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haunted夢枕 その1~12

364 :haunted 夢枕 その1 ◆F57im1gMT. :2007/04/02(月) 03:07:13 ID:E+cq1X5V
――なにがなんだか……どうなってんだ?
播磨は自問自答していた。
卒業式も間近に迫った三月。週刊ジンマガ編集部にネームを見せに行ってきた
播磨拳児は、現在の自宅であるところの従姉の刑部絃子のマンションに帰ってきた
訳であるが、そこでは龍と虎がにらみ合っていた。

大き目のワイシャツにジーンズといういつもの格好の絃子。しかしその表情は厳しく、
目はまったく笑っていない。背後に巨大なドラゴンのオーラが見えたのは
播磨の目の錯覚ではないだろう。
テーブルの反対側に制服姿で座っているのは沢近愛理。目の前に出されたお茶に手すら
つけずに真っ向から弦子の視線に相対している。ツインテールに分けられた豪奢な金髪から
やはり尋常ではない気合がみなぎっているように播磨には見えた。金色の虎のオーラが
スピリチュアルに漏れ出ているような気がする。

死地に迷い込んでしまったことに一瞬で気づいた播磨は、Uターンして逃げようとした。
しかしその瞬間、従姉の声に呼び止められた。
「拳児君。今ちょうど、君の話をしていたところなんだ。こっちに来て 座 ら な い か?」
それは推奨でも勧誘でもなく、絶対的な命令であることに播磨は気づいてしまっている。


――困ったことになっちまったな……
丁寧だがどこか刺々しい口調の愛理と、目つきが尋常じゃなく険悪な絃子の間に挟まれて、
播磨は困惑しきっていた。
先ほどから絃子と愛理は「拳児君の将来」とか「カレ自身の自主性」とか「一時の気の迷い」
とか「真剣な関係」だとか、拳児にはよくわからない、なんだかよく判ったらいけないような
むづかしいことを言い合っているみたいだ。
むづかしすぎて播磨にはよく判らない。そんなもんで、ぼーっと金髪のキューティクルを
眺めていたりする。
――金髪ってーけど、こうしてみると一本一本は金色ってーよりも透明っぽい明るい色
なんだよなあ。なんで束になって集まると金色に見えるんだ?
と、そういうどうでもいい疑問に逃避していた播磨は絃子の声に我に返る。
「…拳児君? キミ自身はどうなんだ?」
突然そんな質問を投げかけられる。
気がつくと、絃子と愛理がじっと自分のことを見つめている。
しかも、どういうわけかやたら真剣な視線で。
鳶色の愛理の瞳と、絃子の切れ長な目が自分の顔を見ている。
え?何だって?と聞き返せるような雰囲気ではない。
――聞いてませんでした、とは言えない…気がする。
――やべえ。なんか。なんか、言わねえと。
焦りきった播磨は、なんとなく言おうと思っていたことを言って誤魔化してみる。

「あー、その、なんだ。よくわかんねえけど、その、なんつーか、
絃子にはさんざん世話になったけどよ、そろそろ俺も一人立ちしたほうがいいと
思うわけだ。だから、お嬢ンとこの執事さんが紹介してくれたアパートに
引っ越そうかと思ってんだが」


365 :haunted夢枕 その2 ◆F57im1gMT. :2007/04/02(月) 03:07:48 ID:E+cq1X5V
 数秒間の沈黙に、やべえ場違いなコト言っちまったか?とさらに焦る播磨だが、
「…ヒゲ…」
輝くような笑顔で自分の顔を見つめている愛理。その瞳の縁には涙が盛り上がっている。
キラキラと光る瞳を見ていると、どういうわけだか播磨は呼吸ができないくらい
胸が苦しくなる。なんでこんな気分になるんだか、バカな播磨には理解できない。

「……そうか……そうなのか、拳児君。キミも……大人に、なったって……ことなんだな」
絃子も搾り出すような声でやっとそれだけを呟くと涙をこらえる様な表情で、
播磨に命令してくる。
「酒だ。拳児君……沢近君。飲もう」

播磨は愛理と絃子の間でなされていた会談が、ただの独立問題ではなく
今後の播磨拳児の宗主権を巡る交渉であったことを知らない。






数時間後。リビングのテーブルの上と下にはビールの空き缶と、ウイスキーと
ブランデーと日本酒の空き瓶が山になっている。
「おい、いいのか? こんなに、飲ませてよぉ。仮、にも、オメーは教師だろうが」
強いとはいえたまにしか酒を飲まない播磨は限界に近くなっていた。

