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今にも落ちてきそうな星空の下で(後編)」(2008/08/15 (金) 23:06:54) の最新版変更点

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**今にも落ちてきそうな星空の下で(後編) ◆MANGA/k/d.  「大丈夫か、アミバ!」  真っ先に駆け込んできたのは劉鳳だった。  苛立たしいそぶりを見せてはいたが、もしかしたらアミバの身を最も案じていたのは、この男だったのかもしれない。  服部が内心危ぶんでいる劉鳳の性分…すなわち、自らが悪と直観的に判断した者は全て断罪するという潔癖な正義感は、意外にもアミバというかつての殺人鬼の今を許容している。  「どないしたんや!?」  続けて入ってきた服部が、そう驚きの声を上げる。  ベッドから降りているアミバ…いや、ベッドから転げ落ちているアミバは、這うようにして手足をばたつかせ、床を叩き、口を開いて何かを訴えようとしている。  「…まさか、声が出ないんじゃあ?」  最後に入ってきたコナンの問いに、かすれたうめきと、首を縦に振る激しい動きでアミバは答えた。  「吉良…顔色まだ良くないネ…。大丈夫か?」  よろめいた吉良に寄り添うように、神楽がそう問いかける。  「…ああ、有り難う、神楽君…。劉鳳に貰った核鉄とかいうヤツは、案外よく効いている様でね。  今は、少し調子が良いよ」  優しく、また、明るい声音だ。  「…なら、良かったネ」  赤毛の少女も又、少し安堵したようにそう返す。  銀時、新八と、立て続けに親しい仲間を失った神楽は、周りに対してそう振る舞い、また自分自身が自覚している以上に、心細さと孤独を感じている。  その反動が、彼ら仲間の死と立ち会う前後に出会った吉良への、普段の振る舞いからすればやや過剰なまでの気遣いに表れている。  言い換えればそれは、神楽自身が吉良に対して、自分を気遣い、優しくして欲しいという深層心理の表れなのだが、本人がそのことを自覚することはないだろう。  「君は…」  真っ黒な、大きな瞳で、覗き込むように吉良が神楽を見据える。  不意の視線に、少女はひるむ。  今まで、こんな風な眼差しで見られたことはない。  「結構、美しい手をしているな…」  ささやくように、あるいは呟くように、吉良がそう言った。  何故か、神楽は心臓がじくりとした。  それがどんな感情のによる働きなのか…やはり神楽自身にも分からないし、和本人がそのことを自覚することはないだろう。  「どうした、アミバ? 何か言いたいことがあるのか?」  どん、どんどん、どん…。  目を見開き、口を大きく開けて、アミバは床を叩いている。  「あかん…吉良はん! ちょっと、来てくれ! 何があったんや…!?」  服部が叫ぶ。  コナンが駆け出して部屋を出ようとするのと同時に、神楽に寄り添われるようにした吉良がドアの所へとやってくる。  「吉良さん! 核鉄を…」  「一体…どうしたんだ? アミバ君は…」  アミバの動きがより激しくなる。  右手を高く掲げ、こちらを指さし、左手は激しく床を叩き…。  「おい、アミバ…!?」  そのまま。  びくりと仰け反るように痙攣して。  口から大量の血を吐き出し。  動かなくなった。  「………私には関係ない事だと…そんなに信憑性のある話でもないと…そう思ったから、ほとんど忘れていたし………たいして信じても居なかったよ…。  だが…まさか…いや…。  『コレ』がそうなのか…?  今ここで、これだったとでもいうのか…?  そんな馬鹿なことが…いや…馬鹿げたことが…  こんな馬鹿げたことがあって良いのか………?」  誰に言うでもない、吉良の呟き。  アミバの横にうずくまっていた劉鳳が、悲痛な面持ちのまま立ち上がり、叫ぶ。  「…それでは…アミバが死んだのはあのDISCを試してみたからだというのか!?  俺たちがあのDISCを使うことを止めていれば、死ななかったとでも言うのかッ!?」  「…いや…それは…分からない。  さっきも言ったが、何の確証もないんだ。  私の聞いた "何か" がDISCかどうかも分からないし、そもそもそれによって人が死ぬことがあると言うことだって本当かどうか…」  劉鳳の剣幕に、気圧されるようにして吉良が後ずさる。  その吉良をかばうように、  「吉良は何も悪くないネ! 怒る相手間違ってるアル!」  神楽が劉鳳に立ちはだかる。  劉鳳は唇をかみしめる。  その通りだ。  少なくとも今は、その通りなのだ。  固く拳を握りしめ、劉鳳は部屋を出る。  「俺が…ッ」  誰とも視線を合わせず、真っ直ぐな歩みで、劉鳳が叫ぶ。  「カズマの…そしてアミバの "反逆" も…俺の "正義" も…。  全て背負う!  このふざけたゲームを断罪する!」  その響きが、劉鳳の去った後も部屋の中に残り、こだましているかのようだった。  その横で服部平次は、生命の抜け落ちたアミバの亡骸を調べている。  「死因は…おそらく内臓…胃が破裂したんやないかな…」  「この出血量は、そうだろうな」  床に広がるおびただしい血だまりを見ながら、コナンが言葉を引き継いだ。  昏倒して、倒れていたときにはこんな気配はなかった。  強い衝撃を受けたわけでもなく、突然胃が破裂するとはどういう事なのか?  「吉良さん」  少年は顔を上げ、ドアの近くに立っていた吉良に尋ねる。  「あ…ああ、何だい、コナン君?」  「アミバさんが目を覚ましたときの様子は、どうだったの?」  あどけない、と言っても良い年頃の少年の表情は、恐怖でも混乱でもなく、内に秘めた激しい怒りと、鋭い叡智を秘めている。  「私は…彼が目を覚ましたとき、すぐに君たちに知らせなくてはと思い…彼の様子を細かく観察する余裕が無かった。  会話もしなかったよ…。だから、声のことも分からないんだ。  済まない。そのとき私が、彼の異常…異常の前兆を見つけては居れば……」  右手で顔を覆う様にし、沈痛な声でそう告げる。  「吉良はんがここを出て…居間に知らせに来て…数分…長くて5~6分、てトコやな…。  その間に、この部屋に侵入して、アミバはんに致命傷を負わせて…逃走する」  「まず、無いな…」  「毒物…も、可能性はなくはないが…」  「いつ、どうやって摂取させたかが分からねぇし…ただの毒物にしては、この出血は多すぎる」  淡々と、可能性を挙げて、それを消去する。  「その…胃を爆破させる様な毒物なんてものは…あるのか?」  吉良がそう口を挟む。  「いや、聞いたことあらへん」  それに対しての服部の回答は、身も蓋もない。  その通りだ。  トリックだとか毒だとか、そんなものでどうにか出来る様な死ではない。  そのことが、二人には十分分かっている。  ましてや。  「スタンドだとか、アルターだとか…核鉄だとか…」  「分からんもんが多すぎや!!」  