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**必要なのは助けてくれる人 ◆Mangas0mkg 「吉良さん……」  江戸川コナンは殺人鬼との戦いに身を投じていった仲間の事を思う。  吉良は果たして、あの戦いで相手をどうするつもりだろうか。  適当に相手をして、そのまま逃げ切るつもりなのか。  それとも、説得して殺し合いから手を引かせるのだろうか。  あの場にいないコナンには推理する以外に手はないわけだが、正直な話、どちらも考えにくい。  吉良の性格や能力から考えて、あの少女を生かしておくとは考えづらいのだ。  恐らく、彼はあの少女を殺す気で戦っている。 (どうする? 本当に吉良さんを一人にして良かったのか?)  倫理的に考えて、この場で殺人をするかもしれない吉良を止める事が良い、とは必ずしも言い切れない。  強制された人殺しの空間で、自分の身を守るために闘おうとする人は決して悪ではない。  仮に、あくまでも仮に、吉良があの少女を殺したとしても、裁判になれば吉良は無罪だろう。  それはコナンにも理解できる。しかし、彼は人殺しに対して絶対的な拒否反応を持っている。  頭のいい江戸川コナンは、倫理や道徳と言うものが必ずしも殺人を否定しているわけではない事を知っている。  あくまで、「知識として」ではあるが、世の中には殺人を肯定する倫理が存在する事を彼は知っている。  しかし、その知識をもってしてなお、「理解できない」のが殺人なのだ。 (やっぱり、彼をあのままにはしておけないよな……)  江戸川コナンが東の高校生探偵と呼ばれるまで、殺人事件を解決し続けたのも一つには殺人を嫌ったからである。  一度は足手まといになるからという理由で吉良にあの場を任せたが、やはり放っておけない。  坂田と違って、吉良は殺人を肯定する可能性がある。なまじ力があるだけに、あの少女を殺しかねない。  それに今回の場合、少女の方にも力がある。あの槍を用いた突撃力と攻撃力には目を見張るものがあった。  いつぞやの覚悟ほどではないにしろ、彼女は確かな力を持っている。  そして、その彼女が明白な殺意の下、吉良に攻撃を仕掛けてきたのだ。  間違いなく、あの場では殺人が起こりうる。 「……ねぇ、新八兄ちゃん。ルイズ姉ちゃん……」  コナンはやはり探偵だ。殺人を見逃して、自分だけが助かるなど、どうしてそんな道が選べようか。 「僕、ちょっと用事思い出したから、病院に戻るよ。先に行ってて」 「ちょっと、いきなり何言ってるのよ」 「用事って……まさか……」  コナンに吉良や、あの少女を止める力はない。そんな事は分かっている。  コナンにはスタンドを操る力もなければ、銀時のような剣術もない。  あるのは、探偵として養ってきた頭脳だけだ。 「うん、ちょっとね……」  そんなコナンが、何しに行くかを説明すれば、新八とルイズは止めるだろう。  この状況で、無力な人間が殺人を止めに行くのは、ほぼ不可能である。  その上、コナンは具体的な人殺し防止策を持っているわけではない。  そんな彼が、吉良の場所に戻ると言うのは即ち自殺行為なのだ。 「コナン君、まさか吉良さんのところに戻るつもりじゃ……」 「そ、そういう訳じゃないよ……ただ、ちょっとね……」  頭脳は大人と思っていても、すぐさま言い訳が思いつくほど状況に恵まれているわけではない。  だから言いよどんでしまう。  せめて、この場で使う言い訳ぐらいまともなものを用意したいところだが、手持ちの情報や道具が少なすぎる。 「あ、ほら……包帯とか持ってくるの忘れちゃったから、取りに戻ったほうがいいと思ってさ。  覚悟さんも怪我してるんでしょ。だったら、もう一回診てあげないと」 「アンタ馬鹿でしょ、病院にはあの大男がいるのよ、戻ったってしょうがないじゃない」 「で、でもさ……包帯や消毒薬は必要だよ。だって、これから怪我するかもしれないでしょ」  苦しすぎる言い訳だというのは自覚している。  しかし、それを差し引いてもあのまま吉良を放っておく事など出来ないのだ。  探偵としての勘が、あの場で殺人が起こる事を予言している。見てみぬ振りなど、出来るはずがない。 