「haunted夢枕 その53~66(hauntedカレー◆F57im1gMT.)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<p> </p>
<blockquote>以下は、<a href=
"http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197286197/">http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197286197/</a>から引用</blockquote>
<p> </p>
<h1>スクランスレ@エロパロ板 17話目</h1>
<blockquote style=""></blockquote>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>39 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その53 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:39:40 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>と、いうわけで<br>
http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/19.html<br>
http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/20.html<br>
http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/21.html<br>
http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/22.html<br>
の続きー<br>
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br>
―――<br>
クリスマスイブの晩。<br>
絶頂で失神してしまっていた愛理は、ホテルの豪華スイートルームのエントランスのソファの上で<br>
荒い息をつく恋人に圧迫されて意識を取り戻した。<br>
全身にしぶかせた熱い汗が冷える間もなく、愛理はソファの上で呆けていた体がふわりと持ち上げられるのを感じた。<br>
与えられた快感によって柔らかく脱力した体が、硬い引き締まった筋肉に包まれる。<br>
<br>
それはいわゆる『お姫様だっこ』の形で、背中と膝の裏に感じる播磨の腕の感触に愛理は陶然としてしまう。<br>
いまだに身体の中心を熱くとろけさせているお嬢さまは、最愛の男に抱き上げられたまま寝室に運ばれている。<br>
播磨の予想以上に広いスイートルームの中をその体勢のまま運ばれる愛理は、頬を押し付けてる胸板の厚さと熱さに<br>
股間に女の子の液がこぽりとこぼれてしまうのを感じていた。<br>
力強い腕で抱き上げられている。太くて、硬い筋肉質な腕。そんな力強い腕が、愛理の身体を抱き上げている。<br>
沢近愛理というこの少女は、それだけで腰骨が甘く溶けてしまうのを止められない。<br>
体中から力が抜けていく。恋人の腕の中で脱力していってしまう。愛理の身体は恋人のための人形になってしまう。<br>
<br>
クリスマスイブのホテルのスイートルームで。<br>
誰よりも愛しい男が。世界で一番愛している不器用な恋人が。<br>
自分のことを抱き上げてベッドルームに連れて行ってくれる。<br>
そんな乙女の甘い妄想が今、現実になっている。<br>
ふわふわと宙に浮いているような感覚に泳いでいる愛理。<br>
まるで全身に重力を感じないのは大好きな男の子に抱き上げられて運ばれているから。<br>
愛理が大好きなバカの体温に包まれて、宝物のように大切に運ばれているから。<br>
<br>
播磨の裸の胸板に抱かれながら愛理は、触れあう皮膚の内側に甘く痒いような<br>
疼きを覚えてしまう。<br>
<br>
――もっともっと、触れ合いたい。<br>
――裸の肌と肌をこすりあわせたい。体温を感じあいたい。さっきみたいに汗ばんだ肌を押し付けて、<br>
この大好きな男の体をもっと全身で感じたい。<br>
そう思っている愛理の身体がふわりとシーツの上に降ろされた。<br>
くたり、と力が抜けた身体をベッドの上に投げ出す愛理。<br>
うまく力が入らない。<br>
<br>
「お嬢」<br>
<br>
愛理の体にのしかかってくる播磨がその力強い腕で、白くてほっそりしたあごを軽く摘む。<br>
力の抜けた愛理の体はされるがままになってしまう。まるで人形のように、播磨の腕に従順になってしまう愛理。<br>
肌が触れるだけで、体温を感じるだけで、この女の子はすっかり素直になりきってしまう。<br>
筋肉質な播磨の体が、ベッドの上に横たわっているお嬢さまの体と重なる。<br>
全裸のバカの肉体が、シルクのストッキングとロンググローブしか身に着けていない愛理を組み敷いている。<br>
キスをするでもなく、愛理の滑らかな頬に触れてただ弄ぶ播磨。<br>
その無骨な指のくすぐったさが愛理の肌の裏側に甘痒い幸福感を生み出していく。<br>
<br>
「……お嬢」<br>
播磨がそう呼んでくれる。<br>
愛理は、それだけで恍惚の極みに達してしまいそうになる。<br>
播磨拳児だけがそう呼んでくれる名前。<br>
播磨だけがそう呼んでいい名前。<br>
世界中で、ただ一人のひとだけが、そう呼んでくれる、そんな名前。<br>
その声が、愛理の胸を締め上げるような切ない言葉を吐いてくれる。<br>
<br>
<br>
「……愛してるぜ」</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>40 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その54 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:40:16 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「……愛してるぜ」<br>
<br>
以前の播磨からは想像もできないが、播磨は最近になってようやっと照れながらも<br>
そういう甘い言葉を吐くようになっていた。<br>
そんなに酔っているわけでも興奮の極みにいるわけでもないのにこんな甘い言葉を吐くのは<br>
播磨にとっては苦痛に近いわけであるが、それでもこの粗野で無作法で不器用な男が<br>
精一杯の愛の言葉を口にするのには理由がある。<br>
それはなにより、そういう種類のセリフを言ったときの愛理の表情が播磨の心の琴線に<br>
触れるからだった。<br>
<br>
播磨がその言葉を口にした後の、愛理の輝くような瞳の色。<br>
ほの赤く、薄い薔薇色に染まった頬。嬉しそうに緩んだ口元。<br>
全身で高まる思いをどうしたらいいのかわからないような、周囲の空気を幸せなものに<br>
変えてしまうくらいの嬉しそうな表情は、播磨の心を鷲掴みにする。<br>
そんな愛理の表情を、この播磨拳児という男はこの上なく好ましく思っている。<br>
だから、恥ずかしくても播磨はそういう言葉をベッドの上でだけは吐くことができるようになった。<br>
すごい進歩である。<br>
<br>
愛の言葉を囁かれたお嬢様は、とろんと蕩けたような瞳で射抜くように播磨をうっとりと見つめている。<br>
<br>
その視線を播磨は嫌いではなかった。<br>
いや、むしろその表情を好んですらいた。<br>
その目で見つめられると、播磨はおかしくなってしまう。<br>
胸の中がおかしい。ズキズキと痛み始める。そして突然叫びだしたくなる。<br>
骨が折れるほど強く、このお嬢さまを抱き締めてキスして、胸を愛撫して、全身にくまなく<br>
口付けをして、そしてケダモノのようにその身体を貪ってしまいたくなる。<br>
できることならこの金髪の美少女を丸ごと食べてしまいたいという妄想に囚われてしまう。<br>
<br>
播磨は知った。<br>
<br>
この気持ちが『好き』だということを。<br>
このお嬢さまと付き合い始めて二年以上経って始めて、鈍すぎるにも程があるが播磨は、<br>
自分はこの女の子のことを心底好きなのだ、ということを実感していた。<br>
だから「愛してる」という言葉をささやくことができていた。<br>
本心の、心の底から本当に「愛してる」と思ってるからこそそんな言葉を吐くことができた。<br>
<br>
播磨拳児は不器用な男である。不器用なだけに、ウソがつけない。<br>
<br>
ただ大切で、大好きで、笑顔が好きで、声が好きで、柔らかい体が好きで、料理を作ってくれたり<br>
部屋の掃除をしてくれるとこが好きで、ときどき怒鳴ってくるときの怒りのこもった声すら好きで、<br>
抱きしめるととたんにおとなしくなってしまうしおらしさが好きで、キスしたときのほの甘い口の中の<br>
匂いが好きで、髪や肌を嗅いだときのほのかな体臭が好きで、金色に輝く髪の毛が好きで、<br>
くるくると表情を変えるその顔が好きで、睨んだり潤んだり甘えた色を見せたりする瞳の色が好きで、<br>
握ると簡単に壊れそうなちっこい手のひらの柔らかさが好きで、エッチのときは自分の身体の下や上で<br>
可愛らしく暴れるとこが好きで、手のひらからこぼれそうなくらいの大きさの乳房を掴んだときの甘い<br>
吐息が好きで……<br>
……要するに全部好きな、そんな女の子には播磨は本当のことしか言えなかった。<br>
<br>
播磨は組み敷いている愛理の足を広げさせると、その両足の間に入り込む。<br>
さっき出したばかりなのに、またガチガチに固く張り詰めている勃起を愛理の股の間の<br>
柔らかな肌にこすり付ける。<br>
すっかり濡れて肌に張り付いた薄い和毛の中の粘膜に、播磨のテカテカに張り詰めた亀頭が擦りつけられる。<br></dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>41 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その55 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:40:55 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「お嬢……」<br>
そう囁く播磨の声に、愛理は胸の中に溢れるどうしようもない熱い滾りを感じていた。<br>
このバカの言葉を聞くだけで、愛理は体の奥が熱く蕩けてしまう。<br>
触れ合った肌から響く音が、愛理の芯を甘くほどいていってしまう。<br>
<br>
「愛理」<br>
顔を赤くしながら、播磨はそう囁く。<br>
「……愛してるぜ」<br>
播磨に、そんな言葉をかけられた。<br>
愛理は全身の骨という骨が甘く溶けていくのを感じた。<br>
<br>
顔も、首筋も腕も。体全体が芯から燃え上がるように熱くなっている。<br>
<br>
目を細めて、涙で潤んでいる瞳で愛理は愛しい男を見つめる。<br>
悦びに緩んだ口がその名前をつぶやく。<br>
「ヒゲ…」<br>
その言葉を口の中で転がすだけで、愛理はこの上ない幸福に浸ることができた。<br>
「ヒゲ……」<br>
<br>
<br>
「わ、わたしも……アンタのこと、好き……好き……だ、大好きッ……」<br>
体に覆いかぶさってくる播磨を抱きしめながら、その口に、顔に、キスをする愛理。<br>
<br>
播磨がこすり付けてくる男性器の感触に、愛理は快感が背筋を駆け上ってくるのを感じていた。<br>
焼けるように熱いその男根が、愛理の粘膜を寛げる。<br>
熱く蕩けた愛理の女の子の部分が、播磨の肉槍をゆっくりと、しかししっかり抱きとめていく。<br>
<br>
柔らかい湿った粘膜をかき分けて播磨が入ってくる。<br>
それだけで、愛理の体中の肌がほの赤く火照ってしまう。<br>
体の奥から生まれる衝動が全身をプルプルと震わせる。<br>
<br>
播磨の体の下で愛理は、唇をぱくぱくと動かしながら、声にならない声を漏らす。<br>
そのきつい男性自身を何回も、何百回も受け入れているのにも関わらず愛理はその剛直の大きさに<br>
震えを感じてしまう。<br>
背筋をガクガク震わせながら、その張り詰めた肉竿の固さを粘膜で味わっている。<br>
なんど受け止めても、慣れも飽きもしない播磨の勃起。<br>
