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仮説」(2008/08/10 (日) 19:18:52) の最新版変更点

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**仮説 ◆BeXslSbd9c  病院に向かう途中で志村新八と江戸川コナンは悲しい知らせを受け取った。  毛利小五郎の死だ。 (確か、コナン君を養ってる人だったよな……)  新八にとっての銀時みたいな存在だろうか。  毛利小五郎は幼いコナンを引き取り、寝食の場を与え、学校にまで通わせた探偵だと聞く。  金銭面で若干の下心があったとはいえ、並みの人間には決して出来ないであろう人徳的行為。  彼の人格の高さがうかがえるというものだ。 (生前、一度お会いしたかったな)  ふと、隣にいるコナンを見ると俯いたまま酷く落ち込んだ表情をしている。  正直な話、たとえどれ程の人格者であったとしても新八にとって毛利小五郎は見知らぬ他人。  その他人が死んだところで、新八の悲しみは強くない。  彼自身の知り合いは3人とも生きている事が放送で分かり、どちらかといえばほっとしているぐらいだ。  けれど、コナンは……コナンの思いはどうなんだろう。 (僕に出来る事って言えば……)  新八は一つの策を思いつく。コナンを励ますための策を。 「ねぇ、コナン君。もしかしたらさ……もしかしたらだよ」 「もしかしたら、小五郎おじさんが生きてるかもって言うんでしょ? それは考えたけどほとんど不可能だよ」  コンコンと、首輪を叩きながらコナンは続ける。 「いい、新八兄ちゃん。あのおじいさんはどうやって死亡者を調べたと思う?」 「それは……どうやったんだろう?」 「例えば、この町に監視カメラや盗聴器を仕掛けて状況を観察してもいいけど、これだけじゃ人の死は確認できないよね」 「……」 「とすると、彼は別の手段で人の死を確認してるんだよ」  再び、コナンは首輪を叩く。 「全員に行き渡っている首輪を使ってね。首輪に何らかのセンサー、恐らくは体温計や脈拍計を仕掛けておいて参加者の状態を監視してるんだよ」 「でも、監視カメラを仕掛けておけば十分じゃない?」 「無理だよ。SFなんかでありがちな、移動式の超小型カメラでもあれば話は別だろうけど、 普通のカメラの場合常識的には固定式のものでしょ。そうすると、監視できる場所に限りが出てくるわけで、 カメラ以外の手段を用いる必要が出てくる。だから、首輪で監視するのが一番自然なんだよ」 「な、なるほど……」 「んで、人間の死を確認するわけだから体温計か脈拍計、あるいはその両方を使ってるって事になるわけ。 そこまで考えると、さっきの放送が間違えているとすれば、首輪がどうにかなったと考えるしかない。 首輪を破壊するか、外すか、そこまでしなくてもセンサー部分を壊せば自分が死んだと誤認させることが出来る」 「って事は、毛利さんは生きてる可能性があるわけだね」  コナンは頭を振って否定した。 「これをやるには、首輪の構造を調べるほか無い。首輪がどういう仕組みで動いているのかも分からずやろうとした場合、 自分の命を落とす危険がある」 「でも、逆に言えば首輪の構造を調べればできるって事だよね」 「構造を調べても、理解してキチンと扱えなきゃ出来るわけがないよ。それなりの専門知識がないと」 「でもさ、毛利さんは名探偵なんでしょ。だったら、可能性はあるじゃないか」 「無理だって、あの迷探偵にはさ……」 「確かに、限りなく低い可能性かもしれないけど、でもさ……」 「だから、無理だって言ってんだろ!!」  突然の激昂。その瞬間、新八は己のうかつさに気づく。 「ご、ゴメン。君の気持ちも考えずに……」 「俺だって、おっちゃんが生きてる可能性を信じたいぜ……でもよ、出来ない事を除いていって最後に残ったものが、 どれだけ信じられなくても真実なんだ。だから、毛利小五郎は死んだって考えるほか無いんだよ」  安易な慰めが、かえってコナンの心を傷つけてしまった事に気づき新八は後悔する。  ちょうど、その時だった…… 「ちょっと、アンタたち煩いわよ」  突然聞こえてきた声にはっとなる。 (そうだ、今は殺し合いをしてるんじゃないか) 「全く、見つけたのが私たちだから良かったようなものの……」 「ルイズさんの言うとおりだ。ここは戦場、むやみに叫び声をあげてはいけない」  突然現れた男女は全身黒ずくめの男と、コスプレ風の女。  新八とコナンは話しながら、いつの間にか病院の前までたどり着いていたらしい。  彼らも、新八たちと同じく病院に入るところのようだ。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆  病院の二階にある看護士控え室に、マリア、吉良、坂田の三人はいた。  