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**AFTER_THE_PERIOD(後編) ◆6YD2p5BHYs ――コポッ。コポッ。 無数の容器の中を循環する液体が、静かに音を立てる。 六角形を基調とした奇妙な部屋の中、何かを咀嚼する音に混じって、会話が続く。 「ところで、のーみそ。この『アンダーグラウンド・サーチライト』、BADAN側にどれほど隠し通せる?」 『そうね……入り口はさっき封鎖して偽装したから、こちらから開かない限り、半日は隠し通せると思うわ』 「…………おい」 「半日も持てば十分か。向こうの動きを探る手段は?」 『予めライフラインと一緒に、こっそりサザンクロス内部の通信回線を引き込んでいるわ。  大雑把な動きでよければ、これで掴めるでしょう』 「ふむ。……それにしても、『コレ』は不味いな。好き好んで喰う奴の気が知れん」 『あら。娘は美味しい美味しいって食べてた自慢の一品なのに。やっぱりミートパイにしないとダメかしら』 「…………おいっ!! なに呑気に食い物の話なんてしてんだよっ!」 いくら呼びかけても振り返らぬ2人に、少年はとうとう声を荒げる。 少年。 そう……パピヨンに『命と引き換えに』三影の復活を頼んだはずの、ジュクの秀だった。 苛立つ彼に、パピヨンは手にした『肉の塊』(?)を齧りながら振り返る。 「なんだ、お前も喰いたいのか? だが人間にはあまりお勧めできんな。倫理的に同族喰いはマズいぞ」 「そういう意味じゃねぇよ! なんでそのっ、お前っ……!」 「『お前』じゃない。『カイザーパピヨン』と呼べ。それも、もっと畏怖を込めて」 むしゃむしゃ。ごっくん。食べかけの肉塊を飲み下すと、パピヨンは秀に向き直る。 「貴様は、俺に命を預けて見せた。口約束を反故にされかねない状況で、命を差し出して見せた。  そんな信頼を寄せられて、そう簡単に殺せるわけがないだろう。  せいぜい、命がけで働いてもらうぞ。  その働き如何では、後で改造人間にでも人間型ホムンクルスにでも、何でもしてやる」 そう――最初っからパピヨンは、秀を『喰らう』つもりなど無かったのだ。 試したかったのは、彼の忠誠心。彼の覚悟。 そして刷り込みたかったのは、帝王カイザーパピヨンへの畏怖。 消耗回復のための食事は、別にアテがあった。 あの時、横から声を上げかけた、アレキサンドリア。 無数の脳から成る彼女の身体はクローン培養で増やされたものであり、そしてその培養は、時に失敗する。 そして彼女の『現状』を維持するには、クローン培養は常に続けなければならない。 パピヨンと同様のホムンクルスであった、アレキサンドリアの娘・ヴィクトリアの『主食』。 アレキサンドリア・パワードの『クローン失敗体』。 クローンとしては失敗作としても、十分に『人間の肉体』だ。ホムンクルスの栄養源にはなる。 ヴィクトリアはこれをミートパイの形などに調理し、『ママの味』などと嘯いていたものだが…… 「不味い上に、まだまだ足りんな。おいのーみそ。『ミートパイ』の『材料』、あるだけ全部よこせ」 『はいはい。そこに保管してあるから、いくらでもどうぞ』 「それと秀。お前も休める時に休んでおけ。  また『ヘルメスドライブ』を使うことになるかもしれんからな」 「いや、それはいいけど、これからどうすんだよ、パピヨン……いや、帝王様よォ」 秀は不安げな声を上げる。まあ、それはそうだろう。 BADANの強さ、怖ろしさは、彼自身がよく知っていることなのだ。 パピヨンはそんな彼の前で、チッチッ、と指を振って見せた。 「まあ焦るなよ♪  おそらく、そう遠くないうちにBADANに大きな動きがある。  俺たちを無視して、BADANに戦いを挑む連中が出てくる。  それに乗じて、俺たちも動けばいい。  『帝王』とその一味を甘くみた連中を――最高のタイミングで、横合いから、思い切り、殴りつけるのさ♪」 パピヨンは考える。 エンリコ・プッチは、いつかきっと反乱を起こす。 会場内に残った生存者たちも、いつかきっと、サザンクロスに突入してくる。 行動を起こすとしたら、まさにその時だ。BADANが彼らに対して全力を投入している隙に――奇襲する。 技術や人材や、核鉄などの重要アイテム。これらを横から、奪い取る。 『時と世界を超える技術』も奪えるのなら奪えば、例えばアレキサンドリアの帰還を果たすこともできる。 当面の目標は、『帝王』として従えるに値する『部下』の確保。 畏怖をもって皆を支配する道……そのためには、力が必要だ。 