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ウェネリア




さて、Blood Over Gold によると、ウェネリア人とひとまとめにされておりますが、実はさまざまな「小文化」をひとまとめにして「ウェネリア人」といっているようです。
たとえば、ヘラー人の末裔であるアエテル人(Aeteli)、最大規模の人口を擁するハラン人(Haranding)、「名誉」を規範とするアルサール人(Althauri)、豚の神を信仰するムラロット人(Mularoti)……などなど。

たとえば、いままで三部族であると思われていたウェネリア人ですが、細かく見るとこんな風になります。

  • ディターリ(22万人)
    • 交易公に支配されているオーランス人
    • 小作人はエスロラを信仰
    • エスロリア人の支配を受けていたサモル人(Samori)/15万人:エスロリアを攻撃中(ルナーの関与が疑われる)
    • アズール湖の周辺ではアエテル人(Aeteli)/4万人:ヘラー人、水の民の末裔。ブルーウォーターにある寺院は世界最大のヘラー寺院である。
    • 火山を崇めるコランティ人(Colanti)/3万人:カラドラランドの支配を受けていたが、新しく現れた預言者“火焔の槍の”コランティに率いられカラドラランドへの攻撃を行っている。
  • ソランティ(14万人)
    • ドナリ市(City of Donali)を中心にした緩い部族連合
    • 1609年より獅子のトーテムを崇める英雄グレイメインにより統合される
  • ニミストール(18万人)
    • 交易公により組織化された同盟が相争う状況
    • スンチェン人の末裔?であるエントル人(Entruli)を祖にもつ氏族が多い
    • 河川交易で栄えたが、「海洋の大開放」以来経済的には衰退中
    • Blood Over Gold の舞台のフェイ・ジーはここに位置する。
  • ハラン人(Haranding)
    • 嵐の時代に「神々の王も皇帝も同じだ」とオーランスと法の杖を受け入れなかった嵐の民
    • ウェネリア東部に分布、分断されさまざまな部族に支配されている
    • 「永遠の反逆者」と呼ばれる
    • 彼らの神ヴォーラン(Volan)はオーランスと似ているが、法官・族長・支配者の下位カルトはない。
    • Tradetalk 誌(ファンジン)にフルライトアップあり。
  • アルサール人(Althauri)
    • Tradetalk #15にフルライトアップあり。
    • プラロレラとラリオスの間あたりにあるカラタン地方の支配部族
    • ヘラー人の末裔っぽい。「敬意」を重視する文化。
  • ムラロット人(Mularoti)
    • 猪神ムラロットを信仰する
    • あと豚も。
    • Tradetalk にフルライトアップあり。

ほかに、ウマーセラから第一期に移民してきた民とかもいるんじゃないか、と David Danham 氏は指摘しています(つーか、自分のキャンペーンではそういう設定だったよ!という紹介が)
こうしたさまざまな文化がパッチワークのようになっているのは、ヒョルト人におけるヒョルト、エスロリア人におけるイマルジャ(Imarja)のような「文化英雄」が現れなかったため、曙の時点での少人数(氏族レベル:数百人~数千人)の「小文化」がそのまま残っていることによるようです。
また第二期の神知者の没落により、神知者の影響を除去しようとした結果、さらに文化の分裂がはげしくなったという理由もあるようです。

彼らは共通魔術を中心とし、ひとつの体系にもとづかない「混合信仰」(mixed worship)をしています。ある氏族のなかで、ヘラーをあがめる戦士とアニマル・シャーマンと魔道使いが混在していたりするわけです。

Jeff Kyer 氏は、「ゲーム的にはぜんぶひとまとめにしてしまった。なぜならあまり設定を細かくしても、ナレーターの柔軟性を損なうだけだし。あとたくさんすぎて全部書ききらん、という理由もある」と述べています。細かい設定したい人は Tradetalk を読んでね、みたいな感じですか。

最後にウェネリア人の民族キーワードのまとめ。これを見てもらうとだいたい雰囲気がわかるかもしれません。


可能職業:舟乗り、芸人(太鼓、笛、スカルド)、農民、漁民、癒し手、牧夫、狩人、ロバ引き、小貴族、戦士
典型的な性格:〈ドラゴンを恐れる〉、〈(敵)への憎悪〉、〈(別の敵)への憎悪〉、〈(トーテムの提供する性格)〉、〈伝統主義者〉、〈復讐心に燃える〉
魔術:共通魔術、嵐の神殿(神教)、ウェネリア伝承(呪術)、トーテムからの共通魔術、氏族のトーテムのガーディアンの魔術