「コナン君、病院に戻るのは覚悟君と合流してからで構わないでしょ」 (それじゃ、間に合わねーんだよ!) 「で、でもさ、覚悟さんがどこにいるか分からないでしょ。だったら、いつ病院に戻れるか分からないじゃない」 「病院じゃなくたって、簡単な治療道具ぐらい手に入るよ」  やはり苦しい。四の五の言い訳して戻るよりは、はっきり人殺しを止めたいと言うべきかも知れない。  いや、それを言ったところで無駄か。  コナンには人殺しを止めたいと言う願いはあっても、力はないのだから。 「カクゴがどこにいるか分からないって言っても、病院に戻るわけないんだから、 カクゴを探すためにも病院には戻れないわよ」  ルイズや新八の言うとおりだ。  コナンは何を言っていいか分からなくなってしまった。  そもそも、いつものコナンであれば「あれれぇ~~なんか変だぞぉ~~」等と言って、 大人たちの注意をどこかに向けて、たった一つの真実に気付かせていく事が出来る。  しかし、それはあくまで真実がたった一つの場合である。倫理や正義のように複数の存在があるケースではあまり向かない。  今回、殺人を止めるために吉良の場所に戻りたいというのはあくまで、コナンの願望であって、 決して不変の真理でもなければ、唯一無二の真実でもないわけだ。  だから、いつものような推理を展開して、彼らを理路整然とした言葉で説得するといった事はとても出来ない。  恐らく自分が吉良を止めたいから戻る、と本当のことを言った場合、彼らは彼らなりの反論をするだろう。  そして、その反論の中には確かな正義が含まれているわけであって、コナンに反論の余地はない。  だから困るのである。  まして、今の自分は小学一年生の体だ。  ここに阿笠博士の発明品でもあれば、状況は変わったかもしれないが、生憎とそんな都合の良いものは置いてない。  とすれば、自分が戻る事は即ち、新八とルイズに「僕を見殺しにしてください」と言っているようなものなのである。  戻る事など、許されるはずもない。  せめて、何か武器があれば……状況も変わると言うものなのだが……  コナンはもう一度自分の支給品が何であったかを思い出してみる。  武器と呼べる物はヌンチャク一つ。それとて自分の体で扱っていては、とても吉良や坂田に及ぶとは思えない。  元々の高校生の体で使ったとしても、まっとうな戦闘力は得られないだろう。  自分の無力さを考えれば、やはり武器とは自動小銃あたりが適切と言えるのだが、 これでは間違って相手を殺しかねない。  優れた武器であり、相手を殺さない武器と言えば思いつくところは時計型麻酔銃か。  何にしても、武器はない。それがこの場での結論である。 「とにかく、コナン君。あんまりノンビリもしてられないしさ。 出来る限り早く覚悟君たちを探さないと、僕たちの命も危ないんだよ」  全くの正論だ。  いっそ、思っている事全てを吐露してしまうか。  その方が無理なく、相手を説得できるかも知れない……  と、そんな時だった。  コナンの視界に、なにやら小さな物体が入ってくる。  大きさは人間の赤ちゃんほどもない。キャタピラ駆動により前進する車体。  猫の耳のような突起がついた特徴的なしゃれこうべを前面につけて、まっすぐコナンたちを目指してくる物体がある。 「ね、ねぇ。あれって……」  見間違えるはずもない。あの猫の耳は間違いなく、彼の使っていたスタンドのもの。 (それが何で、こんな所にきているんだ?)  理由は分からない。だが、吉良は交戦中のはずだ。  その彼が突然、妙な戦車もどきを出して自分たちの後を追いかけさせた? 一体、何が…… (まさか……吉良さんに何かあったんじゃ……)  先の少女との戦闘で、吉良の命に危険があったとしたら。  そして、その危険を伝えるべく使者を寄越したのだとしたら。 「新八兄ちゃん、あれを受け取って、吉良さんからのメッセージかもしれない」 「え? あ、うん……」  新八はコナンの言うとおり、それを持ち上げようとする───  その時だった。   ボ            ンッ!  何かが弾ける音が聞こえた。  咄嗟に後ろへと下がる新八。  突然、戦車が爆発したのだ。 「だ、大丈夫? 新八兄ちゃん」 「何とかね……」  一瞬の回避により、軽傷ですんだ。  