硬く張り詰めたその形が愛理の内側を押し広げ、二人の間の隙間をきっちりと埋めていく。<br>
<br>
愛理はとろとろに蕩けた媚粘膜で、その形を喰い締める。<br>
それだけのことで、愛理は無上の幸福を感じられる。<br>
大好きな男の子が自分の体で満足してくれている、という想いが愛理の胸の中を<br>
切なくさせてしまう。<br>
紅茶の色の瞳を歓喜の涙で潤ませながら、愛理は恋人の充血しきった硬い欲情の証を受け止めていた。<br>
<br>
膣の一番奥深くまで肉竿を深く突き入れられた後で、播磨は動かない。<br>
愛理はそうされるのが大好きだった。<br>
息もできないくらいの深い結合感を味わいながら、じわじわと子宮から広がってくる快楽に<br>
全身を酔わせる。<br>
一番深くつながりながら、大好きな男の子の陰茎の熱さと硬さを女の子の器官で味わっている。<br>
それは愛理にとって、この上ない幸福だった。<br>
播磨は一ミリも腰を動いていない。<br>
びく、びく、と愛理の媚粘膜の中で脈動する男性器。<br>
その播磨の鼓動を優しく抱きとめている愛理の女の子はその振動だけで<br>
深い快楽の沼に沈み込んでしまう。<br>
じゅん、と愛理の体の中で熱が増した。<br>
それだけで瞳が潤み、息は浅く速くなっていく。<br>
<br>
鍵穴にぴったりと合う鍵が差し込まれたときのように、愛理と播磨は密着していた。<br>
播磨の肉竿に隙間なくまとわりつき、締め上げる愛理の粘膜。<br>
その柔らかい肉襞をこじ開け、寛げるのは播磨の勃起。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>42 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その56 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:41:43 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 愛理の瞳は幸福と快楽に潤んでいる。<br>
ふたりの唇が引き寄せあうように近づき、キスが交わされる。<br>
<br>
最初は小鳥がついばみあうようなキス。<br>
そして、そのキスがじっくりと熱く舐りあうようなものに変わっていく。<br>
愛理の頬にそっと播磨の掌があてがわれる。<br>
そしてもう片方の手で愛理の掌を優しく握ってくる。<br>
愛理はそれだけで、手指が融けそうなほどの快感を覚えてしまう。<br>
<br>
愛理は播磨の唇を割って深くキスをする。<br>
舌を吸いあい、唇を食みながら恋人の唾液を嚥下する。<br>
熱いその液体を飲み込むと、愛理の身体は内側から発情してしまう。<br>
まるでそれは媚薬であるかのように、飲み込んだ播磨の体液は愛理の消化器粘膜をジクジクと甘く炙っていく。<br>
愛理の瞳は熱に呆けたかのようにとろんと蕩け、ただひたすらに恋しい男の顔しか映っていない。<br>
<br>
播磨は腰を引くと、蜜壷深く挿し込まれた陰茎を一気にズリリと引き抜く。<br>
「ふあぁッ!?」<br>
蕩けた粘膜を擦りたてられ、愛理の腰に甘い電撃が走る。<br>
何度つながりあっても、そのしびれるような切なすぎる感覚に愛理は耐えられない。<br>
<br>
唇を唇で割られながら、唾液を流し込まれ、唾液を吸い取られる。<br>
顎を摘まれたまま、愛理は播磨にされるがままにむさぼられている。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
愛理の感じている顔が好きな播磨は、自然にこの女の子の好きなセックスの方法を覚えてしまっていた。<br>
<br>
まず深く突き入れたら、動かない。<br>
そのままキスをして、掌をぎゅっと握る。<br>
耳元に愛理の内側の感想を囁くと、真っ赤になりながら羞恥と歓喜の混ざり合った瞳で<br>
播磨を見つめてくる。<br>
そしてキスをする。<br>
キスがエスカレーションしていって、愛理が体の芯の熱さに耐え切れなくなり<br>
組み敷いた体の下で腰をじりじりと自分で躍らせてしまうまで、播磨は腰をまったく動かさない。<br>
<br>
播磨の大きな掌にも若干余るくらいに成長して成熟きっている愛理の乳房に触れると、その肌は吸い付くように<br>
無骨な手指を受け止めていく。<br>
重たげに播磨の手の中に埋まりこむ愛理のバストは、興奮で汗ばんだ肌の肌理を伝えてくる。<br>
魅惑的なその膨らみは、播磨の手指に天上の触感を与えつつ、柔らかくもしっかりとした弾力のある手触りで<br>
まだ成長過程にある芯の反発力を返してくる。<br>
触れて、揉み、捏ねているうちにこのお嬢さまの小さな心臓が、とくん、とくんと脈を打っているのがわかる。<br>
深く深く繋がったまま、愛理の乳房を掌の中で転がしながらキスをする。<br>
<br>
その唇の感触も、唾液の味も、瞳の色も、播磨をより興奮させるための鍵でしかない。<br>
<br>
焦れるように愛理の腰がそわそわと動きはじめたら、播磨は男根をゆっくりと引き抜く。<br>
<br>
すると熱くとろとろになっているお嬢さまの内側の粘膜は播磨の亀頭を名残惜しげに<br>
引き止めるように吸い付いていく。<br>
その感触に播磨は腰の内側が消失してしまいそうなほどの快感を覚える。<br>
そしてまた愛理の粘膜をこじるようにしてゆっくりと粘膜の壷に沈めていく。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>43 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その57 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:42:11 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> ゆっくり、ゆっくりと焦らすような動き。<br>
じっくりと粘膜の柔らかさを味わうように突き入れ、<br>
粘りついてくるような襞の感触を楽しむように引き抜く。<br>
<br>
その緩やかな動きの抽送の何回かに一回、急に一気に突き入れたり、愛理が驚くほど<br>
素早く引き抜いたりするような動きを混ぜていく。<br>
<br>
播磨の腰を追うように、愛理の腰がくねる。<br>
抜かれる播磨の性器を追うように。<br>
差し込まれる男根を迎え入れるように。<br>
愛理の腰は無意識のうちに淫蕩なダンスを踊っていた。<br>
<br>
そしてその度にこのお嬢さまは<br>
「ふわぁっ」<br>
というような切なげな悲鳴をあげる。<br>
切なげな瞳を涙で潤ませながら、愛理は眉根を寄せて快楽に苦悶する表情を見せてくる。<br>
<br>
首がくなくなと振られるとまとめられた髪が解け、金髪がシーツの上に広がる。<br>
<br>
「あああ……っ……ヒゲっ……ヒゲェっ…」<br>
白い喉を反らせながら、びくん、びくんっ、と愛理の体は震える。<br>
そんな姿を見ると播磨はこの女ともっと深く繋がりあいたい、というどうしようもない欲求に駆られた。<br>
より深く、もっと緊密に。<br>
強く抱きしめて、誰よりも一番近い存在として繋がりあいたい。<br>
だから播磨は組み敷いているこの金髪のお嬢さまの右足を抱え込むようにして、股間を深く打ち付ける。<br>
それは「松葉崩し」の体位で、大きく割り広げられた股間の間に播磨は猛りきった男根を叩き込む。<br>
<br>
一番深い所まで深々とつながったときの恍惚感。<br>
子宮口の軽い感触までわかるくらいに播磨の肉竿を一番奥まで受け入れ、抱きしめ、締め上げてくる<br>
愛理の肉穴。<br>
播磨は愛理しか見えていない。<br>
ここがどこかとか、今はいつかなんてことは意識の外に追い出されてしまっている。<br>
ただ、自分とつながっている美少女の姿がすべてだった。<br></dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>44 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その58 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:43:15 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 恥ずかしい。<br>
愛理はそう思ってしまっていた。<br>
恋人とはいえ、こんなえっちな顔や、声を聞かれるのは恥ずかしい。<br>
「だ、だめ……こんな、こんな顔、見ちゃあっ――」<br>
愛理のそんな叫びも、播磨の一言で封じられてしまう。<br>
「お嬢」<br>
そう言う播磨が顔を隠そうとした愛理の腕を掴む。<br>
その瞬間、愛理は腕から力が抜けてしまう。<br>
「お嬢」<br>
つながり合った部位から焼けそうなほど熱いなにかが生まれる。<br>
陰茎を食い締めながら、腕を握り締められて愛理は眩暈に近い恍惚に翻弄される。<br>
<br>
播磨の亀頭の先端が愛理の身体の一番奥にキスをすると、それだけでこのお嬢さまは呆けた顔を<br>
晒してしまう。<br>
「だめっ、だめぇっ――」<br>
「ダメじゃねえって。可愛いぜ」<br>
「わ、私……えっちに、えっちになっちゃう」<br>
「なっちまえよ」<br>
「……」<br>
「そんなとこも、俺は好きなんだからよ」<br>
<br>
「…うそ」<br>
<br>
「お嬢に……ウソなんかつかねえ」<br>
気を抜くと一瞬で絶頂に達してしまいそうな、そんな快感をこらえながら播磨は<br>
この地上の誰よりも愛している女に真情を吐露する。<br>
<br>
それは目も眩むような衝撃で愛理の体の幹を麻痺させてしまう。<br>
子宮口を亀頭の先端でノックされると、白くて甘い電撃のような響きが<br>
愛理の脳裏を真っ白に焼き焦がしていく。<br>
<br>
播磨の剛直が引き抜かれるとき、愛理の内側はその亀頭粘膜を握り締めるみたいにぴったりと食いつく。<br>
<br>
どう締めれば播磨が気持ちよくなってくれるのかということを愛理は知っている。<br>
生まれて初めて契った、そして唯一の男の身体を愛理はよく知っている。<br>
一年以上にも渡って、幾度となく深く優しく、そして時には激しく愛し合った相手の身体を<br>
愛理の肉体は十分に知っている。<br>
<br>
愛理の身体は意識することなくその行為に没頭する。<br>
播磨が引き抜くときに、腰の内側に力を込めるように締め上げる。<br>
この馬鹿な不良が、快感に眉間の皺が深くなるのが愛理にはなにより嬉しい。<br>
自分の体で、大好きな男の子を気持ちよくさせてあげられている。<br>
その感覚は、それだけで愛理を夢心地にさせていた。<br>
<br>
甘くほどけた唇は、声にならない快楽の悲鳴をあげている。<br>
<br>
「ふ…ぅ…ふあぁっ……いひぃっ……ふああぁっ……」<br>
<br>
触れ合った肌の内側がどんどん熱くなっていってしまう。<br>
ジリジリと、炙られるような媚熱が愛理の肉体を責め苛んでいく。<br>
<br>
胸がこね回されるように握られ、張り詰めてきた乳房がねっとりと甘い熱を発する。<br>
播磨の大きな手のひらで蹂躙されるのは愛理は好きだった。<br>
自分の身体で好きな男の子を喜ばせてあげられるという歓喜に酔いしれる。<br>
だから、胸を愛撫してくる恋人の手のひらを愛理は愛してやまない。<br>
こんなに揉まれて、何十回も、何百回ももみくちゃにされて。<br>
おっぱいが大きくなってよかった、と愛理は思う。<br>
掌の痕がつくくらい強く握られる。<br>
指先で乳首の先端をこすり上げられる。<br>
硬くなった乳首を摘まれながら、出ない母乳を絞られるかのようにおっぱいをもてあそばれる。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>45 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その59 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:44:03 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 頭を反らし、シーツに深い皺を作る愛理は弓のように背を曲げながら身体の芯がビクン、と大きく震え<br>
愛理はその頂点を徐々にゆっくりと越えていってしまう。<br>