通常の殺人事件と同じように考えて、分かるわけがないのだ。  「彼が…その、アミバ君が使うと言っていた…何…何とか拳だとか…」  「北斗神拳?」  「そう、それだ」  「…まぁ、こういう感じなのかもしれんなぁ…」  アミバが使うと言っていた北斗神拳は、曰く、経絡を突くことで人体を意のままに操り、あるいは内部から破裂させて殺害せしめることの出来る暗殺拳なのだという。  「あ」  神楽が声を上げる。  「それなら、筋肉ダルマが使っていたネ。私が見たのは、嘘かホントか自白させるとか言うヤツだったけど…あんなの全然信用できないアル」  神楽が言っているのはケンシロウのことであり、又彼女が見たのは、病院に殺人鬼の集団が待ちかまえているという美形…ジグマールの言い分の真偽を確かめるために、意志と関わらず真実を口にする新一という経絡秘孔を突いたときのことだ。  実際にはその前に、北斗繰筋自在脚で身体の自由を奪われるはめになっていたのだが、そのことは語らない。(嫌なことなので忘れているのかもしれないが)  神楽は思い返す。  ジグマールの言ったことは完全なデタラメで、病院に居た銀時たちは当然のことながら殺人鬼の集団などではなかった。  それどころか、銀時も新八も殺人鬼と戦い殺され、病院で一緒にいたという吉良も又、殺人鬼と戦い左手を失う大怪我を負っている。  筋肉ダルマは、強いかもしれないがいい加減で信用ならない。  あんなのと一緒にいるマダオ…まるでだめなおっぱいお化けのキュルケが心配だと、神楽はぼんやりと考える。  「その…いいかな」  吉良が遠慮がちにそう切り出す。  「彼を…ベッドに寝かせてあげないか?」  「…せやな」  床に倒れ伏したままのアミバの遺体を、先ほどまで寝ていたベッドに寝かせようと、平次と…そして促されて神楽が運ぶ。  その上で、見開かれている目を閉じ…毛布を掛けて、最後にコナンが、顔に布を被せた。  これ以上、そこで語れることは無い。  言葉もなく、彼らはこの部屋を後にする。  最後に残った少年…江戸川コナンが、物言わぬアミバの遺体に、小さく語りかけた。  「なぁ…アミバさん…。  あんた、最後に一体何が言いたかったんだ?  俺たちに、何を伝えたかったんだ?」  ◆◆◆  吉良吉影は考える。  ここまでは、まぁまぁ巧くやった。  DISCが死に繋がるかもしれない可能性を示唆したことで、奴らが私の隠し持っている "空条承太郎の記憶DISC" を見る確率は減る。それに、無力な者がスタンドで自らを強化しようという発想も減らせるだろう。  アミバの始末も、及第点だ。  これが常ならば、誤魔化しきるのは難しいだろう。  それでも、こんなに神経を使う爆破は滅多に無い。  最初は、アミバの身体を爆弾に変えて、残りの三人を全て爆破させる手も考えた。  が、これは三人同時に爆殺出来ない場合、確実に自分に嫌疑がかかる危険性がある。  あの神楽でさえ、新八、アミバと、立て続けに私の周りで人が爆死する異常事態が起これば、疑ってくるに違いない。  また、それだけの大きな爆発をさせるとなると、音や衝撃を抑えるのも難しく、どうしても目立ってしまうだろう。  しとめるときは、確実に、そして目立たぬようにする…。  それが、いつにもまして求められている。  異常事態だからこそ、多少強引に出来る所もあるが、集団だからこそ、より慎重にならねばならない面もある。  神楽は、比較的簡単に御せる様だし、戦力として残せる。  劉鳳は、敵に回すのは厄介ではあるが、味方としては使えそうだ。  何より、彼のアルター、『絶影』は、あの美形にすら 「手強い」 といわせる程のものらしい。  だとしたら、一撃で確実にしとめられるときまでは、トラブルを起こすのは控えた方が良さそうだ。  恥を忍んで、みっともなく慌てたり怯えたり、さらにはあのしみったれたクソのカスのような大男の死を悼む芝居をしたりしたのだ。  彼らには私を守る役に立って貰わねば割に合わない。  この二人が、銀髪傷女と美形をやっつけてくれればしめたものだ。  江戸川コナン…。  こいつは、厄介だ。  あれほどまでに殺人を忌避していたのに、実際に人の死を目の当たりにしても、怯える気配がない。  ちょっと前までオムツを穿いていたようなクソガキのくせに、早人以上に肝が据わっている。  その上、思考力は大人顔負けに鋭い。  あの場で、ああまで簡単に死因を当てられるとは思っていなかった。  アミバに飲ませたコップの水。  その中に、爆弾に変えた破片を入れておいた。  とにかく、目立った外傷も無く殺し、死体が消え失せるという不審な状況を回避するためには、内部を破壊する方が良い。  だから、爆弾を飲み込ませたかった。  砂糖を溶かして入れていた分、破片の違和感に注意が向かなかったのだろう。  危ういが、これには成功した。  そして、彼ら衆目の場で、自分が一番離れた位置にいるときに、こっそりとスイッチを押す。  目撃者は全員。容疑者も全員。  私が爆弾のスタンドを持っていると知らなければ、分かるわけもないハズだし、それが殺人なのかどうかも分からない。  だが…。  スタンドやアルターという超常能力に対しての知識がないため、その思考パターンは今のところ制限されている様だが、それでもあの小僧には、油断がならない何かを感じる。  以前のように、いかにも子供然とした無邪気さ (あれは、ともすれば芝居だったのでは?) 等みじんもない、どっしりとした目つきが気に入らない。  そしてまた、コナンの友人だという服部というガキとも、相性がよさそうなのが面倒だ。  この二人は…出来るだけ機会を見つけて、始末をしたいところだ。  全員、始末は付ける。  この吉良吉影の平穏を阻む邪魔者は、全て例外なく始末を付ける。  そしてもう一つ。  もしかしたら、という可能性を考える。  どこかに、この吉良吉影の記憶DISCというものがあるのではないか、という可能性を。  現に、参加者としてここに居たはずの空条承太郎…私が居たときよりも未来の空条承太郎の記憶が、DISCとして配られていたのだ。  あの黒い仮面のスタンドが、同様に私の…あるいは他の参加者の記憶をDISCにしていないとは断言できないのではないか?  だとしたら…。  それも又確保しなければならない。  そして、だとしたらあの黒い仮面のスタンド使いも始末しなければならない。  それが、私の "平穏"な人生に繋がり、"幸福" へと至る道なのだ…。  ◆◆◆  「工藤…」  小さい声で、服部平次は江戸川コナン…高校生探偵の工藤新一へと語りかける。  「アミバはんの…最後のアレ…」  「ああ、分かってる」  「…やな」  顔も合わせずに、二人は意思の確認を行う。  吉良吉影の疑念は、正しかった。  この二人は、決して油断してはならない相手なのだ。  そして又、吉良吉影は誤算をしていた。  それは、アミバという男を、ただの無知で無教養な拳法家と思ったことだ。  アミバは、紛れもなく傑出した才の持ち主だった。  