既にマーティン・ジグマール(三人とも名前は知らない)の簡単な治療を終え、病室に寝かせた後である。  控え室に備え付けられたカーテンは用心のために閉められており、明かりも消されている。  机の上には、少々の朝ごはんとコーヒーが並べられているが、それも半分以上消化され、これからは次の会話に移ろうというところだ。 「さて、食事も終わることですし。そろそろ今後の方針を話し合いましょう」  最年少ながらも、一番しっかりしているマリアが話を切り出す。 「わたしとしては、美形が目を覚ますのを待ってすぐにでもここを出るべきだと思うんだが」 「そうは言っても、散君が来るのを待つ必要もありますし……」 「俺としては、マリアさんがナース服着てくれればそれでいいんすけど」  三者三様の意見。  一部、おかしな意見がまぎれているが、それは華麗にスルー。 「確かにその女装少年が気になるのは分かるが、ここに長居は無用だろう」 「でも、だからと言って……」 「ここは病院というだけで、多数の人が駆け込む事は想像に難くない。安全を考えるなら、他の場所に行くべきだろう」 「でも、そうすると散君が危なくなってしまいますわ」  吉良は目の前にいる女性が、名前のとおり『マリア』様だということを再認識する。  正直、平穏を求める彼にとってこの場にい続けることは望ましい事ではないのだが、 かといって、マリアと対立を深める事も好ましくない (……ここは、マリアさんの言う事に従っておくべきか)  正直言って悩ましい。  吉良にとって、ストレスとは敵である。  そして、この場に居続ける事はその敵を残し続ける事でもある。  なぜなら、病院を訪れるであろう人物の中に怪しげなスタンド使いがいないとも限らないからである。  そんな危険を冒しつつ、人の集まるところにとどまり続けるのは愚の骨頂でしかない。  しかし、同時にマリアに反発する事も望ましくないのだ。  彼女は吉良が最初にターゲットと定めた女性である。年齢に似つかわしくないほどの落ち着きと知性。  それでいて見た目には幼さを残した美が映える。離れすぎた年齢に目をつぶれば、ある意味理想の女性と言ってもいいだろう。  もっとも、吉良に好みの女性などと言うものはないのだが……  ともかく、今の吉良は矛盾する二つの問題を抱え込んでいる。  何をするにしても、この問題に対する解決策を提示しなければ始まらない。 「では、マリアさん。期限を区切らないか」 「と、言いますと?」 「午前9時まで、ここで女装少年を待つ。それを過ぎたら、医療器具を持てるだけ持って移動する」 「でも、それで彼が戻ってこない時は少し冷たすぎるのでは……」 「マリアさん、君には再会を望む人物が他にもいるのだろう。 ハヤテ君やナギちゃん、彼らに会うためには君が無事でいる必要がある。分かっていると思うが、病院は危険な場所なんだ。 そういう所に居続ける事は再会の確率を下げる事に繋がると思うんだがね」  尤もらしく、病院を離れる理由を提示する。 「確かに、そうですけど……ナギやハヤテ君だって、人の集まる場所に来ると思うんですけど」 「私は彼らのことを良く知らないが、常識的に考えれば人の集まるところというのはそれだけに危険の多いところでもある。 君も見ただろう、最初にいたあの赤髪の男を。あの手の輩が我々を狙っている以上、人目を避けて行動するのが普通だと思うがね。 それは、彼らだって同じ事だと思うよ」 「でも……」  いまいち押しが足りないようだな。と、思った吉良は一旦引くことにした。 「分かった。マリアさんがそう言うのなら、しばらく留まる事にしよう」  今は彼女との確執を深める方が、よりストレスを抱える事に繋がる。  そう思ったゆえの引きだ。 (そういえば、坂田はどこに言った)  話しているうちにいつの間にか坂田の姿が見えなくなっている。はて、どこに言ったのか……  と、思っていると控え室のドアが開く。 「あ、マリアさん。さっき、ナース服見つけてきたんだけど、着てみてくんない?」  ストレスの原因は別にあるのかもしれない。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆  新八、コナン、覚悟、ルイズという四人が合流し、何の疑いもなく行動を共にしようと思ったのは、 ひとえに、覚悟という少年の人徳によるものだろう。  コナンも新八も彼が最初の会場で、老人に対して反抗したのを覚えていたのである。  ゆえに、彼らは覚悟を信用の置ける人物と判断した。そこから、連れであるルイズも危険がないと判断され、 同行しても問題ないとコナンが結論したのである。  逆に、コナンたちとの合流を覚悟、ルイズ組が認めたのは純粋に覚悟の直感であった。  理由は特にない。  彼らは病院に入ると、待合室の裏側にある事務室へと進む。  