<br>
一番深いところに、硬く熱く充血しきった播磨の先端を受け止めながら。<br>
敏感な乳首を思うがままに弄ばれて。<br>
女の子の内側の襞を高く張り出したカリ首で擦られる。<br>
大好きな男の勃起を受け入れながら、愛理は子宮がキュンと縮んでいるのを感じていた。<br>
「お嬢……」<br>
優しく頭を撫でられながら、激しく深く繋がりあっている。<br>
<br>
「気持ちいいのか?」<br>
一突きごとに、愛しむような気遣うような目で播磨が尋ねてくる。<br>
その視線で見つめられた愛理は自分の身体が制御できないことに気づいた。<br>
ただ、肩に手を廻し。<br>
ひたすらに、胸板を、おっぱいを押し付け合い。<br>
唇は、勝手にえっちな声を漏らしている。<br>
<br>
<br>
くちゅ。<br>
いやらしい水音が、愛理の股間から響く。<br>
ちゅぷっ。<br>
<br>
――えっちな顔を見られてる。<br>
――我慢しきれない、えっちな声を聞かれている。<br>
播磨以外の誰にも聞かせたことのない声を上げて、沢近愛理は必死に叫ぶ。<br>
心の底からの本当の声を。<br>
<br>
「ぜんぶ…ぜんぶ、あげるから…わたしの、ぜんぶ……あげる………アンタのだから…」<br>
<br>
恋人に全てを捧げる誓いを口にしながら、愛理は眉根を寄せつつ絶頂の吐息を漏らす。<br>
膣の内側が播磨の陰茎を吸いたてるように蠕動する。<br>
<br>
<br>
お嬢さまの内側が播磨の肉竿にぴったりと吸い付く。<br>
擦りたてるように、絞りたてるようにその肉襞は動き、播磨の爆発するほとばしりを<br>
一滴残らず吸い取っていく。<br>
もっと欲しい、と言うかのように愛理の内側が別の生き物のように収縮する。<br>
<br>
脳裏が真っ白になるくらいの快感に、愛理の播磨は思わずうめき声を上げている。<br>
その声を耳にしてさらに快感を昂ぶらせる愛理。<br>
それはまるで合わせ鏡のように、興奮を無限に増幅していってしまう。<br>
愛理の嬌声に興奮を昂ぶらせる播磨。<br>
喜んでいる播磨にすべてを奉げたい気持ちになってしまう愛理。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
その夜、愛理は甘い怨嗟の叫びをスイートルームの寝室に幾度となく響かせた。<br>
愛理は金髪をシーツの上で振り乱しながら、限度を超した快楽の苦痛と陶酔の入り混じった吐息を漏らし、<br>
その甘美な拷問を止めてくれるように何度も恋人に懇願しながらも恋人にしがみつき、キスと愛撫の<br>
奔流のただなかに翻弄され尽くした。<br>
<br>
しかし愛理の大好きな頭の悪い恋人はその乞う声を無視してこのお嬢さまを攻め抜いた。<br>
汗と愛液でシーツを濡らしても一向に速度の衰えないピストン運動で。<br>
際限のないキスで唾液を交換し合い、乳房を舐め乳首を吸い乳肌を甘噛みし、<br>
このお嬢さまの全身に自らの刻印を記していった。<br>
愛理はそれを止めてくれるように懇願しつつも、その快楽の頂点のさらに上目掛けて押し上げられる感覚を<br>
待ち望んでいた。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>46 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その60 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:44:35 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> キスと、愛撫と、抱擁と放出。<br>
獣欲と恋心の渾然となった感情の虜になっている播磨はケダモノじみた欲望の頂点へと幾度も登りつめ<br>
同時に恋人の耳元で愛を囁いた。<br>
「お嬢、愛してる」<br>
<br>
ホテルのフロアじゅうに響き渡る嬌声を叫びながら、愛理はついにその晩五回目の絶頂に達した。<br>
首筋に、胸元に、無数のキスマークと甘噛みの痕を刻印されながら。<br>
「好きっ…好きぃッ…大好きッ」<br>
絶叫に近い嬌声をフロアじゅうに響かせながら、愛理は全身を痙攣させながらその頂点を越えた。<br>
播磨の熱い欲望の滾りを赤く熱く蕩けきった粘膜で受け止めた愛理は、真っ白な灼熱で脳裏を焦がしつつ<br>
幸福な暗闇の中に向かって堕ちていった。<br></dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>47 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その61 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:45:06 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 白い光が愛理の目に差し込んでくる。<br>
<br>
――ん……あさ…なの<br>
<br>
寝ぼけまなこの愛理が目を開けると、カーテンの開いたままの窓越しに太陽が室内を照らしている。<br>
室内。<br>
いつもとは違う部屋。<br>
屋敷の寝室でも、播磨のアパートのベッドの上でもない。<br>
<br>
――そっか…ホテル…泊まったんだっけ<br>
愛理が目にする窓の外のビル街は白い雪化粧をまとっている。<br>
ホワイト・クリスマス。<br>
隣にいる幸福な体温の感覚に、愛理は胸の中がジワリと暖かくなるような幸福を感じる。<br>
大好きなバカな男の子と迎えるクリスマスの朝。<br>
ずっと一緒にいられたクリスマスイブ。<br>
<br>
愛理は昨晩のことを思い浮かべて頬を赤らめてしまう。<br>
何度絶頂に達しても、そのたびにケダモノのように襲い掛かってくる播磨。<br>
一匹の雄と化したそんな恋人に蹂躙される喜び。<br>
思い出しただけで女の子の芯がズキズキと甘く震えてしまいそう。<br>
<br>
ぴくぴくと瞼を動かしている恋人の顔を眺めながら、愛理はつい頬が甘く緩んでしまうのを感じていた。<br>
大好きな男の子の寝顔を見ながら目覚めることのできる幸福。<br>
それは愛理の手に入れたなかで一番暖かくて、嬉しい目覚めだった。<br>
<br>
播磨の凶悪な瞳もいかつい顔も、こうして眠っていると子供みたいに可愛い。<br>
<br>
「ん……」<br>
播磨が目を覚ましかけている。<br>
<br>
<br>
愛理はガウンを取りにいくにしても、裸のままだと恥ずかしいと思っている。<br>
あれだけ裸で抱き合って、えっちをしているのにもかかわらず愛理は播磨に裸を見せることに抵抗があった。<br>
そんな恥じらいをみせる愛理のことも播磨は好ましく思っているのだが、とにかくこのお嬢さまは<br>
裸のままベッドの外に出るなんてはしたない事はできなかった。<br>
<br>
愛理はベッドカバーを体に巻きつける。<br>
きゅっ、とシーツの端を胸元に差し込むと、それは胸の谷間がいっそう深くなって、シーツの裾は<br>
踝よりも長く絨毯に擦れるほどで。<br>
<br>
それはまるでベアトップのロングドレスみたいだ。<br>
ベッドから床に足を下ろすと、目を覚ました播磨が自分のことを見ているのに気づく。<br>
「ちょっ……な、ナニ、見てんのよ!?」<br>
<br>
愛理は急に恥ずかしくなってしまう。<br>
<br>
今まで愛理がこの恋人にたいしてしてあげた様々な格好よりも、ずっと恥ずかしい。<br>
<br>
頼み込まれたので仕方なく、全裸になってエプロンだけをつけてお料理をしてあげたときよりも。<br>
小さすぎるスクール水着を無理に着て、前かがみになってポーズを取ってあげたときよりも。<br>
胸がやたら強調されてるウェイトレスの制服のコスプレをしてあげたときよりも。<br>
屋敷のメイドの制服を着て「ご主人さま」と言わせられたときよりも。<br>
デッサンの参考だと言われスチュワーデスの格好をさせられて、最終的にはお口でご奉仕させられたときよりも。<br>
どんな時よりも、ずっと、もっと恥ずかしい。<br>
顔から火が出るくらい、恥ずかしくて、照れくさくて、嬉しかった。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>48 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その62 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:46:03 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「……なんかアレだな。アレみてえだな」<br>
まだ寝ぼけている播磨のそんな声を聞きながら、愛理は心地よい羞恥の中にいた。<br>
愛理が播磨の視線から逃げられないのには理由があった。<br>
そんな目で見られると、気持ちがいいから。<br>
コイツの目で身体を見てもらえるのが嬉しいから。<br>
<br>
シーツしか身に着けていないお嬢さまの子宮は朝から熱く充血をはじめてしまう。<br>
<br>
そんな愛理の心の中を知らない播磨は素直な感想を口にした。<br>
<br>
「アレだ、ほら、教会とかに、よくいるじゃねえか」<br>
<br>
愛理の胸は高鳴っていた。<br>
<br>
――きょ、教会…って…<br>
――う、ウェディングドレスみたいだなんて…<br>
<br>
朝から昂ぶっている愛理には播磨の言っている『アレ』がステンドグラスに描かれた天使を指しているのに<br>
気づくわけもない。<br>
<br>
<br>
<br>
「あ、そうだお嬢」<br>
うっとりと頬を染めている愛理を尻目に播磨はそう言ってベッドから下りると昨晩適当に脱ぎ散らかした<br>
タキシードのポケットを漁っている。<br>
裸の尻を愛理に向けたまま。なんて無神経な。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
「おお。あったあった」<br>
播磨はそう言うと、やっぱり全裸のまま愛理に歩み寄ると、小さな箱を見せた。<br>
あー、と言いよどんでいる播磨。<br>
とても言いにくそうだが、それでも播磨は意を決したように言葉を発する。<br>
「…あのよ…………お嬢。コレはすげー安モンで、オメエが気に入るかどうかわかんねえけどな」<br>
そう言いながら小さな紺色の箱を太い指で開く。<br>
その内側には、銀色に輝く小さな指輪が光っていた。<br>
「そ、その、なんだ。今日はクリスマスで、そんな日にはなんか贈るモンだ、ってこないだ<br>
塚本が言ってて、いやその、塚本は関係なくて、いやそのただ、クリスマスには<br>
プレゼントがつきものだってーから、その、アレだ。うん」<br>
柄にもなく焦りまくっている播磨は、片手で愛理の手を掴む。<br>
播磨にはまったく何の意識もなかった。ただ単に、無造作に掴んだだけだった。<br>
<br>
<br>
<br>
愛理の左手を。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
女の子の左手の薬指に指輪を嵌めるということの理由を播磨は知らないわけではない。<br>
でも、アホな播磨は「右手ならいいよな」とか思いつつも愛理の左手を掴んでしまっていた。<br>
向かい合うと右と左が逆になる、だなんて常識すら考え付かない。<br>
<br>
真っ白で、すべすべで、白魚のような指。<br>
そんな指が、播磨の手のひらの中で柔らかく解けている。<br>
<br>
そして、その白くて細い指に、播磨なりに精一杯の奮発をして買った、安物の指輪をはめる。<br>
<br>
金髪のお嬢さまの、左手の薬指に。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>49 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その63 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:47:09 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>――左手の。<br>
――薬指に。<br>
――コイツが……指輪を、はめてくれた。<br>
<br>
指が溶けそうな。指の骨が溶けてしまいそうな。<br>
愛理は指だけじゃなくて、全身が甘いとろりとしたシロップのように蕩けていってしまうのを感じる。<br>
視界の中で播磨の顔が歪んでいく。愛理はなぜだか、涙が溢れてくるのをとめられない。<br>
「……こ、コレって……」<br>
絶句する愛理。胸が熱くなる。胸がいっぱいになる。唇はぱくぱくと動くが言葉は出てこない。<br>
<br>
愛理は、今まで感じたことのない恍惚の海の中にいた。純粋な白い幸福感に全身を洗われていた。<br>
生まれてから18年の間、一度も感じたことのない喜びのただなかに愛理はいた。<br>
指の付け根が、甘く震えている。そこから全身に広がる、純粋な多幸感。それはアルコールの酩酊のように、<br>
この少女の全身をジリジリと甘く焼き焦がしていく。<br>
愛理の瞳のふちにゆっくりと涙がたまっていく。<br>
その涙は表面張力を越え、簡単に決壊してつややかな頬に涙の線を描く。<br>
「こ、これって…」<br>
<br>
「……その…俺の気持ちだ」<br>
<br>
播磨はそう口にするが、そもそも前提が違っている。<br>
播磨にしてみればただ指輪をプレゼントしているだけのつもりなのだが、愛理にとってはそれは<br>
女の子にとって一生に一度クラスの一大イベントだったりするわけで。<br>
<br>
――気持ち<br>
――コイツの、気持ち……<br>
<br>
愛理には体の芯から震えが生まれている。<br>
播磨のいつになく真摯な視線に貫かれながら、愛理はどうしようもない恍惚のただなかに放り出されてしまう。<br>
左手の薬指は心臓に直結しているという。<br>
愛理はそんな言い伝えを心底実感していた。<br>
播磨の手に掴まれた左手が熱い。<br>
播磨の野太い指に摘まれている左手の手指が甘痒い。<br>
左手の指輪から、愛理の全身に胸を焦がす甘い電流がビリビリと流れてしまっている。<br>
この頭の悪い恋人の、精一杯の愛情の印の指輪が、愛理の心をジンジンと熱くさせる。<br>
冷たい金属が、まるで愛理の心臓を直接炙っているかのように熱を持っている。<br>
胸の奥底を焼け焦がしていく。<br>
薄桃色の幸福のなかに浮遊させていく。<br>
感激の涙が愛理の頬に川を作る。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>50 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その64 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:47:51 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「わ、私……これ……この指輪……一生、大切にするから」<br>
その切情あふれるささやき声は、播磨の聞いたことのないような声だった。<br>
その切ない声は、聞いている播磨の背筋を撫でるような甘い声だった。<br>
感動に震えている、切なさと愛しさが混ざり合ったような、そんな甘い声。<br>
頬を伝わる涙の線が、播磨の心の琴線を激しく響かせる。<br>
<br>
宝石みたいな、この金髪のお嬢さまの奇麗な瞳がもっとさらに潤む。<br>
<br>
<br>
その顔の愛しさに酔ってしまいそうになった播磨はついつい無神経な言葉を口にしてしまう。<br>
「い、イヤ……その、なんだ。……こんなのは安モンだからよ……俺がもっと稼げるようになったら、<br>
そんときにはもっとイイ指輪買ってやっから」<br>
<br>
「ううん……コレでいいわ……コレが、いいの……」<br>
ハシバミ色の瞳を歓喜の涙で飾りながら、愛理は最愛の男性の顔をまっすぐに見つめている。<br>
<br>
<br>
「私……すごく……幸せ…」<br>
その表情は、播磨が今まで見た愛理の笑顔の中でも、ひときわ美しく、<br>
晴れやかで、優しい顔をしていた。<br>
<br>
涙を漏らす瞳を閉じると、愛理はそっと顔を播磨に向ける。<br>
薄ばら色に輝く頬。その中の、可憐な唇がなにかを待ちわびるようにすっと窄められる。<br>
朝日を浴びて輝くふわふわの金髪の中のお嬢さまの小顔。形のよい頬。魅惑的に閉じられた瞼。<br>
それが今、播磨拳児に向かって奉げられている。<br>
<br>
<br>
<br>
そんなときどうしたらいいか、播磨は知っていた。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
それは触れるだけのキス。<br>
体温を感じあうキス。<br>
唇が唇と触れあい、それだけで二人ともが高みに登って行けそうな、そんなキス。<br>
<br>
天国に登りつめてしまうくらいの甘い、甘い口づけ。<br>
<br>
唇がそっと離れたあとで満足そうな吐息を播磨の胸板に吹きつけながら、<br>
スイートのベッドルームの中で、吐息を吸いあい、体温を感じあいながら、<br>
二人はまるでチークダンスを踊るかのようにぴったりと身体を寄せ合っていた。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
そんな幸福なクリスマスのプレジデンシャル・スイートのベッドルームの二人。<br>
そんな二人にいつもどおりの慇懃な声が掛けられる。<br>
<br>
<br>
「おめでとうございます、お嬢様」</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>51 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その65 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:48:17 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「おめでとうございます、お嬢様」<br>
瞬時に振り向く愛理。<br>
そこには、深々とお辞儀をしているナカムラがいた。<br>
「ななななな、ナカムラッ!?」<br>
まったくもって無防備な、生まれたままの素の表情を恋人だけに見せていたこのお嬢様は<br>
慌てて普段の表情を取り繕おうとする。<br>
が、その呆けた笑みは簡単には覆い隠せない。<br>
<br>
そんなご主人さまに、執事は語りかける。<br>
「式の日取りはいつにいたしましょうか? ああ、その前に旦那様ともども、播磨様のご両親に<br>
ご挨拶に伺わなくてはなりませんな」<br>
<br>
<br>
頬を真っ赤に染めながら、このお嬢さまは執事に答えて言った。<br>
<br>
「そ、そんな……結婚式だなんて……まだ早いわ。きょ、今日のところは、とりあえず……婚約しただけだから」<br>
<br>
――ケッコンシキ!? コンヤク!?<br>
なんじゃそりゃ!?と胸の中で驚きながら播磨は、腕の中の女の子の爆弾発言を正面から受け取ってしまうわけで。<br>
<br>
播磨はすっかり困惑していた。<br>
――えーと。アレだよな。コンヤクってのはケッコンのヤクソクのことで。<br>
――いったいいつ俺がお嬢とコンヤクなんかしたんだ?っていうかプロポーズすら……<br>
そこまで考えた播磨は、腕の中の愛理を見つめてみる。<br>
愛理は左手の薬指でキラキラ光る銀色の輝きを、こちらもまた宝石みたいな輝きをもった<br>
瞳でうっとりと見つめている。<br>
<br>
――って、左手? お嬢の左手じゃねえか! それも薬指!<br>
<br>
――左手の薬指って…おい!それってまずくねえか?!<br>
<br>
自分のしでかした事の重大さに一瞬青くなった播磨だが、その驚きと衝撃がおさまるにつれ、<br>
別の感情が生まれてくる。<br>
<br>
――いや………………その、別に………………イイ……のか?………それはそれで……悪くねえ…かも…<br>
<br>
婚約。結婚の約束。生涯掛けて愛することの誓い。<br>
バカではあるが基本的にロマンチストである播磨は婚約というものをそんな風に思っていた。<br>
<br>
<br>
それを想像するだけで、播磨は胸の中がなんだか暖かくなってくる。<br>
この女とずっと、一緒にいられる。<br>
朝起きてから、夜寝るまで。<br>
どこかに出かけても、同じところに帰ってこれる。<br>
――朝目を覚まして最初に聞く声がコイツの声で。<br>
――目を開けて最初に見るのがコイツの顔で。<br>
――誰よりも最初にこの女を見れることは、なんかスゲー嬉しいことのような気がする。<br>
――それがどんな一日でも、それだけで耐えていけるような気がする。<br>
<br>
――夜寝る前に最後に聞くのがお嬢の声で。<br>
――目を閉じる間際に見る顔が、愛理の顔で。<br>
――たとえどんな悪い夢を見ても、傍にコイツがいるというだけで、大丈夫な気がする。<br>
<br>
そう考えるだけで、播磨は胸が熱くなってくるのを感じていた。<br>
昨晩感じていた身を焦がすような熱い炎ではなく、すべてを優しく包むような<br>
春の陽だまりの熱だった。<br>
<br>
腕の中にいる恋人を抱きしめながら、播磨はそんな熱に全身を洗われていた。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>52 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その66 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:49:34 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 播磨の腕の中のお嬢さまは、照れながらも執事に向かって言い放った。<br>
「……それにね、私芸能界にデヴューすることにしたわ!」<br>
「それはそれは」<br>
完璧な執事はまったく動じない。<br>
「うん……そんなに売れる必要はないんだけど。<br>
とりあえず独身の間じゃないとアイドルとかってなれないみたいだし。<br>
ま、花嫁修業みたいなものよ」<br>
「左様でございますか。おめでとうございます」<br>
ナカムラは慇懃にお辞儀をすると、言った。<br>
「お二人の着替えはエントランスのソファの上に置いておきますので、どうぞごゆっくり」<br>
<br>
完璧な執事らしく、音も無くベッドルームの扉が閉まる。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
そして金髪の勝気で強気なお嬢さまは、大好きな男の子に抱きつくと、<br>
まったくもって蠱惑的な微笑を浮かべながら再びキスをせがんだ。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
その数ヵ月後、愛理がミス・ジンマガとしてデビューしたり<br>
端整でありながら愛嬌のある表情とまだ成長過程にあるダイナマイツなボディで<br>
すっかり人気が出た愛理は某男性タレントと噂になったり<br>
ソレを知った播磨が密かにジェラシーに胸を痛めたり<br>
その噂は事実じゃないのだけど、妬いてくれない播磨に愛理が不満を抱いたり<br>
誤解が解けて愛情溢れる睦み合いに没頭したり<br>
そんな未来が二人を待ち受けているわけだが、まあ、それはまた、別のお話。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>53 :<a href="mailto:sage">hauntedの中の人 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:53:56 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd><br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
以上にて完結であります。<br>
ながながとお付き合いくださいましてありがとうございます。<br>
読んでくれてる方の感想だけが書く原動力なのであります。いやマジで。<br>
<br>
このオハナシの中では播磨とお嬢は行き着くとこまでいっちゃったw ので、<br>
とりあえず旗はこれでおなかいっぱい。もう書きません。すくなくとも当分は。<br>
<br>
今後はお約束どおりにおにぎりを書いてみようと思っております。<br>
八雲スキーの方、お待たせいたしました。(まあ、それでもやっぱり書くのは相当遅いわけですがw)<br>
<br>
<br>
余談ですが、以前講談社の忘年会にもぐりこんだときにミス・マガジンのお嬢さんたちが水着を着て<br>
