とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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本当にあった怖い上琴




これは、わたしたちが経験した、ほんとにあった恐怖体験です。


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体験談1:Iさん(シスター)

まだ私ととうまが同居していたときの話なんだよ。
私が小萌の家から帰ると、とうまとみことが並んでベッドに腰かけていたの。
見つめ合う2人に、私は背筋が震えるのを止められなかったんだよ。
さらに、震える口で、私はとうまに問いかけたの。

「な、なにしてるの?」

すると、2人はかわりばんこに答えたんだよ。

「美琴の顔がかわいくてさ。ずっと眺めてるんだ」
「当麻の顔に見とれて、ついつい時間を忘れて見いっちゃうの」

慌てて私はカレンダーを見たの。
間違いなく、その日は木曜日。
でも、おかしいんだよ。




今のやり取りは昨日もやったから。




完全記憶能力が、仇になった。
気付かなくてもいいことに、気付いちゃったんだよ。
全力で私は逃げ出したの。
なぜなら、昨日は私の目の前で、2人が永遠に互いを誉め合うという地獄になったから。
思い出したくもない記憶に砂糖を吐きそうになる私は、その日ほど完全記憶能力を恨んだことはないかも。
でも、当時の私はまだ知らなかった。









地獄は翌日も襲いかかってくることに。


…………間違いない、誰かに見られている。電磁波で…………

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体験談2:Sさん(当時、風紀委員ですの)

そう、あれはお姉様が、ど腐れ類人猿と付き合うという報告を受けた一週間後のことでしたの。
めっきりわたくしとのデートが無くなっていたので、思いきってわたしくしはお姉様と遊ぶ提案をしましたの。
お返事は、

「そうね、当麻の彼女は楽しいけど、たまにはアンタのお姉様もちゃんとしないとね」

とのこと。
逐一おサルさんの名前が出ることは不本意ですが、今日1日デートすれば、お姉様の目も覚める。
浅はかにも、そう思っていたんです……。

「ふー、アッツイわねー!!」

外は猛暑。
公園を気持ち良さそうに歩くお姉様は、
その、
大変、
キショクワル……コホン。
笑顔でいらっしゃいました。
しかし、わたくしは気が重かったんですの。
なんとも言えない悪い予感と、嫌悪感を覚えまして。
残念ながら、予感は的中してしまいましたの。

「あれ? 美琴??」
「え? 当麻??」

目の前にはあのエテ公が立っていたんですの。
怒りで体温が高まることを実感するなか、さらに事態は進展しましたの。

「まさか、ここで会えるなんて!!」
「わたしも、信じられない!!」

目の前で2人が抱き合っていたんです。
っていうか、この第七学区以外のどこで会えるというのでしょう。
この公園、モンキーの巣の近くですし。

「偶然なんかじゃ、ない……」
「奇跡…………ううん、違う。これは…………」



「「…………運命」」



血管がブチ切れる音が聞こえましたの。
温厚なわたくしも、さすがに我慢の限界でしたわ。
瞬間移動のドロップキックでサル退治しようとしたのですが、なにもなく着地。
奴とお姉様は隣に移っていました。
何度も何度も繰り返しますが、
狐につままれたようにかすりもしません。
しばらくすると、目が霞んできました。

「黒子!!」

体がふと動かなくなり、意識が遠のくなか、
遠くでお姉様の呼ぶ声が聞こえました。
しかし、地面には衝突しなかったのです。
ゆっくり目を開けると、

「白井!! しっかりしろ!!」

ウキキッに抱きかかえられていましたの。
全身に鳥肌がたち、そのまま本当に意識を失いましたわ。








「軽い熱中症だね」

気づくと、病院のベッドの上でした。
いったいどこから夢だったのでしょう。
今日の出来事全てに現実味がない、
そう思ったんですの。




2人が抱き合いながら部屋に入ってくるまでは。


…………『見ぃつっけた』と声が聞こえた。壁に張り付いていたのは人間の眼ky…………

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体験談3:Oさん(妖精)

「ぬぅぁぁぁああああああ!!」

鋭い牙、惨劇を招く爪、
私の4倍はある巨躯、
闇のなか煌めく眼光…………。
まて、なんだその
「はいはい猫だろ、わかったわかった」
という顔は!!
あぁそうだよ!! スフィンクスだよ!!
でもなぁ、当時はいつも以上に悲惨だったんだ。

「ねぇ、当麻……」
「ん?」
「わたしのこと、好き?」
「いや、大好き」

あの女のせいでなぁぁぁぁぁああああああああああああ!!
電磁波の影響かなんか知らんが、
いつも以上にバカ猫がカリカリしてんだよ!!
さっさと能力打ち消せよ!!
甘酸っぱいとか言ってる場合じゃないだろ!!
なにが「触れたら壊れそう」だよ!!
理解者が食われかけてるんだぞ!!
っていうか、目の前で起こっている事件に気付こうよ!!
あぁ、あの頃は1日に5回は死にかけたな。


…………言われるがままに、あのやろうの命令を聞いた後、なんとアイツは「一生私に付き従…………

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体験談4:Uさん(私も当時は風紀委員です)

今でも忘れません。
まだ冬の名残りがある季節、
私は喫茶店で書類とにらめっこをしていたんです。
空は曇天。
店内も薄暗く、まとわりつく湿気は不快でした。
ため息を吐きながらキーボードを叩いていたその時、
まずは爆発音。
そして大きな揺れを感じました。

