とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part002

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匿名ユーザー

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常盤台防衛作戦




第02話


私は会議が苦手だ。
エレメントと呼ぶらしい、怪物もどきと異常なマイクロ波の
照射で始まった55度を超える
灼熱地獄が始まって以来、私は学び舎の園のお嬢様学校
5校の生徒会連合の司令官のような
ポジションに祭り上げられ、会議でひな壇に祭り上げられる。

私の認識では、中は食蜂の仕事で、私はただの
野戦司令官のはずだった。
本来現代の軍事行動は、合戦なんてのはごくわずかで、部隊の
編成・補給のほうがより重きを
なす。そうゆう面倒くさい仕事を食蜂に丸投げして、自分の
大好きな外で、エレメント退治に
専念するつもりだったんだ。ほんとうは。

それなのにあの女は、5校の高レベル能力者の資料を
出すけど、監視計画とか、部隊編成
とか、補給計画という一番面倒くさい資料を、私に
作成させやがった。
何が・・軍事は分かりませんだ。所詮は人事だろう?
精神の専門家なら人事
なんて得意分野じゃないか?

それにしても・・5校合同生徒会会議ね。
会議とは、意見をぶつけ合って合意を図るもんじゃないか?
皆黙って私と食蜂の顔色を窺い、なんの発言もしない。
結局は私が、籠城計画を説明し、承認を受けるだけの場になっている。
学園都市といいつつ結局は日本だな・・とつくずく思う。

発言力のでかい奴の顔色と会議の雰囲気を探るだけ、
自分から意見なんて言わない。結果的にレベルの高い私の意見に流される。
私は能力は高いとは思うが、万能なんて思っていない。
生徒会運営なんてしたこともないし、各校の事情も知らない。
それを未曽有の災害を言い訳に判断を私に依存する。

正直私が外へ出るのも、あの発言者のいない会議に飽き飽きしている面がある。
やっぱり自分はうじうじ悩むのは性格に合わない。走りながら考える。それが
あっている。それに・・アイツが心配だ。無理していないか?

そもそもA.A.Aだってアイツを助けるために手を出したんだから。
副作用とリスクを知りつつさ・・
私は、アイツを探して第7学区を飛び回わる。

「アイツいないわね」
私は、アイツの学校や寮など知っている範囲で探し回る。アイツのとある高校は
崩壊し、生徒のいる形跡がない。

「僧正がぶっ壊したのよね、アイツの学校、他にアイツのいそうな場所はないのかしら」
私は、エレメントを砲撃しつつ、第7学区を巡回する。

「SNSやスマホが使えれば、すぐにわかるのにね」
マイクロ波か、灼熱のせいか昨日から携帯やネットは不通で、アイツの消息は
調べようがない。

学び舎の園の生徒や教師、警備員は莫大な備蓄食料と水を確保し、
当面の生活に問題ない。
だが、他の高校や中学にそんな余裕なんかないだろう。

アイツのとある高校は、私が知る範囲どちらかといえば特徴のない、はっきり
言って貧乏な学校だ。備蓄食料や水の備えなんかないだろう。
しかもベースの学校は
崩壊している。
(最悪だ・・いくらアイツでも長くはもたない)

「さあそろそろ帰るか・・。」
だが・・学び舎の園のような余裕のある地域はごく一部にすぎない。
巡回飛行をする私の目にはなんら楽観的な情報が映らない。

ざっと見ても明らかに昨晩よりも非常用電源による明かりが減少し、多くの
ホームが困難に直面しているのがわかる。

「学び舎の園や霧が丘、長点を除くともって後2~3日ね」
「アイツもその避難先も余裕はないわね。多分」

私は、目をさらにして巡回を続ける。
孤立した生徒や、水や食料を求める学生がエレメントに囲まれ危機にひんして
いないか確認する。

「みつけた。エレメント発見」


「砲撃開始」
私は、水道局の周辺でエレメントに囲まれている学生を発見し、攻撃を開始する。
プラズマ砲やマイクロ波、レーザ砲の精密攻撃でたちまち無力化する。
「さあてとこんなもんかしら」