取引先やら関係各所のお偉いさんにご挨拶をしてる光景を見ていろいろ思うところがあってこんな展開になったわけでありますが<br>
まあそれはそれでどうでもいいお話w</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<h1>haunted夢枕 その53~66</h1>
<blockquote style=""></blockquote>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>39 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その53 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:39:40 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>と、いうわけで<br>
http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/19.html<br>
http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/20.html<br>
http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/21.html<br>
http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/22.html<br>
の続きー<br>
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<br>
―――<br>
クリスマスイブの晩。<br>
絶頂で失神してしまっていた愛理は、ホテルの豪華スイートルームのエントランスのソファの上で<br>
荒い息をつく恋人に圧迫されて意識を取り戻した。<br>
全身にしぶかせた熱い汗が冷える間もなく、愛理はソファの上で呆けていた体がふわりと持ち上げられるのを感じた。<br>
与えられた快感によって柔らかく脱力した体が、硬い引き締まった筋肉に包まれる。<br>
<br>
それはいわゆる『お姫様だっこ』の形で、背中と膝の裏に感じる播磨の腕の感触に愛理は陶然としてしまう。<br>
いまだに身体の中心を熱くとろけさせているお嬢さまは、最愛の男に抱き上げられたまま寝室に運ばれている。<br>
播磨の予想以上に広いスイートルームの中をその体勢のまま運ばれる愛理は、頬を押し付けてる胸板の厚さと熱さに<br>
股間に女の子の液がこぽりとこぼれてしまうのを感じていた。<br>
力強い腕で抱き上げられている。太くて、硬い筋肉質な腕。そんな力強い腕が、愛理の身体を抱き上げている。<br>
沢近愛理というこの少女は、それだけで腰骨が甘く溶けてしまうのを止められない。<br>
体中から力が抜けていく。恋人の腕の中で脱力していってしまう。愛理の身体は恋人のための人形になってしまう。<br>
<br>
クリスマスイブのホテルのスイートルームで。<br>
誰よりも愛しい男が。世界で一番愛している不器用な恋人が。<br>
自分のことを抱き上げてベッドルームに連れて行ってくれる。<br>
そんな乙女の甘い妄想が今、現実になっている。<br>
ふわふわと宙に浮いているような感覚に泳いでいる愛理。<br>
まるで全身に重力を感じないのは大好きな男の子に抱き上げられて運ばれているから。<br>
愛理が大好きなバカの体温に包まれて、宝物のように大切に運ばれているから。<br>
<br>
播磨の裸の胸板に抱かれながら愛理は、触れあう皮膚の内側に甘く痒いような<br>
疼きを覚えてしまう。<br>
<br>
――もっともっと、触れ合いたい。<br>
――裸の肌と肌をこすりあわせたい。体温を感じあいたい。さっきみたいに汗ばんだ肌を押し付けて、<br>
この大好きな男の体をもっと全身で感じたい。<br>
そう思っている愛理の身体がふわりとシーツの上に降ろされた。<br>
くたり、と力が抜けた身体をベッドの上に投げ出す愛理。<br>
うまく力が入らない。<br>
<br>
「お嬢」<br>
<br>
愛理の体にのしかかってくる播磨がその力強い腕で、白くてほっそりしたあごを軽く摘む。<br>
力の抜けた愛理の体はされるがままになってしまう。まるで人形のように、播磨の腕に従順になってしまう愛理。<br>
肌が触れるだけで、体温を感じるだけで、この女の子はすっかり素直になりきってしまう。<br>
筋肉質な播磨の体が、ベッドの上に横たわっているお嬢さまの体と重なる。<br>
全裸のバカの肉体が、シルクのストッキングとロンググローブしか身に着けていない愛理を組み敷いている。<br>
キスをするでもなく、愛理の滑らかな頬に触れてただ弄ぶ播磨。<br>
その無骨な指のくすぐったさが愛理の肌の裏側に甘痒い幸福感を生み出していく。<br>
<br>
「……お嬢」<br>
播磨がそう呼んでくれる。<br>
愛理は、それだけで恍惚の極みに達してしまいそうになる。<br>
播磨拳児だけがそう呼んでくれる名前。<br>
播磨だけがそう呼んでいい名前。<br>
世界中で、ただ一人のひとだけが、そう呼んでくれる、そんな名前。<br>
その声が、愛理の胸を締め上げるような切ない言葉を吐いてくれる。<br>
<br>
<br>
「……愛してるぜ」</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>40 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その54 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:40:16 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「……愛してるぜ」<br>
<br>
以前の播磨からは想像もできないが、播磨は最近になってようやっと照れながらも<br>
そういう甘い言葉を吐くようになっていた。<br>
そんなに酔っているわけでも興奮の極みにいるわけでもないのにこんな甘い言葉を吐くのは<br>
播磨にとっては苦痛に近いわけであるが、それでもこの粗野で無作法で不器用な男が<br>
精一杯の愛の言葉を口にするのには理由がある。<br>
それはなにより、そういう種類のセリフを言ったときの愛理の表情が播磨の心の琴線に<br>
触れるからだった。<br>
<br>
播磨がその言葉を口にした後の、愛理の輝くような瞳の色。<br>
ほの赤く、薄い薔薇色に染まった頬。嬉しそうに緩んだ口元。<br>
全身で高まる思いをどうしたらいいのかわからないような、周囲の空気を幸せなものに<br>
変えてしまうくらいの嬉しそうな表情は、播磨の心を鷲掴みにする。<br>
そんな愛理の表情を、この播磨拳児という男はこの上なく好ましく思っている。<br>
だから、恥ずかしくても播磨はそういう言葉をベッドの上でだけは吐くことができるようになった。<br>
すごい進歩である。<br>
<br>
愛の言葉を囁かれたお嬢様は、とろんと蕩けたような瞳で射抜くように播磨をうっとりと見つめている。<br>
<br>
その視線を播磨は嫌いではなかった。<br>
いや、むしろその表情を好んですらいた。<br>
その目で見つめられると、播磨はおかしくなってしまう。<br>
胸の中がおかしい。ズキズキと痛み始める。そして突然叫びだしたくなる。<br>
骨が折れるほど強く、このお嬢さまを抱き締めてキスして、胸を愛撫して、全身にくまなく<br>
口付けをして、そしてケダモノのようにその身体を貪ってしまいたくなる。<br>
できることならこの金髪の美少女を丸ごと食べてしまいたいという妄想に囚われてしまう。<br>
<br>
播磨は知った。<br>
<br>
この気持ちが『好き』だということを。<br>
このお嬢さまと付き合い始めて二年以上経って始めて、鈍すぎるにも程があるが播磨は、<br>
自分はこの女の子のことを心底好きなのだ、ということを実感していた。<br>
だから「愛してる」という言葉をささやくことができていた。<br>
本心の、心の底から本当に「愛してる」と思ってるからこそそんな言葉を吐くことができた。<br>
<br>
播磨拳児は不器用な男である。不器用なだけに、ウソがつけない。<br>
<br>
ただ大切で、大好きで、笑顔が好きで、声が好きで、柔らかい体が好きで、料理を作ってくれたり<br>
部屋の掃除をしてくれるとこが好きで、ときどき怒鳴ってくるときの怒りのこもった声すら好きで、<br>
抱きしめるととたんにおとなしくなってしまうしおらしさが好きで、キスしたときのほの甘い口の中の<br>
匂いが好きで、髪や肌を嗅いだときのほのかな体臭が好きで、金色に輝く髪の毛が好きで、<br>
くるくると表情を変えるその顔が好きで、睨んだり潤んだり甘えた色を見せたりする瞳の色が好きで、<br>
握ると簡単に壊れそうなちっこい手のひらの柔らかさが好きで、エッチのときは自分の身体の下や上で<br>
可愛らしく暴れるとこが好きで、手のひらからこぼれそうなくらいの大きさの乳房を掴んだときの甘い<br>
吐息が好きで……<br>
……要するに全部好きな、そんな女の子には播磨は本当のことしか言えなかった。<br>
<br>
播磨は組み敷いている愛理の足を広げさせると、その両足の間に入り込む。<br>
さっき出したばかりなのに、またガチガチに固く張り詰めている勃起を愛理の股の間の<br>
柔らかな肌にこすり付ける。<br>
すっかり濡れて肌に張り付いた薄い和毛の中の粘膜に、播磨のテカテカに張り詰めた亀頭が擦りつけられる。<br></dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>41 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その55 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:40:55 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「お嬢……」<br>
そう囁く播磨の声に、愛理は胸の中に溢れるどうしようもない熱い滾りを感じていた。<br>
このバカの言葉を聞くだけで、愛理は体の奥が熱く蕩けてしまう。<br>
触れ合った肌から響く音が、愛理の芯を甘くほどいていってしまう。<br>
<br>
「愛理」<br>
顔を赤くしながら、播磨はそう囁く。<br>
「……愛してるぜ」<br>
播磨に、そんな言葉をかけられた。<br>
愛理は全身の骨という骨が甘く溶けていくのを感じた。<br>
<br>
顔も、首筋も腕も。体全体が芯から燃え上がるように熱くなっている。<br>
<br>
目を細めて、涙で潤んでいる瞳で愛理は愛しい男を見つめる。<br>
悦びに緩んだ口がその名前をつぶやく。<br>
「ヒゲ…」<br>
その言葉を口の中で転がすだけで、愛理はこの上ない幸福に浸ることができた。<br>
「ヒゲ……」<br>
<br>
<br>
「わ、わたしも……アンタのこと、好き……好き……だ、大好きッ……」<br>
体に覆いかぶさってくる播磨を抱きしめながら、その口に、顔に、キスをする愛理。<br>
<br>
播磨がこすり付けてくる男性器の感触に、愛理は快感が背筋を駆け上ってくるのを感じていた。<br>
焼けるように熱いその男根が、愛理の粘膜を寛げる。<br>
熱く蕩けた愛理の女の子の部分が、播磨の肉槍をゆっくりと、しかししっかり抱きとめていく。<br>
<br>
柔らかい湿った粘膜をかき分けて播磨が入ってくる。<br>
それだけで、愛理の体中の肌がほの赤く火照ってしまう。<br>
体の奥から生まれる衝動が全身をプルプルと震わせる。<br>
<br>
播磨の体の下で愛理は、唇をぱくぱくと動かしながら、声にならない声を漏らす。<br>
そのきつい男性自身を何回も、何百回も受け入れているのにも関わらず愛理はその剛直の大きさに<br>
震えを感じてしまう。<br>
背筋をガクガク震わせながら、その張り詰めた肉竿の固さを粘膜で味わっている。<br>
なんど受け止めても、慣れも飽きもしない播磨の勃起。<br>
硬く張り詰めたその形が愛理の内側を押し広げ、二人の間の隙間をきっちりと埋めていく。<br>
<br>
愛理はとろとろに蕩けた媚粘膜で、その形を喰い締める。<br>
それだけのことで、愛理は無上の幸福を感じられる。<br>
大好きな男の子が自分の体で満足してくれている、という想いが愛理の胸の中を<br>
