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“罪深き”グンダ

 Gunda the Guilty

 これはサンディ・ピーターセン氏がメーリングリスト(Glorantha Digest)に投稿した、あの女英雄、ハーフ・ヴァルキリーのグンダのステータスを翻訳したものです。右のイラストはやまとけいこさんの「ドラゴン・パス英雄伝説1」から使わせていただきました(凛々しいですね~)。どうもありがとうございます。

 ボードゲーム・「ドラゴン・パス」では戦闘力(4!)、魔術力10、移動力6、射程1という能力で、一個連隊(約1000人)と渡りあえる能力を持っていたわけですが……うーむ、これは強い。これに海の狼の仲間が加われば、たしかに一個連隊と渡りあえるかもしれません。

 しかし、ステータスがあるということは倒せる可能性があるということで、メーリングリストでも「《誘導瞬間移動》で背後にまわって不意をつけば倒せないことはないんではないか」とかいう意見が出ていました。果たしてどうでしょう? カリル女王はどうやってグンダと戦ったんでしょうねえ。少なくとも僕だったらこんなストームブリンガーみたいな槍を持ったお姉ちゃんとは絶対に戦いませんが。

 ところで、このステータスを見る限り、彼女は魔道使い以外には見えません。しかも、マルキオンは信仰していないみたいですね? 今までは「フマクト信者である」というのが定説だったのですが、そういや槍使ってるしなあ。

 なお、魔道ルールは、サンディ氏の新魔道ルール(Sandy's Sorcery)が使われています。これは、そのうち発表できるでしょう(といいなあ)。文中でオレンジ色で示したところは、新魔道ルールにて初出の呪文です。

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能力値

STR 15+30 = 45
CON 45
SIZ 13
INT 19
POW 78
DEX 24
APP 9
疲労 : 90
耐久力: 29 (注:《耐死》21が掛かっている)
魔力 : 78 + プールとして 10,000 (以上)

注:以下の呪文が投射されている。《耐傷》2O、《呪文返し》30、《耐魔》 20、《損害増幅》20 (+50)、《防具増幅》20 (+50)、《隠密技能増幅》40 (+100)

損傷部位 AP/HP
右脚 18/10
左脚 18/10
腹部 18/10
胸部 24/12
右腕 18/8
左腕 18/8
頭部 18/10

戦闘技能

武器 SR 攻撃/受け ダメージ AP
“慰めの野の槍” 2 374/292 1d100+3d6 40
“慰めの野の槍”(投) 1/5/9 339/-- 1d100 40
5 194/320 1d6+3d6 24 (《破刃》を投射)
注:通常の人間に対しては、通常グンダは攻撃を3回に分け、成功率124%でSR 2、5、8に攻撃する。複数の敵を相手にする際には、受けを3回まで分ける(106%)ことができる。「罪」(「慰めの野の槍」を参照)を受けたくない相手に対しては、グンダは攻撃呪文を使用する。シールド・アタックは、槍のHPが0以下にならない限り使用しない。

性格

勇敢 / 臆病 100/0
貞節 / 無分別 100/0
精力的 / 怠惰 80/20
寛容 / 執念深さ 50/50
献身的 / 利己的 90/10
誠実 / 不誠実 100/0
名誉 / 下劣 100/0
公平 / 不公平 25/75
忠実 / 独立 50/50
慈悲深い / 冷酷 50/50
謙虚 / 尊大 100/0
節制 / 放縦 100/0
信じ易さ / 疑い深さ 10/90

ルーン

「暗黒」50、「海」15、「大地」0、「天空」0、「嵐」35、「月」0、「人」70、「変化」/「安定 」40/45、「調和」/「無秩序」3/75、「生命」/「死」25/65、「真実」/「幻影」 85/15

魔術

一般的にみればグンダの魔術は飛び抜けたものだが、彼女を「ドラゴン・パス」的な魔術師とするには不十分である。グンダは自分一人を信仰している。能力値や技能を増す呪文は、彼女の特殊能力によって増幅されている。グンダは全ての〔アート〕を知悉している。

プレゼンス:241

高き誓い +77
器の誓い +19
智識    +15

〈呪付〉、〈召喚〉、〈動物知識〉、〈グローランサ知識〉、〈鉱物知識〉、〈植物知識〉、〈世界知識〉、〈ブリソス語読解〉、〈オーランス語読解〉、〈ペローリア語読解〉、〈超浄化〉= +5 。以上の技能が90%以上。

神性魔術放棄 +2、精霊魔術放棄 +2、不死拒否 +1、切開拒否 +2、キスの経験 +36、 オーガ王の呪い +24、“慰めの野の槍”の使い手 +49、使役放棄(使い魔、獣への騎乗、精霊の呪付など) +6、信仰放棄 +8