そして、そこにある一台のモニターを動かし、入り口の監視カメラと接続させた。 「凄いね、ここから入り口が覗けるんだ」  苦もなくモニターを操る少年コナンの手際に新八のみならず、覚悟やルイズも感嘆の声を上げる。 「すぐに二階に上がってもいいけど、安全は確保した方がいいからね」  カメラによる入り口監視は安全に欠かせない。だからコナンは、最初に事務室を目指したのである。  とはいっても、事務室にあるモニターからは正面玄関しか確認できず、職員通用口や夜間通用口と言った裏口は 確認できない問題がある。また、窓からの侵入は当然、見逃す事になる。 「見事な手際だな、この覚悟感服した」 「気休めに過ぎないかもしれないけどね、それでも、覚悟さんの治療には時間がかかりそうだから用心に越した事はないよ」 「私には気を使わなくとも……」 「でも、その傷はちゃんと治した方がいいですよ」 「姿などどう変わろうと問題なし、わが身は必勝の手段に過ぎぬ」  必勝の手段、という言葉がコナンの耳に引っかかる。  そういえば、覚悟は最初の会場でも 『人の皮を着た鬼よ! 貴様が殺し合いを望むのなら、俺は、牙を持たぬ人を守り、貴様を討つことを宣言しよう!!』 と言っていた。  まさか、この少年は……  コナンの頭に最悪な考えが浮かんでくる。一刻も早く、確認しなければならない考えが。 「ねぇ、覚悟さん。『必勝の手段』ってどういう意味?」 「戦闘に勝利するための手段という意味だが……」 「つまり、覚悟さんは戦闘をするって言う事だよね」 「当然だ。ここには弱き人々を喰らう悪鬼が蠢いている、私はその者たちと闘わなければならない」  覚悟は、何の疑いも抱かない瞳で宣言した。  コナンの頭に描かれた考えが、最悪から凶悪へと姿を変えて具現化しつつある。 「アナタにとっての悪鬼って一体何?」 「牙なき人々を喰らう存在だ」  周囲にいる人間を悪鬼と認識し、それを攻撃対象とするのはテロリズムの発想と変わらない。  自分の正義に対する妄信から来る、対立正義への攻撃。それは悲劇しか生み出さない。  そもそも、この世には決まった形の正義など存在しない。  覚悟が掲げている正義、『牙なき人々を守る』というのは数多ある正義の一つに過ぎない。  彼がその正義を持つ事自体はさして問題ではないのだが、対抗正義に対する処置の方法は重要だ。 「牙なき人々を喰らう存在を、覚悟さんはどうするつもりなの?」 「倒す」 「倒すってのは、殺すって意味だよね?」 「場合によってはそうなる」 (やっぱりかよ……)  どう見ても高校生か中学生でしかない少年が、自身の正義を信じ戦いに身を投じるなど、 決してあってはならない。  戦闘に勝利したところで、そこには悲劇しかなく、敗北したところには悲劇すらない。 「バーロー……」  この少年に対して、言いたい事は山ほどある。  しかし、コナンの頭には一つの事が引っかかっていて、これ以上のことは言えなかった。 「バーロー、アンタ悪鬼ってのは強いんだろ。だったら、無茶はしちゃ駄目だぜ」 「心配無用、そのために私は零式防衛術を極めている」 (ハハッ、言えねぇよ。まだアレを確認してないんだからな……)  コナンたちは覚悟の治療のため、病室を目指す事になった。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 「つまり、新八さんは天人が蔓延る世の中で、万屋でバイトをしながら宇宙一の戦闘民族と共に生活する少年で、 ルイズさんはハルケギニアの貴族で魔法使いの学校に通いながら、勉強する方という事でよろしいですね」  病院二階の廊下で、二つのグループが合流する。  江戸川コナンは、相手側グループのリーダー的存在マリアにこちら側の素性を説明した所だった。  病院に仲間の治療に来たという彼らは、決して危険な存在でないと判断しての事である。 (でも……予想通りの反応だよな)  新八やルイズの素性は、『春先の危ない人』そのものである。  当然、彼らの視線もそれ相応のものになる。  マリアさん、吉良さん、そして銀時さん……え? 銀時? 「銀さん、アンタはこっちサイドの人間だろうが!」 「よぉ、新八元気そうじゃねぇか」 「気づくの遅えぇっての。マリアさん、こいつが諸悪の根源、万屋の……  「何言ってんすか、店長」 「おめぇが店長だろうが!」  気づくのが遅いのはお互い様だろうに。ま、こうやって言い合えるだけ、彼らは幸せってもんだな。  コナンはそんな事を思いながら、苦笑いを浮かべた。 「あらあら、コナン君や覚悟君も大変そうですね」 「あ、うん。そんなに大変でもないけど……」  笑顔なのに、一ミリも笑っていないという複雑な表情を浮かべ、マリアは手に持った箱から、いくつかの薬を取り出す。 「コナン君の助けになればいいのですが……、患者さんに全部飲ませておいてください」 「って、誰が患者さんですか。