切なくさせてしまう。<br>
紅茶の色の瞳を歓喜の涙で潤ませながら、愛理は恋人の充血しきった硬い欲情の証を受け止めていた。<br>
<br>
膣の一番奥深くまで肉竿を深く突き入れられた後で、播磨は動かない。<br>
愛理はそうされるのが大好きだった。<br>
息もできないくらいの深い結合感を味わいながら、じわじわと子宮から広がってくる快楽に<br>
全身を酔わせる。<br>
一番深くつながりながら、大好きな男の子の陰茎の熱さと硬さを女の子の器官で味わっている。<br>
それは愛理にとって、この上ない幸福だった。<br>
播磨は一ミリも腰を動いていない。<br>
びく、びく、と愛理の媚粘膜の中で脈動する男性器。<br>
その播磨の鼓動を優しく抱きとめている愛理の女の子はその振動だけで<br>
深い快楽の沼に沈み込んでしまう。<br>
じゅん、と愛理の体の中で熱が増した。<br>
それだけで瞳が潤み、息は浅く速くなっていく。<br>
<br>
鍵穴にぴったりと合う鍵が差し込まれたときのように、愛理と播磨は密着していた。<br>
播磨の肉竿に隙間なくまとわりつき、締め上げる愛理の粘膜。<br>
その柔らかい肉襞をこじ開け、寛げるのは播磨の勃起。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>42 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その56 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:41:43 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 愛理の瞳は幸福と快楽に潤んでいる。<br>
ふたりの唇が引き寄せあうように近づき、キスが交わされる。<br>
<br>
最初は小鳥がついばみあうようなキス。<br>
そして、そのキスがじっくりと熱く舐りあうようなものに変わっていく。<br>
愛理の頬にそっと播磨の掌があてがわれる。<br>
そしてもう片方の手で愛理の掌を優しく握ってくる。<br>
愛理はそれだけで、手指が融けそうなほどの快感を覚えてしまう。<br>
<br>
愛理は播磨の唇を割って深くキスをする。<br>
舌を吸いあい、唇を食みながら恋人の唾液を嚥下する。<br>
熱いその液体を飲み込むと、愛理の身体は内側から発情してしまう。<br>
まるでそれは媚薬であるかのように、飲み込んだ播磨の体液は愛理の消化器粘膜をジクジクと甘く炙っていく。<br>
愛理の瞳は熱に呆けたかのようにとろんと蕩け、ただひたすらに恋しい男の顔しか映っていない。<br>
<br>
播磨は腰を引くと、蜜壷深く挿し込まれた陰茎を一気にズリリと引き抜く。<br>
「ふあぁッ!?」<br>
蕩けた粘膜を擦りたてられ、愛理の腰に甘い電撃が走る。<br>
何度つながりあっても、そのしびれるような切なすぎる感覚に愛理は耐えられない。<br>
<br>
唇を唇で割られながら、唾液を流し込まれ、唾液を吸い取られる。<br>
顎を摘まれたまま、愛理は播磨にされるがままにむさぼられている。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
愛理の感じている顔が好きな播磨は、自然にこの女の子の好きなセックスの方法を覚えてしまっていた。<br>
<br>
まず深く突き入れたら、動かない。<br>
そのままキスをして、掌をぎゅっと握る。<br>
耳元に愛理の内側の感想を囁くと、真っ赤になりながら羞恥と歓喜の混ざり合った瞳で<br>
播磨を見つめてくる。<br>
そしてキスをする。<br>
キスがエスカレーションしていって、愛理が体の芯の熱さに耐え切れなくなり<br>
組み敷いた体の下で腰をじりじりと自分で躍らせてしまうまで、播磨は腰をまったく動かさない。<br>
<br>
播磨の大きな掌にも若干余るくらいに成長して成熟きっている愛理の乳房に触れると、その肌は吸い付くように<br>
無骨な手指を受け止めていく。<br>
重たげに播磨の手の中に埋まりこむ愛理のバストは、興奮で汗ばんだ肌の肌理を伝えてくる。<br>
魅惑的なその膨らみは、播磨の手指に天上の触感を与えつつ、柔らかくもしっかりとした弾力のある手触りで<br>
まだ成長過程にある芯の反発力を返してくる。<br>
触れて、揉み、捏ねているうちにこのお嬢さまの小さな心臓が、とくん、とくんと脈を打っているのがわかる。<br>
深く深く繋がったまま、愛理の乳房を掌の中で転がしながらキスをする。<br>
<br>
その唇の感触も、唾液の味も、瞳の色も、播磨をより興奮させるための鍵でしかない。<br>
<br>
焦れるように愛理の腰がそわそわと動きはじめたら、播磨は男根をゆっくりと引き抜く。<br>
<br>
すると熱くとろとろになっているお嬢さまの内側の粘膜は播磨の亀頭を名残惜しげに<br>
引き止めるように吸い付いていく。<br>
その感触に播磨は腰の内側が消失してしまいそうなほどの快感を覚える。<br>
そしてまた愛理の粘膜をこじるようにしてゆっくりと粘膜の壷に沈めていく。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>43 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その57 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:42:11 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> ゆっくり、ゆっくりと焦らすような動き。<br>
じっくりと粘膜の柔らかさを味わうように突き入れ、<br>
粘りついてくるような襞の感触を楽しむように引き抜く。<br>
<br>
その緩やかな動きの抽送の何回かに一回、急に一気に突き入れたり、愛理が驚くほど<br>
素早く引き抜いたりするような動きを混ぜていく。<br>
<br>
播磨の腰を追うように、愛理の腰がくねる。<br>
抜かれる播磨の性器を追うように。<br>
差し込まれる男根を迎え入れるように。<br>
愛理の腰は無意識のうちに淫蕩なダンスを踊っていた。<br>
<br>
そしてその度にこのお嬢さまは<br>
「ふわぁっ」<br>
というような切なげな悲鳴をあげる。<br>
切なげな瞳を涙で潤ませながら、愛理は眉根を寄せて快楽に苦悶する表情を見せてくる。<br>
<br>
首がくなくなと振られるとまとめられた髪が解け、金髪がシーツの上に広がる。<br>
<br>
「あああ……っ……ヒゲっ……ヒゲェっ…」<br>
白い喉を反らせながら、びくん、びくんっ、と愛理の体は震える。<br>
そんな姿を見ると播磨はこの女ともっと深く繋がりあいたい、というどうしようもない欲求に駆られた。<br>
より深く、もっと緊密に。<br>
強く抱きしめて、誰よりも一番近い存在として繋がりあいたい。<br>
だから播磨は組み敷いているこの金髪のお嬢さまの右足を抱え込むようにして、股間を深く打ち付ける。<br>
それは「松葉崩し」の体位で、大きく割り広げられた股間の間に播磨は猛りきった男根を叩き込む。<br>
<br>
一番深い所まで深々とつながったときの恍惚感。<br>
子宮口の軽い感触までわかるくらいに播磨の肉竿を一番奥まで受け入れ、抱きしめ、締め上げてくる<br>
愛理の肉穴。<br>
播磨は愛理しか見えていない。<br>
ここがどこかとか、今はいつかなんてことは意識の外に追い出されてしまっている。<br>
ただ、自分とつながっている美少女の姿がすべてだった。<br></dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>44 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その58 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:43:15 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 恥ずかしい。<br>
愛理はそう思ってしまっていた。<br>
恋人とはいえ、こんなえっちな顔や、声を聞かれるのは恥ずかしい。<br>
「だ、だめ……こんな、こんな顔、見ちゃあっ――」<br>
愛理のそんな叫びも、播磨の一言で封じられてしまう。<br>
「お嬢」<br>
そう言う播磨が顔を隠そうとした愛理の腕を掴む。<br>
その瞬間、愛理は腕から力が抜けてしまう。<br>
「お嬢」<br>
つながり合った部位から焼けそうなほど熱いなにかが生まれる。<br>
陰茎を食い締めながら、腕を握り締められて愛理は眩暈に近い恍惚に翻弄される。<br>
<br>
播磨の亀頭の先端が愛理の身体の一番奥にキスをすると、それだけでこのお嬢さまは呆けた顔を<br>
晒してしまう。<br>
「だめっ、だめぇっ――」<br>
「ダメじゃねえって。可愛いぜ」<br>
「わ、私……えっちに、えっちになっちゃう」<br>
「なっちまえよ」<br>
「……」<br>
「そんなとこも、俺は好きなんだからよ」<br>
<br>
「…うそ」<br>
<br>
「お嬢に……ウソなんかつかねえ」<br>
気を抜くと一瞬で絶頂に達してしまいそうな、そんな快感をこらえながら播磨は<br>
この地上の誰よりも愛している女に真情を吐露する。<br>
<br>
それは目も眩むような衝撃で愛理の体の幹を麻痺させてしまう。<br>
子宮口を亀頭の先端でノックされると、白くて甘い電撃のような響きが<br>
愛理の脳裏を真っ白に焼き焦がしていく。<br>
<br>
播磨の剛直が引き抜かれるとき、愛理の内側はその亀頭粘膜を握り締めるみたいにぴったりと食いつく。<br>
<br>
どう締めれば播磨が気持ちよくなってくれるのかということを愛理は知っている。<br>
生まれて初めて契った、そして唯一の男の身体を愛理はよく知っている。<br>
一年以上にも渡って、幾度となく深く優しく、そして時には激しく愛し合った相手の身体を<br>
愛理の肉体は十分に知っている。<br>
<br>
愛理の身体は意識することなくその行為に没頭する。<br>
播磨が引き抜くときに、腰の内側に力を込めるように締め上げる。<br>
この馬鹿な不良が、快感に眉間の皺が深くなるのが愛理にはなにより嬉しい。<br>
自分の体で、大好きな男の子を気持ちよくさせてあげられている。<br>
その感覚は、それだけで愛理を夢心地にさせていた。<br>
<br>
甘くほどけた唇は、声にならない快楽の悲鳴をあげている。<br>
<br>
「ふ…ぅ…ふあぁっ……いひぃっ……ふああぁっ……」<br>
<br>
触れ合った肌の内側がどんどん熱くなっていってしまう。<br>
ジリジリと、炙られるような媚熱が愛理の肉体を責め苛んでいく。<br>
<br>
胸がこね回されるように握られ、張り詰めてきた乳房がねっとりと甘い熱を発する。<br>
播磨の大きな手のひらで蹂躙されるのは愛理は好きだった。<br>
自分の身体で好きな男の子を喜ばせてあげられるという歓喜に酔いしれる。<br>
だから、胸を愛撫してくる恋人の手のひらを愛理は愛してやまない。<br>
こんなに揉まれて、何十回も、何百回ももみくちゃにされて。<br>
おっぱいが大きくなってよかった、と愛理は思う。<br>
掌の痕がつくくらい強く握られる。<br>
指先で乳首の先端をこすり上げられる。<br>
硬くなった乳首を摘まれながら、出ない母乳を絞られるかのようにおっぱいをもてあそばれる。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>45 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その59 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:44:03 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 頭を反らし、シーツに深い皺を作る愛理は弓のように背を曲げながら身体の芯がビクン、と大きく震え<br>
愛理はその頂点を徐々にゆっくりと越えていってしまう。<br>
<br>
一番深いところに、硬く熱く充血しきった播磨の先端を受け止めながら。<br>
敏感な乳首を思うがままに弄ばれて。<br>
女の子の内側の襞を高く張り出したカリ首で擦られる。<br>
大好きな男の勃起を受け入れながら、愛理は子宮がキュンと縮んでいるのを感じていた。<br>
「お嬢……」<br>