私は、閃光弾を打ち上げ、命中状況を確認する。
当然のごとくうちもらしはなく、全弾命中している。
私の脳波と連動された砲火管制システムは、名人芸というべき精度を保証する。
「しかしまあ・・どこの学校かしらこんな曲芸みたいな・水道局から薬剤を入手して
 プールの腐ったたまり水でも飲料に変えなきゃないほど切羽詰まっているのかしら・」

彼我の格差に愕然とする。摂氏60度近い高温でしかも、12月。オゾンや活性炭や
洗浄液でいくら浄化しても、緑色に変色したプールの水なんて飲みたくもない。

それを浄化できるかどうかさえ定かではないのに、命の危険を冒し、高位能力者や武器もなく
エレメントへ立ち向かう。その勇気に感動し、無謀さにあきれる。

だが・・私は気絶した男の一人がつんつん頭であることを確認し、正常でいられなくなる。
(まさか・・アイツ?)

私は、A.A.Aを水道局まで下ろし、ついに発見したアイツを回収する。
同時に勇敢かつ無謀な他の学生のために、周辺のエレメントの掃討を始める。
10分もしないうつに、掃討すべきエレメントを一掃する。

アイツは一時的に目を覚ますが、相当疲労が蓄積しているようなので、私の
ホーム常盤台中学へアイツを連れて帰ることとする。

アイツを腕で抱えているので、しかも私は競泳用水着、アイツは海水パンツ。
若い男女、しかも・・一番気になる、いや・・愛している、アイツにほとんど
裸状態で密着するだけで変な気分になる。

(以外にアイツとは縁があるのよね。膝枕、抱擁電撃、自転車2人乗り
こんなにアイツと一緒に戦ってきたのに、アイツを好きでたまらないのに
なんで・・・私はダメな子なんだろう)

私は甘えているかもしれない。こんなに自分が好きなんだから、アイツにわかって
もらえると。でも鈍感なアイツは分かろうともしない。

(でもな・・ちょっと前までは、アイツに甘えたいだけなのに、構ってほしい
というしょうもない理由で、勝負とか言って電撃で攻撃していた。私はバカ
だわ)

じゃ・・どうすればいいか・・
そうわかっている。好きなら好きと告白すればいいのだ。
だけど、臆病な自分は、アイツに勝ちたいとつまらない理由をつけ、文字でいえばたった
2文字を封印する。
(せっかくの機会なのに、なんで言えないのかしらね・・)

私は、腕にアイツを抱えながら常盤台を目指す。
(ああ・・今なら・・上条当麻に好きと邪魔されずにいえるのにな・・。)
私が、リスクを冒し、鼻血をかかえ、こんな謎兵器に手を出したのも、
上条当麻の力になりたい、そばにいたい。いや彼を愛したい、愛されたいという思いだけ
なのに。。。

なんでたった一言がいえないの。

「好きと」

私は、アイツこと上条当麻を両腕で抱え、常盤台を目指す。
途中で発見したエレメントを駆除しつつ、アイツと会話を交わす。
小さな胸とか失礼な話はともかく、アイツがA.A.Aに羨望の目を向けるのは
気分は悪くない。あれほど足手まとい扱いされていたのが、立場が逆転したのが
嬉しい。

(まだOSの空白部分は理解できない。だけど理解できた部分だけで
 この威力。・・それに・・これに手を出して演算速度が上がった気がする
 本来の能力も強化されるかも)

私は、ヒーロに頼る女、守られるヒロインなんて性に会わない。
どちらかと言えば愛する上条当麻共に戦い、彼の背中を守りたいという性分。
やっと彼に本気で頼ってもらえる。高揚感につつまれる。


今回なら言える。やっと対等な立場で。
封印した好きの2文字が・・・そんな気がした。

今なら心を吐き出せる。それは吊り橋効果かもしれない。でも・・・・

それに・・私に依存し、私を崇拝し、私の顔色をうかがうだけの他の常盤台生や
学び舎の園の生徒と異なる、対等の存在である上条当麻に聞きたいことが山ほど
あるのだから。

アイツは自分の学校へ帰りたいというが、私はアイツの希望を無視し半ば強引に
連れ帰る。学び舎の園の壁を周回し、周囲にエレメントがいないことを確認し、
A.A.Aのハンガーそばへ着地する。