拳児君の門出に乾杯だ、といって祝杯を挙げさせられてから数時間。
愛理と播磨の何倍ものペースでグラスを空にしていた絃子はすっかり酔っ払いと
化していた。

「構うものか。ささあ、沢近クン、飲みたまえ。き、今日はじゃんじゃん飲もうじゃないか」
ぐでんぐでん、という擬態語が似合うくらいに酔っ払っている絃子が播磨に絡みつく。
ソファの播磨の横に座りながら太い腕を抱くようにして絃子は囁くように言う。
「判るか? いざとなったら拳児君のことは私が娶ろうと思ってたんだ。それをだな――」
メトル、ってどういう意味なんだ?と播磨は疑問に思いつつも空になった
絃子のグラスに日本酒を注ぐ。
「判った判った。絃子。その、なんだ。ココ出てっても、時々は遊びに来っからよ。
それでいいだろ?」
真顔になって播磨に指をびしっ、と突きつけながら絃子は言った。
「バカモノ! そんな、ことして、いいわけないだろーが!」
グーの拳でテーブルを叩きながら呂律の回らない絃子は播磨に怒鳴る。
「惚れた男が、よその女の家に行って良い訳があるかっ!
それじゃあ、沢近クンが可哀想だっ!」
絃子の言ってることがよくわからないが、とにかく酔っている従姉をなだめようとする播磨。
「なんだよ。これでも俺は絃子に感謝してんだぜ?」
酔っている弦子はそんな播磨の言葉なんか聞いちゃいない。
「拳児君。……この家を、出て行ったら……もう、二度と、この家の、
敷居をまたぐんじゃないぞ。これは……沢近クンのためだけじゃない……
私のためでもある…キミのことが、忘れられないじゃないか……
こんないい男が、近くに居たら、まともな恋ができなくなる、じゃ……ない…」
いい男ってのは誰のことなんだろう、という愚鈍な疑問を抱きつつ、播磨は
泣きながら自分の胸に顔を埋めてくる従姉の髪の匂いにどぎまぎしていた。


366 :haunted夢枕 その3 ◆F57im1gMT. :2007/04/02(月) 03:08:22 ID:E+cq1X5V
「何よヒゲぇ。あンタ、さっきからベタベタしすぎなのよ。
従姉だからって、していいこととわるいことがあることくらい、判るでしょ!」
絃子よりは飲んでいないとはいえすっかりアルコールの回っていている愛理は
不機嫌そうな目で睨みつつ、播磨の胸から絃子の頭を引き剥がす。
「あー、いや別に俺がベタベタしてるわけじゃなくてだな」
べつに播磨は絃子のことを女と思ってるわけではないのだが、愛理がこういう視線で
モノを言ってくるとなんとなく抗いづらく黙って引き下がってしまう。
引き下がらないのは酔っ払いのほうである。
「沢近クン――いいじゃないか。明日からはキミのモノなんだから、今日くらいは
こうさせてくれたって」
「駄目です!」
「……けちんぼ」
愛理によってソファの上に跳ね返された弦子は普段なら
絶対に口にしないようなセリフを言う。

「なんか絃子、すっかり酔っ払っちまってるな。お嬢、気にすんな」
酔っ払い呼ばわりされた物理教師は壊れかけらしく、嫌がらせとしか思えないようなことを
口にする。
「…だいたい、私は拳児君がこーんな小さい頃から知ってるんだ」
なぜか両腕で輪を作ってみせる絃子にいぶかしがる播磨。なんだその輪っか?
正確にその意味を掴んだのは愛理だった。
播磨拳児を抱きしめたときの腕の大きさだ、という絃子の意図に気づいた愛理は
表情を硬くして物理教師を睨む。
「拳児君のファーストキスだって、私が貰ったんだぞ?」
へべれけの絃子は、愛理の神経を逆撫でするようなことを口にする。
火の出そうなくらい激しい視線で絃子を睨みつける愛理。
「…わ、私だって、播磨君が初めてでした!!」
そんな愛理の言葉に狡猾に反論する酔っ払い。
「私も拳児君も初めてだったんだぞ?」
優越感すら感じさせる笑みを浮かべながら、酔っている絃子はソファに横たわったまま
お嬢さまに言ってのける。
「……」
言葉に詰まる愛理。
「――ふん。どうせそのおっぱいで拳児君をユウワクしたんだろう?」
酔った勢いなのか、言ってはいけないことにまで言い及んでしまう絃子。
かっとなった金髪のお嬢さまは、つい激昂して叫んでしまう。
「…刑部センセ「――俺がしてえって言って、先に手ェ出したんだ。お嬢は悪くねえ」
愛理の叫びを遮って播磨が答えた。
「お嬢のこと、すげー可愛いって思えちまってよ……そんでもって、抱きしめて、キスしちまった」「……」
「……」
美女二人に見つめられている播磨。
一人は去りゆくものへの哀愁の視線で。
もう一人は好きな男の告白に感極まって。

