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583 名前:あらしのよるに[sage] 投稿日:2008/06/06(金) 23:31:39 ID:yKHvuOhq

 薄暗い教室に少女が1人。

「もーっ! 忘れるものするなんて私の馬鹿!」
 ガサゴソと荒っぽい様子で机をさぐっている。
「加藤も加藤だよ! 明日提出の課題を今日渡すなって!」
 必要以上大きな声でブツブツと独り言。
 内心の心細さをごまかすためなのか。
 ガタン
「!!!」
 急に教室のドアが開く。
「……麻生じゃん。驚かせないでくれよ」
「……周防」
「こんな時間まで部活か?」
「……谷先生と話すことがあってな」
「部長も大変なもんなんだな」
「……」
 薄暗い教室に沈黙が落ちる。
 外ではポツポツと雨も降ってきた。
「もう少ししたら試合なんだろ? 頑張れよ」
「……」
 雨の粒も大きくなり、ガラスにぶつかる雨音が強くなる。
「はぁ……私はもう帰るからな。雨も強いし麻生も帰り気をつけなよ」
 教室を出ようとした周防の腕が掴まれる。
「なんだよ?」
 答えは返ってこない。
「……言いたいことがあんなら言いなよ。 男らしくない!」
 もうすっかり暗くなり麻生の表情も分からない。
「くっ、離せよ! 離せって!」
 窓から閃光が飛び込む。青白く浮かび上がる見たことのない麻生の表情。
 周防はごくりと唾を飲み込む。麻生がゆっくりと口を開く。


「お前の胸をドリブルさせろ」

                                完