門外不出。本来ならば一子相伝の秘拳、北斗神拳。  それを、見よう見まねで不完全ながらも習得してしまうというのは、まず不可能なことなのだ。  そんなことが容易くあり得る様なら、そんなものは秘拳などではない。  アミバは、ただ単に筋肉にモノを言わせて喧嘩をするだけの乱暴者でも野蛮人でもない。  知識も教養も、人並み以上に持っている男であった。  だがしかし、だからこそ。  そこに起因する驕慢と…そして何より、拳法において彼を凌駕する才の持ち主、ラオウ、トキ、ケンシロウと言った破格の天才達が、同じ時代に彼より先を行っていたことが、彼と、又、彼に関わってしまった犠牲者達の悲劇の元であった。  彼はただ、苦し紛れに床を叩いていたのではない。  床を叩くことで、モールス信号を送っていたのだ。  キ・ラ・ハ・サ・ツ・ジ・ン・キ…。  繰り返し、彼は床を叩き、メッセージを送っていた。  承太郎のDISCから知り得たことを、可能な限り送っていた。  万全な状態ではないため、些か不完全だったかもしれない。  記憶違いの所もあったかもしれない。  きちんと伝わったかどうかは、定かではない。  だがしかし、コナンと服部は、それに気がついていた。  アミバが必死に、メッセージを送っていたことに気がついていた。  そのことを、吉良はまだ知らない。  アミバが死に瀕して残したメッセージの存在を、吉良はまだ知らない。  今にも落ちてきそうな星空の下で、秘密と謎と、残された遺志が交錯する。  *--------------------* &color(red){【アミバ@北斗の拳:死亡確認】} &color(red){【残り30人】} 【F-2 民家/一日目 夜】 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:全身打撲。疲労大。左肩と全身に湿布と包帯。強い決意。 [装備]:ハート様気絶用棍棒@北斗の拳 、懐中電灯@現地調達 包帯と湿布@現地調達 [道具]:基本支給品(食料一食消費)、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険、鷲巣麻雀セット@アカギ、 [思考] 基本:この殺し合いを止める 1:アミバのダイイングメッセージを解明し、また殺人ならばその犯人を見つける。 2:ルイズの最後の願いを叶えたい。 3:覚悟さん達と合流 4:ゲームからの脱出 5:ジグマールを警戒 6:範馬勇次郎以外の光成の旧知の人物を探り、情報を得たい。 7:スーパーエイジャを慎重に扱う。 [備考] ※メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。 ※自分達の世界以外の人間が連れてこられていることに気付きました ※川田、ヒナギク、つかさ、服部、劉鳳、アミバの情報を手に入れました。 ※平次と二人で立てた仮説、「光成の他の主催者の可能性」「光成による反抗の呼びかけの可能性」「盗聴器を利用した光成への呼びかけの策」 等については、まだ3人に話していません。又、話す機会を慎重にすべきとも考えています。 ※スーパーエイジャが、「光を集めてレーザーとして発射する」 事に気づきました。 ※「DISCを使うと死ぬ可能性がある」という吉良による情報を考慮に入れていますが、確定はさせていません。 【服部平次@名探偵コナン】 [状態]:健康。両頬が少し腫れている。 [装備]:スーパー光線銃@スクライド、木刀正宗@ハヤテのごとく、携帯電話 [道具]:支給品一式(食料一食消費)、首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、     色々と記入された名簿、ノート数冊、ノートパソコン@BATTLE ROYALE、     ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく(未開封)、     ギーシュの造花@ゼロの使い魔、スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険 (内容、使用方法不明)、     キュルケの杖、拡声器、     才人のデイパック(内容は支給品一式、バヨネット×2@HELLSING、      紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)未確認)   [思考・状況] 基本:江戸川コナンよりも早く首輪のトリック、事件の謎を解除する。 1:アミバのダイイングメッセージを解明し、また殺人ならばその犯人を見つける。 2:ルイズの最後の願いについてはどうするか。 3:シェリスを発見し、真実を明らかにする。 4:範馬勇次郎以外の光成の旧知の人物を探り、情報を得たい。 5:自分自身にバトルロワイアル脱出の能力があると偽り、仲間を集める(一時的に保留) [備考] ※劉鳳と情報交換を行い、シェリスの名前を知りました。 ※劉鳳、コナンの事は全面的に信用しています。吉良、神楽に対してはまだ保留しています。 ※自分自身にバトルロワイアル脱出の特殊能力があると偽る策を考えています。 ※バトルロワイアル脱出の特殊能力は10人集まらないと発動しません。(現時点での服部設定) ※脱出作戦を行うかはどうかは考え中。 ※バトルロワイアル脱出の特殊能力についてはまだ吉良に言っていません。そのうち時期を見て言うかは保留です。 ※銀髪銀眼の人物が殺し合いに乗った事を知りました。 ※バイクCB1000(現地調達品)は、民家から少し離れた路地に、シートを被せて隠しています。 ※コナンと二人で立てた仮説、「光成の他の主催者の可能性」「光成による反抗の呼びかけの可能性」「盗聴器を利用した光成への呼びかけの策」 等については、まだ3人に話していません。又、話す機会を慎重にすべきとも考えています。 ※スーパーエイジャが、「光を集めてレーザーとして発射する」 事に気づきました。 ※「DISCを使うと死ぬ可能性がある」という吉良による情報を考慮に入れていますが、確定はさせていません。 【劉鳳@スクライド】 [状態]:疲労中、全身に小程度のダメージ、左肩と腹部にダメージ中、右拳骨折治癒途中(包帯が巻いてある) [装備]:なし [道具]:支給品一式(食料一食消費)、4色ボールペン、色々と記入された名簿、スタングレネード×2 、タバサの眼鏡     タバサのデイパック(内容は液体窒素(一瓶、紙状態)、タバサの支給品一式 、色々と記入された名簿 [思考・状況] 基本:正義を全うし、ゲームとその主催者を断罪する。 1:アミバの遺志を背負い、正義をなす。 2:ルイズの最後の願いについてどうするか。 3:悪(主催者・ジグマール・DIO・アーカード・村雨)は断罪、弱者(シェリス、キュルケ、神楽)は保護。 4:シェリス・防人の知り合い・桐山の知り合い・核鉄を探す。 5:シェリスに事の真相を聞きだす。 [備考] ※絶影にかけられた制限に気付きました。 ※桐山・防人・服部・タバサ・吉良・コナンと情報交換しました。 ※平次の策に乗る気はありません。 ※銀髪銀眼の顔に傷のある人物が殺し合いに乗った事を知りました。 ※「DISCを使うと死ぬ可能性がある」という吉良による情報を考慮に入れていますが、確定はさせていません。 ※液体窒素の瓶(紙状態)、スタングレネードなどは、仲間の誰かに渡しても構わないと思っています。 【神楽@銀魂】 [状態] 軽度の疲労 [装備] 神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂 、ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(25.30)@HELLSING [道具]支給品一式×2(食料一食消費) 陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた 首輪 [思考・状況] 基本: 殺し合いに乗っていない人は守る、乗っている人は倒す。 1:ひとまずは、吉良たちと行動を共にする。 2:マダオ達を助けに行きアフロ(ジグマール)をぶっ飛ばす。 3:銀ちゃんと新八を殺した奴は許さない 4:新八を殺したのは一体……? [備考] ※原作18巻終了後から参戦。 ※新八を殺した人間について、吉良の可能性は今の所除外しています。 ※吉良がスタンド使いと知りません。 他の五人が行った情報交換の内容も正確には知りません。 ※吉良のことはある程度信頼しています。 ※キュルケとケンシロウについては細かいことをまだ四人に話していません。 ※「DISCを使うと死ぬ可能性がある」という吉良による情報を考慮に入れていますが、確定はさせていません。 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:左手消失(止血済み)、右手首裂傷、胸全体に真一文字の切り傷、出血、疲労、ストレス、核鉄による治癒中 [装備]:空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険、核鉄ニアデス・ハピネス@武装練金 (核鉄状態、治癒中) [道具]:支給品一式(一食消費)、核鉄ソードサムライX@武装錬金、     包帯・消毒薬等の治療薬、点滴用セット(十パック)     病院内ロッカーの鍵(中に千切れた吉良の左手首あり) [思考] 基本:心の平穏のため、自らの秘密を知る可能性のある者は全て始末する。主催者も含めて。 1:空条承太郎の記憶DISCを死守し、誰にも見せない。 2:引き続き核鉄による治癒を続ける。出来れば休息も取る。 3:顔に傷のある女(斗貴子)は襲ってきたら始末、マーティン・ジグマールを殺す。コナン、服部等も折を見て始末する。 4:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。 5:できる限り力無き一般人を演じる。スタンドも無力になっている風を装う。 6:もし脱出できるのであればしたい。 [備考] ※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。 ※『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。  しかし、『バイツァ・ダスト』が敗れたことを知り、翻って、『バイツァ・ダスト』に何らかの盲点、弱点があると考えています。 ※川田、ヒナギク、つかさ、服部、アミバ、劉鳳、コナンの情報を手にいれました。 ※左手を失い、シアーハートアタックの解除が不可能になりました。  吉良が死ぬまで永遠に、熱源を求めて周囲を動き回っています。  ただし、制限の影響で破壊できる可能性はあります。 ※自分がスタンド使いであることがばれ、平穏な生活が離れたことから強いストレスを感じてます。またそのため、自分をスタンド使いと教えたコナンに不快感を抱いています。 ※自分達の世界以外の人間が連れてこられていること、時代の違う人間が居ることに気付きました。 ※承太郎の記憶DISCの内容から、自分が負けたこと、死んだこと、それより先の未来で承太郎が負けた (死んだ、と思っている)事を知りました。 ※記憶をDISCにして抜き取る "黒い仮面を被ったような半身の溶けたスタンド" の事を知り、主催者なのではないかと疑っています。 ※アルター、核鉄について知りました。 ※核鉄、ソードサムライXの能力は知りません。また、所持していることは誰にも話していません。 [共通備考] ※劉鳳、服部、アーカードの持つ名簿には以下の内容が記載されています。  名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・  ルイズ・防人・カズキ・斗貴子・タバサ・キュルケ・コナン・服部 ・灰原  赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード・散・村雨  緑色の丸印が付けられているのは、蝶野 ※劉鳳、服部、コナンは吉良がスタンド使いということを知りました。 ※ルイズをF-3の川岸に埋葬しました。折れた軍刀は墓標として刺してあり、キュルケの杖、拡声器は服部が所持しています。 ※ルイズの最後の願いについてはまだ話し合っていません。 ※吉良はスタンドのルールについてはなにも言っていません。 ※アミバの持っていた支給品一式×3 (食料一食消費) は、F-2民家の中にあります。 ※アミバの持っていたノートパソコンには、大東亜共和国謹製のOSが組み込まれています。 ※今回分で、放送終了からおおよそ 30分~1時間程度の時間経過があると考えてください。 [[前編>今にも落ちてきそうな星空の下で]] |181:[[贈り物]]|[[投下順>第151話~第200話]]|183:[[I bet my belief]]| |181:[[贈り物]]|[[時系列順>第4回放送までの本編SS]]|183:[[I bet my belief]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|葉隠覚悟|196:[[地獄へ道連れ]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|川田章吾|196:[[地獄へ道連れ]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|&color(red){桂ヒナギク}|&color(red){死亡}| |177:[[今夜月の見える丘で]]|柊つかさ|196:[[地獄へ道連れ]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|桂ヒナギク|196:[[地獄へ道連れ]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|柊つかさ|196:[[地獄へ道連れ]]| ----