共通魔術
混合宗教:「樫と嵐の諸王」

職業と信仰(カルト)
舟乗り:大カヌー乗りシルバーバーク(呪術) Silverbark the Great Canoe
芸人:放浪のドロガロス(神教) Drogaros the Wanderer
農民(男):ヘラーハラ(神教) Helerhara
農民(女):インカの母ウェネラ(神教) Wenela Inca Mother
漁民1:漁夫の双子ペラスコスとポヴェリ(神教) Pelaskos and Poveri, the Fisher Twins
漁民2:川の精霊(呪術)
癒し手:樫の女(呪術) Oak Woman
牧夫:牧夫ヴォーリオフ(神教) Voriof the Shepherd
狩人:最初の男ドーカル(呪術) Dokal the First Man
ロバ引き:聖ギレス(魔道) St.Gilles
小貴族1:ヘラーの娘ウルンダ Urunda Helersdottir
小貴族2:聖キャスレイン(魔道) St.Caselain
戦士1:戦士ヘラマクト(神教) Helamakt the Worrior
戦士2:忠実なる息子ヴェン(呪術)Ven the Loyal Son

いちおう、フルライトアップがそれぞれ用意されています。
これとガゼッタをあわせると、いろいろとアイデアがうかんできます……

http://d.hatena.ne.jp/mallion/20070908/p1
「海洋の大閉鎖」で海の航海ができなかった時代(1100年頃~1580年ごろ)までの間、西方と中原(エスロリア~ドラゴン・パス~ぺローリア)を結ぶ交易路として栄えたのが、「交易の道」(Trade Path)です。
上記の地図の赤い線は陸上路、青い線は河川路になっています。この交易の道ぞいに、交易公たちの支配する都市が散在しています。Jeff Kyer 氏によれば、交易公の「家門」の数は約30。そのほとんどは設定されていません(笑)。
各GMが勝手に設定してね。ということで、かなり自由にまかされているようです。

World of Glorantha ML では、イメージモデルとして「ルーシのノヴコロド公国とかキエフ大公国とか」「北米のハドソン湾会社」などが挙げられていますが、どちらも日本人にはあまりなじみがない(笑)。
あと「Last Castle」(by ジャック・ヴァンス)とかも挙げられていますが、これも読んだことないな。つーか翻訳されてない。

交易公たちの人口は約3000人~5000人、ウェネリア全体が40万人なので、かなりの少数民族で地域を支配しているようです。
アシャラー教会の特徴は、異教に対して非常に寛容なこと。そのためロカール派からは目をつけられているようです。(神学的にはロカール派の方が完成されている、とかJeff氏は書いている)
言語は、セイフェルスター語をもとにした言語だが、第二言語として「交易語」をマスターしている。交易語はやっぱり神知者につくられたものらしい。(グレッグがコメントしてた)
ウェネリアでは、交易語は神知者起源ではなくゼイヤラン起源だと思われているとのことですが……(オーランス人にとっては、交易語はイサリーズ起源の言語。一方、クラロレラでは神知者起源と考えられて使われていない……とか)




http://d.hatena.ne.jp/piroki/20080618#p1
ウェネリアを過去四百年支配してきた「交易王」たちが、ドーマル船長のせいで没落しているのがキモな設定なんですけれども、海上交通よりも河川交通が全域で復活したことが衰亡の主因とされているのですね。聖人“放浪者”カセラインがマニリア原野に築き上げた「交易路」がおおかた放棄されてしまったということです。
…………ところで「大閉鎖」って河川も含むものでしたっけ? 聖王国の「鏡の海」は大丈夫だったような気がするのですが、マニリアの河川群は皆、大洋にそそぎこんでいる川だからかな?

大閉鎖は河川を含まなかったように思います。海も沿岸すこしだったら大丈夫だった気が。(島が視界に入る距離にある東方諸島では、大閉鎖のあいだもある程度は船で行き来できたようですし)
陸上交易路が赤線、河川交易路が青線です。
で、たぶん河口まで出て、河口の港からそのままエスロリア/セシュネラにいった方が低コストになったということなんでしょうね。
交易路ぞいに30も家門があるそうなので、それ全部に関税をかけられてたらすげえ割高になりそうだし。
港町であるフェイ・ジーはわりかし栄えているんではなかったかな。それも内陸の交易王から狙われる理由になっていた気がしました(うろ覚え)


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最終更新:2008年09月24日 08:05
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