圧倒的な、力が必要だ。 幸い――準備の時間はある。 現在この『アンダーグラウンド・サーチライト』は、サザンクロスの床面から展開している。 しかし避難壕本体は亜空間に位置し、出入り口も偽装や移動させることが出来て。 BADANサイドがパピヨンたちを探そうとしても、相当の時間、誤魔化すことが出来る。 回復や、作戦の検討の時間が作れる。。 (再生処理中の死体。  のーみそ。  ただのガキ。  『帝王』の『最初の部下』としてはなんともしまらんが……今は仕方ないか♪) タイガーロイドの再生が間に合うかどうかはまだ分からず、再生しても素直に従うかどうかはまだ不明。 他人を乗っ取れるアレキサンドリアの武装錬金は便利だが、当のアレキサンドリアがいつまで持つものやら。 そして、ある程度の装備は手元にあるものの、当人はただの無力な少年でしかない秀。 部下としては、実に不安の募る陣容ではある。だが。 (闇の帝王たるDIO。世界、いや全ての平行世界をも支配せんとするBADAN。  さらなる高みの存在を知って、羽撃かずにいられる俺ではないッ!  いや、奴らのさらに先には、奴らでさえ未だ届かぬ広い空が広がっているッ!) この地に呼び出される前の彼なら、そんなこと考えもしなかったろう。 武藤カズキも泉こなたも居ない世界など何の意味もない、と絶望に落ち込んでいたかもしれない。 だが、パピヨンは既に知ってしまった。パピヨンには見えてしまった。 世界をただ燃やし尽くすよりも遥かに深い、偽善の対極にある道――。ならば。 (エンリコ・プッチ。確かに今の俺は貴様すらも満足させられない存在かもしれない。  従える部下も、今はどうしようもない雑魚ばかりなのかもしれない。だがな) 「俺は必ずや、更なる高みにまで翔んでみせるっ!  いずれ全てを支配する帝王、カイザーッ、パピ、ヨンッ!  その蝶・華麗なる名を、畏怖と共に、心に刻み付けろッ!」 帝王カイザーパピヨンの覇道は、まさにここから始まるのだ。 【マップ外/『アンダーグラウンド・サーチライト』内 二日目/昼】 【パピヨン@武装錬金】 [状態]:疲労(大)、ドブ川の濁ったような瞳、帝王への決意、首輪解除済み。食事で回復中。 [装備]:ライドル@仮面ライダーSPIRITS、マイクロウージー(9ミリパラベラム弾32/32)、予備マガジン2、     アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙     サンライトハート(核鉄状態&首輪巻かれている)@武装錬金     ニアデスハピネス・アナザータイプ=核鉄(激戦)@武装錬金(ニアデスハピネスとしては消耗大)、     ヘルダイバー@仮面ライダーSPIRITS、ライダーマンのヘルメット@仮面ライダーSPIRITS     ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾1発、劣化ウラン弾、残弾0発)@HELLSING、 [道具]:支給品一式、ターボエンジン付きスケボー@名探偵コナン     地下鉄管理センターの位置がわかる地図、地下鉄システム仕様書     ルイズの杖、参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿、首輪探知機@BATTLE ROYALE、     首輪(鳴海)、解除済みの首輪の残骸×2(赤木、川田)、ツールセット、不明支給品1(未確認)     アレクサンドリア・パワードのクローン失敗体(人間数人分) [思考・状況] 基本:BADANを打倒し自らの部下を揃え、蝶華麗なる帝王・カイザーパピヨンとして世界に君臨する。 1:他の生存者やプッチの行動によって、BADANに何か動きが起きるまで待つ。 2:タイガーロイドの再生・復活を試みる。 3:ジュクの秀、アレキサンドリア、(再生すれば)タイガーロイド、を部下として、BADANを打倒し技術を奪う。 4:赤木、プッチ、大首領に自分を舐めたことを後悔させる。 [備考] ※猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険、「目に入ったものを全力で破壊する」命令のDISCは、  パピヨンが逃げる際の囮として置き去りにされ、暗闇大使の手で破壊されました。 【アレキサンドリア・パワード@武装錬金】 [状態]:健康。寿命が近い?