「そうか……そうなんだな」
ソファに横たわったままの絃子は呟くように言った。
「沢近君……」
絃子はそっと瞼を閉じた。その瞳が涙で潤んでいたからなのかどうかは播磨には判らない。
「……け……拳児君を頼む」
そう言うと、刑部絃子は眠りに落ちていった。


――絃子がここまで酔っ払うなんて、珍しいな

ぐったりとした絃子を抱き上げる播磨。
その途端に愛理が目を三角にして睨んだことには気づいていない。
背中と膝の裏で抱きかかえる「お姫さまだっこ」である。
好きな男が他の女にそんなことをしたら気を悪くするに決まっているのだが
どうしようもないお馬鹿な不良少年にはそんなことは判るわけがない。

367 :haunted夢枕 その3 ◆F57im1gMT. :2007/04/02(月) 03:09:16 ID:E+cq1X5V
 思いのほか軽いその体を絃子の寝室に運ぶと、ベッドに寝かせる。
帰ってくると、リビングでは金髪の播磨の天敵が複雑な目つきで睨んできた。

「……」
「……」
なんとなく無言になってしまう播磨と愛理。
お嬢さまの目の色は嫉妬と喜びのない交ぜになった色をたたえている。

「今日はもう遅いから、泊まってけ」
播磨はそう言うと、毛布と枕を愛理に差し出す。
「ソファしかねえけど我慢してくれよ」
そう言いながら、空き瓶や缶なんかを片付ける播磨。
差し出された毛布を受け取った愛理は黙ったまま、そんな播磨を見つめる。

愛理の視線には、どこか播磨の胸を騒がせるような色が含まれていた。
播磨は愛理のそんな視線を真っ直ぐ受け止めてしまった。
金髪の下の顔は、どこかうっとりとした色で播磨を真っ直ぐ見つめている。
播磨はこんなお嬢さまの表情を何度か見たことがある。
瞬間、播磨の内側に充満する欲望。
それを必死にこらえると播磨は言った。
「じゃあな。おやすみ」
「………おやすみなさい」
いつになく素直な回答に、播磨はつい手が出てしまう。
気がつくと、播磨は金色のサラサラの髪に腕を廻していた。
愛理の頭を抱きかかえるようにして自分の胸に押し付けてしまっていた。


自分は今ヘンなことをしている、との自覚が播磨にはある。
その肌触りのいい髪と、いい匂いのする体はあまりに魅力的で。
自分の腕の中で安心しきってるような吐息を漏らしているお嬢さまは
播磨の煩悩を最大限に掻きたてている。
ふう、というような色っぽいため息を愛理は播磨の腕の中で漏らす。
体重を預け、完全に安心しきったような表情で播磨の胸に抱かれている。

高まる熱。播磨は迷っている。

数秒間か数分間。自分でもわからないほどの時間逡巡を続けた播磨は
ぐっと何かをこらえるかのような表情になると、お嬢さまの前髪をかき上げる。
そしてそのすべすべな額にキスをする。

「おやすみ」
その耳元に同じ言葉を囁く。

こんなことしちまったのは酔っているからだ。と思い込むと播磨はリビングを後にする。
その背中にお嬢さまの熱い視線を感じるのはきっと気のせいだけではないだろう。

播磨は自室のベッドに倒れこむと、一気に噴出してきた心労や酔いで
あっという間に睡魔に囚われ意識を失った。






――なんだろ。

金色のなにか。
暗い部屋の中。暗い天井の中に金色の塊が浮いている。

金色のそれは、ゆらゆらと左右に揺れながら、だんだん大きくなってくる。

368 :haunted夢枕 その5 ◆F57im1gMT. :2007/04/02(月) 03:10:44 ID:E+cq1X5V
 夢か?
頭の回っていない播磨はそう思った。