信じてくださいよ、天人は本当に地球に襲来してるんです」 「大丈夫ですよ、新八さん。神様はきっと新八さんも見捨てませんから……」  マリアは新八の話を全く信じていない。  まぁ、この話をすぐに信じるようだと逆におかしい人だから、これは問題ない。  しかし…… (これは、いい機会だよな)  今の状況は、志村新八が宇宙人襲来を声高に叫び、それを常識人マリアが否定するというもの。  本来であれば、マリアの言い分を信じるのが筋なのだが、ここは場所が場所だ。  コナンは、自分自身の立てた仮説を確認するため、この特殊な状況を利用する事にした。  そう、彼が立てた仮説とは、『この場には様々な世界から人が集められている』というもの。  志村新八という、市役所を知らない少年に出会った事を切欠として、コナンはこのような仮説を立てた。  無論、本来のコナンであれば、このような仮説を立てたりはしない。  市役所を知らない少年がいた場合、それに対する答えは次のどれかになるだろう。 1.少年は嘘をついている。 2.少年は無知である。 3.少年は異世界(または異時代)から来た。 4.上記以外の科学的理由。  このうち、3は真っ先に否定される。  そして、推理により1,2も否定されたのならば具体的に4の検討に入る。  これが常識的思考方法というものだ。  しかし、コナンは今その常識を捨てている。  なぜか。  単に新八が正直そうな少年だったからというだけではない。  東の高校生探偵と異名をとる彼が、そのような表面的理由で真実を判断することはない。  理由は、この事件に巻き込まれてから遭遇した数々の異常現象による。  体積を無視し、支給品を収めた紙。被害者以外誰一人入ってこない街。  一つ一つだけなら、決して常識的思考を捨てる切欠にはならなかっただろう。  だが、複数集まると話が変わる。 (けど、だからってすぐには信じられないよな……)  だからこそ、今から確認するのである。 「でもさ、マリアさん。新八さんは嘘を吐くような人じゃないよ」 「んもう、駄目じゃないですか。こんな子供に変な事吹き込んだら」 「ちげーっての! そうだ名簿見て、これ見て宇宙人『神楽』!!」 「売れない漫画家のペンネームですか?」 「いねーよ、こんな漫画家!」 (ハハッ……しっかし、この人……)  少々否定するだけならまだしも、ここまで言う人間は珍しい。  特に女性は場の空気を読んで、とりあえずの肯定をするのが上手い。  いや、女性でなくとも日本人ならたいていはそうするだろう。  その意味で若干マリアもおかしな所があるといえる。  そういえば、マリアという名前もそうだ。どう見ても日本人の外見でありながら、マリアという名前。  しかも、姓はなしである。本名を偽っている可能性も否定できない以上、これだけでは断定できないが、 もしかしたら、マリアも新八と同じく『異世界の住人』かも知れない。 「大体、アンタら、江戸にはそこら中に天人がいるのに、何見てきたんだよ」 「江戸じゃなくて東京ですよ」 「江戸だっつーの!」  再び、マリアは生暖かい笑顔と共に新八に薬を差し出す。 「鬱病によく効くお薬だそうです。食後は必ず飲んでおいてくださいね」 (いやアンタ、マジひでぇよ……)  新八は既に涙目である。ここまで言っても信じてもらえないと、本当に可哀想になってくる。  そういえば、銀時はどこに言ったのかと思えば、近くのロッカールームからサイズの小さいナース服を持ってきていた。 (駄目だこいつら、放って置くと収集がつかねぇ)  正直な話、こいつらを相手に事態を収めて目的の仮説を確認する事など出来るのだろうか。  ガンッ 「アンタたち、いい加減にしなさいよ」  突然揺れる病院棟と、響き渡るルイズの怒声。瞬間、目が覚めたように全員がハッとなる。 「ここは戦場なのよ、死んだ人もいるのよ、一々くだらない事で騒いでるんじゃないわよ」  確かにルイズの言う事はもっともだ。 「ね、ねぇ。色々話し合うことはあるだろうけど、とりあえず覚悟さんを治療してからにしない?」 「そ、そうですわね……」  強引な形で収集がついた。  コナンの確認しようと思っていた仮説はこのまま流れてしまいそうだった…… (だが、今はこれで十分といったところか)  確かに、流れてしまったと考えてよいだろうが、状況証拠だけなら十分すぎるほど出揃った。  宇宙人に対する絶対的世界観の差。  病院棟を一撃で揺らすほどの少年。  これで、確実な証拠が出てくれば間違いなく、仮説は立証される事となる。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆  覚悟という少年を治療するため、吉良たちは病室に入った。  正直なところ、吉良はすぐにでもここを出たい気分で一杯になっている。  理由は様々だ。