優しく頭を撫でられながら、激しく深く繋がりあっている。<br>
<br>
「気持ちいいのか?」<br>
一突きごとに、愛しむような気遣うような目で播磨が尋ねてくる。<br>
その視線で見つめられた愛理は自分の身体が制御できないことに気づいた。<br>
ただ、肩に手を廻し。<br>
ひたすらに、胸板を、おっぱいを押し付け合い。<br>
唇は、勝手にえっちな声を漏らしている。<br>
<br>
<br>
くちゅ。<br>
いやらしい水音が、愛理の股間から響く。<br>
ちゅぷっ。<br>
<br>
――えっちな顔を見られてる。<br>
――我慢しきれない、えっちな声を聞かれている。<br>
播磨以外の誰にも聞かせたことのない声を上げて、沢近愛理は必死に叫ぶ。<br>
心の底からの本当の声を。<br>
<br>
「ぜんぶ…ぜんぶ、あげるから…わたしの、ぜんぶ……あげる………アンタのだから…」<br>
<br>
恋人に全てを捧げる誓いを口にしながら、愛理は眉根を寄せつつ絶頂の吐息を漏らす。<br>
膣の内側が播磨の陰茎を吸いたてるように蠕動する。<br>
<br>
<br>
お嬢さまの内側が播磨の肉竿にぴったりと吸い付く。<br>
擦りたてるように、絞りたてるようにその肉襞は動き、播磨の爆発するほとばしりを<br>
一滴残らず吸い取っていく。<br>
もっと欲しい、と言うかのように愛理の内側が別の生き物のように収縮する。<br>
<br>
脳裏が真っ白になるくらいの快感に、愛理の播磨は思わずうめき声を上げている。<br>
その声を耳にしてさらに快感を昂ぶらせる愛理。<br>
それはまるで合わせ鏡のように、興奮を無限に増幅していってしまう。<br>
愛理の嬌声に興奮を昂ぶらせる播磨。<br>
喜んでいる播磨にすべてを奉げたい気持ちになってしまう愛理。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
その夜、愛理は甘い怨嗟の叫びをスイートルームの寝室に幾度となく響かせた。<br>
愛理は金髪をシーツの上で振り乱しながら、限度を超した快楽の苦痛と陶酔の入り混じった吐息を漏らし、<br>
その甘美な拷問を止めてくれるように何度も恋人に懇願しながらも恋人にしがみつき、キスと愛撫の<br>
奔流のただなかに翻弄され尽くした。<br>
<br>
しかし愛理の大好きな頭の悪い恋人はその乞う声を無視してこのお嬢さまを攻め抜いた。<br>
汗と愛液でシーツを濡らしても一向に速度の衰えないピストン運動で。<br>
際限のないキスで唾液を交換し合い、乳房を舐め乳首を吸い乳肌を甘噛みし、<br>
このお嬢さまの全身に自らの刻印を記していった。<br>
愛理はそれを止めてくれるように懇願しつつも、その快楽の頂点のさらに上目掛けて押し上げられる感覚を<br>
待ち望んでいた。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>46 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その60 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:44:35 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> キスと、愛撫と、抱擁と放出。<br>
獣欲と恋心の渾然となった感情の虜になっている播磨はケダモノじみた欲望の頂点へと幾度も登りつめ<br>
同時に恋人の耳元で愛を囁いた。<br>
「お嬢、愛してる」<br>
<br>
ホテルのフロアじゅうに響き渡る嬌声を叫びながら、愛理はついにその晩五回目の絶頂に達した。<br>
首筋に、胸元に、無数のキスマークと甘噛みの痕を刻印されながら。<br>
「好きっ…好きぃッ…大好きッ」<br>
絶叫に近い嬌声をフロアじゅうに響かせながら、愛理は全身を痙攣させながらその頂点を越えた。<br>
播磨の熱い欲望の滾りを赤く熱く蕩けきった粘膜で受け止めた愛理は、真っ白な灼熱で脳裏を焦がしつつ<br>
幸福な暗闇の中に向かって堕ちていった。<br></dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>47 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その61 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:45:06 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 白い光が愛理の目に差し込んでくる。<br>
<br>
――ん……あさ…なの<br>
<br>
寝ぼけまなこの愛理が目を開けると、カーテンの開いたままの窓越しに太陽が室内を照らしている。<br>
室内。<br>
いつもとは違う部屋。<br>
屋敷の寝室でも、播磨のアパートのベッドの上でもない。<br>
<br>
――そっか…ホテル…泊まったんだっけ<br>
愛理が目にする窓の外のビル街は白い雪化粧をまとっている。<br>
ホワイト・クリスマス。<br>
隣にいる幸福な体温の感覚に、愛理は胸の中がジワリと暖かくなるような幸福を感じる。<br>
大好きなバカな男の子と迎えるクリスマスの朝。<br>
ずっと一緒にいられたクリスマスイブ。<br>
<br>
愛理は昨晩のことを思い浮かべて頬を赤らめてしまう。<br>
何度絶頂に達しても、そのたびにケダモノのように襲い掛かってくる播磨。<br>
一匹の雄と化したそんな恋人に蹂躙される喜び。<br>
思い出しただけで女の子の芯がズキズキと甘く震えてしまいそう。<br>
<br>
ぴくぴくと瞼を動かしている恋人の顔を眺めながら、愛理はつい頬が甘く緩んでしまうのを感じていた。<br>
大好きな男の子の寝顔を見ながら目覚めることのできる幸福。<br>
それは愛理の手に入れたなかで一番暖かくて、嬉しい目覚めだった。<br>
<br>
播磨の凶悪な瞳もいかつい顔も、こうして眠っていると子供みたいに可愛い。<br>
<br>
「ん……」<br>
播磨が目を覚ましかけている。<br>
<br>
<br>
愛理はガウンを取りにいくにしても、裸のままだと恥ずかしいと思っている。<br>
あれだけ裸で抱き合って、えっちをしているのにもかかわらず愛理は播磨に裸を見せることに抵抗があった。<br>
そんな恥じらいをみせる愛理のことも播磨は好ましく思っているのだが、とにかくこのお嬢さまは<br>
裸のままベッドの外に出るなんてはしたない事はできなかった。<br>
<br>
愛理はベッドカバーを体に巻きつける。<br>
きゅっ、とシーツの端を胸元に差し込むと、それは胸の谷間がいっそう深くなって、シーツの裾は<br>
踝よりも長く絨毯に擦れるほどで。<br>
<br>
それはまるでベアトップのロングドレスみたいだ。<br>
ベッドから床に足を下ろすと、目を覚ました播磨が自分のことを見ているのに気づく。<br>
「ちょっ……な、ナニ、見てんのよ!?」<br>
<br>
愛理は急に恥ずかしくなってしまう。<br>
<br>
今まで愛理がこの恋人にたいしてしてあげた様々な格好よりも、ずっと恥ずかしい。<br>
<br>
頼み込まれたので仕方なく、全裸になってエプロンだけをつけてお料理をしてあげたときよりも。<br>
小さすぎるスクール水着を無理に着て、前かがみになってポーズを取ってあげたときよりも。<br>
胸がやたら強調されてるウェイトレスの制服のコスプレをしてあげたときよりも。<br>
屋敷のメイドの制服を着て「ご主人さま」と言わせられたときよりも。<br>
デッサンの参考だと言われスチュワーデスの格好をさせられて、最終的にはお口でご奉仕させられたときよりも。<br>
どんな時よりも、ずっと、もっと恥ずかしい。<br>
顔から火が出るくらい、恥ずかしくて、照れくさくて、嬉しかった。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>48 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その62 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:46:03 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「……なんかアレだな。アレみてえだな」<br>
まだ寝ぼけている播磨のそんな声を聞きながら、愛理は心地よい羞恥の中にいた。<br>
愛理が播磨の視線から逃げられないのには理由があった。<br>
そんな目で見られると、気持ちがいいから。<br>
コイツの目で身体を見てもらえるのが嬉しいから。<br>
<br>
シーツしか身に着けていないお嬢さまの子宮は朝から熱く充血をはじめてしまう。<br>
<br>
そんな愛理の心の中を知らない播磨は素直な感想を口にした。<br>
<br>
「アレだ、ほら、教会とかに、よくいるじゃねえか」<br>
<br>
愛理の胸は高鳴っていた。<br>
<br>
――きょ、教会…って…<br>
――う、ウェディングドレスみたいだなんて…<br>
<br>
朝から昂ぶっている愛理には播磨の言っている『アレ』がステンドグラスに描かれた天使を指しているのに<br>
気づくわけもない。<br>
<br>
<br>
<br>
「あ、そうだお嬢」<br>
うっとりと頬を染めている愛理を尻目に播磨はそう言ってベッドから下りると昨晩適当に脱ぎ散らかした<br>
タキシードのポケットを漁っている。<br>
裸の尻を愛理に向けたまま。なんて無神経な。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
「おお。あったあった」<br>
播磨はそう言うと、やっぱり全裸のまま愛理に歩み寄ると、小さな箱を見せた。<br>
あー、と言いよどんでいる播磨。<br>
とても言いにくそうだが、それでも播磨は意を決したように言葉を発する。<br>
「…あのよ…………お嬢。コレはすげー安モンで、オメエが気に入るかどうかわかんねえけどな」<br>
そう言いながら小さな紺色の箱を太い指で開く。<br>
その内側には、銀色に輝く小さな指輪が光っていた。<br>
「そ、その、なんだ。今日はクリスマスで、そんな日にはなんか贈るモンだ、ってこないだ<br>
塚本が言ってて、いやその、塚本は関係なくて、いやそのただ、クリスマスには<br>
プレゼントがつきものだってーから、その、アレだ。うん」<br>
柄にもなく焦りまくっている播磨は、片手で愛理の手を掴む。<br>
播磨にはまったく何の意識もなかった。ただ単に、無造作に掴んだだけだった。<br>
<br>
<br>
<br>
愛理の左手を。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
女の子の左手の薬指に指輪を嵌めるということの理由を播磨は知らないわけではない。<br>
でも、アホな播磨は「右手ならいいよな」とか思いつつも愛理の左手を掴んでしまっていた。<br>
向かい合うと右と左が逆になる、だなんて常識すら考え付かない。<br>
<br>
真っ白で、すべすべで、白魚のような指。<br>
そんな指が、播磨の手のひらの中で柔らかく解けている。<br>
<br>
そして、その白くて細い指に、播磨なりに精一杯の奮発をして買った、安物の指輪をはめる。<br>
<br>
金髪のお嬢さまの、左手の薬指に。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>49 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その63 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:47:09 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>――左手の。<br>
――薬指に。<br>
――コイツが……指輪を、はめてくれた。<br>
<br>
指が溶けそうな。指の骨が溶けてしまいそうな。<br>
愛理は指だけじゃなくて、全身が甘いとろりとしたシロップのように蕩けていってしまうのを感じる。<br>
視界の中で播磨の顔が歪んでいく。愛理はなぜだか、涙が溢れてくるのをとめられない。<br>
「……こ、コレって……」<br>
絶句する愛理。胸が熱くなる。胸がいっぱいになる。唇はぱくぱくと動くが言葉は出てこない。<br>
<br>
愛理は、今まで感じたことのない恍惚の海の中にいた。純粋な白い幸福感に全身を洗われていた。<br>