とは言え、吉良からのメッセンジャーと思われた存在からの突然の攻撃に、一同は戸惑いを隠せない。 「あ、あれは一体……」  疑問が口に出るルイズ。  恐らく、勤勉な彼女の魔法知識をもってしても全く知らない存在であろう小型戦車。 「吉良さんのスタンドに似ているから、メッセンジャーか何かだと思ったんだけど……」 「冗談じゃない、ヨシカゲが何であんなのを送ってくるのよ!」  全くルイズの言うとおりだ。  見た目から、吉良のスタンドの一種だと推測したが、そもそもコナンはスタンドと言うものを知っているわけではない。  恐らく、スタンドは何人かの人間が持っているものであり、その外見は皆、猫の耳のようなものを持っているのだろう。  そう考えると、目の前の小型戦車がどうして、こちら側に攻撃してきたのか理解できる。  ……いや、下手に結論を急ぐのは良くないか。  あれが、吉良のものであるとか、ないとか、そんな結論は今の段階では出せない。  仮に吉良のものだと考えるとどうなる?  突然、新八を攻撃した事から考えて吉良に殺意が生まれたと言う事か。  いや、考えにくい。  この短時間に、自分たちへの殺意を吉良が育てるとは思えない。  とすれば、最初から吉良は自分たちを殺すつもりだったのか。  まぁ、この場は殺し合いの空間だ。考えられなくもない。  しかし、これは恐らく違う。実際の殺意の有無はともかくとして、吉良は殺意を隠して自分たちと接触してきた人間だ。  その人間が、自分のスタンドと同じ顔を持つ戦車で攻撃してくるとは考えにくい。  もしもここで、コナンたちを仕留め損なったら、吉良の立場が危うくなる。  それぐらいだったら、最初から殺しに来るだろう。  だとすると、これもない。  とすると、仮にあの戦車が吉良のものだと考えた場合、残された可能性は、吉良には明確な殺意がないという物になる。  恐らく、先の戦闘で使用した武器が何らかの拍子でこちら側まで来てしまったと考えるのが筋だろう。  そうすると、本人が来ないで戦車だけが来てしまった理由も理解できる。 (どっちにしろ証拠がないよな……)  なんにしても、結論をこの場で出す事は出来ない。  普段の殺人事件と異なり、この場ではコナンの知らない事が多すぎる。  それよりは、今この場をどう切り抜けるかが先になる。  逃げるか?  いや、成長したルイズや新八ならともかく、小学一年生のコナンが逃げ切れるとは思えない。  小型戦車はそれなりの速度を有している。逃げ切れないコナンを二人が放って置くとも思えず、結果として3人とも逃げられない形になる。  とすれば、闘うか?  いや、それも難しい。  というより、小型戦車の性能が分からないため、難しいか易しいかの区別すらつかない。  まずは、敵の力を分析するところから始めたい所だが、生憎とそんな余裕もない。 「とにかく、アイツを止めるわよ」  一番に前に出たのはルイズ。  短い付き合いだが、彼女が激しやすい性格である事は十分に理解できる。 「ルイズお姉ちゃん、まだアイツの事が分かってない! 余計な事は……」 「近づかなきゃいいんでしょ」  コナンが言い終わるよりも先に、ルイズは杖の力を振るってメイジとして闘おうとする。  詠唱とともに、小さな爆発がルイズの前で起こった。  ファイヤーボール。かつて、ルイズがキュルケとの勝負の際に学院の壁を破壊した魔法だ。  ちなみに、本来のファイヤーボールとは大分趣を異にする。 「ルイズ姉ちゃん、離れて!」  モクモクと上がる灰煙の中、小型戦車の動く音が聞こえる。  戦車の見た目にふさわしく、ルイズの爆発にも全く動じていない。無傷。それが戦車の状況だった。 「逃げるよ!」  敵の戦力は分かった。  この場で最大の攻撃力を持つ、ルイズの魔法に動じない防御力。  それさえ分かれば十分だ。逃げ切れるとは思っていないが、それでも、『逃げ』が最善手であることに違いない。  アイツと闘う事なんて出来やしない。  だが、それを遮る人間がいた。いや、正確に言えば3人で逃げることを拒否した人間が。 「コナン君、ルイズちゃん、ここは僕に任せて逃げてくれ」  志村新八である。 「ば、バー……、新八兄ちゃん。いいから、逃げて!」 「僕やルイズちゃんはともかく、コナン君は逃げられないでしょ。