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**幕間~それぞれの思い~ ◆L9juq0uMuo 老人の声と共に放送が終わった。 死んだ人間の中に武藤カズキという名が入っていた。 本当に死んだんだな、と承太郎は静かに怒りを募らせる。 だが、放送の内容で一つだけ気になった事があった。 「……野郎、何のつもりだ?」 先程の放送で新たに付け加えられた『優勝者の願いを叶える』という特典。 急に付け足されたその特典に、承太郎は一つの疑問を覚えた。 承太郎は思う、何故今頃なのかと。 『優勝者は願いが叶えられる』それは確かに殺し合いを助長させるだろう。 だが、ならばなぜそれを最初に言わず今頃言ったのか。 承太郎は仮定する、そうせざるを得ない事態が起きたのではないか、と。 「乗った奴が予想よりも少ないのか、それとも……」 それとも、誰かが主催を打倒する鍵を手に入れたのか。 実際この場にはナギのように工学に明るい人間がいる、そのような人間とジョセフ・ジョースターが組んだかもしれないし、別の人間が手がかりを見つけたかもしれない。 「いや、そうそう都合よくはいかねーか」 だが承太郎はその考えを否定する。 殺し合わせる為に自分達を呼んだというのであれば全員の能力など把握しているだろう。 そのような人物が果たして1日足らずでそう簡単に解けるような首輪を作るだろうか? 「……考えてても仕方ねーな、おかしな所を残しとくってのは俺の性に合わねーが、今はとりあえず早くナギ達の所に戻るか。やれやれ、随分と時間がかかっちまったぜ」 そう、今承太郎は二人の人間を待たせている。これ以上ここで時間を消費する訳にはいかない。 二人に合流する為に、承太郎は足を進めた。 そして、時間は放送終了後まで遡る。 (みゆきって確か、こなたさんの……) 高良みゆき、その人物はこなたから友人の一人だと聞かされていた。 お人好しで正義感の強かった武藤カズキ、そしてこなたからの話で聞いた、物知りで同じく人のいい、争いとは無縁な性格の高良みゆき。 死んでいい筈ではない人間が、二人も命を落としている。 いや、ハヤテが知らないだけで、そのような人間が何人も命を落としているだろう。 ハヤテは、改めてこの殺し合いを開催した人間に憤りを覚えた。 それと同時に、ハヤテもまた、承太郎と同じ、ある一つの事が気にかかった。 (優勝者は願いが叶う、か) ハヤテはその特典について考える。 真偽の程については疑わしすぎるというのが彼の答えだ。 今頃になって付け足した事、本当に約束を守るかどうかが分からない事、 また、どんな願いを叶えると言っても、この殺し合いを無かった事にしろといった願いが来たらこの殺し合いの意味事態が無い事など、否定材料はある。 甘い話には裏があると言う事など、今までの人生で嫌と言うほど味わってきている。 だがしかし、否定しきれない点もある。 異なる世界の住人をこんな所に呼び寄せる事のできる力を持っているのだ、そんな力があったとしても不思議ではない。 そして、全員を生き返らせるのは無理だとしても、数人を生き返らせる事はできるかもしれない。 例えば、ナギ・マリア・ヒナギクが命を落としてしまったとしても自分が優勝すれば――…… (……何を考えているんだ僕は!) そこまで考えて、ハヤテは自らの思考に憤った。 ナギが死ぬ。守るべき主が命を落とすなどと言う可能性を考えた自分に無性に腹が立った。 (僕はお嬢様の事を何が何でも守りぬく。命に代えてもだ) 何が何でもナギを守る。そう決意した時、ハヤテには一つの最悪な結末が浮かんでしまった。 あくまでどんな状況でも彼女を守ろうと決心しただけである。ただ、その想定しうるどんな状況の中に、一つの最悪な結末があっただけだ。 ではそれはどんな状況だろうか? 勇次郎やケンオウといった人類の範疇外に思える連中と遭遇する? 違う。 ナギが人質に取られる? 違う。 激戦に次ぐ激戦で倒壊した建物に巻き込まれる? 違う。 長々遠距離から狙撃される? 違う。 支給品に寄生され、暴走した参加者に襲われる? 違う。 夢か何かと勘違いし見境の無い狂った参加者に襲われる? 違う。 ガン○ムのような起動兵器に乗った参加者に襲われる? 違う。 孤立した状況で殺し合いに乗った人間達による包囲網が出来上がる? 違う。 