ありすぎて、一つをあげろというのもナンセンスなぐらいだ。  今の吉良を支えているものは、マリアの手が欲しいという一念だけである。 「会ったばかりの仲であるのに、かたじけない」  病室のベッドに腰をかけ、覚悟が礼を言う。  この少年も、吉良にとっては疎ましい存在だ。  何しろ、病院を揺らすほどの能力者である。  新八たちに目が向いていて、スタンドは見えなかったが、承太郎と同等のパワーを持つスタンド使いに違いない。 「気にしなくていいよ」  移動式の机に、包帯や消毒薬、抗生物質などを乗せてコナンは覚悟の体を丁寧に拭いていく。  慣れた手つきはとても幼稚園を出たばかりの小学生には見えない。 「ねぇ、覚悟さんは治療が終わったらどうするつもりなの?」 「先ほども言ったが、君たちを守るために悪鬼を倒す。牙なき人々のために闘う事は葉隠一族の使命なり」  つまり、放って置けば覚悟はどこかへ行くという事か。  厄介ごとが一つ遠ざかる事に、吉良は大きな安堵を覚える。 「駄目よ、カクゴは怪我人なんだから、それ以上無茶はさせられないわ」 「ルイズさん、心配は要らない」 「大体、アンタは私と一緒にゲームセンターにいく約束でしょ、無茶ばっかりして死んだらどうやって守るつもりよ」  なるほど、2人はそういう関係なのか……しかし、それはいいとして、ルイズの態度は歓迎できない。  放って置けば出て行くはずの覚悟をここに留めようとする彼女の態度は邪魔でしかないのだ。  どうしても男が好きなら、一緒に悪鬼とやらを退治して来ればいいだろうが。 「覚悟さん、無茶をするつもりなら僕はこのまま治療を止めちゃうけど、それでもいいの?」 「構わぬ。もとより孤立無援の戦闘ゆえ、これ以上の治療など不要」 「でも、このままルイズさんを放って行くなんて酷すぎますよ」  コナンやマリアさんまで、覚悟を止めようとする。 (貴様ら、そいつはさっさと出て行くといっているんだから素直に追い出せばいいだろうが)  表面には出さずとも、吉良の憤りはピークに達しつつある。  彼の望む、植物のような平穏は確実にこの少年に脅かされる。  それは間違いないことなのである。  だからこそ、覚悟はここから追放すべきなのだ。しかし、そんな事今の吉良には言える筈もない。  悶絶するような悩みの中、事態は別の方向へと展開していく。 「ねぇ覚悟さん、話は変わるけどさ。もし悪鬼に守るべき人がいたとしても、アンタは悪鬼を倒すの?」 「悪鬼に守るべき人? それはどういうことだ」  コナンが突然の話題変換。  一体、何を始めようというのか。 「たとえ、アナタからみて悪鬼だとしても、その者には何か守るべきものがあるかもしれないじゃないか。 それがあった時、覚悟さんはどうするつもりなの?」 「そ、それは……」 「それでも、そいつが『悪鬼』だった場合、覚悟さんはそれを退治しちゃうわけ?」 「……」  返答に困る覚悟。  古典的な問答といってしまえばそれまでだが、彼にとっては最も有効な一撃らしい。  元来、葉隠覚悟という人間は正義心の強い男であると思われる。  だからこそ、「守るべきもの」という言葉にはすこぶる弱い。 「コナン君、今の私はそれに答えられない。だが、そのような問いに何の意味が……」 「忘れたの? 今は殺し合いをしてるんだよ、疑心暗鬼にとらわれて大切な人を守ろうとするあまり殺人に走っちゃう人もいると思うよ」 「た、確かに……」 「僕はね、どんな人間にだって必ず大切なものはあるって思うんだ。それが何かは人によるだろうけどね」 「それを守るために、悪鬼になると」  コナンによる巧妙な誘導。  ここから先、彼が覚悟をどういう方向に導こうとしているかは考えるまでもない。  しかし、その事態だけは阻止しなければならない。 「私には、そのような悲しき『悪鬼』は倒せないかもな……」 「そっか、んじゃ覚悟さんをここから出す事なんて出来ないね」 「それはどういう意味だ」 「勝てないかも、なんて言ってる人を送り出したら僕たちは覚悟さんを見殺した事になっちゃうよ」 「いや、しかし絶対に勝てないわけでは……」 「勝った場合、アナタは一つの悲劇を生み出してくるわけだよ」 「……」 「覚悟さん、実を言うとね。大切なものとか、守るものなんてのは重要じゃないんだ。 戦闘行為それ自体が、既に悲劇の火種なんだよ」 「しかし、だからと言って悪鬼を見過ごすわけには」 「アナタには両親はいなかったの?」 「父がいた」 「アナタが生まれたとき、お父さんはきっと喜んだだろうね。アナタが倒そうとする悪鬼にも両親がいるって考えられない? そいつを殺したら、悲しむ人がいるってそう思わないかい」 「しかし、だとしたらどうしたらいい、俺にだって守るべきものが、葉隠一族の使命がある」 「だからさ、覚悟さん」  コナンは首輪を指差しながら、目配せをする。 