわざ培養機の中から放り出されたんだからね」


美琴「って、アンタなんかい番外個体!! てことはこれ、アンタの初登場シーン紹介じゃない!!」
番外「そういうことよん♪ 本来の流れを変えちゃってるから余計緊迫感あるよね、この場面」
打止「学園都市も結構エグイことするよね、ってミサカはミサカはちょっと困った笑顔になってみたり」
妹達「モヤシのトラウマをものの見事に抉ってきています、とミサカは少しほくそ笑みます」
上条「ちょっ!? ミサカネットワークつーか、御坂の遺伝子が結構番外個体の言葉に賛同してません!?」
番外「そりゃまあ、ミサカはミサカネットワークから悪意を特化して抽出しているわけだしね。あとヒーローさんに言っとくけど、ミサカたちが『人間らしくなっていく』っというのは何も幸福とか喜びとかのプラス方向の感情だけを身に付けていくってことじゃないから。憤怒、憎悪、嫉妬っていうマイナス方向の感情も身に付けていくからそこんとこヨロシク」
上条「ん? まあそりゃそうだろ。けど、俺は別に心配してないぜ」
番外「あれ? 肯定するの?」
上条「そういうのも全部ひっくるめて『人間』だろ? つっても、お前や打ち止めも含めて、妹達は『御坂美琴の遺伝子』から培養されてっから、根っこは良い奴だって解ってるから心配してないってだけだ。お前らは道を踏み外さないって確信を持っている」
打止「おぉ! ヒーローさんが何気にお姉様を持ち上げている! ってミサカはミサカは歓喜してみたり!!」
番外「うぅ……何でだろ……今のヒーローさんの言葉を思いっきり否定したいのにできないなんてミサカらしくないにゃー……」
妹達「どうしましたお姉様? 顔に暗い影が差しているうえにミサカたちから目を逸らしているようですが? とミサカはきょとんとして問いかけます」
美琴「……いや、ちょっとアンタたち全員が眩しすぎて……」(理由は新約15巻参照)


 ニュース内のロシアからの映像の端に、あの少年を確認できた。やはり、日本にはいないのだ。しかも、よりにもよってこの戦争の中で、最も危険な場所をノコノコ歩いている。


上条「ノコノコって…そんな馬鹿みたいな言い方…」
美琴「事実でしょうが。何、戦場をお散歩気分で歩いてんのよ」
番外「にしてもこんな小っさい画面でよく見つけられたね」
美琴「コイツの髪型は遠くからでも目立つのよ。無駄にツンツンしてるから」
打止「え、それだけの理由で? ってミサカはミサカは首を傾げながら追及してみる」
美琴「それだけって…逆に他にどんな理由があるってのよ?」
打止「いやだから、好きな人なら遠くからでも確にもぐまがふがほごっ!!?」
妹達「ふぃ~危ない危ない、とミサカは上位個体が余計な事を言う前に両手でその口を塞ぎました」
番外「結構な所まで喋ってたっぽいけど」
上条「え? え? 何どうしたの急に? 全然聞こえないんだけど?」
美琴「あ、あ、危なかった…と、私は打ち止めが余計な事を言う前から嫌な予感がして両手でコイツの耳を塞いでたわ///」


 幻想殺しというのは、あの少年の事だろう。そんな能力の名前を口に出していたのは、何となく覚えている。


美琴「ぶっちゃけアンタのその能力って何なの? ただ能力を打ち消すだけかと思ったら、大覇星祭の時は変な龍を出してたし、かと思ったら消滅した右手は再生してるし」
上条「それがなぁ…俺にもサッパリなんだよな。テッラが言うには、俺も記憶をなくす前なら何か知ってたらしいんだけど…」
妹達「メタな発言ですが原作者がまだその答えを出してないのに、このこぼれ話を書いてる連中が分かる訳ないですよね、とミサカは身も蓋もない事を言います」
美琴「……他の子もそうだったけど、こぼれ話での妹達はホント空気を壊すのが好きよね…」
上条「ま、まぁ異能の力を打ち消す能力って事で一先ずはそれでいいんじゃないか?」
番外「そだね。おねーたま的にはそれだけで特別な存在になるから」
美琴「ぶっふぉう!!? ココココイツが特別な存在とか何言っちゃってんのよ!!? ただちょっと気になる存在ってだけだからっ!///」
打止「えっと…それ全く同じ意味だよお姉様、ってミサカはミサカはいつもはボケ役なのにツッコミに回ってみる」


 ……かつて、絶対能力進化計画で『妹達』が虐殺されるのを防ぐため、あの少年は命を賭けて、学園都市の大きな闇に立ち向かってくれた。
 ――――
 あの少年には大きな借りがある。
 いい加減に少しはそれを返しても良いかなと、走りながら美琴は思う。