戸惑う店員に料金を押し付け、
私は音の方向に向かいました。
震動する携帯に、すでに向かっていると伝えたときです。
少し前に友人からのメールが届いていることに、ようやく気づきました。
が、現場は目前。
とりあえず後回しです。

現場に近づくにつれ、足は重くなりました。
あまりの惨状なんです。
もとはファミレスだったのでしょう。
いまではただの炭でしかありません。
なかには店員、客が数人倒れていました。
真っ黒でピクピク震えています。
ギャグ補整がなければ即死だったでしょう。
そして、いたんです。
元凶が、無傷で。
ゆっくりと息を殺して近づき、
私は

「御坂…さん…?」

と、声をかけました。
返事の代わりに、バチバチと帯電音が響いています。
そして、

「ふにゃふにゃ~~」

という訳のわからない声が帰ってきました。

「いったいどうし……」

もう一度声をかけようとした時です。
目を向けてしまったんです。
御坂さんの正面に。
そこに座っていたのは、先程メールを送ってきた親友。
羨望を抱いていた長く艶のある髪は焦げて丸くまとまり、
透き通るような白い肌は、黒く染まっています。
しかし、そんなことは目じゃない変化がありました。



表情。



優しく、人懐っこい表情は消え去り、
獰猛な、それでいて狂喜に満ちた表情。
蟻の巣に水を流し込む子どものような残忍さをたたえていました。

ガタガタと震える手で、私はついにメールの内容を確認しました。
内容は、






☆御坂さんと上条さんのキスを激写☆

御坂さんと上条さんのキスシーン♥を激写したよーー(*≧∀≦*)
できるだけ多くの人□□□に回してくださいーーいm(_ _)m
ニヤニヤもんですよ□(///∇///)






38秒もある動画まで添付されていました。
私相手に敬語にする必要はありません。
どれだけの人数に送ったんでしょうか。

状況を見るに、
きっと彼女の目の前で、御坂さんはふにゃっていたはずです。
もしかしたら帯電もしていたかもしれません。
しかし、この人は自分がどうなるかわかりながら、笑って送信ボタンを押したんです。
そこに、幽霊よりも未確認生物よりも恐ろしい、
人間のサガ、とでもいうんでしょうか?
恐ろしさを、感じたんです。


今でも、あの動画を見るたびにその様子を思い出します。
この動画は、消すべきだとは、わかっているんですが…………


…………信じられないだろうが、本当に世界は滅んだんだ。辺り一面黒一色の…………

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体験談5:Tさん(陰陽博士だぜい)

オレは仕事の関係上、住居を決められてしまっている。
大学のときは、高校のころ同様あの男の隣家だったんだにゃー。
進学したときはまさかあんなことになるとは思わなかったんだぜい。

「や、やばい、寝過ごした!!」

大学に入って少ししたら、オレの生活は一変したんだにゃー。
とにかく起床時間が早くなったんだぜい。
だいたい朝の4時より前に起きる。
別に仕事とか大学のためじゃないぜよ。

「も、もう5時じゃないか……早く出ないと!!」

俺達は貧乏学生なんだにゃー。
住んでる寮の壁は薄い。
当然隣の物音はほとんど聞こえるぜい。
もちろん、

『おはよう、当麻』
『おはよう、美琴』

会話も駄々漏れなんだぜよ。
慌てて飛び起き、外出の準備をするにゃー。
しかし、

『あ、アンッ、だ、待って、当m』
「もうおっぱじめやがったか!!」

起床して5分だぞ。
オレは慌てて準備を進めたが、
終わった時には、
隣からはギシギシなにかの軋む音と、
雌の嬌声しか聞こえなかった。

憂鬱な気持ちで外出する。
ほぼ毎日あれだ。
ここまではみなの想定通りかもしれない。
オレだって、貴重な休日をやつらのせいで怒り心頭ですごさにゃきゃならなかった。
こんなオチで終わらせたかった。



だが、オレですら背筋を震わせることが待ち構えていたんだ。



日が沈むころ、
オレはようやく帰宅した。
愛しの義妹にも相手にされず、
泣く泣く帰宅したんだ。

ため息を吐きながらドアを開け、
ベッドに倒れ込む。
ここまできてようやく、オレは気づいた。
最初は信じられなかった。
だが、間違いない。

「この、音は…………!!」

ギシギシギシギシ、なにかが軋音。
さらに、互いを呼び合う声まで聞こえる。

「ま、まさか…………朝から…………ずっとなのか!!?」

ようやく体が動き、部屋から逃げ出す。
そして、オレは二度とあの部屋には戻らなかった。

あれ日、ヤツらが部屋で何をやっているのかを、オレは正確には把握していない。
そして、知ってしまうことに恐怖している。


…………全力疾走。うほほーい、なんて叫びながらミイラが…………

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体験談:K (関係者です)

いかがでしたでしょうか。
パ……上条当麻と上j……御坂美琴が産み出す数多の恐怖体験は。

しかし、何より恐ろしいことは、今なお彼らに変化がないことです。

マ……上条美琴はわた……娘にたいしてもノロケ、パ……上条当麻は相変わらずマm……妻の美琴から離れません。
そして、涙子おば…………涙子さんの暴れっぷりには磨きがかかっているのです。

皆さんも、気をつけてください。
はまりこめば、あの2人がイチャイチャしていないことに疑問を生じてしまうようになってしまうのです。
おや?
なんだ、もう手遅れでしたか。










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