「さあ常盤台よ、アンタは見た限り脱水症なんだからちゃんと休まないとダメよ」
「御坂ありがとう。だけど俺は本当大丈夫だからさ・・少し休んだら返してくれよ」
「ダメ・・アンタは疲れすぎよ。少しは休みなさい。それにアンタは一人で
 ホームへ帰れるの?外はエレメントだらけよ?」
「わかった。でも本当みんな俺の事を心配しているからさ・・御坂、頼むぞ」
「ええ。そうね。でも本当・・ちゃんと休んでね」

私は、このままいくらでも話したいことがあるが、当番の部員を確認し、話を打ち切る。
いまひとつ素直になれない性格が、アイツとの会話を中断させる。
(臆病だな・・もっと部員にも見せつければいいのにさ・・今更噂が広がってもどうでも
 いいじゃない。私には彼しかいないのに)

私は、当番の部員に着脱を手伝ってもらう。
A.A.Aの欠点は運用するとしばらく鼻血がとまらなくなることと、一人では着脱がうまく
できないことだ。ようやく装備をはがしたころには、部員の他大勢の生徒が集まって
くる。ある程度想定はしていた。男子禁制の常盤台中学へ殿方を連れ込めば大騒ぎに
なることは。

だけど日の出前の早朝にこんなぞろぞろ集まるなんて想定外もいいとこだ。

しかも・・どうやら過去に因縁があるらしい食蜂まで吸い寄せられるように来る。
男子禁制の学び舎の園で暮らす、女子学生は通常殿方への耐性がない場合が多い。

私のように、夜な夜な門限を破りスキルアウト狩りするお嬢さまなんて通常あり
えない。その純粋培養されたお嬢さま達に、高校生の男というのはあまりに刺激
が強すぎる。私は甘かった。気が付けば、数十人の生徒が集まり騒然とし始める。

普段であれば、校則違反で停学は覚悟する必要があるほどの異常事態。
だけど、危機は私の感覚を摩耗させていた。それに・・現状学び舎園の生徒・職員
数千人の実質トップの立場にある私に誰も意見なんて言えないんだからさ・・

(ああ面倒くさい・・・な。まずは食蜂に協力してもらうか)
私は、食蜂に声をかける。
「食蜂・・上条当麻をどこかへ連れて手当してくれない」
「いいの?御坂さん、上条さんと会話したいみたいだけど」
「この騒動でまともな会話なんてできない。でも上条当麻の疲労は深刻よ。
すぐに手当する 必要がある。
それに・・食蜂だって上条当麻に話したいことがあるでしょう」

私にはわかっていた。どうせ食蜂はこの騒動を利用して
上条当麻を連れ去るだろうことを。
だとしたらこちらが先に手を差し出して恩を売ったほうがいい。
(それに、外は私の領分。いくらでも話す機会はある)

私は、食蜂を促し、上条当麻の治療をさせる。アイツは、
虚弱な食蜂によろよろと連れられ
治療に保健室へ連れられる。

私は意識を切り替え当面の難局への対処を始める。私の判断一つに
数千人の命がかかっているのだから。

私には気にかかっていることがある。学園都市の統括理事会の動きが鈍いことだ。
僧正出現に匹敵するほどの大事なのに、なんら対応していないように見えるのだ。

アンチスキルが無力なのは様々な体験で知っている。だけど僧正だって結局あの
学園都市の最終兵器の一つらしきA.A.Aでぶち抜かれた。3日もたっているのに
学園都市崩壊の危機なのに当局にまったく動きがないのはおかしい。

エレメントと宇宙空間からのマイクロ波放射、こんなわかりやすい現象に対応しない
というのが解せないのだ。
私の脳裏に2つの可能性が思い浮かぶ。敵対勢力の学園都市へ攻撃または、学園都市上層部
内部でのクーデタ。


いくら考えても思考はまとまらない。分かっている事実が少なすぎる。
エレメントが宇宙から降っているのは見た。それが学園都市内部の誰かの手引きで落ちて
いるらしいことも分かった。だけと、今のこの学び舎の園の戦力だけで、実質私の
完全ではないA.A.Aだけで倒せるか?