生まれてから18年の間、一度も感じたことのない喜びのただなかに愛理はいた。<br>
指の付け根が、甘く震えている。そこから全身に広がる、純粋な多幸感。それはアルコールの酩酊のように、<br>
この少女の全身をジリジリと甘く焼き焦がしていく。<br>
愛理の瞳のふちにゆっくりと涙がたまっていく。<br>
その涙は表面張力を越え、簡単に決壊してつややかな頬に涙の線を描く。<br>
「こ、これって…」<br>
<br>
「……その…俺の気持ちだ」<br>
<br>
播磨はそう口にするが、そもそも前提が違っている。<br>
播磨にしてみればただ指輪をプレゼントしているだけのつもりなのだが、愛理にとってはそれは<br>
女の子にとって一生に一度クラスの一大イベントだったりするわけで。<br>
<br>
――気持ち<br>
――コイツの、気持ち……<br>
<br>
愛理には体の芯から震えが生まれている。<br>
播磨のいつになく真摯な視線に貫かれながら、愛理はどうしようもない恍惚のただなかに放り出されてしまう。<br>
左手の薬指は心臓に直結しているという。<br>
愛理はそんな言い伝えを心底実感していた。<br>
播磨の手に掴まれた左手が熱い。<br>
播磨の野太い指に摘まれている左手の手指が甘痒い。<br>
左手の指輪から、愛理の全身に胸を焦がす甘い電流がビリビリと流れてしまっている。<br>
この頭の悪い恋人の、精一杯の愛情の印の指輪が、愛理の心をジンジンと熱くさせる。<br>
冷たい金属が、まるで愛理の心臓を直接炙っているかのように熱を持っている。<br>
胸の奥底を焼け焦がしていく。<br>
薄桃色の幸福のなかに浮遊させていく。<br>
感激の涙が愛理の頬に川を作る。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>50 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その64 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:47:51 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「わ、私……これ……この指輪……一生、大切にするから」<br>
その切情あふれるささやき声は、播磨の聞いたことのないような声だった。<br>
その切ない声は、聞いている播磨の背筋を撫でるような甘い声だった。<br>
感動に震えている、切なさと愛しさが混ざり合ったような、そんな甘い声。<br>
頬を伝わる涙の線が、播磨の心の琴線を激しく響かせる。<br>
<br>
宝石みたいな、この金髪のお嬢さまの奇麗な瞳がもっとさらに潤む。<br>
<br>
<br>
その顔の愛しさに酔ってしまいそうになった播磨はついつい無神経な言葉を口にしてしまう。<br>
「い、イヤ……その、なんだ。……こんなのは安モンだからよ……俺がもっと稼げるようになったら、<br>
そんときにはもっとイイ指輪買ってやっから」<br>
<br>
「ううん……コレでいいわ……コレが、いいの……」<br>
ハシバミ色の瞳を歓喜の涙で飾りながら、愛理は最愛の男性の顔をまっすぐに見つめている。<br>
<br>
<br>
「私……すごく……幸せ…」<br>
その表情は、播磨が今まで見た愛理の笑顔の中でも、ひときわ美しく、<br>
晴れやかで、優しい顔をしていた。<br>
<br>
涙を漏らす瞳を閉じると、愛理はそっと顔を播磨に向ける。<br>
薄ばら色に輝く頬。その中の、可憐な唇がなにかを待ちわびるようにすっと窄められる。<br>
朝日を浴びて輝くふわふわの金髪の中のお嬢さまの小顔。形のよい頬。魅惑的に閉じられた瞼。<br>
それが今、播磨拳児に向かって奉げられている。<br>
<br>
<br>
<br>
そんなときどうしたらいいか、播磨は知っていた。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
それは触れるだけのキス。<br>
体温を感じあうキス。<br>
唇が唇と触れあい、それだけで二人ともが高みに登って行けそうな、そんなキス。<br>
<br>
天国に登りつめてしまうくらいの甘い、甘い口づけ。<br>
<br>
唇がそっと離れたあとで満足そうな吐息を播磨の胸板に吹きつけながら、<br>
スイートのベッドルームの中で、吐息を吸いあい、体温を感じあいながら、<br>
二人はまるでチークダンスを踊るかのようにぴったりと身体を寄せ合っていた。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
そんな幸福なクリスマスのプレジデンシャル・スイートのベッドルームの二人。<br>
そんな二人にいつもどおりの慇懃な声が掛けられる。<br>
<br>
<br>
「おめでとうございます、お嬢様」</dd>
</dl>
</blockquote>
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<blockquote style="">
<dl>
<dt>51 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その65 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:48:17 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd>「おめでとうございます、お嬢様」<br>
瞬時に振り向く愛理。<br>
そこには、深々とお辞儀をしているナカムラがいた。<br>
「ななななな、ナカムラッ!?」<br>
まったくもって無防備な、生まれたままの素の表情を恋人だけに見せていたこのお嬢様は<br>
慌てて普段の表情を取り繕おうとする。<br>
が、その呆けた笑みは簡単には覆い隠せない。<br>
<br>
そんなご主人さまに、執事は語りかける。<br>
「式の日取りはいつにいたしましょうか? ああ、その前に旦那様ともども、播磨様のご両親に<br>
ご挨拶に伺わなくてはなりませんな」<br>
<br>
<br>
頬を真っ赤に染めながら、このお嬢さまは執事に答えて言った。<br>
<br>
「そ、そんな……結婚式だなんて……まだ早いわ。きょ、今日のところは、とりあえず……婚約しただけだから」<br>
<br>
――ケッコンシキ!? コンヤク!?<br>
なんじゃそりゃ!?と胸の中で驚きながら播磨は、腕の中の女の子の爆弾発言を正面から受け取ってしまうわけで。<br>
<br>
播磨はすっかり困惑していた。<br>
――えーと。アレだよな。コンヤクってのはケッコンのヤクソクのことで。<br>
――いったいいつ俺がお嬢とコンヤクなんかしたんだ?っていうかプロポーズすら……<br>
そこまで考えた播磨は、腕の中の愛理を見つめてみる。<br>
愛理は左手の薬指でキラキラ光る銀色の輝きを、こちらもまた宝石みたいな輝きをもった<br>
瞳でうっとりと見つめている。<br>
<br>
――って、左手? お嬢の左手じゃねえか! それも薬指!<br>
<br>
――左手の薬指って…おい!それってまずくねえか?!<br>
<br>
自分のしでかした事の重大さに一瞬青くなった播磨だが、その驚きと衝撃がおさまるにつれ、<br>
別の感情が生まれてくる。<br>
<br>
――いや………………その、別に………………イイ……のか?………それはそれで……悪くねえ…かも…<br>
<br>
婚約。結婚の約束。生涯掛けて愛することの誓い。<br>
バカではあるが基本的にロマンチストである播磨は婚約というものをそんな風に思っていた。<br>
<br>
<br>
それを想像するだけで、播磨は胸の中がなんだか暖かくなってくる。<br>
この女とずっと、一緒にいられる。<br>
朝起きてから、夜寝るまで。<br>
どこかに出かけても、同じところに帰ってこれる。<br>
――朝目を覚まして最初に聞く声がコイツの声で。<br>
――目を開けて最初に見るのがコイツの顔で。<br>
――誰よりも最初にこの女を見れることは、なんかスゲー嬉しいことのような気がする。<br>
――それがどんな一日でも、それだけで耐えていけるような気がする。<br>
<br>
――夜寝る前に最後に聞くのがお嬢の声で。<br>
――目を閉じる間際に見る顔が、愛理の顔で。<br>
――たとえどんな悪い夢を見ても、傍にコイツがいるというだけで、大丈夫な気がする。<br>
<br>
そう考えるだけで、播磨は胸が熱くなってくるのを感じていた。<br>
昨晩感じていた身を焦がすような熱い炎ではなく、すべてを優しく包むような<br>
春の陽だまりの熱だった。<br>
<br>
腕の中にいる恋人を抱きしめながら、播磨はそんな熱に全身を洗われていた。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>52 :<a href="mailto:sage">haunted夢枕 その66 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:49:34 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd> 播磨の腕の中のお嬢さまは、照れながらも執事に向かって言い放った。<br>
「……それにね、私芸能界にデヴューすることにしたわ!」<br>
「それはそれは」<br>
完璧な執事はまったく動じない。<br>
「うん……そんなに売れる必要はないんだけど。<br>
とりあえず独身の間じゃないとアイドルとかってなれないみたいだし。<br>
ま、花嫁修業みたいなものよ」<br>
「左様でございますか。おめでとうございます」<br>
ナカムラは慇懃にお辞儀をすると、言った。<br>
「お二人の着替えはエントランスのソファの上に置いておきますので、どうぞごゆっくり」<br>
<br>
完璧な執事らしく、音も無くベッドルームの扉が閉まる。<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
<br>
そして金髪の勝気で強気なお嬢さまは、大好きな男の子に抱きつくと、<br>
まったくもって蠱惑的な微笑を浮かべながら再びキスをせがんだ。<br>
<br>
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<br>
その数ヵ月後、愛理がミス・ジンマガとしてデビューしたり<br>
端整でありながら愛嬌のある表情とまだ成長過程にあるダイナマイツなボディで<br>
すっかり人気が出た愛理は某男性タレントと噂になったり<br>
ソレを知った播磨が密かにジェラシーに胸を痛めたり<br>
その噂は事実じゃないのだけど、妬いてくれない播磨に愛理が不満を抱いたり<br>
誤解が解けて愛情溢れる睦み合いに没頭したり<br>
そんな未来が二人を待ち受けているわけだが、まあ、それはまた、別のお話。</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>
<blockquote style="">
<dl>
<dt>53 :<a href="mailto:sage">hauntedの中の人 ◆F57im1gMT.</a> 2007/12/17(月)
02:53:56 ID:LGm668Pi <br></dt>
<dd><br>
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<br>
<br>
以上にて完結であります。<br>
ながながとお付き合いくださいましてありがとうございます。<br>
読んでくれてる方の感想だけが書く原動力なのであります。いやマジで。<br>
<br>
このオハナシの中では播磨とお嬢は行き着くとこまでいっちゃったw ので、<br>
とりあえず旗はこれでおなかいっぱい。もう書きません。すくなくとも当分は。<br>
<br>
今後はお約束どおりにおにぎりを書いてみようと思っております。<br>
八雲スキーの方、お待たせいたしました。(まあ、それでもやっぱり書くのは相当遅いわけですがw)<br>
<br>
<br>
余談ですが、以前講談社の忘年会にもぐりこんだときにミス・マガジンのお嬢さんたちが水着を着て<br>
取引先やら関係各所のお偉いさんにご挨拶をしてる光景を見ていろいろ思うところがあってこんな展開になったわけでありますが<br>
まあそれはそれでどうでもいいお話w</dd>
</dl>
</blockquote>
<p> </p>