これらはまだ少なくとも打開策がある。 最悪な結末、それは首輪が解除できずに、乗っていない人間だけが複数人が残っている事である。 天才少女であるナギや、独学で人造人間を作り、不可能と言われた白い核鉄とやらの精製に成功したパピヨンなど首輪の解除に期待できそうな人物は多々いる。 だがしかし、この殺し合いの主催者は当然ナギ達がそのような知識を持っている事を知っている筈だ。 果たしてそんな主催者がナギやパピヨンの知識があれば解除できるような物を作るであろうか。 もし仮に、ナギにも、パピヨンにも、そして他の参加者達の力を合わせても解除が出来ないとすれば……、その先に待つのは仲間どうしの殺し合いか全員の首が吹き飛ぶかだ。 パピヨン達は首輪を外すため、この殺し合いを破壊する為に動いている。 しかし、いくら努力しようとも現実は非常であるという事もまた、ハヤテはその人生で嫌というほど知っているのだ。 仮にそうなってしまえば、ナギを生還、つまり優勝させる以外に、彼女を守る方法は無くなる。 (だからと言って、僕はこなたさん達を殺す事ができるだろうか? それに、そんな事をお嬢様が許す訳ないじゃないか) しかし、執事として、ナギが死んでしまっては意味が無いのである。守るべき主を守れずして何が執事であろうか。 ハヤテは心のどこかでそう考えている自分がいるのに気づいた。 (お嬢様を守る、それが僕の目的の筈だ……、それでも) それでも、人を殺す事ができるだろうか? ナギを守り抜く、しかし、その為には人殺しを辞さない場合もある。その事実にハヤテは煩悶する。彼の顔が自然と深刻な物になっていく。 「ハヤテ」 その時自分を呼ぶ声にハヤテは振り向く。 「お嬢様! お気づきになられたんですか!」 先ほどまでの深刻な表情は一転、ナギを心配させまいと、ハヤテは笑顔を浮かべる。 至近距離でのハヤテの笑顔に、ナギの頬が紅に染まる。 「う、うむ、それよりも……」 紅く染まった恋する乙女の表情は一転して、心配そうな表情へと変わる。 「大丈夫か? 何か思いつめたような顔をしていたぞ?」 元々放送前から彼女の意識は覚醒していた。放送が終わり、ふとハヤテの顔を見やると、ハヤテは今まで見たことの無いような深刻な表情を浮かべていたのだった。 「ええ、大丈夫です。ちょっと考え事をしていて……」 まさか今まで自分が考えていた事をハヤテに言うわけにはいかず、ハヤテは適当な言葉でごまかした。 「そう言えば放送が……」 「聞いていた。カズキはやっぱり……」 しまった。とハヤテは思った。 とりあえず話題を変えようとしたのだが、そのせいでナギの表情は暗く沈んでしまった。 「お嬢様……」 「大丈夫、私は大丈夫だハヤテ。カズキの為にも、私たちはこんな殺し合いを止めなければいけないんだからな」 決意を込めて微笑むナギ。 そのナギを見て、ハヤテは思う。お嬢様は本当に強くなったと。 右腕の外れた骨を治してくれと承太郎に頼んだときといい、昔の、自分の知るお嬢様と比べると、本当に心が強くなったと。 だからこそ、更に守らなければとも思う。自分の大切な主を。 「お、ジョジョが来たぞ。全く、今まで何をやっていたんだあいつは」 ハヤテの背から降りたナギの向いている方向を見ると、確かに承太郎がこちらへと向かってきていた。 「すまねぇな、あの爺を埋めてたら遅れちまった。流石にあのまま放置しておく訳にもいかなかったからな」 「で、首輪は手に入れてきたのか?」 ナギのその言葉に二人が固まる。それも当然だ、彼らが首輪を取りにいくという会話をしている時、ナギは気絶していた筈だからだ。 「ハヤテ、お前が話したのか?」 「まさか、僕はそんな事言ってませんよ」 「「と、言う事は……」」 二人がナギを見やる。ナギは目線を明後日の方向へと向けている。 「テメー、狸寝入りしてやがったな?」 それに対し、ナギは他所を向きながら口笛を吹いている。 その光景にハヤテは苦笑を浮かべ承太郎は溜息をつく。 「まあいい、説明の手間が省けた。で、これが首輪だ」 そう言って承太郎がナギに首輪を渡す。 「何かわかるか?」 「うーん、とりあえず外観は継ぎ目が無いくらいしかわからんな。中身が判ればまた話は違ってくるんだがな」 「中身、か。ジョセフのジジイがここにいりゃあ一発で判るんだがな」 もっとも、ここにいるジョセフ・ジョースターは、彼の知るスタンドに目覚めた老年のジョセフ・ジョースターではないのだが、彼がそれを知る術はない。 