相手は今のところ学園都市の上層部の動きを完全に封じている。
ここまで私は考え、もうひとつの可能性に思い当たる。
( もしも学園都市の上層部がこの茶番劇を仕組んでいたら・・ )
段々私の思考に新たな可能性が去来する。食蜂と手を組み、生まれて初めて人の
命を預かる責任ある立場にたったことで、がきくさい、青臭い思考が消え、大人
の泥臭い、人の裏を読む思考がはぐくまれる。

そんな幻想ぶち殺すと言えばなんでも解決できるアイツとは違う、神からあたえられた
能力を持たない、学校教育の天才にしかすぎない私。

でも・・私は今日の事態を反芻する。アイツの力でもエレメントは全滅させられない。
いや・・アイツも他の人と同じようにエレメントにおびえ、必死に生きていた。

これで同じ土俵の上にたった。やっとアイツと一緒に戦える。
やっと、やっと心の枷が消える。自分が学校教育で身に着けた能力でアイツの
そばに立てる。

そして・・私は覚悟を決める。
どんな結果になろうともいい。拒絶されてもいい。
今回こそは、告白しようと。

もう明日は私はこの世のものではないかもしれないのだから。
////////////////

私は、A.A.Aの整備を終え、保健室へ急ぐ。最近知ったことだが、私と同じような
いやもっと生生しいアイツとの因縁を持つ食蜂に何かされていないか心配
でしょうがない。

幸か不幸か食蜂をアイツの脳が認識できないことは最近知ったので
ある意味安心してアイツを預けたが、とはいえどうやら巨乳に幻想をいだくアイツだから
信用できない面があり、完全な安心には程とおい。

「食蜂、上条当麻は起きた?」
「ふふ・・御坂さん、昨日まではA.A.Aしか目になかったのに、上条さんになると、乙女力
 満載になるのね。らしくないわね。上条さんならまだ寝ているわ」
「そう・・。まあ劣悪な環境で、アイツは頑張っていたんでしょうね。」

あれだけ告白しようと決めているのに、私は今一つ素直になれない。利害の関係で
しょうがなく手を組んでいるが、もともと食蜂はライバル。それもお互い足を
引っ張り合うほどの仲。学び舎の園に絶大な情報網を築く食蜂に隠せるわけも
ないのに、必要以上にアイツのこととなるとつんつんする。

(私はバカだな・・もう隠す必要もないのよ、御坂美琴。今言わなくてどうするの?)
いまひとつ素直になれない私。

さっき今回こそ告白すると決めたのにいざ言おうとすると、ためらってしまい
心に思っていない、つまらない意地を張ってしまう。
食蜂はいらいらしたようにしゃべりはじめる。

「御坂さん、わかっているだろうけど、今は非常時よ?外での軍事行動はすべて御坂さん
 だよりなんだから、しゃっきとしなきゃダメよ。」
「え?」
「なんか上条さんが来てから急に心ここにあらずに見えるのよね」

私は、食蜂の以外な言葉に心を引き締める。私がしっかりしなきゃ学び舎園の生徒・職員
数千人の命が危うい。

「そう・・ありがとう。そうね。私がしゃっきとしないといけないよね」
「御坂さん・・今日はどうしたの。いつもなら「うっさいわかっているわよ」
なんていいそうな場面じゃない」
「食蜂・。。上条当麻を好きなもの同士、そして学び舎の園の看板を背負うものどうし、
 一緒に頑張ろう」
「え?・・・御坂さん。おかしいわよ」
「食蜂・・今回は正直、明日私は生きているかわからない。そんな状況だと思う。
 だから後悔しないように精一杯生きることにしたのよ」
「へ?」


「アイツ、いや上条当麻を愛するもの同士、今回は共に手をつなぎましょう」
「え・ええええ なんか変よ。どうしたの?」
「食蜂は今回の事態をどう思う?」
「え?」
「尋常ならざる事態だわ。もうなりふりなんて構っていられないほど。だから・・
 私に、そしてアイツ・・上条当麻にアンタの知恵と経験を貸してほしい」

「御坂さん・・一皮むけたのね」
「地位は人をつくるというわ。私の背中には学び舎の園の運命がかかっている」
食蜂は、顔色を変え、いつものふざけた茶化すような視線を消し、私には見せたことも
ないような顔で私を見る。
「御坂さん、どんな結果になろうとも、私は貴女を最後まで支えるわ」

//////////
午後になり、気化熱を利用した冷剤枕で安眠していた上条当麻が起きてきた。
まるで最新次世代兵器の見本市のような、私のハンガーを興味満々で見ているのが
よくわかる。私は部員が作成したA.A.Aの整備リポートを読みながら、PCで
文章を作成する。

覚悟は決めた、だけど実際今の関係が壊れることを恐れるあまり結局、自分は
思いを伝えることができないんじゃないか?