(正確な残り時間は不明) [装備]:(ルリヲヘッド@武装錬金)、大量の脳の培養槽 [道具]:研究施設(核鉄関連の設備、再生怪人関連の設備) [思考・状況] 基本:寿命が来る前に、娘の所に戻って最期の遺言を伝える。そのためにBADANに反逆する。 1:当面はパピヨンに従い協力する。 【ジュクの秀(小島秀紀)@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:疲労(大)。Dr.アレクへの信頼。パピヨンへの恐れと信頼。 [装備]:コンバットロイドの強化服、アンダーグラウンド・サーチライト(展開中)@武装錬金、      闘争心誤読装置・試作型(腕輪型)、      ルリヲヘッド(アレクサンドリアのコントロール下で発現中)@武装錬金 [道具]:核鉄(ヘルメスドライブ)@武装錬金、 [思考・状況] 基本:三影のアニキ(タイガーロイド)を復活させる。現BADANへの不信と疑い。 1:当面はパピヨンに従い、命がけで協力する。 2:パピヨンが三影を復活させることに期待。 3:三影が復活し、三影がパピヨンと対立しないのなら、その後もパピヨンに従って動く。 [備考]:ここにいる三影とは、出身の時間軸が異なります。そのことを既に理解しています。 【三影英介@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:死亡済み。現在再生処置中 [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況]:?? [備考]: マップ外に放置されていた彼の遺体は、ジュクの秀の手で(ヘルメスドライブで)秘密裏に回収されました。 暗闇大使を始めとした、BADAN上層部はまだその事実に気付いていません。 現在、アンダーグラウンド・サーチライト内のアレキサンドリアの研究室で、再生処置を受けている最中です。 [備考]: パピヨンは、独自の技術(動物型ホムクルスを再生させる技術)の応用で、 三影を『魂のない再生怪人』でなく、知性ある再生怪人として復活させられる可能性があると踏んでいます。 ただし、今の限られた時間と状況の中でそれが可能なのかどうかは分かりません。 (特に、強化外骨格に、会場内で死んだ死者の魂が取り込まれている状況下においては……?) (初出の重要アイテム) 【闘争心誤読装置・試作型(腕輪型)@オリジナル(武装錬金)】  BADANに誘拐されたアレキサンドリア・パワードが開発した、闘争心誤読装置の試作第一号。  (なお、開発時の名称は『闘争心同調フィルター』)  黒い核鉄・白い核鉄の開発にも関わったアレキサンドリアの技術の結晶。  この設計図を元に、後に伊藤博士たちのチームが小型化し量産し、首輪の中に組み込んでいる。  (なお、伊藤博士のグループは、この基本の製法の出所を正確には知っていない)  サイズと形状以外は、首輪の中に仕込まれている「闘争心誤読装置」と同じもの。電源不要。  腕輪の型をしており、片方の手首に装着して使う。  これをはめた手に持って発動させた武装錬金は、「その核鉄の元の持ち主の武装錬金」になる。  現在は「魂なき再生怪人に武装錬金を使用させる研究」のため、アレキサンドリアの手元に残されていた。  ゼロから製作するには時間も材料も要するため、今から新たに作り出すのは状況的に困難。 【コンバットロイドの強化服@仮面ライダーSPIRITS】  BADANの低級戦闘員・コンバットロイドに与えられる、身体強化機能のある服。全身タイツ状。  「ライダーマンのヘルメット」同様、強化や改造といった身体操作を受けていない「ただの人間」用の装備。  着用することで防御力や身体能力は向上するが、改造処置を受けたコマンドロイドには大きく劣る。 【アンダーグラウンド・サーチライトの核鉄@武装錬金】  避難壕(シェルター)の武装錬金。核鉄番号はLⅠ(51)。  本来の持ち主は、アレキサンドリアの娘、ヴィクトリア・パワード。  壁や地面に、六角形を基調としたデザインの、巨大な避難壕を作ることが出来る。  避難壕は亜空間に存在しており、入り口を閉じた状態では発見が困難。  ライフラインを周囲から引っ張り込むことが出来、また、1ヶ月程度は自給も可能。 【ルリヲヘッドの核鉄@武装錬金】  兜(ヘルム)の武装錬金。核鉄番号はL(50)。アレキサンドリア・パワードの武装錬金。  特性は被った人間に取り付き、その身体を支配し操作すること(発動者以外に被せること前提の性質)。  