――金色の……なんかキレイな……

ただでさえ寝起きがよくない上に酔っている播磨には
その金色が月明かりに照らされたお嬢さまの金髪だ、ということに
気づくのに数分の時間を要した。

青い明るい色が窓から播磨の部屋を照らしている。
夜半過ぎの低い満月がお嬢さまの身体を神秘的に照らしている。

スカートを脱いで、タイとベストも外した格好の少女。
そんな女の子が、播磨のベッドの枕元に立っている。
下着だけかろうじて隠れているようなブラウスの丈から覗く真っ白い太ももが、
月光の中で光る。
制服のブラウスの胸元から覗く膨らみが月明かりに映えて眩しい。
播磨の天敵であり一番親しい異性でもある、そんなお嬢さまがそこにいた。
髪を下ろした愛理が枕元に立って、播磨の寝顔を見つめている。


酔いがまだ残っているのか、トロンとした瞳で播磨のことを見つめている愛理。
「ヒゲ…」
その瞳の淵には月明かりを受けて光る液体がこんもりと盛り上がっている。
「ヒゲ……」
愛理の声の中には、感に堪えない熱い響きが篭っている。
播磨にはその響きがどういうわけだか心地よい。

「……嬉しかった……アンタが……あんな、こと、言ってくれて……
すごく……嬉しい」
そう言うと、この金髪のお嬢さまは制服のブラウスのボタンに指をかける。
そして、一つ一つ、ゆっくりと外し始める。
播磨はそれを止めようとした。
絃子が隣の部屋で寝てるのに、それはさすがにマズい。

だが、播磨にはそれを止めることができなかった。
青白い満月の光が差し込む部屋の中で、その光に照らされた愛理の肌の色が
キレイすぎたから。
涙を湛えたお嬢さまの瞳が、播磨の心臓を打ち抜いていたから。

――苦しい。なんでかわかんねえけど…

播磨はそう感じた。薄暗い部屋の中で、部屋の闇からほんの少しだけ明るい色の
お嬢さまの瞳が、自分のことを見つめてきている。
照れるような、はにかむような笑みを浮かべながら見つめる鳶色の瞳。
それで見つめられるだけで、播磨は胸の奥に不思議な熱が生まれるのを感じてしまう。
目が勝手にその淡い色の瞳に吸い寄せられる。視線を引き剥がすことができない。

少女のような稚さと、大人の女の妖艶さが入り混じった表情。
蕩けそうな瞳が播磨の目を捕らえて離さない。
普段は見せない素顔のお嬢さまが
いたずらをする子供みたいな無邪気な笑みを浮かべながら、自分の胸を露にしていく。


437 :haunted夢枕 その6 ◆F57im1gMT. :2007/04/16(月) 01:12:17 ID:+pK3CKSP
 こんもりとしたふくらみが、ブラウスの袷から覗いている。
ボタンが一つ一つ外され、その内側から白い肌が露出していく。
播磨の掌で幾度となく揉まれてきたその二つの小山は、柔らかそうな肌理を
月明かりに照らされ暗い室内に青く浮き上がっている。
ブラジャーの中で窮屈そうに盛り上がっているその乳房は、播磨の視線を惹きつけて
やまない。

愛理の細い指が、その二つの膨らみの間に伸びる。
――指、細ぇな
播磨はそんなことを思いながら見ている。

その指がブラジャーのフロントホックを外すと、愛理の胸元からはぷるん、と言うように
たわわな果実が零れ落ちる。
播磨は思わず息を呑んだ。
何度も見た、何度も揉んだ、そんなふくよかな胸の膨らみ。
細くくびれた腰。すらりとした首筋。きれいに浮き上がる鎖骨。
愛理は足から下着を抜くと、一糸まとわぬ生まれたままの姿で播磨の前に立つ。
胸の膨らみも、下腹部の陰りも、なにも隠さずに愛理は播磨の前に立っていた。



青白い月に照らされながら、愛理の真っ白い身体が薄暗い部屋の中で幻想的に光っている。
"lunatic"という語を愛理は思い浮かべている。
愛理は自分がおかしくなっていることは判っている。
播磨の視線を浴びるだけで、胸の奥が甘い痛みを帯びてしまう。
その体臭を嗅ぐだけで、その顔を脳裏に思い浮かべるだけで、涙が出そうなくらい何かが
昂ぶってきてしまう。