**今にも落ちてきそうな星空の下で(後編) ◆MANGA/k/d.  「大丈夫か、アミバ!」  真っ先に駆け込んできたのは劉鳳だった。  苛立たしいそぶりを見せてはいたが、もしかしたらアミバの身を最も案じていたのは、この男だったのかもしれない。  服部が内心危ぶんでいる劉鳳の性分…すなわち、自らが悪と直観的に判断した者は全て断罪するという潔癖な正義感は、意外にもアミバというかつての殺人鬼の今を許容している。  「どないしたんや!?」  続けて入ってきた服部が、そう驚きの声を上げる。  ベッドから降りているアミバ…いや、ベッドから転げ落ちているアミバは、這うようにして手足をばたつかせ、床を叩き、口を開いて何かを訴えようとしている。  「…まさか、声が出ないんじゃあ?」  最後に入ってきたコナンの問いに、かすれたうめきと、首を縦に振る激しい動きでアミバは答えた。  「吉良…顔色まだ良くないネ…。大丈夫か?」  よろめいた吉良に寄り添うように、神楽がそう問いかける。  「…ああ、有り難う、神楽君…。劉鳳に貰った核鉄とかいうヤツは、案外よく効いている様でね。  今は、少し調子が良いよ」  優しく、また、明るい声音だ。  「…なら、良かったネ」  赤毛の少女も又、少し安堵したようにそう返す。  銀時、新八と、立て続けに親しい仲間を失った神楽は、周りに対してそう振る舞い、また自分自身が自覚している以上に、心細さと孤独を感じている。  その反動が、彼ら仲間の死と立ち会う前後に出会った吉良への、普段の振る舞いからすればやや過剰なまでの気遣いに表れている。  言い換えればそれは、神楽自身が吉良に対して、自分を気遣い、優しくして欲しいという深層心理の表れなのだが、本人がそのことを自覚することはないだろう。  「君は…」  真っ黒な、大きな瞳で、覗き込むように吉良が神楽を見据える。  不意の視線に、少女はひるむ。  今まで、こんな風な眼差しで見られたことはない。  「結構、美しい手をしているな…」  ささやくように、あるいは呟くように、吉良がそう言った。  何故か、神楽は心臓がじくりとした。  それがどんな感情のによる働きなのか…やはり神楽自身にも分からないし、和本人がそのことを自覚することはないだろう。  「どうした、アミバ? 何か言いたいことがあるのか?」  どん、どんどん、どん…。  目を見開き、口を大きく開けて、アミバは床を叩いている。  「あかん…吉良はん! ちょっと、来てくれ! 何があったんや…!?」  服部が叫ぶ。  コナンが駆け出して部屋を出ようとするのと同時に、神楽に寄り添われるようにした吉良がドアの所へとやってくる。  「吉良さん! 核鉄を…」  「一体…どうしたんだ? アミバ君は…」  アミバの動きがより激しくなる。  右手を高く掲げ、こちらを指さし、左手は激しく床を叩き…。  「おい、アミバ…!?」  そのまま。  びくりと仰け反るように痙攣して。  口から大量の血を吐き出し。  動かなくなった。  「………私には関係ない事だと…そんなに信憑性のある話でもないと…そう思ったから、ほとんど忘れていたし………たいして信じても居なかったよ…。  だが…まさか…いや…。  『コレ』がそうなのか…?  今ここで、これだったとでもいうのか…?  そんな馬鹿なことが…いや…馬鹿げたことが…  こんな馬鹿げたことがあって良いのか………?」  誰に言うでもない、吉良の呟き。  アミバの横にうずくまっていた劉鳳が、悲痛な面持ちのまま立ち上がり、叫ぶ。  「…それでは…アミバが死んだのはあのDISCを試してみたからだというのか!?  俺たちがあのDISCを使うことを止めていれば、死ななかったとでも言うのかッ!?」  「…いや…それは…分からない。  さっきも言ったが、何の確証もないんだ。  私の聞いた "何か" がDISCかどうかも分からないし、そもそもそれによって人が死ぬことがあると言うことだって本当かどうか…」  劉鳳の剣幕に、気圧されるようにして吉良が後ずさる。  その吉良をかばうように、  「吉良は何も悪くないネ! 怒る相手間違ってるアル!」  神楽が劉鳳に立ちはだかる。  劉鳳は唇をかみしめる。  その通りだ。  少なくとも今は、その通りなのだ。  固く拳を握りしめ、劉鳳は部屋を出る。  「俺が…ッ」  誰とも視線を合わせず、真っ直ぐな歩みで、劉鳳が叫ぶ。  「カズマの…そしてアミバの "反逆" も…俺の "正義" も…。  全て背負う!  このふざけたゲームを断罪する!」  その響きが、劉鳳の去った後も部屋の中に残り、こだましているかのようだった。  その横で服部平次は、生命の抜け落ちたアミバの亡骸を調べている。  「死因は…おそらく内臓…胃が破裂したんやないかな…」  「この出血量は、そうだろうな」  床に広がるおびただしい血だまりを見ながら、コナンが言葉を引き継いだ。  昏倒して、倒れていたときにはこんな気配はなかった。  強い衝撃を受けたわけでもなく、突然胃が破裂するとはどういう事なのか?  「吉良さん」  少年は顔を上げ、ドアの近くに立っていた吉良に尋ねる。  「あ…ああ、何だい、コナン君?」  「アミバさんが目を覚ましたときの様子は、どうだったの?」  あどけない、と言っても良い年頃の少年の表情は、恐怖でも混乱でもなく、内に秘めた激しい怒りと、鋭い叡智を秘めている。  「私は…彼が目を覚ましたとき、すぐに君たちに知らせなくてはと思い…彼の様子を細かく観察する余裕が無かった。  会話もしなかったよ…。だから、声のことも分からないんだ。  済まない。そのとき私が、彼の異常…異常の前兆を見つけては居れば……」  右手で顔を覆う様にし、沈痛な声でそう告げる。  「吉良はんがここを出て…居間に知らせに来て…数分…長くて5~6分、てトコやな…。  その間に、この部屋に侵入して、アミバはんに致命傷を負わせて…逃走する」  「まず、無いな…」  「毒物…も、可能性はなくはないが…」  「いつ、どうやって摂取させたかが分からねぇし…ただの毒物にしては、この出血は多すぎる」  淡々と、可能性を挙げて、それを消去する。  「その…胃を爆破させる様な毒物なんてものは…あるのか?」  吉良がそう口を挟む。  「いや、聞いたことあらへん」  それに対しての服部の回答は、身も蓋もない。  その通りだ。  トリックだとか毒だとか、そんなものでどうにか出来る様な死ではない。  そのことが、二人には十分分かっている。  ましてや。  「スタンドだとか、アルターだとか…核鉄だとか…」  「分からんもんが多すぎや!!」  通常の殺人事件と同じように考えて、分かるわけがないのだ。  「彼が…その、アミバ君が使うと言っていた…何…何とか拳だとか…」  「北斗神拳?」  