だったら、誰かがコイツを足止めしないとさ」  新八の前に、小型戦車が迫り来る。  新八が斜め前に、移動しつつ小型戦車をかわすと、それに釣られて戦車も動きを変える。 「僕なら、こいつを引き付けたまま、この場で避け続けることが出来る」  道場を経営しつつ、養った足腰は一般人の中ではそれなりに強い。  だが、いつまでも避けきれるものではないだろう。 「で、でも……」 「それに、今さら僕も逃げられなくなったっぽいしね……」  新八の周りを、小型戦車は追い掛け回す。  必死でかわす新八であるが、その動きは徐々に狭い範囲の中に閉じ込められている。 「出来る限り早く、誰か助けを呼んできてくれると助かるんだけど……」  ほんの少し、弱気を見せる。  けれど新八の表情はいつも通り、落ち着いたものだ。 (アイツ……俺の前じゃ弱気すら見せられねーってのか? それとも何か策でもあるってのか?)  襲い掛かる戦車をよける新八の身体能力は意外に高いものだったが、 それ以上に妙に落ち着いているのが気にかかる。 「もう一撃、魔法を食らわせたら、ソイツも止まるわよ。シンパチ、耐えなさいよ!!」  再び、ルイズが魔法を使おうとする。 「だ、駄目だよルイズお姉ちゃん。魔法なんか使ったら、新八兄ちゃんが先に死んじゃう」 「コナン君の言うとおりだよ、ルイズちゃん。大丈夫、僕には最後の武器もあるしさ」  足捌き一つで、戦車の攻撃をかわしつつ、新八は強がりを見せる。  どう見ても、あと5分と持つまい。本当に、誰かの助けを呼びに行ってよいものだろうか……  いや、考えている時間はない。何かは知らないが、新八には最後の武器もあると言う。  ここは信頼して、助けを呼びに行くのが筋と言うもの。 「行くよルイズ姉ちゃん。すぐに新八兄ちゃんを助けられる人を探してくるんだ」 「う……うん……」  ルイズは、コナンに言われるがまま、その場から走り去る。  目指すものは、覚悟でなくてもいい、とにかく新八を助けられる存在。 ◇ ◆ ◇  江戸川コナン、ルイズ・フランソワーズの2人が去った後。  アスファルトの上に残されたのは、新八一人と一体の小型戦車。  新八は何とか戦車の攻撃をかわしつつ、生き延びている。  そもそも、戦車が本来の性能を持っていれば、最初の一撃で新八は死んでいた。  戦車からの攻撃を咄嗟にかわす事など、通常はできない事である。  この戦車、名前をシアー・ハートアタックと呼ぶが、こいつはコナンの推理通り、吉良のスタンドである。  そして、この場ではスタンド能力は非常に強い制限を受けている。  さらに、新八などのどちらかと言えば、一般人に属する人々の制限は弱い。  結果として、最初の攻撃もかわせたし、今も戦車の攻撃をよける事が出来ている。  この事を考えれば、制限万歳、ビバBADANと言いたくもなるが、残念なことに新八はBADANの存在を知らない。  それと、避け続けて気付いた事だが、戦車はとても小さい。  キャタピラ駆動のためか、二本足の新八と違って段差がとても苦手。  車道と歩道の間の段差さえ、登るのに若干のタイムラグが発生する。  もちろん、これも実際は制限によるもので本来は車道と歩道の間の段差ぐらい、この戦車には何ら障害にならないのだが、 それはともかく、そこに気付きさえすれば、意外と長時間引き付けておくことが可能かもしれない。  けれど、そうは言っても、相手は執拗に人間を追い回す戦車である。  そして、人間に近づいたら、先ほどのように爆発する戦車でもある。  やはり、志村新八は侍として、こいつを放っておく事など出来はしない。 「何とかしないとな……」  新八に残された武器はたった一つである。いや、正確に言うと二つか。  だが、残りの一つはどうしても使いたくない。やはり、一つだけで何とかするべきだろう。  新八は小さく戦う決意をして、帯に挟んであったその武器を取り出す。  正直な話、相手の小ささや、不気味だけれども紛れもない猫耳に、あまり恐怖を感じていない。  もしも新八にスタンドに対する正しい知識があったなら、ここまで冷静に事態に対処することなど出来なかっただろうが、 そこは運に恵まれたと言うことだろうか。  武器を左手に持ち、敵の攻撃をかわしながら新八は冷静に攻撃の機会をうかがう。 (武器は一つしかない。相手が爆発する戦車と言うことなら、相手の爆発に巻き込ませて使うのが一番だろうな……)  観察すべきは、敵が爆発する瞬間。その瞬間に、覚悟とともに持ち帰った首輪を誘爆させる。  よく観ろ、敵の動きはとても単調だから間違いなくあるはずだ。  爆発するための、簡単な法則が。この戦車には存在するはずだ。 (さっきから、一回しか爆発してないんだよな……)  一度の爆発は自分の体が近づいたとき。  あの瞬間、この戦車はたった一度だけ爆発した。  その他は、自分の体ほどもある段差にぶつかっても、爆発していない。  何かに接触して、爆発するというタイプの戦車ではなさそうだ。 (だとすると、人体の何かを感知して爆発するタイプかな……)  単純な行動をする生物(?)が、人体を検出する機構に何か覚えはないか。  新八は、自身の記憶を手繰って、探してみる。  小さな生物。それでいて、自分たち人間を正確に追跡する生物。 (何かいたよな……)  つい先日、あの憎めない警察の所で見た気がする。それに似た生き物を。  夏の風物詩と言ってもいい、あの生き物は人間を追跡する確かな能力を備えていたはずだ。  それも、複雑な高次情報処理により人の姿かたちを認識する人間とは違って、至ってシンプルな方法でだ。 (この執拗なまでに人間を追いかけてくる習性。そして、シンプルな行動。小さい体……  コイツは蚊だ。蚊と同じなんだ)  蚊と同じであれば、二酸化炭素を追跡し、人間の場所を検出しているに違いない。  と言うことは…… (コイツに口を近づけて息吐いて、誘爆させろっての? 無理! 絶対無理!!)  いくらかわし方が確立したとは言え、顔を近づけて首輪とともに爆発させるなんて、自殺以外の何物でもない。 (はい却下。次の案プリーズ。  出来ることなら、僕が傷つかないやり方をお願いします。  ルイズちゃんみたいに遠くから爆撃できるやり方でお願いします)  ま、実際には蚊だって顔近づけなくても血を吸ってくる生き物なんだけど、新八がそこに気付かないのはご愛嬌と言う事で。  はてさて、一体どうやって、この戦車を壊したらいいものか。 ◇ ◆ ◇ 「とにかく、あのまま新八兄ちゃんを放っておく事なんて出来ないよ。  すぐに助けを呼ばなきゃ……」 「分かってるわよ」  新八と離れたコナンたちは南側に進んでいる。  タイムリミットは非常に短く、救命人員に求められるスペックはとても高い。  だが、それでも、コナンたちは誰かを探してこなければならない。 「ね、ねぇ。アンタさぁ、本当に誰か見つかると思ってるの?」  時間制限は凡そ5分。  コナンたちの足を考えれば、マップ上一つマスのを探索する事さえ出来やしない。  そんな時間の中、誰かを探す。ほとんど不可能に近い。  現在、生き残っている人間が約40人。そして、残りのマップが60マス。  単純な確率で言えば、コナンたちと同じマスに他の人間がいる可能性はきわめて低い。 「アンタがさ、シンパチを放っておいたから……ってゆーか、そ、そもそも、ア、アンタが病院に戻るとか言い出したから……」  コナンにも十分、彼女の言わんとすることは分かる。  だが、現状とれる最善の策があれしかなかったのだ。 「アアア、アンタ分かってるわよね。もしも、シンパチが死んだら。アンタのせいなのよ。  さ、さっさとカクゴ達を探していれば、あのちっちゃいのにも会わないですんだのよ」 「分かってるって…………だから、早く誰かを探そう」  できる事は、味方の捜索以外にない。  ルイズの愚痴は気にかかるけれども、相手にしている場合ではない。  早く探さないといけない。 「もしも、シンパチを見殺しにしたら……アンタ、絶対に許さないからね」 「……うん」  だからこそ、探さなければならない。  慌てふためいて、叫ぶ事だけなら誰にだって出来る。  探偵として、江戸川コナンは冷静沈着に新八の助けを呼ぶ必要があるのだ。  そんな時だった、コナンの目の前の小道から一人の少女が顔を出す。  木刀片手に走る少女。そんな少女が突然、昼時の街の曲がり角でコナンの目の前に現れた。 「新八がどうかしたアルカ?」  道のど真ん中、少女は自己紹介もコナンたちの素性確認もすっとばし、突然新八のことを聞いてくる。 