酩酊しつつ、リビングのソファでふと目覚めた愛理は額に残る播磨のキスの感触を
思い出してしまっていた。
その唇の熱さ。匂い。皮膚に触れるその柔らかさ。
思い出すだけで、下着の中が熱くなってしまった。
切なくて苦しくて、眠ってなどいられなかった。
だからこうして播磨の部屋に忍び込み、肌を晒すというとんでもない行為に至ってしまっている。

「ヒゲ……見て……わ、私……私の……カラダ」
播磨の目で見つめられると、愛理の心臓は勝手に高鳴ってしまう。
呼吸が浅くなる。
息を止め、愛理は吐息のような声で播磨に尋ねる。
「私の、からだ……キ、キレイ?」
俯いた金色の前髪の間から、愛理の瞳が播磨を見つめている。

薄暗い部屋の中で、その目の色だけがほの明るい色を帯びている。
愛理の涙で潤んだ瞳が、真っ直ぐに播磨を見つめながら必死の問いかけをしている。






438 :haunted夢枕 その7 ◆F57im1gMT. :2007/04/16(月) 01:12:42 ID:+pK3CKSP
 それを見た播磨の胸の中になにかが生まれた。
その不安そうな、それでいて何かを期待しているような、そんな視線は播磨を
今まで感じたことの無い情動の渦に巻き込んでいく。
いい感じにアルコールの酔いが回っている播磨は、同じくアルコールのせいで
子供みたいに素直になっている愛理の手首を掴むと、そのまま自分の胸の中に抱きしめる。

ふにゅ、といった肌触りの肉の柔らかさ。
男の肌の熱さを感じて漏れてしまうお嬢さまの吐息。
とく、とく、と触れ合う肌から伝わってくる心臓の鼓動。
高まってくる体温。汗でほのかに湿っている肌。
播磨拳児はそんなものを感じて何もしないでいるほどの聖人君子ではない。
愛理の顔を掌で包むように、両頬に手を添える。
火照って体温が上がっているその顔を覗き込む。
とろとろに蕩けたお嬢さまの瞳。その不思議な色合いに幻惑される播磨。
理性が蒸発するには十分だった。

気がつくと、播磨はその唇を奪っていた。
酒精の味の残った愛理の口中の粘膜の味を、舌全体で味わっていた。
吸いたてる。唇と唇を押し付けあう。
唾液を吸い、唾液を送り込む。
キスひとつでこんなにも幸福になれるということを、この不良は実感していた。








播磨の舌先が口の中で暴れまわる。
舌全体に絡みつかれ、唾液を吸うように飲まれてしまう。
それだけのことで、愛理は腰から力が奪われてしまうのを感じていた。
全身を震えが走り、くたっと播磨の胸に身体を預けてしまう。
ベッドのシーツの上、播磨の腕の中で、女の子座りでへたりこむ愛理。
のしかかられながら受けるついばむようなキスをされ、いよいよ愛理の頬は充血してきてしまう。

キスが終わり二人の顔が離れると、銀色の唾液の糸が二人の唇の間にかかる。
播磨が見せている、幸せそうな表情。キスで喜んでくれた、という事実が愛理をさらに
暴走させていく。
アルコールで麻痺しかけた理性は、その高まる想いをとどめることができない。
「ヒゲ……わたし、アンタのこと……………す、スキ………なの」
そう言った、言ってしまった愛理。

耳が痛くなるくらいの沈黙が、播磨の部屋のなかに充満する。
カチ、カチ、という小さな時計の音が部屋に響く。
遠くの国道の騒音。
風が電線を鳴らす音。
そして、播磨の心臓が鼓動する音。
愛理の心臓が暴れている音。
それしか、二人の耳には届いていない。

不器用な不良少年に対する、やはり恋に不器用な少女の愛の告白。
その告白は、播磨の心の中に存在した何かに火をつけた。

突然、愛理は播磨の太い両腕で身体を思い切り抱きしめられる。
肋骨が軋むほどの馬鹿力で、ギリギリと締め上げられるように抱かれる。
しかし愛理はまったく痛みを感じなかった。
播磨の肌に触れただけで分泌される脳内麻薬の多幸感に酔っている愛理は、
その力強さを頼もしいと感じている。頼もしく愛しいとしか感じていない。
触れ合った肌から生まれる感覚に、愛理は子宮をキュンと刺激されてしまう。