被った人間の記憶や思考を探ることも出来、また、その気になれば被った者の意識を保つことも出来る。  兜にはマント、及び帯状の紐や先端にナイフのついた紐がついており、これらを操っての戦闘も可能。  装着者がいなくても、ある程度ならば共鳴音を利用し会話をすることも出来る。  なお、原作中では女性の方がシンクロ率が高くなる、という説明があった。 【ヘルメスドライブの核鉄@武装錬金】  探知機(レーダー)の武装錬金。核鉄番号はXCV(95)。本来の持ち主は楯山千歳。  核鉄そのものを巨大化させたような六角形の板で、片面にレーダーの画面がついている。  非常時にはそれ自体が盾や打撃武器になる頑強さを兼ね備える。  その特性は索敵、及び瞬間移動。移動できるのは成人2人分が限界(使用者+1名)。   (以上3つの核鉄は、アレキサンドリアが『研究とその効率化のため』BADAN側に提供させたもの。  BADAN側は『本来の持ち主の手にない』これらの核鉄の性能を低く見積もっている可能性がある。  (避難壕のステルス性や、ヘルメスドライブの跳躍距離など) )         ※      ※      ※ 「な、なあ親父。なんだって言うんだよぉ。説明してくれよ」 「ククク……! 全ては上手く進んでいる……!」 ガモン大佐――暗闇大使は後ろに『暗闇の子ら』を引きつれ、サザンクロス内部の通路を引き返す。 おもむろに姿を消したパピヨンの捜索は、既に部下達に命じてある。 無差別に暴れまくる方針から一転、息を潜めて隠れることにしたようだが……何、見つかるのは時間の問題。 隠れ潜んだ、ということは、彼の体力や戦力も限界が近いのだろう。見つけさえすれば、制圧可能。 サザンクロスから出た形跡も出る方法もない以上、いずれ解決する。暗闇大使はそう判断する。 それよりも今重要なのは、『会場内の全ての参加者の首輪の反応が消えた』という、この一点。 暗闇大使は、後ろにつき従う『暗闇の子ら』に問い掛ける。 「全ての反応が消えた、と言っていたが……では、『最後まで』首輪の反応が残っていたのは誰だ?」 「え? えっと、それは……愚地独歩だけど……それがどうかしたのかしら?」 「ククク。確か空手家だったか。予想外ではあったが、資格は十分だな」 「資格って、何のことだよ!?」 「強化外骨格を纏う資格よ。つまり……」 暗闇大使は、そして宣言する。暗く歪んだ満面の笑みをもって、高らかに宣言する。   「全ての参加者の『ドロップアウト』をもって、『バトルロワイヤル』は無事『終了』。    これより、BADANの総力を挙げて『優勝者』愚地独歩の回収を行う!」 「なっ……!」 「で、でも、愚地独歩は……!」 「…………!」 暗闇大使の宣言に、暗闇の子らは揃って息を飲む。 表情に乏しいカニロイドの顔にさえ、焦りと驚愕の色が滲む。 なにしろその愚地独歩は、つい先ほど、彼らが戯れ半分に『処刑』してしまった相手である。 いや、実際にはその寸前に首輪の解除が間に合っていたのだが、それは彼らの知るところではなく。 「で、でもよ親父! もし、愚地独歩が死んでたりしたら……! 首輪の反応消えたってこたぁよ……!」 「そそ、そうよ! それに、まだ生きてるバカどもはいっぱい残って……!」 「…………(ブツブツ)」 「あ、『強化外骨格に篭める魂の数はどうするんだ』ですって。そうよカニロイドの言う通りよ!」 「ククク……! そんなこと、どうでもよい……! どうとでもなる……!  もちろん、我らに逆らう者・我らの邪魔をするものは、全て鏖(みなごろし)にするところだが……」 焦る3人に、それでも暗闇大使は笑みを崩さない。 彼の余裕は、崩れない。 もちろんこんな形での終了は、彼も望んではいなかった。 生き残った反逆者の存在は厄介だし、未だ行方の知れないパピヨンのことも気にはなる。 強化外骨格に集めた魂は当初の予定よりいくつか少ないし、この状態で儀式が上手く行く保障はない。 けれど、その程度の問題、どうしたというのだ。 大首領は絶大なる力を持つ御方なのだ。全てを超越した御方なのだ。 多少の問題は軽々と越えられるはず。そして大首領さえ降臨すれば、他の全ての問題は些事に過ぎない。 今は、その中核となるモノ……大首領を『降ろす』ための『器』を手に入れることが、最優先だ。 「生死は問わん。この『選考』で最後まで残った『愚地独歩の肉体』を探し出し、回収しろ。  首輪を外して生きているなら、それはそれでよし。生け捕りに出来れば手間も省ける。  死んでいたとしても、再生怪人の要領で『修復』すればそれで済む話だ」 魂までは取り戻せない、再生怪人の再生処置。 