842 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/10(水) 23:02:53 ID:sb8NCsPZ
こんなになるまで何故放っておいたんだ……と、絃子は呟いた

843 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/11(木) 12:36:06 ID:jx3Eyxig
ただ寂しくて、絃子の指はクレバスの奥へと差し込まれた。

844 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/11(木) 19:04:54 ID:ENmdNlhs
たとえ今、播磨が部屋に入ってきても絃子はこの行為をやめないだろう。
今夜の刑部絃子は珍しく酔っている。

845 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/11(木) 23:14:49 ID:gmhbY/wm
留守電の音だけが寂しく鳴っている。
暗い部屋に絃子は一人、そこはとても静かであった。

846 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 02:16:12 ID:/nESqQcz
「たくっ、何してるんだ。絃子のヤローはよ」

電話を切った播磨は、画面を見ながら呟く。

847 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 07:53:46 ID:8shi1xMW
「クリスマスだしバイト代入ったしで、一緒に飯でも食おうと思ったのによ。
どこほっつき歩いてやがるんだ? …まぁとりあえず家に帰って待つか…」
と、播磨はバイクにまたがり家路を急いだ。

848 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 11:28:43 ID:2RMKnY7d
「駄目だなぁ私は……」
絃子は一人自嘲した。部屋中に散らかるビールの空き缶が何だか哀れで面白くて、絃子は笑ってしまう。
「何をやっているんだろうなぁ、私は……」

849 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 12:45:02 ID:ZqXwMoGS
はじめて彼を想い、一人指を走らせたのはいつだったろうか…

霞みのかかった頭で、ふとそんな事を考えてみる

だがその問いに答えるものは、絃子の中にすらいない

妄想の世界では、既に播磨の脈打つペニスが絃子の膣口に押しあてられていたから

播磨の侵入を待ち、潤み切った瞳をふせたとき…

『ガチャ』

牝の匂いの充満する、部屋のドアノブが廻った

850 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 12:49:28 ID:IC2wx5L2
「肌には自信が有るのに見せる人が居ないなんてね。 ウフフ」

全身を映せる姿見の前で全てを脱ぎ捨てて男を誘うようなポーズとる
その姿を3cm程度の超小型隠しカメラが捉えてるとも知らずに

851 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 18:16:31 ID:/vZVs/rY
先着順ということで

「た、ただいま……」
凍った空気の中で播磨はそれだけをやっと絞り出した。
正面に目を向けるとあられもない姿をした絃子。呼吸をする度に部屋中に満ちた女のすえた匂いが脳まで犯す。
視覚と嗅覚が……、いや五感全てが播磨の雄としての本能を刺激する。
これ以上ここにいたらやばいと、直感で判断した播磨はそそくさとその場を立ち去ろうとする。
「うん、俺は何も見てない。ここに絃子はいなかった。あいつに話があったんだがまたあとで……」
「待て」
ドアノブに手をかけ、そう言って部屋から出ようとした時、絃子の静止の声がかかる。

「待て」
先ほどよりも小さく、随分と弱々しい声だ。
絃子は俯き加減のまま播磨に近寄る。
近づいてくる絃子から播磨は食い入るように目を離せなかった。
どんな時も自分の中にあるはずの大好きなあの娘の笑顔が今は浮かんで来ない。

852 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 20:02:24 ID:2RMKnY7d
「い、絃子……」
「やっと帰って来たと思ったら、挨拶も無しか?」
クスクスと静かに笑う絃子。その姿はいつものソレとはかけ離れた物で、播磨は背筋に悪寒を感じた。
「随分遅いおかえりだね。どうせ君の事だからどこかの女とでもシケこんでいたのだろう?」
「し、シケこむって……何言ってんだお前?」
「しらばっくれないでもいいよ、今日はクリスマスだ。塚本君か、沢近君か……それとも、もしかして愛しの君とでも結ばれたかい?」
そう言う絃子は顔に穏やかな微笑を浮かべたが、播磨には何故かそれが単なる笑みではなく内にある何かを覆い隠す為の物である気がした。
「おい絃子、大丈夫か?」

853 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/14(日) 00:18:39 ID:WHpdWn2x
「確認するまでもない、私は大丈夫だ」

絃子は穏やかな笑みを保ったままそう言った。
しかし、あまりに悲しい声だったので、播磨は言葉を失う。

854 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/14(日) 12:39:00 ID:KH/AOG+m
「嘘ではないぞ……ほら…」
絃子は播磨の左手をとり、自分の胸に強く押し当てるとうっすらと頬を赤らめた。
「我が心臓はこんなにしっかりと鼓動を刻んでいるぞ……それに、こっちも…な?」
思わぬ不意打ちに、左手の感触に集中することしか出来ずにいた播磨は、今度は
右手の指先が触れている、ぬるっとして生暖かいものの正体に気付くのに数秒を
要した。
「ちょっ!? おま……」

855 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/14(日) 16:33:51 ID:ezJrs9kY
待て、まさか、何故、など様々な言葉が播磨の脳裏に浮かぶがどれひとつ音にはならない。
播磨の意識と神経は右手に集中していた。
未知の感覚だった。そこはとろっとして、温かくて、やわらかくて、そして播磨をもっと欲しがるように絡み付いてくる。
「君はこんな状態でも何も思わないのかい?」
上気した声で絃子は問う。
「例えば……目の前の女を抱きたいとかさ? ……それとも私はそんなに魅力がないか?」
サングラスで播磨の表情は分かりづらい。
それでも播磨の呼吸が荒く激しくなっていることは播磨の耳元に顔を寄せている絃子にもよく伝わっていた。
だから自分自身も驚くような甘ったるい声で囁いた。
「今なら君に何をされても文句は言えないよ」

856 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 18:45:18 ID:VIJLbesv
「よよっ、酔ってるのか!?そっ、そうなんだろ!いや、そうに決ま……」

絃子の発言を聞いた播磨は、半ば叫ぶように言う。
しかし、播磨は最後まで言い切ることはできなかった。

857 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 21:41:19 ID:Ps0EMV58
「た……」
「た?」
何故なら絃子がいきなり顔を真っ青にして、床に膝を付いたからだ。
「た、頼む……バケツ、持って来て……」
「お、おい! 絃子! 大丈夫か――って、おま」
「もう、ダメ……限、界……だ」

絃子は喉に手をやり、そして床に向かって思い切り――――
「うげ……」
吐いた。

858 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 13:10:12 ID:eMXrOnCB
おいw

最終更新:2009年05月25日 20:48