上条「神裂も似たような事を言ってたけどさ、俺は別に貸しを作ったとか思ってないぞ? 妹達の件だって俺がただやりたいようにやっただけなんだから、御坂が責任を負う必要だって無いし」
美琴「ホントにアンタは…当たり前みたいにそういう事を言うんだから…///」
妹達「計画の当事者としてはその言葉は口説き文句以外の何者でもありませんね、とミサカはキュンキュンきている胸を押さえながら返事をします///」
上条「…?」
番外「でもさー、借りがあると思ってるなら他に返しようもあると思うんだよね」
打止「例えばどんな風に? ってミサカはミサカは興味津々に尋ねてみる!」
番外「そりゃヒーローさんだって一応は健全な男子高校生な訳っしょ? おねーたまみたいなリアルJCなら、体を張った返し方くらいある訳よ。例えば前に偶然ネットで見つけたこの薄い本みたいに…」(MNW配信開始)
打止「きゃわわわわっ!!! ここ、これはちょっとミサカには早すぎるかも、ってミサカはミサカは二度目のゆでダコ状態にいいいいいいい!!!」
妹達「お、お姉様とこの人がそんな格好で組んず解れつ…えっ、そんな所にそんな物を!? しかも更にそんな事までしてしまうだと!? とミサカは鼻息荒く実況します!!」
美琴「え、えっ!? ちょ、ネットワーク内の私はコイツに何してんの!? どんな事して借りを返してるってのよ!? どんな格好で、どこに何を、どんな事までしてるってのよおおおおお!!!?///」
上条「あ、上条さんだけ置いてけぼりパターン入った」


「ロシアまで行ってちょうだい。本来通りの仕事をしてくれれば褒めてあげる」


上条「お前これハイジャッ…」
美琴「き、緊急事態だったから仕方ないの!」
番外「そうそう。一刻も早く愛しのあの人に会う為には手段なんて選んでいられなかったもんね。ギャッハ☆」
打止「なにそれ素敵! ってミサカはミサカはおとぎばなしみたいな展開に目をキラキラさせてみる!」
妹達「そんな夢のあるシチュエーションじゃねーよ、とミサカは水を差します」
美琴「て言うか。だだっ誰が愛しのあの人よ!!? 確かにコイツがいつ危ない目に遭うか分かんなかったから急いでたけど、べ、べ、別に早く会いたいからとか…そ…そんなんじゃ…ないし……///」
上条「そっか…心配してくれてたんだな。ありがとな、御坂」
妹達「くっ…お姉様がツンデレてるので大丈夫かと思いきや別の角度から好感度が上がってしまいましたか、とミサカは爪を噛んで出遅れた事を後悔します」


上条「っと、今回はここまでか?」
美琴「ロシア編は原作3本分あるからね。こぼれ話も3回くらいに分けるんじゃないかしら?」
妹達「ゲストはどうなるのですか、とミサカは次回以降のミサカの出番を全裸待機中です」
上条「こらこらセリフだけで姿が見えないからって適当な事を言うんじゃありません。服ちゃんと着てるでしょうが」
妹達「ミサカはあなたの前でなら脱いでも構わないのですが、とミサカは割りとマジな顔で答えます」
上条「はいはい、それはどうもねー」
妹達「冗談だと思われてる…とミサカは…」
美琴「コイツの鈍感さをナメたアンタが悪いわよ。で、話を元に戻すけどゲストってどうなのかしら?」
番外「ん~…今回と変わんないんじゃない? ミサカ達、ロシア編でのヒロインポジだし」
上条「浜面んとこの彼女の立場は…」
打止「う~ん…ここはあなたとお姉様が中心のスレッドだから、それとはあまり関係がないヒロインさんは申し訳ないけど出番がないと思うの、ってミサカはミサカはドライでクールな意見を述べて大人な女性を演出してみたり」
妹達「せめて、あなたかお姉様と少しでも絡んでいるシーンがあればレッサーとかいう人と同じで出番もあったかもしれませんが、まったくノータッチですから仕方がないです、とミサカは事務的に述べます」
上条「いや……その理屈だとお前ら【打ち止めと番外個体】もゲストで来てるのおかしくね?」
美琴「何言ってんの。そっちの子もそうだけど、この子たちも『私の遺伝子』で生まれてきてんのよ。妹達の一人が私と絡んでるなら、この子たちも絡んでることになるってこと。確か、ずいぶん前のこぼれ話でも同じこと言わなかった?」
上条「あー……そういや確か言ってたな。残骸の時のやつで」
番外「それに何つっても『いちゃいちゃSS』だもんね~ヒーローさんと『ミサカ』以外は部外者ってか? ギャハハハ☆」
美琴「余計な事は言わなくてもいいからっ!///」
上条「そっか。じゃあいつになるかは分からないけど、次もこのメンバーでお送りしますって事で」
美琴「そ、そうね。またお会いしましょう。さようならー」









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