「戦闘行為ではなく、他の手段で人々を守れというのか」 「そういうことだよ」  他の手段というのは、言うまでもなく首輪解除だ。  あまりにもベタベタすぎる結論だが、吉良にとって若干の突破口が初めて見出せる展開になってきた。 「つまり、『コレ』を解除しろとコナン君はそういうわけだね?」 「もちろんだよ、吉良さん」  戦闘でも、身を守ることでもなく、あくまで最優先は首輪解除であり脱出であるというコナンの姿勢。  それは平和ボケした日本人の思考としては優等生的なもの。  しかし、この考えには致命的欠陥がある。 「私も、『コレ』の解除については考えていたのだが、いかんせん具体的な方法が思い浮かばなくてね」 「しかし、吉良さん。それはこうして病院で待っていたら専門知識を持っている人が来て……」 「来て、何とかしてくれるとマリアさんは言うつもりかい? 待っているだけで転がってくる幸運など知れていると思わないか」 「それは……、そんな事はないですけど」  部屋にいる全員が一瞬沈黙する。  首輪の問題は、彼ら全員にとって目下の最重要課題であるはずだが、それに対する何のめども立ってないのが現状である。  しかし、そんな沈黙もコナンが破る。 「『コレ』を解除するためには、サンプルを取ってくる必要があるよね」  吉良にとって、今一番欲しかった一言。 「サンプルって一体どうやって……」  震える口調でマリアさんが、確認する。 「残酷かもしれないけど……」  断言せずとも分かる、死体から取って来いという意味だ。  再び、長い沈黙が訪れる。  そして、吉良はこの沈黙を破るのが誰であるのかを予想していた。そう彼だ。 「コナン君、その役目を私に任せてはくれないだろうか」  葉隠覚悟が、こう発言するであろうことは彼の正義から言って間違いないと踏んでいたのだ。 「でもカクゴ……」 「心配要らない、ルイズさん。今度は戦いに行くわけじゃない。あくまで『コレ』を取ってくるだけだ」  こうなってしまっては、コナンもルイズも覚悟の決意を止められないだろう。  何せ、首輪を取って来るという行為は『必ず戻る』という約束でもある。  だからこそ、ここでの否定は出来ない。コナンのロジックで否定されるのはあくまで人殺しや見殺しだけだし、 彼が優先する首輪解除にも、首輪奪取は欠かせないものである。 「でも、覚悟さんは怪我をしていますし……」 「そうよ、アレだけの戦いをやったばっかりなのに、カクゴが行く必要なんて……」 (あるんだよ、ルイズ。彼の戦闘力はこの中でも抜きん出ているだろう。 それは、先ほどの一撃でも証明されている。だからこそ、戦闘に長けた彼が外部に出て行くのは自然なんだよ。 大体、そこそこ怪我をしているようだが君はその覚悟に勝てるつもりかね。 自分が、彼より弱ければ止める資格などないのだぞ) 「ルイズさんやマリアさんのような女性に、危険な真似はさせられない。このような行為は私が一番適任だ」 「でも……  「確かに、覚悟さんの言うとおりだよね」  ルイズの言葉を遮り、コナンが発言する。  コナンが説得に入れば、覚悟追放は既に成功したと思っていいだろう。 「『コレ』を取ってくるのは覚悟さんにお願いした方がいいと思うよ」 「アンタねぇ、覚悟は怪我人なのよ」 「分かってるさ、だから覚悟さんには2つの約束をしてもらう。 1つ、昼の12時までには必ず帰ってくる事。1つ、一人では出て行かないこと。 これなら、ルイズさんも問題ないよね?」 「そ、それなら……」 「あとは、誰と一緒に行くかだけど……」  コナンが周囲を見渡す。  ここで吉良が選ばれてしまえば、元も子もないわけだが、ここは運に任せるほかはない。 「銀さんがいいんじゃないかな、銀さんなら強いから、何があっても大丈夫だと思うし」 「いや、戦闘に強い人も一人ぐらいはここに残った方がいいよ」 「だったら、私が行くわ!」 「残念だけど、ルイズさん。それは覚悟さん本人が望まないと思うよ」 「無論、女性にそのようなことはさせられない」  死体から首輪を取って来るという行為は、口にすれば単純だが残酷極まりないものだ。  当然、女性や子供は避けられる事になる。とすると残るのは吉良と…… 「それだったら、僕が行くよ。神楽ちゃんにも会えるかもしれないし……」  志村新八になるわけだ。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆  こうして、葉隠覚悟と志村新八の2人が病院を出て首輪探しの任に就く事となった。  2人は12時までという期限の中で、解析用のサンプルを探索する事となる。 「死んだら、承知しないからね」  ルイズは覚悟に檄を飛ばす。  治療を終えた覚悟の体は、僅かばかりの戦闘力を取り戻したといっても未だ頼りない。  それを護衛する新八も僅かばかり剣の心得があるだけで、決して強くはない。  しかし、これには理由がある。  