〔維持〕している呪文

STR増幅》30、《攻撃増幅》20(+50)、《防具増幅》20(+50)、《破刃》7、《隠密技能増幅》40(+100)、《呪文返し》30、《耐傷》20、《耐死》21、《耐魔》20 (注:このような高い〔強度〕を使用することができるのは、グンダの〈浄化〉技能のおかげである。技能は呪文のボーナスを含めた値で示されている)

残りプレゼンス:34

専門化呪文(それぞれの呪文を使えるレベルはかっこの中に示した):

《STR増幅200》(40)、《CON増幅140》(28)、《SIZ増幅90》(18)、《DEX増幅180》(36)、《運動技能増幅130》(26)、《攻撃技能増幅120》(24)、《隠密技能増幅170》(34)、《操作技能増幅120》(24)、《受け技能増幅150》(30)、《知覚技能増幅120》(24)、《SIZ減退190》(38)、《馳せ足150》(30)、《聴覚突出100》(20)、《触覚突出160》(32)、《視覚突出110》(22)、《再生90》(18)、《命の皮190》(38)
注:グンダ自身に投射する際のみ専門化の特典がある。それ以外のときはレベルを4で割ること。

その他の呪文


《魔術誘引90》(5)、《投射物誘引140》(7)、《防具増幅100》(5)、《損害増幅110》(6)、《破刃200》(10)、《呪文返し90》(5)、《STR減退160》(8)、《枯渇160》(8)、《冷気発生150》(8)、《呪文判別120》(6)、《物体探知120》(6)、《中和170》(9)、《防御円200》(10)、《耐傷180》(9)、《耐死130》(7)、《耐魔140》(7)、《耐毒110》(6)、《テレパシー200》(10)、《手当190》(10)、《毒素180》(9)

注:《破刃》(Break Blade)呪文はグンダとその部下たちの特殊呪文である。この呪文は盾に投射し、盾のENCと同じ〔強度〕がなければならない。盾受けが成功したならば、盾のAP と攻撃した武器のAPを比べる。盾のAPが武器のAPより高かった場合、武器のAPは1ポイント減少する。盾のAPが武器のAPの2倍以上の場合、武器は砕け散る。従って、グンダが持つ24APの盾は12AP以下の武器を破壊し、AP13~23までの武器にダメージを与え、AP24以上の武器には何も影響を及ぼさない。
《耐死》呪文も多くの人には目新しいものかもしれない。この呪文の効果は次の通り──呪文の〔強度〕1につき1HP分通常より多くのダメージを受けられる。この呪文は死の力を持った呪文、すなわち《霊魂放逐》《ワチャーザの毒牙》などのように、ダメージを与えず直接的に死を与える呪文に対して、通常の《耐魔》のように抵抗する。

儀式呪文

《呪縛130》、《召喚110》、《浄化》(特殊能力:制限なし。長く浄化儀式を続ければその分だけ呪文成功率が上昇する)、《呪い》、《鉄呪鍛》、《魔力封印》、《開洋》、《呪文封印》。

技能

〈操舟190〉、〈登はん120〉、〈回避220〉、〈ジャンプ100〉、〈騎乗0〉、〈泳ぎ95〉、〈投げ 120〉、〈言いくるめ50〉、〈雄弁35〉、〈古ブリソス語会話90〉、〈オーランス語(フロネラ語)会話110〉、〈新ペローリア語会話70〉、〈交易語会話85〉、〈動物知識140〉、〈グローランサ知識200〉、〈鉱物知識90〉、〈植物知識90〉、〈世界知識110〉、〈ブリソス語読み書き 105〉、〈オーランス語(フロネラ語)読み書き90〉、〈新ペローリア語読み書き110〉、〈航海術100〉、〈物を隠す100〉、〈修理60〉、〈早業110〉、〈聞き耳120〉、〈視力110〉、〈捜索100〉、〈追跡140〉、〈隠れる200〉、〈忍び歩き220〉

特殊能力

※グンダの特殊能力は常に効果を発揮しており、“振り払う”ことはできない。

○「キスの女王」(Queen of Kiss)(自動的成功):

 感情や精神に影響を及ぼす呪文はグンダに効果を表さない。シェードによって殺される/ルナー・エレメンタルにINTを減らされることはあっても、恐怖したり発狂したりはしない。《無敵》や《恍惚の極み》などの有益な呪文も、また効果を発揮しない。

○「精霊吸収」(Spirit Drain)(自動的成功):

 グンダに攻撃を行った精霊は、1D10+10ポイントのMPを毎ラウンド失う。グンダが攻撃をし返して精霊にうち勝てば、さらに1D3のMPを失う。精霊戦闘にあるときには、グンダが他のことを行うには集中ロールが必要である。吸収されたMPはプールされる。

○「オーガ王の一瞥」(Ogre King's Glance):