そして必要とされているのは、あくまで優勝者の『肉体』のみ。そこに宿る『魂』は、最初から求めていない。 そう、彼の計画はその根幹のところで、実に順調に進んでいたのだった―― ――遠くから、更なる異変を告げる叫びが聞こえてくるまでは。   「た、大変だァーーッ! 『長足クラウン号』が、勝手に動き出したぞォーーッ!!」 【マップ外/サザンクロス内 二日目 昼】 【暗闇大使@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]疲労(小)、 [装備]エニグマのDISC@ジョジョの奇妙な冒険 [道具]不明 [思考・状況] 基本:大首領の命令のままに。 1:『優勝者』愚地独歩の肉体を確保し(できれば生きて、しかし死体でも可)、早急に大首領を降ろす 2:引き続き、消えたパピヨンを探させる。発見したら殺させる 3:他の首輪解除済みの反逆者も、発見しだい殺させる 4:……!? 長足クラウン号が!? [備考] ※首輪をつけてます。 ※ガモン大佐がつけている首輪には、エネルギー抑制装置、盗聴器、GPSが付けられていません。 ※起爆装置は点けられていませんが、付いてはいます。スタンドDISCが使えます。 ※プッチに大して少し不信感を抱いていたが、現在はある程度信用しています。 ※赤木しげるは、大首領により殺害されたと思い込んでいます。 【ジゴクロイド@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:健康、焦り [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況]: 基本:暗闇大使のために働く 1:暗闇大使の命令に従う 2:愚地独歩の(暗闇の子らの独断による)処刑をなんとか誤魔化したい 3:その過程で派手に沢山殺したい 【カマキロイド@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:健康、焦り [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況]: 基本:暗闇大使のために働く 1:暗闇大使の命令に従う 2:愚地独歩の(暗闇の子らの独断による)処刑をなんとか誤魔化したい 3:その過程で外連(けれん)の愉しみを満喫したい 【カニロイド@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:健康、焦り [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況]: 基本:暗闇大使のために働く 1:暗闇大使の命令に従う 2:愚地独歩の(暗闇の子らの独断による)処刑をなんとか誤魔化したい 3:でも面倒くさいことは出来るだけ避けたい [[(前編)>AFTER_THE_PERIOD(前編)]] |250:[[集結]]|[[投下順>第251話~第300話]]|252:[[人の瞳が背中についていない理由は]]| |250:[[集結]]|[[時系列順>第6回放送までの本編SS]]|252:[[人の瞳が背中についていない理由は]]| |247:[[帝王賛歌]]|パピヨン|:[[]]| ----
**AFTER_THE_PERIOD(後編) ◆6YD2p5BHYs ――コポッ。コポッ。 無数の容器の中を循環する液体が、静かに音を立てる。 六角形を基調とした奇妙な部屋の中、何かを咀嚼する音に混じって、会話が続く。 「ところで、のーみそ。この『アンダーグラウンド・サーチライト』、BADAN側にどれほど隠し通せる?」 『そうね……入り口はさっき封鎖して偽装したから、こちらから開かない限り、半日は隠し通せると思うわ』 「…………おい」 「半日も持てば十分か。向こうの動きを探る手段は?」 『予めライフラインと一緒に、こっそりサザンクロス内部の通信回線を引き込んでいるわ。  大雑把な動きでよければ、これで掴めるでしょう』 「ふむ。……それにしても、『コレ』は不味いな。好き好んで喰う奴の気が知れん」 『あら。娘は美味しい美味しいって食べてた自慢の一品なのに。やっぱりミートパイにしないとダメかしら』 「…………おいっ!! なに呑気に食い物の話なんてしてんだよっ!」 いくら呼びかけても振り返らぬ2人に、少年はとうとう声を荒げる。 少年。 そう……パピヨンに『命と引き換えに』三影の復活を頼んだはずの、ジュクの秀だった。 