「そう、それだ」  「…まぁ、こういう感じなのかもしれんなぁ…」  アミバが使うと言っていた北斗神拳は、曰く、経絡を突くことで人体を意のままに操り、あるいは内部から破裂させて殺害せしめることの出来る暗殺拳なのだという。  「あ」  神楽が声を上げる。  「それなら、筋肉ダルマが使っていたネ。私が見たのは、嘘かホントか自白させるとか言うヤツだったけど…あんなの全然信用できないアル」  神楽が言っているのはケンシロウのことであり、又彼女が見たのは、病院に殺人鬼の集団が待ちかまえているという美形…ジグマールの言い分の真偽を確かめるために、意志と関わらず真実を口にする新一という経絡秘孔を突いたときのことだ。  実際にはその前に、北斗繰筋自在脚で身体の自由を奪われるはめになっていたのだが、そのことは語らない。(嫌なことなので忘れているのかもしれないが)  神楽は思い返す。  ジグマールの言ったことは完全なデタラメで、病院に居た銀時たちは当然のことながら殺人鬼の集団などではなかった。  それどころか、銀時も新八も殺人鬼と戦い殺され、病院で一緒にいたという吉良も又、殺人鬼と戦い左手を失う大怪我を負っている。  筋肉ダルマは、強いかもしれないがいい加減で信用ならない。  あんなのと一緒にいるマダオ…まるでだめなおっぱいお化けのキュルケが心配だと、神楽はぼんやりと考える。  「その…いいかな」  吉良が遠慮がちにそう切り出す。  「彼を…ベッドに寝かせてあげないか?」  「…せやな」  床に倒れ伏したままのアミバの遺体を、先ほどまで寝ていたベッドに寝かせようと、平次と…そして促されて神楽が運ぶ。  その上で、見開かれている目を閉じ…毛布を掛けて、最後にコナンが、顔に布を被せた。  これ以上、そこで語れることは無い。  言葉もなく、彼らはこの部屋を後にする。  最後に残った少年…江戸川コナンが、物言わぬアミバの遺体に、小さく語りかけた。  「なぁ…アミバさん…。  あんた、最後に一体何が言いたかったんだ?  俺たちに、何を伝えたかったんだ?」  ◆◆◆  吉良吉影は考える。  ここまでは、まぁまぁ巧くやった。  DISCが死に繋がるかもしれない可能性を示唆したことで、奴らが私の隠し持っている "空条承太郎の記憶DISC" を見る確率は減る。それに、無力な者がスタンドで自らを強化しようという発想も減らせるだろう。  アミバの始末も、及第点だ。  これが常ならば、誤魔化しきるのは難しいだろう。  それでも、こんなに神経を使う爆破は滅多に無い。  最初は、アミバの身体を爆弾に変えて、残りの三人を全て爆破させる手も考えた。  が、これは三人同時に爆殺出来ない場合、確実に自分に嫌疑がかかる危険性がある。  あの神楽でさえ、新八、アミバと、立て続けに私の周りで人が爆死する異常事態が起これば、疑ってくるに違いない。  また、それだけの大きな爆発をさせるとなると、音や衝撃を抑えるのも難しく、どうしても目立ってしまうだろう。  しとめるときは、確実に、そして目立たぬようにする…。  それが、いつにもまして求められている。  異常事態だからこそ、多少強引に出来る所もあるが、集団だからこそ、より慎重にならねばならない面もある。  神楽は、比較的簡単に御せる様だし、戦力として残せる。  劉鳳は、敵に回すのは厄介ではあるが、味方としては使えそうだ。  何より、彼のアルター、『絶影』は、あの美形にすら 「手強い」 といわせる程のものらしい。  だとしたら、一撃で確実にしとめられるときまでは、トラブルを起こすのは控えた方が良さそうだ。  恥を忍んで、みっともなく慌てたり怯えたり、さらにはあのしみったれたクソのカスのような大男の死を悼む芝居をしたりしたのだ。  彼らには私を守る役に立って貰わねば割に合わない。  この二人が、銀髪傷女と美形をやっつけてくれればしめたものだ。  江戸川コナン…。  こいつは、厄介だ。  あれほどまでに殺人を忌避していたのに、実際に人の死を目の当たりにしても、怯える気配がない。  ちょっと前までオムツを穿いていたようなクソガキのくせに、早人以上に肝が据わっている。  その上、思考力は大人顔負けに鋭い。  あの場で、ああまで簡単に死因を当てられるとは思っていなかった。  アミバに飲ませたコップの水。  その中に、爆弾に変えた破片を入れておいた。  とにかく、目立った外傷も無く殺し、死体が消え失せるという不審な状況を回避するためには、内部を破壊する方が良い。  だから、爆弾を飲み込ませたかった。  砂糖を溶かして入れていた分、破片の違和感に注意が向かなかったのだろう。  危ういが、これには成功した。  そして、彼ら衆目の場で、自分が一番離れた位置にいるときに、こっそりとスイッチを押す。  目撃者は全員。容疑者も全員。  私が爆弾のスタンドを持っていると知らなければ、分かるわけもないハズだし、それが殺人なのかどうかも分からない。  だが…。  スタンドやアルターという超常能力に対しての知識がないため、その思考パターンは今のところ制限されている様だが、それでもあの小僧には、油断がならない何かを感じる。  以前のように、いかにも子供然とした無邪気さ (あれは、ともすれば芝居だったのでは?) 等みじんもない、どっしりとした目つきが気に入らない。  そしてまた、コナンの友人だという服部というガキとも、相性がよさそうなのが面倒だ。  この二人は…出来るだけ機会を見つけて、始末をしたいところだ。  全員、始末は付ける。  この吉良吉影の平穏を阻む邪魔者は、全て例外なく始末を付ける。  そしてもう一つ。  もしかしたら、という可能性を考える。  どこかに、この吉良吉影の記憶DISCというものがあるのではないか、という可能性を。  現に、参加者としてここに居たはずの空条承太郎…私が居たときよりも未来の空条承太郎の記憶が、DISCとして配られていたのだ。  あの黒い仮面のスタンドが、同様に私の…あるいは他の参加者の記憶をDISCにしていないとは断言できないのではないか?  だとしたら…。  それも又確保しなければならない。  そして、だとしたらあの黒い仮面のスタンド使いも始末しなければならない。  それが、私の "平穏"な人生に繋がり、"幸福" へと至る道なのだ…。  ◆◆◆  「工藤…」  小さい声で、服部平次は江戸川コナン…高校生探偵の工藤新一へと語りかける。  「アミバはんの…最後のアレ…」  「ああ、分かってる」  「…やな」  顔も合わせずに、二人は意思の確認を行う。  吉良吉影の疑念は、正しかった。  この二人は、決して油断してはならない相手なのだ。  そして又、吉良吉影は誤算をしていた。  それは、アミバという男を、ただの無知で無教養な拳法家と思ったことだ。  アミバは、紛れもなく傑出した才の持ち主だった。  門外不出。本来ならば一子相伝の秘拳、北斗神拳。  それを、見よう見まねで不完全ながらも習得してしまうというのは、まず不可能なことなのだ。  