439 :haunted夢枕 その8 ◆F57im1gMT. :2007/04/16(月) 01:13:07 ID:+pK3CKSP
――スキ
――私は、コイツのことがスキ。大好き。

愛理は今更ながらそのことを強く自覚してしまう。
そして愛理は胸の中に渦巻く愛しさを播磨に伝えようと必死に言葉を捜す。
しかし言葉は喉でせき止められてしまう。
あふれる想いで胸の中がつかえてせき止められたように、言葉が出てこない。
想いを伝えたいのに、大好きな男の子にそれを判って欲しいのに、唇が動かない。
それが叶わない愛理は悔しくて哀しくて、そして切なくて涙が出そうになる。

そんな愛理の顎を持ち上げる播磨の指。
その指は、俯いていた愛理の顔を上向きにする。
そしてその唇に、播磨の唇が再びそっと触れた。
さっきみたいなむさぼるような口付けではなく、そっと触れるだけのキスだった。
愛理の唇の皮膚が柔らかく変形し、大好きな男の子の体温を感じた。
鼻腔いっぱいに播磨の体臭を吸い込むだけで、愛理は幸せな気分になれた。
顎に添えられた指の太さ。
肩甲骨に廻された腕の固さ。
それら全てが一体となって、愛理の女の子を炙るように責めさいなんでくる。

キスしてくれている播磨に、愛理は心中で呼びかけている。
――スキ。スキ。
――だいすき。
言葉にできない想いでも、唇の粘膜を通してなら通じ合える気がする。
キスされながら、後頭部を播磨の大きな掌で優しく撫でられながら、愛理は
心底そう思う。
サラサラという触感を楽しむように、播磨はその掌で愛理の金髪を
梳くように撫でながら、唇の中で絡めあった舌の感触に気が遠くなりかける。

――言葉が無くっても
――コイツは、判ってくれる……
愛しい気持ちの炎が愛理の胸の中を焦がす。

下腹部に触れる、播磨の男根の感触に愛理は気づいた。
胸の奥からこんこんと湧き出てくる、愛しさという麻薬に愛理は酩酊していた。

躊躇することなく掌でその勃起にいとおしげに触れると、その固さを確かめるように
竿に手を這わせる。
固くて、熱くて、長い男性のシンボル。
自分の中に幾度となく入ってきたその異物を、大切そうに撫でる。
柔らかい掌で、その熱を味わうかのようにゆっくりと。

そのやわらかい感触に播磨の息が荒くなる。
荒くなった吐息に愛理は喜んだのか、播磨の股の間に身体を入れてくると男根にキスをした。
ちゅるっ……ちゅぱっ…
湿った水音が室内に響く。
先端に口付け、亀頭を舌で包み込む。
熱い舌が敏感な粘膜を這う感覚に、播磨は腰の奥から震えが走るほどの気持ちよさを感じてしまう。
そして愛理は、その胸の間に播磨の男性器を挟みこんだ。
キスで唾液に濡れた肉竿を、ゆっくりとその柔肉で挟んだまま擦りあげる。
乳肌に男根の熱さを感じると、胸の中が溶けてしまいそうなくらいの興奮を覚える。
心臓が激しく鼓動し、立ち上る男性器の先走りの液の匂いに股間が熱くなってしまう。






――夢?

440 :haunted夢枕 その9 ◆F57im1gMT. :2007/04/16(月) 01:13:35 ID:+pK3CKSP
――夢?
――これはきっと、夢だ。
播磨はそう思った。
――あのお嬢が、なんかやけにやたらに素直になっちまっている。
――キスしたら、蕩けそうな目で俺のことを見てくる。
そんな光景は夢に決まってる。
そして、おっぱいの間でギンギンになったチンコをやわやわと刺激してきてくれてる。
こないだしてくれって言ったら殴られたのに。
そんなことはありえない。
だから、コレは夢なのだ、と播磨は決め付けている。
――夢なんだったら……普段できないことをしてもいい…よな?