苛立つ彼に、パピヨンは手にした『肉の塊』(?)を齧りながら振り返る。 「なんだ、お前も喰いたいのか? だが人間にはあまりお勧めできんな。倫理的に同族喰いはマズいぞ」 「そういう意味じゃねぇよ! なんでそのっ、お前っ……!」 「『お前』じゃない。『カイザーパピヨン』と呼べ。それも、もっと畏怖を込めて」 むしゃむしゃ。ごっくん。食べかけの肉塊を飲み下すと、パピヨンは秀に向き直る。 「貴様は、俺に命を預けて見せた。口約束を反故にされかねない状況で、命を差し出して見せた。  そんな信頼を寄せられて、そう簡単に殺せるわけがないだろう。  せいぜい、命がけで働いてもらうぞ。  その働き如何では、後で改造人間にでも人間型ホムンクルスにでも、何でもしてやる」 そう――最初っからパピヨンは、秀を『喰らう』つもりなど無かったのだ。 試したかったのは、彼の忠誠心。彼の覚悟。 そして刷り込みたかったのは、帝王カイザーパピヨンへの畏怖。 消耗回復のための食事は、別にアテがあった。 あの時、横から声を上げかけた、アレキサンドリア。 無数の脳から成る彼女の身体はクローン培養で増やされたものであり、そしてその培養は、時に失敗する。 そして彼女の『現状』を維持するには、クローン培養は常に続けなければならない。 パピヨンと同様のホムンクルスであった、アレキサンドリアの娘・ヴィクトリアの『主食』。 アレキサンドリア・パワードの『クローン失敗体』。 クローンとしては失敗作としても、十分に『人間の肉体』だ。ホムンクルスの栄養源にはなる。 ヴィクトリアはこれをミートパイの形などに調理し、『ママの味』などと嘯いていたものだが…… 「不味い上に、まだまだ足りんな。おいのーみそ。『ミートパイ』の『材料』、あるだけ全部よこせ」 『はいはい。そこに保管してあるから、いくらでもどうぞ』 「それと秀。お前も休める時に休んでおけ。  また『ヘルメスドライブ』を使うことになるかもしれんからな」 「いや、それはいいけど、これからどうすんだよ、パピヨン……いや、帝王様よォ」 秀は不安げな声を上げる。まあ、それはそうだろう。 BADANの強さ、怖ろしさは、彼自身がよく知っていることなのだ。 パピヨンはそんな彼の前で、チッチッ、と指を振って見せた。 「まあ焦るなよ♪  おそらく、そう遠くないうちにBADANに大きな動きがある。  俺たちを無視して、BADANに戦いを挑む連中が出てくる。  それに乗じて、俺たちも動けばいい。  『帝王』とその一味を甘くみた連中を――最高のタイミングで、横合いから、思い切り、殴りつけるのさ♪」 パピヨンは考える。 エンリコ・プッチは、いつかきっと反乱を起こす。 会場内に残った生存者たちも、いつかきっと、サザンクロスに突入してくる。 行動を起こすとしたら、まさにその時だ。BADANが彼らに対して全力を投入している隙に――奇襲する。 技術や人材や、核鉄などの重要アイテム。これらを横から、奪い取る。 『時と世界を超える技術』も奪えるのなら奪えば、例えばアレキサンドリアの帰還を果たすこともできる。 当面の目標は、『帝王』として従えるに値する『部下』の確保。 畏怖をもって皆を支配する道……そのためには、力が必要だ。 圧倒的な、力が必要だ。 幸い――準備の時間はある。 現在この『アンダーグラウンド・サーチライト』は、サザンクロスの床面から展開している。 しかし避難壕本体は亜空間に位置し、出入り口も偽装や移動させることが出来て。 BADANサイドがパピヨンたちを探そうとしても、相当の時間、誤魔化すことが出来る。 回復や、作戦の検討の時間が作れる。。 (再生処理中の死体。  のーみそ。  ただのガキ。  『帝王』の『最初の部下』としてはなんともしまらんが……今は仕方ないか♪) タイガーロイドの再生が間に合うかどうかはまだ分からず、再生しても素直に従うかどうかはまだ不明。 他人を乗っ取れるアレキサンドリアの武装錬金は便利だが、当のアレキサンドリアがいつまで持つものやら。 そして、ある程度の装備は手元にあるものの、当人はただの無力な少年でしかない秀。 部下としては、実に不安の募る陣容ではある。だが。 (闇の帝王たるDIO。世界、いや全ての平行世界をも支配せんとするBADAN。  さらなる高みの存在を知って、羽撃かずにいられる俺ではないッ!  いや、奴らのさらに先には、奴らでさえ未だ届かぬ広い空が広がっているッ!) この地に呼び出される前の彼なら、そんなこと考えもしなかったろう。 