そんなことが容易くあり得る様なら、そんなものは秘拳などではない。  アミバは、ただ単に筋肉にモノを言わせて喧嘩をするだけの乱暴者でも野蛮人でもない。  知識も教養も、人並み以上に持っている男であった。  だがしかし、だからこそ。  そこに起因する驕慢と…そして何より、拳法において彼を凌駕する才の持ち主、ラオウ、トキ、ケンシロウと言った破格の天才達が、同じ時代に彼より先を行っていたことが、彼と、又、彼に関わってしまった犠牲者達の悲劇の元であった。  彼はただ、苦し紛れに床を叩いていたのではない。  床を叩くことで、モールス信号を送っていたのだ。  キ・ラ・ハ・サ・ツ・ジ・ン・キ…。  繰り返し、彼は床を叩き、メッセージを送っていた。  承太郎のDISCから知り得たことを、可能な限り送っていた。  万全な状態ではないため、些か不完全だったかもしれない。  記憶違いの所もあったかもしれない。  きちんと伝わったかどうかは、定かではない。  だがしかし、コナンと服部は、それに気がついていた。  アミバが必死に、メッセージを送っていたことに気がついていた。  そのことを、吉良はまだ知らない。  アミバが死に瀕して残したメッセージの存在を、吉良はまだ知らない。  今にも落ちてきそうな星空の下で、秘密と謎と、残された遺志が交錯する。  *--------------------* &color(red){【アミバ@北斗の拳:死亡確認】} &color(red){【残り30人】} 【F-2 民家/一日目 夜】 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:全身打撲。疲労大。左肩と全身に湿布と包帯。強い決意。 [装備]:ハート様気絶用棍棒@北斗の拳 、懐中電灯@現地調達 包帯と湿布@現地調達 [道具]:基本支給品(食料一食消費)、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険、鷲巣麻雀セット@アカギ、 [思考] 基本:この殺し合いを止める 1:アミバのダイイングメッセージを解明し、また殺人ならばその犯人を見つける。 2:ルイズの最後の願いを叶えたい。 3:覚悟さん達と合流 4:ゲームからの脱出 5:ジグマールを警戒 6:範馬勇次郎以外の光成の旧知の人物を探り、情報を得たい。 7:スーパーエイジャを慎重に扱う。 [備考] ※メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。 ※自分達の世界以外の人間が連れてこられていることに気付きました ※川田、ヒナギク、つかさ、服部、劉鳳、アミバの情報を手に入れました。 ※平次と二人で立てた仮説、「光成の他の主催者の可能性」「光成による反抗の呼びかけの可能性」「盗聴器を利用した光成への呼びかけの策」 等については、まだ3人に話していません。又、話す機会を慎重にすべきとも考えています。 ※スーパーエイジャが、「光を集めてレーザーとして発射する」 事に気づきました。 ※「DISCを使うと死ぬ可能性がある」という吉良による情報を考慮に入れていますが、確定はさせていません。 【服部平次@名探偵コナン】 [状態]:健康。両頬が少し腫れている。 [装備]:スーパー光線銃@スクライド、木刀正宗@ハヤテのごとく、携帯電話 [道具]:支給品一式(食料一食消費)、首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、     色々と記入された名簿、ノート数冊、ノートパソコン@BATTLE ROYALE、     ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく(未開封)、     ギーシュの造花@ゼロの使い魔、スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険 (内容、使用方法不明)、     キュルケの杖、拡声器、     才人のデイパック(内容は支給品一式、バヨネット×2@HELLSING、      紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)未確認)   [思考・状況] 基本:江戸川コナンよりも早く首輪のトリック、事件の謎を解除する。 1:アミバのダイイングメッセージを解明し、また殺人ならばその犯人を見つける。 2:ルイズの最後の願いについてはどうするか。 3:シェリスを発見し、真実を明らかにする。 4:範馬勇次郎以外の光成の旧知の人物を探り、情報を得たい。 5:自分自身にバトルロワイアル脱出の能力があると偽り、仲間を集める(一時的に保留) [備考] ※劉鳳と情報交換を行い、シェリスの名前を知りました。 ※劉鳳、コナンの事は全面的に信用しています。吉良、神楽に対してはまだ保留しています。 ※自分自身にバトルロワイアル脱出の特殊能力があると偽る策を考えています。 ※バトルロワイアル脱出の特殊能力は10人集まらないと発動しません。(現時点での服部設定) ※脱出作戦を行うかはどうかは考え中。 ※バトルロワイアル脱出の特殊能力についてはまだ吉良に言っていません。そのうち時期を見て言うかは保留です。 ※銀髪銀眼の人物が殺し合いに乗った事を知りました。 ※バイクCB1000(現地調達品)は、民家から少し離れた路地に、シートを被せて隠しています。 ※コナンと二人で立てた仮説、「光成の他の主催者の可能性」「光成による反抗の呼びかけの可能性」「盗聴器を利用した光成への呼びかけの策」 等については、まだ3人に話していません。又、話す機会を慎重にすべきとも考えています。 ※スーパーエイジャが、「光を集めてレーザーとして発射する」 事に気づきました。 ※「DISCを使うと死ぬ可能性がある」という吉良による情報を考慮に入れていますが、確定はさせていません。 【劉鳳@スクライド】 [状態]:疲労中、全身に小程度のダメージ、左肩と腹部にダメージ中、右拳骨折治癒途中(包帯が巻いてある) [装備]:なし [道具]:支給品一式(食料一食消費)、4色ボールペン、色々と記入された名簿、スタングレネード×2 、タバサの眼鏡     タバサのデイパック(内容は液体窒素(一瓶、紙状態)、タバサの支給品一式 、色々と記入された名簿 [思考・状況] 基本:正義を全うし、ゲームとその主催者を断罪する。 1:アミバの遺志を背負い、正義をなす。 2:ルイズの最後の願いについてどうするか。 3:悪(主催者・ジグマール・DIO・アーカード・村雨)は断罪、弱者(シェリス、キュルケ、神楽)は保護。 4:シェリス・防人の知り合い・桐山の知り合い・核鉄を探す。 5:シェリスに事の真相を聞きだす。 [備考] ※絶影にかけられた制限に気付きました。 ※桐山・防人・服部・タバサ・吉良・コナンと情報交換しました。 ※平次の策に乗る気はありません。 ※銀髪銀眼の顔に傷のある人物が殺し合いに乗った事を知りました。 ※「DISCを使うと死ぬ可能性がある」という吉良による情報を考慮に入れていますが、確定はさせていません。 ※液体窒素の瓶(紙状態)、スタングレネードなどは、仲間の誰かに渡しても構わないと思っています。 【神楽@銀魂】 [状態] 軽度の疲労 [装備] 神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂 、ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(25.30)@HELLSING [道具]支給品一式×2(食料一食消費) 陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた 首輪 [思考・状況] 基本: 殺し合いに乗っていない人は守る、乗っている人は倒す。 1:ひとまずは、吉良たちと行動を共にする。 2:マダオ達を助けに行きアフロ(ジグマール)をぶっ飛ばす。 3:銀ちゃんと新八を殺した奴は許さない 4:新八を殺したのは一体……? [備考] ※原作18巻終了後から参戦。 ※新八を殺した人間について、吉良の可能性は今の所除外しています。 ※吉良がスタンド使いと知りません。 他の五人が行った情報交換の内容も正確には知りません。 ※吉良のことはある程度信頼しています。 ※キュルケとケンシロウについては細かいことをまだ四人に話していません。 ※「DISCを使うと死ぬ可能性がある」という吉良による情報を考慮に入れていますが、確定はさせていません。 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:左手消失(止血済み)、右手首裂傷、胸全体に真一文字の切り傷、出血、疲労、ストレス、核鉄による治癒中 [装備]:空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険、核鉄ニアデス・ハピネス@武装練金 (核鉄状態、治癒中) [道具]:支給品一式(一食消費)、核鉄ソードサムライX@武装錬金、     包帯・消毒薬等の治療薬、点滴用セット(十パック)     病院内ロッカーの鍵(中に千切れた吉良の左手首あり) [思考] 基本:心の平穏のため、自らの秘密を知る可能性のある者は全て始末する。主催者も含めて。 1:空条承太郎の記憶DISCを死守し、誰にも見せない。 2:引き続き核鉄による治癒を続ける。出来れば休息も取る。 3:顔に傷のある女(斗貴子)は襲ってきたら始末、マーティン・ジグマールを殺す。コナン、服部等も折を見て始末する。 4:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。 5:できる限り力無き一般人を演じる。スタンドも無力になっている風を装う。 6:もし脱出できるのであればしたい。 [備考] ※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。 ※『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。  しかし、『バイツァ・ダスト』が敗れたことを知り、翻って、『バイツァ・ダスト』に何らかの盲点、弱点があると考えています。 ※川田、ヒナギク、つかさ、服部、アミバ、劉鳳、コナンの情報を手にいれました。 ※左手を失い、シアーハートアタックの解除が不可能になりました。  吉良が死ぬまで永遠に、熱源を求めて周囲を動き回っています。  ただし、制限の影響で破壊できる可能性はあります。 ※自分がスタンド使いであることがばれ、平穏な生活が離れたことから強いストレスを感じてます。またそのため、自分をスタンド使いと教えたコナンに不快感を抱いています。 ※自分達の世界以外の人間が連れてこられていること、時代の違う人間が居ることに気付きました。 ※承太郎の記憶DISCの内容から、自分が負けたこと、死んだこと、それより先の未来で承太郎が負けた (死んだ、と思っている)事を知りました。 ※記憶をDISCにして抜き取る "黒い仮面を被ったような半身の溶けたスタンド" の事を知り、主催者なのではないかと疑っています。 ※アルター、核鉄について知りました。 ※核鉄、ソードサムライXの能力は知りません。また、所持していることは誰にも話していません。 [共通備考] ※劉鳳、服部、アーカードの持つ名簿には以下の内容が記載されています。  名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・  ルイズ・防人・カズキ・斗貴子・タバサ・キュルケ・コナン・服部 ・灰原  赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード・散・村雨  緑色の丸印が付けられているのは、蝶野 ※劉鳳、服部、コナンは吉良がスタンド使いということを知りました。 ※ルイズをF-3の川岸に埋葬しました。折れた軍刀は墓標として刺してあり、キュルケの杖、拡声器は服部が所持しています。 ※ルイズの最後の願いについてはまだ話し合っていません。 ※吉良はスタンドのルールについてはなにも言っていません。 ※アミバの持っていた支給品一式×3 (食料一食消費) は、F-2民家の中にあります。 ※アミバの持っていたノートパソコンには、大東亜共和国謹製のOSが組み込まれています。 ※今回分で、放送終了からおおよそ 30分~1時間程度の時間経過があると考えてください。 [[前編>今にも落ちてきそうな星空の下で]] |181:[[贈り物]]|[[投下順>第151話~第200話]]|183:[[I bet my belief]]| |181:[[贈り物]]|[[時系列順>第4回放送までの本編SS]]|183:[[I bet my belief]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|江戸川コナン|196:[[地獄へ道連れ]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|劉鳳|196:[[地獄へ道連れ]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|&color(red){アミバ}|&color(red){死亡}| |177:[[今夜月の見える丘で]]|服部平次|196:[[地獄へ道連れ]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|神楽|196:[[地獄へ道連れ]]| |177:[[今夜月の見える丘で]]|吉良吉影|196:[[地獄へ道連れ]]| ----

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