「新八を見殺しって、どういうことアルカ!?」  微かではあるが、木刀を持つその手が震えていることに江戸川コナンは気付いた。 【F-5 北東(大通り)/一日目 午後】 【神楽@銀魂】 [状態]疲労、精神的に不安定 [装備]木刀正宗@ハヤテのごとく  ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(30×2)@HELLSING [道具]支給品一式 拡声器@BATTLE ROYALE [思考・状況] 基本:殺し合いには乗っていない人は守る、乗っている人は倒す 1:病院に行き、銀ちゃん(銀時)を捜す。 2:新八を見殺しって何? ってか、こいつら誰? 3:帰る方法を考える。 [備考]・原作18巻終了後から参戦。 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:健康 [装備]:ヌンチャク@北斗の拳 [道具]:基本支給品、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険、鷲巣麻雀セット@アカギ [思考] 基本:仲間を集める。 1:新八を助けられる人を探す。目の前の少女を確認して、助けを求める。 2:灰原哀、服部平次、新八の知り合い(神楽)と合流する。 3:覚悟さん達と合流 4:ゲームからの脱出 5:ジグマールを警戒 [備考] ※メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。 ※自分達の世界以外の人間が連れてこられていると薄々感づきました。これから、証拠を集めて、この仮説を確認しようとしています。 ※川田、ヒナギク、つかさの情報を手に入れました。 【ルイズ@ゼロの使い魔】 [状態]:右足に銃創、中程度の疲労、強い決意、精神不安定 [装備]:折れた軍刀 [道具]:支給品一式×2 超光戦士シャンゼリオン DVDBOX@ハヤテのごとく?  キュルケの杖 [思考] 基本:スギムラの正義を継ぎ、多くの人を助け首謀者を倒す。殺人者に対する強烈な殺意 1:新八を助けられる人を探す。 2:覚悟達と合流 3:覚悟が戻ってきたら、スギムラを弔う [備考] ※川田、ヒナギク、つかさの情報を得ました 【F-4 南部(大通り)/一日目 午後】 【志村新八@銀魂】 [状態]:腕に軽い火傷、疲労(中)、軽いパニック [装備]:なし [道具]:基本支給品、陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた、首輪 [思考]基本:仲間を集める。 1:目の前の戦車を破壊する。 2:コナン、ルイズが戻ってくるまで待つ。 3:銀さんと神楽ちゃん、コナン君の知り合い(服部平次)と合流する. 4:覚悟君達と合流 5:杉村くんを弔う 6:ゲームからの脱出 7:ジグマールを警戒 [備考] ※川田、ヒナギク、つかさと情報交換をしました。 ※シアー・ハートアタックが二酸化炭素を追跡してくるものだと勘違いしています。 【シアー・ハートアタック@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:なし [思考]:なし、単純自動行動。 [備考] ※制限のため、一般人でも何とか回避可能なスピードで攻撃してきます。 |146:[[更なる舞台(ステージ)へ]]|[[投下順>第101話~第150話]]|148:[[『歯車』が噛み合わない]]| |146:[[更なる舞台(ステージ)へ]]|[[時系列順>第3回放送までの本編SS]]|148:[[『歯車』が噛み合わない]]| |130:[[絡み合う思惑、散る命]]|江戸川コナン|155:[[万事屋銀ちゃんの店仕舞]]| |130:[[絡み合う思惑、散る命]]|ルイズ|155:[[万事屋銀ちゃんの店仕舞]]| |130:[[絡み合う思惑、散る命]]|志村新八|155:[[万事屋銀ちゃんの店仕舞]]| |137:[[漫画キャラバトルロワイアル0点・家出編]]|神楽|155:[[万事屋銀ちゃんの店仕舞]]| ----

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