むちゅ…くちゅ…
そんな水音がしている。
愛理の可憐な唇が、播磨の凶暴な男根に奉仕している。
唇で愛しげに挟み込み、溢れる唾液を舌で亀頭に塗りこめる。
聖なるものを奉げ持つかのように竿の根元と睾丸におずおずと手を沿えながら、
愛理は最愛の男を気持ちよくさせてあげられている幸せに浸っていた。


播磨は思ってたけど言えなかったことを口にしてみる。
「お嬢……オメエ、可愛いな」
それを聞いてビクン、と身体を一瞬硬直させる愛理。
呼吸が止まってしまい、思わず男根を口からこぼしてしまう。

「なんつーか、髪もサラサラしててキモチイイし、肌もスベスベだし、
おっぱいもでっけえし、笑った顔もキレイだし、そういうの……全部、スキだぜ」

とろんとした瞳で愛理はその言葉を全身で受け止めていた。
大好きな男の子が、自分の体を欲してくれている。
世界で一番大切な人が、自分のことをキレイだと言ってくれている。

「気が強くて、なにかってーと怒って怒鳴るけどよ」
播磨の掌が愛理の頬に触れる。
その手の感触をすこしでも多く味わおうとするのか、愛理は肩と頬の間に播磨の
掌をはさみうっとりとした表情でほお擦りする。
「怒鳴られんのだって、実はあんまイヤじゃねえんだ」

とろとろに蕩けた愛理の下半身の粘膜は、愛しい男を迎え入れるための
雫を分泌させている。
ふとももにまでこぼれ垂れている愛液。
にじり寄る愛理。播磨の顔を五センチの距離で見つめながら、その愛液に塗れた陰部を
播磨のやはり猛りきった剛直の先端にこすり付けている。







夢うつつで愛理は思っていた。
これは夢なのだ、と。
播磨が、いつになく情熱的に自分を求めてきてくれている。
自分のことをほめてくれている。
可愛いって言ってくれる。好きだって言ってくれている。
だから、コレは夢だとわかる。
こんなことはありえない。
――だから、いつもは言えない事を言っても……かまわない…

441 :haunted夢枕 その10 ◆F57im1gMT. :2007/04/16(月) 01:14:07 ID:+pK3CKSP
――だから、いつもは言えない事を言っても……かまわない…

「もっと……可愛いって……好きって、言って……」
涙に溢れた瞳で、愛理は播磨にそうお願いをする。
熱しきって蕩けかけた陰唇を男根の先端で触られながら、愛理は大好きな男の子に
懇願していた。

愛理の涙ながらの声に、播磨は素直に従ってしまう。
「お願い……私のこと、スキって――」
「お嬢。好きだぜ」
目つきの悪い瞳が、愛理の心臓を撃ちぬく。
凶悪な目が、どこか照れたような色を含みながら愛理を見つめている。
照れてはいるが、真摯な目の色は愛理の子宮をキュン、と収縮させてしまう。
切なさが胸の中からとめどなく溢れてくる。
その熱い想いで愛理は溺れてしまいそうになる。




――見られる
――見られてる
――見られてるだけなのに

大好きな男に裸を見られる悦び。
大好きな男が、自分の裸を見て興奮してくれているという喜悦。

愛理はそんな悦びに酔っていた。
たとえ播磨以外の全人類が言ってくれても、播磨のその一言にはかなわない。
「スキダゼ」
愛理は播磨の言葉だけで、軽い絶頂に達してしまう。
「ふぅぅっ」
愛理の口元から悦楽に炙られた喘ぎがもれる。

子宮から生まれ、触れ合った肌から煽り立てられる快感。
その快楽の炎は愛理の身体の芯を焼く。
背筋を這い登ってくる快楽。
全身の骨の芯がドロドロに溶けてしまいそうな感覚。
もう、呼吸だけで気持ちがいい。
触れ合っている播磨の体温だけで絶頂してしまいそう。

「も、もっとぉぉ…もっと、言ってぇ…」
連続する絶頂に意識を蕩かさせてしまった愛理はもつれる舌で必死にお願いをした。

「お、オメエが、その…髪の毛を両側で結んでると…襟足が見えるじゃねえか。
そ、その首筋が白すぎて、いつもオメエが前歩いてるとドキドキしちまう」
「…ふぁっ…」
酔っている播磨の正直すぎる吐露は続く。
「思わずそこキスして、唇で吸って、その白い皮膚に赤く印をつけてえ、って
いつも思ってんだ」
「ひ、ヒゲぇっ……」
「何だよ?」
「わ、私……わたし、い、いつだって……アンタに、キス、されたいって…思ってる…
だ、だから……キス、したくなったら……どこにだって…して、いい…わ」
「マジか?」
播磨はこれは夢だと思いながも、愛理の蟲惑的な、熱情のこもった言葉に興奮してしまう。
これは夢だ、と思いつつも愛理は播磨を抱きしめずにはいられない。