 この能力を用いるには、グンダは使用を意図せねばならない(この能力を使っている間、自動的成功ではたらいている能力以外は用いることはできない)。人物(100m以内)を見ることにより、その人物のSTRを1MP消費毎に14減衰させることができる(最低値 1)。その人物の身体の一部、すなわち皮、髪、血液などに対して使用することも可能である。この能力は1SRに一人に対してしか使用できず、そのSRには攻撃できない(SR 1で「一瞥」を使い、2 SRで攻撃し、3 SRで「一瞥」を使う、といったことは可能)。1人の犠牲者に対してSTRを減衰させられるのは1回のみである。減衰したSTRは1日に2ポイントの割合で回復し、完全に回復しきるまで「一瞥」は効果をもたない。

○「慰めの野の槍」(Spear of Solace):

 “慰めの野の槍”はアダマント以外の全てのアーマーを無視し、HPとMPに同時に同じダメージを与える。槍によって傷ついたものは、槍によって殺された者の生前の罪は魂から浄化され、その罪は全てグンダが背負うことになることを瞬時に理解する。槍によって吸収されたMPは直ちにグンダのMPプールに蓄えられる。槍はグンダにのみ恒久的に同調しており、彼女の肉体の一部として扱う(例えば接触呪文のために使うといったことができる)。グンダは常に槍がどこにあるのか分かるし、槍もグンダの場所が分かる。槍は何時如何なるところからでもグンダの手に召還することができる。
 槍は1SR当たり1ポイントの割合でダメージを回復する。それはHPがマイナスになったとしても、グンダが生きている限りは続く。槍はそのHPをグンダに何ポイントでも与えることができ、その後通常の割合でダメージを回復する。
 槍のダメージは魔術的な防御で防ぐことができる。槍はD100で求められるダメージに等しいポイント数のルーン呪文として攻撃する。したがって42をロールした場合、42ポイントのルーン呪文であるかのように魔術防御に打撃を与える。アダマントは槍の全てのダメージを止める。ダメージを止めた後、アダマントの盾、鎧の一部などはバラバラに砕け、槍は3d6ダメージを被る。

○呪い「キスの女王」:愛を知らない。

 呪文、幻影、化粧などにかかわらず、APPは9に固定される。容貌を変化させる幻影はグンダに効果を持たない。服装は変えることができるが、姿形を変えることはできない。《不可視》(注:アニーラの神性呪文)でさえ彼女には効果を持たない。
 何百人もの罪人の罪を背負い、さらに最大の敵手たちの罪の告解を知り、彼女は慰めの野への路を確信している。

○魔法の品

 彼女はブリソス様式の呪鍛された鉄の鎧を着、鉄を巻き付けた盾を持っている。盾の裏面は「その他」の呪文の焦点具となっており、結んだ髪には専門化した呪文の焦点具が編み込まれている。
 彼女の鎧はホーラル(訳注:ブリソス人の階級のひとつ)のマスターによってデザインされたもので、通常の1.5倍のダメージまで受けることができる。胸当てだけは通常の二倍のダメージを止めることができる。盾には《破刃》の呪文がかかっていることに注意せよ。

グンダの戦法について

 SR1で、グンダは最も注意を引いた相手のSTRを低下させるために「オーガ王の一瞥」を使う。彼女は全員が影響を受けるまで毎SR 1人ずつに「一瞥」を使い続ける。その1SR後に、彼女は槍で攻撃する。ラウンドに十分なSRが残っていれば、彼女は2回目の攻撃を3SRおいて行うために攻撃を分割する。グンダは自分の呪文の使い方を良く心得ており、もし槍による一撃で勝利を得るのに十分でないと疑う理由が少しでもあれば、自分の能力を補強したり敵の好機を奪うために呪文に頼る。

 槍を投げてもそれが手元にもどるため、グンダは1ラウンドに3回槍を投げることができる。この方法は命中率が落ちる上、ダメージも少ないため、グンダは近接戦闘を好む。また槍は通常のジャベリンと同じ投擲距離しかない。

 彼女は素晴らしい隠密技能と卓越した感知魔術によって恐るべき斥候となっていることに留意せよ。彼女は行動を起こす前に単独で敵地を偵察するのが常であり、彼女や部下たちが(敵の斥候に)気づかないことはほとんどない。

グンダの部下たち:

 グンダは通常、「狼の海賊」船から自ら選抜した部下、20~100人からなる荒くれ者の一団の一部、あるいはその全てを伴っている。その1/4はルーンロード級の実力を持つと考えられ、またその1/4は少なくとも「修行者」(Journyman; 魔道士の階級のひとつ)であり、残りは武器の達人である。全員が鉄の武器、少なくとも鉄の鎧の一部を持ち、《破刃》を含む特殊な魔道呪文を知っている。もちろん船員は狂信的なまでに忠義深い。

 そしてグンダを殺せたとしても、怒り狂ったハレックの相手をしなくてはならないだろう。


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最終更新:2008年11月12日 08:29
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