「とりあえず、喫茶店に戻りましょうか、パピヨンさん達にみせれば何かがわかるかもしれませんし」 「だな、あれだけ大勢いるとなりゃ誰か一人ぐらいは判る奴がいるかもしれねぇ」 「何だ、また増えたのか?」 初耳だぞ、とナギは驚く。 「そう言えば言っていませんでしたね。それについてはおいおい説明します」 そうして三人は喫茶店へと向かって歩を進めた。 闇に包まれた工場で、一人のスタンド使いと一人の少女が出会った。 彼らは共に殺し合いを止める為に動き、ある蝶人と邂逅した。 後に、その蝶人から話を聞いた一人の青年と一人の執事と合流した。 だが、少女のわがままにより、青年と少女はここに残り、スタンド使いと執事は喫茶店へと向かった。 少女と青年は道中で死体を見つけ、少年を殺し合いを止める決意の光を放った。 それが悲劇の引き金だった。 それを見た一人の人形遣いが青年達と接触する。 戦いの末、少女は怪我を負い、青年は自らの意思を力に代えて人形遣いを打ち破った。 だが、その青年もまた持てる力を全て使い果たし、その生を終え、悲劇に一旦の幕は降りた。 そして少女は、青年の放った光を見て駆けつけたスタンド使いと執事に再会した。 青年の死を乗り越え、そして放送が始まった。 スタンド使いは改めてこの殺し合いを破壊する『決意』を固めた。 少女は青年の死を受け『成長』した。 執事は最悪の結末を想定し『煩悶』する。 いつ、また悲劇の幕が上がるかもわからない。 それでも彼らは前に進む。殺し合いを止める為に。 ――バトルロワイアルは、まだ終わらない―― 【B-3 南東 一日目 日中】 【三千院ナギ@ハヤテのごとく!】 [状態]全身に打撲 [装備]スパイスガール@ジョジョの奇妙な冒険 [道具]無し [思考・状況] 基本:殺し合いはしない 1:喫茶店に行き、首輪の解析 2:マリア、ヒナギク、ジョセフと合流する。 3:カズキの恋人という『斗貴子』とやらに会って、カズキの死を伝える。 参戦時期:原作6巻終了後 ※スパイスガールは疲労のため、しばらく出せません。 【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】 [状態]健康。 [装備]454カスール カスタムオート(7/7)@HELLSING、首輪探知機@BATTLE ROYALE [道具]支給品一式-水少量 13mm爆裂鉄鋼弾(35発)、ニードルナイフ(15本)@北斗の拳 女装服    音響手榴弾・催涙手榴弾・黄燐手榴弾、ベレッタM92F(弾丸数8/15) 不明支給品0~3(フェイスレス・ナギ) [思考・状況] 基本:出来るだけ多くの人を助けたい 、お嬢様を守る。 1:喫茶店に戻る。 2:マリア、ヒナギクを探し出し合流する 3:もし、首輪を解除できずに乗ってない人だけが残ったら……? 【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]健康 [装備]無し [道具]支給品一式×4、フェイスレスの首輪、不明支給品0~2(本人は確認済。核鉄の可能性は低い) [思考・状況] 基本:他の連中の脱出 主催者を叩き潰す。 1:喫茶店に着き次第、首輪について考える。 2:ジョセフ、マリア、ヒナギクと合流する。 3:DIOを倒す。 4:赤木には用心する。 5:主催者を倒す。 参戦時期:原作28巻終了後 [備考] ※パピヨンについてはハヤテから聞いていたので、喫茶店にいることを不思議と思っていません。 ※こなたがスタンド使いかと疑っています。 |138:[[遥かなる正義にかけて]]|[[投下順>第101話~第150話]]|140:[[激突! ラオウ対範馬勇次郎!!        ……特別ゲスト坂田銀時]]| |137:[[漫画キャラバトルロワイアル0点・家出編]]|[[時系列順>第3回放送までの本編SS]]|131:[[戦闘潮流]]| |123:[[サンプル入手]]|三千院ナギ|150:[[地獄の季節]]| |123:[[サンプル入手]]|綾崎ハヤテ|150:[[地獄の季節]]| |123:[[サンプル入手]]|空条承太郎|150:[[地獄の季節]]| ----

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