その思いで文章を書き上げる。このすべてが終わる前に、この文章を渡そう。
私は不器用だ。人に上手に思いを伝えることができない。だけど・・文章
なら書ける。そうだ・・私は上条当麻への今の想いを文章へしたためる。

当麻は、兵器の上に書かれたプラカードの名称を食い入るように眺めているのがある意味
ほほえましい。

(やっぱり男のロマンかしらね・・兵器は)
「御坂水着なんだな」
「少しは気にしてくれるんだ。ありがとう」
「え・・御坂素直だな。」
「今は非常時。私は素直になると決めたのよ。それよりアンタ疲れはとれた?
 なんならもっと休んでいいのよ」

「いや・・もういい。仲間がいるし・・」
「そうね。でも・・もう少し私はアンタと話したいわ、悪いけど。」
「いや・・正直御坂には感謝している。仲間も助けてくれたし。俺も疲れが取れた、
 本当にありがとう」

私は、当麻に想いをぶちまける。交渉事は立場が良い時にやるもんだ。
アイツがA.A.Aに驚愕しなにやらいいたげなので先制攻撃をする。

「ええ・・ふふふ・・アンタ・・本当はこのおもちゃに関心あるんじゃないの」
「え・・ああ。これはどうしたんだ」
「木原唯一」
「え?」
「当麻を魔神やらで襲ったヤツよ、これは木原唯一をぶっとばした兵器」
「あれは・・御坂がやったのか?」
「ええ。おかげで当麻を何とか助けることができた。私もね・・正直こんなものにすがる
 自分の弱さに腹は立つのよ。だけど」

「だけど・・?」
「私には当麻の謎の右手のような力も才能もないわ」
「ちょ・・お前まだ僧正を気にしているのか?」

「ええ・・でもね。今は感謝しているのよ。
 自分の無力さに気がつくことができて、当麻は言ったじゃない・・私が周回遅れ
 だってさ・・結構傷ついたのよ」

「それは・・」
「おまけになんだか、自分の力を見せつけるように彗星をぶっ壊そうとしたじゃない」
「それは・・・」
「誤解?・・アンタはそうゆう奴よね。でもいいわ・・私は才能がない。だからリスクを承知
 でこんなもンに手を出したのよ」

「御坂・・・わかったよ。お前のくやしさは。だけど・・お前に力がないとかは
 勘違いだ。
 お前には力がある。こんなものをつくり運用できるほどの。俺にはない学力も能力も
 金も地位も財産も、一声かければ学び舎の園を動かせるほどの力が」


「そう・・ありがとう。アンタはそうゆうヤツだったわね。でも・・感謝しているわ。」
「それはいったい」
私は、さきほど書き上げた上条当麻への思いを渡す。
「御坂・・これは」
「人はいつ死ぬかわからない。私はこの1週間で3回殺されかけた。だから今アンタ・・
 いや上条当麻への想いを伝えないまま死んでしまえば死んでも死にきれない。」

アイツは、上条当麻は、私の想いを記したA41枚の、文章を読みはじめる。
「御坂これは・・」
「いまは解答はいらない。これが・・エレメント退治が終わったからでいいわ」
「御坂・・こんな思いをお前はかかえていたのか?」
「ええ・・鈍感なアンタは気がついてないだしょう。だけどアンタの身近な女の子
 御坂美琴はこんな簡単な事すら言葉で伝える事もできない臆病な女の子なのよ」

「御坂・・・」

「いまはいいわ。正式にはもっと雰囲気のいいところでプロポーズさせて」
私は、唖然と私の想い、いわゆるラブレターを握りしめたまま呆然とする
上条当麻を置き去りにして、部員の元へ走り去る。

私は思いを伝えることができた。明確にはっきりと誤解しようのない文章で。
結局あの鈍感なデリカシーのない、馬鹿にははっきりと好きなら好きという
しかないのだから。

さあ・・これで覚悟は決まった。いつ死んでもイイ。
だけど・・私は絶対アイツの元へ帰る。
そして学び舎の園の全学生のために命をかけ、でも
かならず帰ると。

続く










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