武藤カズキも泉こなたも居ない世界など何の意味もない、と絶望に落ち込んでいたかもしれない。 だが、パピヨンは既に知ってしまった。パピヨンには見えてしまった。 世界をただ燃やし尽くすよりも遥かに深い、偽善の対極にある道――。ならば。 (エンリコ・プッチ。確かに今の俺は貴様すらも満足させられない存在かもしれない。  従える部下も、今はどうしようもない雑魚ばかりなのかもしれない。だがな) 「俺は必ずや、更なる高みにまで翔んでみせるっ!  いずれ全てを支配する帝王、カイザーッ、パピ、ヨンッ!  その蝶・華麗なる名を、畏怖と共に、心に刻み付けろッ!」 帝王カイザーパピヨンの覇道は、まさにここから始まるのだ。 【マップ外/『アンダーグラウンド・サーチライト』内 二日目/昼】 【パピヨン@武装錬金】 [状態]:疲労(大)、ドブ川の濁ったような瞳、帝王への決意、首輪解除済み。食事で回復中。 [装備]:ライドル@仮面ライダーSPIRITS、マイクロウージー(9ミリパラベラム弾32/32)、予備マガジン2、     アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙     サンライトハート(核鉄状態&首輪巻かれている)@武装錬金     ニアデスハピネス・アナザータイプ=核鉄(激戦)@武装錬金(ニアデスハピネスとしては消耗大)、     ヘルダイバー@仮面ライダーSPIRITS、ライダーマンのヘルメット@仮面ライダーSPIRITS     ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾1発、劣化ウラン弾、残弾0発)@HELLSING、 [道具]:支給品一式、ターボエンジン付きスケボー@名探偵コナン     地下鉄管理センターの位置がわかる地図、地下鉄システム仕様書     ルイズの杖、参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿、首輪探知機@BATTLE ROYALE、     首輪(鳴海)、解除済みの首輪の残骸×2(赤木、川田)、ツールセット、不明支給品1(未確認)     アレクサンドリア・パワードのクローン失敗体(人間数人分) [思考・状況] 基本:BADANを打倒し自らの部下を揃え、蝶華麗なる帝王・カイザーパピヨンとして世界に君臨する。 1:他の生存者やプッチの行動によって、BADANに何か動きが起きるまで待つ。 2:タイガーロイドの再生・復活を試みる。 3:ジュクの秀、アレキサンドリア、(再生すれば)タイガーロイド、を部下として、BADANを打倒し技術を奪う。 4:赤木、プッチ、大首領に自分を舐めたことを後悔させる。 [備考] ※猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険、「目に入ったものを全力で破壊する」命令のDISCは、  パピヨンが逃げる際の囮として置き去りにされ、暗闇大使の手で破壊されました。 【アレキサンドリア・パワード@武装錬金】 [状態]:健康。寿命が近い?(正確な残り時間は不明) [装備]:(ルリヲヘッド@武装錬金)、大量の脳の培養槽 [道具]:研究施設(核鉄関連の設備、再生怪人関連の設備) [思考・状況] 基本:寿命が来る前に、娘の所に戻って最期の遺言を伝える。そのためにBADANに反逆する。 1:当面はパピヨンに従い協力する。 【ジュクの秀(小島秀紀)@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:疲労(大)。Dr.アレクへの信頼。パピヨンへの恐れと信頼。 [装備]:コンバットロイドの強化服、アンダーグラウンド・サーチライト(展開中)@武装錬金、      闘争心誤読装置・試作型(腕輪型)、      ルリヲヘッド(アレクサンドリアのコントロール下で発現中)@武装錬金 [道具]:核鉄(ヘルメスドライブ)@武装錬金、 [思考・状況] 基本:三影のアニキ(タイガーロイド)を復活させる。現BADANへの不信と疑い。 1:当面はパピヨンに従い、命がけで協力する。 2:パピヨンが三影を復活させることに期待。 3:三影が復活し、三影がパピヨンと対立しないのなら、その後もパピヨンに従って動く。 [備考]:ここにいる三影とは、出身の時間軸が異なります。そのことを既に理解しています。 