現状、僅かしかない戦力(といっても、つめを隠している吉良は除いている)を大きく分断する事は出来ないと考えたための決断なのだ。  また、この決断を下したコナンの経験値にも問題がある。  如何に推理力に優れた少年であっても、コナンはあくまで自分自身の常識の枠内で物を考える事がほとんどだ。  勇気を持って非常識な仮説を立てはしたものの、あれはあくまでイレギュラー。  やはり、常識思考、論理思考は中々抜けないのが実情である。  そして、そのコナンは、この事件に巻き込まれて以来、人外と呼べる強者を2人しか見ておらず、戦闘する姿に至っては一度も見ていない。  だからこそ、病院棟を揺らすほどの力を持つ覚悟がいれば、そうそう大きな危険はないと判断してしまった。  彼の判断が、どのような結末を迎えるのか。  それは誰にも分からない。 【F-4 病院2F 1日目 午前】 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:健康 [装備]:ヌンチャク@北斗の拳 [道具]:基本支給品、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険、鷲巣麻雀セット@アカギ [思考] 基本:仲間を集める。 1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。 2:灰原哀、服部平次、新八の知り合い(神楽、桂小太郎)と合流する。 3:ゲームからの脱出 [備考1]:メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。 [備考2]:自分達の世界以外の人間が連れてこられていると薄々感づきました。      これから、証拠を集めて、この仮説を確認しようとしています。 【マリア@ハヤテのごとく!】 [状態]:健康 [装備]:沖田のバズーカ@銀魂 [道具]:支給品一式、犯人追跡メガネ&発信器×3@名探偵コナン [思考]基本:殺し合いはしない 1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。 2:ナギ、ハヤテ、ヒナギクの捜索 3:葉隠覚悟が戻ってきたら、もう少し話をする。 4:範馬勇次郎と金髪の男(ラオウ)を警戒 5:散の事を女装した男だと思っています。 [備考] ※吉良に全く警戒心を抱いてない。依然危機の中。 ※今回は状況に流されて覚悟とあまり会話をしていません。 【坂田銀時@銀魂】 [状態]健康 [装備]蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン [道具]支給品一式 ソードサムライX@武装錬金(攻撃に使う気はない)    あるるかん(紙状態)@からくりサーカス ハーミット・パープル(隠者の紫)のDISC(紙状態)@ジョジョの奇妙な冒険 [思考] 基本:このゲームをどうにかする 1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。 2:神楽を捜す。ついでに桂も 3:ラオウには会いたくない {備考} 零のことはよく分かっていません あるるかんとハーミット・パープルのDISCについては説明書をほとんど読んでいません。また読む気もありません。 ※ソードサムライX エネルギーを使う攻撃を吸収し、攻撃に転用します 制限、効果の対象となる攻撃は任せますが、少なくとも「魔法」には効果アリです 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康+下半身が健康すぎる [装備]:本部の鎖鎌@グラップラー刃牙 アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙(未開封)     法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷(リモコン付き)@HELLSING(未開封) [道具]:支給品一式、 [思考] 基本:普段どおり平穏に過ごす。 1:マリアの手が気になるが今の所は手を出すつもりは無い。 2:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。 3:できる限り力無き一般人を演じる。 4:マリアを傷つけるかもしれない輩も皆殺し。 5:美味しいもの(マリア)は最後までとっておく。 6:もし脱出できるのであればしたい。マリアの手を手に入れてから。 7:病院に人が増えてきたので、何とかしたい。 [備考] ※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。 ※承太郎が殺し合いに参加していることに気づいていません。 ※スタンドの能力制限や『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。 ※覚悟をスタンド使いと認識しています。(吉良はスタンド以外に超人的破壊力を出す方法を知りません) 【F-4 病院2F 1日目 午前】 【ルイズ@ゼロの使い魔】 [状態]:右足に銃創 中程度の疲労 両手に軽度の痺れ 強い決意 [装備]:折れた軍刀 [道具]:支給品一式×3 超光戦士シャンゼリオン DVDBOX@ハヤテのごとく?  キュルケの杖 [思考] 基本:スギムラの正義を継ぎ、多くの人を助け首謀者を倒す。 1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。 2:覚悟が戻ってきたら、スギムラを弔う 3:才人と合流 4:覚悟の怪我が治ったら覚悟とゲームセンターに行く 【F-3 路上 1日目 午前】 【志村新八@銀魂】 [状態]:健康 疲労(小) [装備]:大阪名物ハリセンちょっぷ [道具]:基本支給品、陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた [思考]基本:仲間を集める。 1:覚悟と共に首輪を探す。昼の12時までには病院に戻る。 2:銀さんと神楽ちゃん、桂さん、コナン君の知り合い(灰原哀、服部平次)と合流する。 3:ゲームからの脱出 【葉隠覚悟@覚悟のススメ】 [状態]:全身に重度の火傷(治療済み) 胴体部分に銃撃による重度のダメージ(治療済み) 全身に打撲(どれも致命傷ではない、治療済み) 強い決意 [装備]:滝のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS [道具]:ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾5発、劣化ウラン弾、残弾6発)@HELLSING [思考] 基本:牙無き人の剣となる。 この戦いの首謀者を必ず倒す。 1:新八と共に首輪を探す。昼の12時までには病院に戻る。 2:スギムラを弔う。 3:いずれ巨漢の男(ラオウ)の力になりたい 4:怪我が治ったらルイズとゲームセンターに行く 5:悪鬼を倒す事に悩んでいる。 [備考]原作一巻第一話、逆十時学園入学初日より参戦 【F-4 病院3F 1日目 朝】 【マーティン・ジグマール@スクライド】 [状態]:全身ボコボコ、歩くのがやっとの重傷(応急処置済み)、美形状態、極度の疲労、気絶 [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況] 基本:生き延びて全宇宙の支配者になる。 1:誰かに匿ってもらう。(美貌が使えそうなら使う) [備考] ※人間ワープにけっこうな制限(1~2mほどしか動けない)が掛かっています。 連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます。 (例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労) ※ギャラン=ドゥに関しては次の書き手さんにお任せします。当分は出てこれないと思います。 |093:[[デッド・ライン]]|[[投下順>第051話~第100話]]|095:[[いま賭ける、この――]]| |082:[[不死王、一人]]|[[時系列順>第2回放送までの本編SS]]|096:[[真赤な誓い]]| |042:[[オーガ=範馬勇次郎]]|江戸川コナン|100:[[気に入らない奴ほど、コンビネーションの相性はいい]]| |081:[[第一印象がいい殺人鬼にロクな奴はいない]]|マリア|100:[[気に入らない奴ほど、コンビネーションの相性はいい]]| |081:[[第一印象がいい殺人鬼にロクな奴はいない]]|坂田銀時|100:[[気に入らない奴ほど、コンビネーションの相性はいい]]| |081:[[第一印象がいい殺人鬼にロクな奴はいない]]|吉良吉影|100:[[気に入らない奴ほど、コンビネーションの相性はいい]]| |080:[[奥行きの操作は真正面から見てはいけません]]|ルイズ|100:[[気に入らない奴ほど、コンビネーションの相性はいい]]| |042:[[オーガ=範馬勇次郎]]|志村新八|098:[[SPIRITS]]| |080:[[奥行きの操作は真正面から見てはいけません]]|葉隠覚悟|098:[[SPIRITS]]| |081:[[第一印象がいい殺人鬼にロクな奴はいない]]|マーティン・ジグマール|100:[[気に入らない奴ほど、コンビネーションの相性はいい]]| ----

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