442 :haunted夢枕 その11 ◆F57im1gMT. :2007/04/16(月) 01:14:53 ID:+pK3CKSP
 腕の中で柔らかく潰れる胸。
細い肩。
すべすべで、甘くていい匂いのする肌。
金色の流れるような髪が、満月の青い光を浴びている。
頬に感じる愛理の肌の柔らかさも、耳元でする「くふぅっ」というような
押し殺したコイツの吐息も、マシマロみたいなおっぱいの先端の
固く尖った感触も。

――よすぎる
――こんな、いいモンがこの世にあるわけネエ。
――コレは夢だ。

止まらなくなった播磨は、勢いに任せて内心を吐き出してしまう。
「オメエ、なんかいい匂いすんだろ。あの匂い嗅いでると、ついキスして押し倒して
お前に突っ込みたくなんだ」
ゾクゾクという震えが愛理の身体を打った。
「乱暴にしちゃいけねえってんで、いつもソレ我慢すんのに必死なんだぜ?
判ってんのか?」
播磨の言葉に、ふるふると小さく身体を震わせている愛理。
涙を大きな瞳の縁に盛り上げたまま、愛理は首を小さく左右に振る。
「……して。して、いいから……我慢、しなくても……」
播磨の喉が動く。
「わたし……あんたに、されるの……いつも、待ってるから…」
それは真実だった。
長いまつ毛に涙を乗せながら、愛理は潤んだ目で播磨を見る。
そんな愛しげな視線は、そんなモノに慣れてない播磨をどうにかおかしくさせてしまう。


「チクショウ。もう我慢しねえからな」
ケダモノと化した播磨はお嬢さまの真っ白な肌をむさぼり始めた。
唇で吸い、手指で揉み、捻り、歯を立てた。
唇の痕を刻み込み、もう甘噛みとは言えないような強さで歯型を残す。

乳房に歯の跡をつけるほどの弄えにも、このお嬢さまはどうしようもなく
性感を昂ぶらせてしまう。
乳首とその周りの乳肉を噛むと、口の中で吸引しながら固い乳首を
舌先でゴシゴシとこすり上げるように愛撫する。
敏感な肌をそんなふうに荒々しく刺激されても、愛理の脳には
純粋な快感しか伝わってこない。

愛理はベッドの上に押し倒された。
そして体の上から播磨に真っ直ぐに見つめられる。
恥ずかしいのか愛理は、首を振って播磨の視線から顔を背けてしまう。

暗い部屋の中でも判るくらい、熱く火照っている愛理の頬。
目の前の金髪の流れの中から覗く、やはり熱くなっている耳たぶに
触れると、そこは燃えてるかのように熱かった。

愛理の両足を割って、播磨が性器を押し付ける。
固く張り詰めきった播磨の男根。
目の前の金髪のお嬢さまにしか使ったことのない、その赤黒い凶器は
充血しすぎて弓なりに反り返るほど硬くなっている。
愛理は呆けた瞳でその凶器を見つめると、声にならない囁きを播磨に伝える。

「………きて」

と。


443 :haunted夢枕 その12 ◆F57im1gMT. :2007/04/16(月) 01:16:25 ID:+pK3CKSP
 「………きて」

と。


それが、どんな快感を与えてくれるのか愛理は知っている。
きっと自分はソレに耐えられずに甘い声を出してしまう。
どうしようもない昂ぶりにこらえきれず、恥ずかしい喘ぎ声を聞かれてしまうだろう。

亀頭の先端が愛理の充血した粘膜の入り口に触れる。
一度二度、その裂け目を播磨は先端で撫でる。
男根の表面に愛理の液を塗りつける。

トク、トク、トクと愛理の喉の奥ではそんな音の鼓動が高まっている。

かき分け、押し広げ、播磨が入ってくる。

「あつ、熱い…ひ、ヒゲェェ、熱い……」
そんな色っぽい切ない喘ぎを漏らした愛理は、自分の体内に肉竿が沈み込んでくるのを
感じていた。






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今日はここまで…
ソーニューまでしか至ってませんが、次回には完結予定。

……完結するはずだ。
…すると思う。
するといいな。
まあ覚悟しておけ。