とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part69

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集



ただいま


木の根を打ち消した。
電撃が煙を霧散させる。
上条と美琴は互いの腰を抱き、
空を駆ける。
即席の二人三脚。
2人の意思疏通に言葉は不要。
だが、

「さてさて、足掻きにけるな」

届かない。

(このままじゃ、ジリ貧だ)

電撃は霧散して効かない。
近づこうとしたら隙をつかれるだろう。
有効打は超電磁砲だが、

(あと、コインは……6枚……)

手数が限られた中で、
直線的な攻撃はかすりもしない。
必死に打開策を練っていた時だった。

「さて、幕引きにせん」

その言葉が耳に入った瞬間、
自分も含めた全ての動きが遅くなったように錯覚した。
ゆっくりと上条は振り向く。
磁力を使い飛んでいる上条と美琴。
彼らの背後に浮いていたのは、
イギリス清教最大主教。



間違いなく、その瞬間ローラ=スチュアートはこの世に2人存在した。

攻撃を受け、上条と美琴は離れてしまう。
2、3地面を転がった美琴は手摺に激突。

「かっ!!……くっ……」

衝撃を受け、6枚のコイン全てが橋から落ち、闇へと消えた。

「美琴!!…………ごがっ!!」

地面に倒れ、叫ぶ上条の脇が蹴られた。
支柱にぶつかり、崩れ落ちる上条。
一瞬意識を飛ばしていた美琴は、うっすらと瞼を開ける。
息を、飲んだ。

「さてさて、時間切れ。チェックメイトでありけりよ」

上条の首を掴み、持ち上げて支柱に押し付ける。

この景色には見覚えがあった。
ミイラに追われた数日後、
美琴が力を得たいと願ったあの日。
リクルートスーツの上をはためく、絶望の白。

(…………コインが無い!!!)

慌てて電撃を放つが、先程と変わらず霧散する。
泣きながら2、3回放つが無駄だ。

「待って…………まってよぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」

ここにきて、美琴はスカートのポケットに何かが入っているのに気づいた。

薄れ行く意識の中、
上条は美琴の絶叫を聞く。
記憶の中では、彼女とあの少女は笑顔だというのに。

「…………た、の……む…………」

ローラは頭を傾げた。
目の前の男は、息をするのもやっとのはずだ。

「あの……2人……に、は、手を…………出さ、ないで、く……れ…………」

少しずつ白くなる上条の視界。
その中央には自身の首を絞めるローラ。
彼女は自分の言葉を聞き、笑う。
まるで、









あの日のインデックスのように。



ローラの胸を閃光が貫いたのはその刹那だった。










タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー