とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part2

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 結局…美琴の食事は上条の分を分けてもらい済ませたのだった。
 上条は気遣いとして“手で持って食べても自然な物をチョイス”
 米を手で食べるのはさすがに違和感があると判断し食事はパン
 作り方は至って簡単、食パンにピザソースとチーズをかけただけ。

「で、どうだった?」
「お、美味しかったに決まってるじゃにゃい!
「そりゃ良かった」
「とーま! あいさの所行ってくる」
「あんまり迷惑かけんなよ」
「うん、分かってる」

 インデックスはスフィンクスを持ち「じゃ行ってくる~」と一言、上条宅から飛び出して行った。
「(一〇万三千冊の中にあの現象を治す方法がある…だけど今の二人に教えても意味ないもん)」

 インデックスとスフィンクスが出掛けたので、上条宅には御坂美琴と上条当麻が二人きりである。
 ほんのり暖かい日差しが差し込む窓辺に美琴は座り込んでいた、上条に背を向けて。
「(ア、アイツと二人きり…どうしよう、まともに顔すら見れないわよ…)
「おい、御坂。そんな所に座ってても退屈じゃねぇか? そうだ…ちょっと待ってろ!」

 何か閃いたような顔をした上条は「すぐ戻ってくる」と言い残し家を飛び出して行ってしまった。
「(な、なによアイツ…人がこんな気持ちで居るのも知らないで…)」
 しかし意識し始めた美琴は止まらない、まるで思い起こす必要のない事まで思い起こしてしまう
「(こ、今夜はここに泊まるのよね…あんな事言ってたけど、アイツだって意識しないワケない…ハズ)」
 一人で意識して一人で赤くなっている美琴だったが、その想像が限界に達する前に“そげぶ”された…。

「よーし、御坂。ちょっとこっちへ来てくれ」
「(い、いつの間に…)う、うん…」
「どうしたんだ? 借りてきたネコみたいに大人しくなっちまって……ま、そんな事はどうでもいい」
 次の瞬間上条が取り出したのは“ネコじゃらし”これには美琴も言葉が出ない。
「ほれほれ~♪美琴ちゃ~ん」
「(美琴ちゃん!? 今…み、美琴って)や、やめにゃさいよ!」
「ん~どこまでがネコなのか試したかったんだけど…」
「(し、仕方ないわね。乗ってやろうじゃない…べ、別にコイツのためじゃなくてネコの気持ちを知るためなんだからっ)」
「おっ!? いいぜ御坂…そっちがその気ならこっちも」

 上条は御坂美琴と扱っていると同時に“ネコとしても見ている”それ故の“ネコじゃらし”だったのだけれども…。
「(ちょ、ど、どこ触ってんのよ!)」

 言葉に出来ない悲鳴(?)を上げるも、当然言葉にしてないので上条の耳には届くわけがない。
 こんな状態がしばらく続き…結局は上条がギブアップ、美琴は最後まで意地でも弱音を吐かなかった。
「ど、どうよ!」
「参った参った…ネコになっても御坂は御坂だな…」

 今の戯れで気持ちが大分楽になった美琴は上条へと近付く
「ちょっとアンタ、さっきみたいに上に乗せなさいよ…」
「へ!? 落としたら死ぬんでしょ…俺」
「だ、大丈夫よ。私がちゃんと髪にゃり服にゃり掴んでれば良いんだから」
「言っとくけど“何が起こるかわからねぇんだぞ”」
「何か起こったってアンタにゃら私を守ってくれるだろうし…心配してにゃいわよ」
「……わかりました!」

 上条は美琴を抱き肩へ乗せる
 (僅かな時間ながらも美琴は爆発しそうになってたのは言うまでもない)
「これでご満足ですか姫?」
「……じゃ、出発」
「んと…出発と言いますと?」
「出掛けるって言ってんのよ!」
「肩に乗せたまんまじゃ出掛けられないと思うぜ…見られたらマズイだろうよ」
「……そ、それもそうね」
「どうしてもっていうならこれしかねぇな」

 上条は美琴を再び抱き(この時美(ry)今度は自分の首元に美琴を入れる。
「しっかり捕まっとけば落ちないだろ、それにこれならすぐ隠せるし、オマエも隠れられる」
「う、うん……」
「どこ行きゃ良いのか知らねぇけど、取り敢えず出発!」
「(鼓動までしっかり聞こえる……このバカ)」

 行くアテもなく取り敢えず家を飛び出す上条と美琴。
 そして美琴は上条の“不幸”を身を持って体験する事になるとは思っていなかったのである…。


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