【三影英介@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:死亡済み。現在再生処置中 [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況]:?? [備考]: マップ外に放置されていた彼の遺体は、ジュクの秀の手で(ヘルメスドライブで)秘密裏に回収されました。 暗闇大使を始めとした、BADAN上層部はまだその事実に気付いていません。 現在、アンダーグラウンド・サーチライト内のアレキサンドリアの研究室で、再生処置を受けている最中です。 [備考]: パピヨンは、独自の技術(動物型ホムクルスを再生させる技術)の応用で、 三影を『魂のない再生怪人』でなく、知性ある再生怪人として復活させられる可能性があると踏んでいます。 ただし、今の限られた時間と状況の中でそれが可能なのかどうかは分かりません。 (特に、強化外骨格に、会場内で死んだ死者の魂が取り込まれている状況下においては……?) (初出の重要アイテム) 【闘争心誤読装置・試作型(腕輪型)@オリジナル(武装錬金)】  BADANに誘拐されたアレキサンドリア・パワードが開発した、闘争心誤読装置の試作第一号。  (なお、開発時の名称は『闘争心同調フィルター』)  黒い核鉄・白い核鉄の開発にも関わったアレキサンドリアの技術の結晶。  この設計図を元に、後に伊藤博士たちのチームが小型化し量産し、首輪の中に組み込んでいる。  (なお、伊藤博士のグループは、この基本の製法の出所を正確には知っていない)  サイズと形状以外は、首輪の中に仕込まれている「闘争心誤読装置」と同じもの。電源不要。  腕輪の型をしており、片方の手首に装着して使う。  これをはめた手に持って発動させた武装錬金は、「その核鉄の元の持ち主の武装錬金」になる。  現在は「魂なき再生怪人に武装錬金を使用させる研究」のため、アレキサンドリアの手元に残されていた。  ゼロから製作するには時間も材料も要するため、今から新たに作り出すのは状況的に困難。 【コンバットロイドの強化服@仮面ライダーSPIRITS】  BADANの低級戦闘員・コンバットロイドに与えられる、身体強化機能のある服。全身タイツ状。  「ライダーマンのヘルメット」同様、強化や改造といった身体操作を受けていない「ただの人間」用の装備。  着用することで防御力や身体能力は向上するが、改造処置を受けたコマンドロイドには大きく劣る。 【アンダーグラウンド・サーチライトの核鉄@武装錬金】  避難壕(シェルター)の武装錬金。核鉄番号はLⅠ(51)。  本来の持ち主は、アレキサンドリアの娘、ヴィクトリア・パワード。  壁や地面に、六角形を基調としたデザインの、巨大な避難壕を作ることが出来る。  避難壕は亜空間に存在しており、入り口を閉じた状態では発見が困難。  ライフラインを周囲から引っ張り込むことが出来、また、1ヶ月程度は自給も可能。 【ルリヲヘッドの核鉄@武装錬金】  兜(ヘルム)の武装錬金。核鉄番号はL(50)。アレキサンドリア・パワードの武装錬金。  特性は被った人間に取り付き、その身体を支配し操作すること(発動者以外に被せること前提の性質)。  被った人間の記憶や思考を探ることも出来、また、その気になれば被った者の意識を保つことも出来る。  兜にはマント、及び帯状の紐や先端にナイフのついた紐がついており、これらを操っての戦闘も可能。  装着者がいなくても、ある程度ならば共鳴音を利用し会話をすることも出来る。  なお、原作中では女性の方がシンクロ率が高くなる、という説明があった。 【ヘルメスドライブの核鉄@武装錬金】  探知機(レーダー)の武装錬金。核鉄番号はXCV(95)。本来の持ち主は楯山千歳。  核鉄そのものを巨大化させたような六角形の板で、片面にレーダーの画面がついている。  非常時にはそれ自体が盾や打撃武器になる頑強さを兼ね備える。  その特性は索敵、及び瞬間移動。移動できるのは成人2人分が限界(使用者+1名)。   (以上3つの核鉄は、アレキサンドリアが『研究とその効率化のため』BADAN側に提供させたもの。  BADAN側は『本来の持ち主の手にない』これらの核鉄の性能を低く見積もっている可能性がある。  (避難壕のステルス性や、ヘルメスドライブの跳躍距離など) )         ※      ※      ※ 「な、なあ親父。なんだって言うんだよぉ。説明してくれよ」 「ククク……! 全ては上手く進んでいる……!」 ガモン大佐――暗闇大使は後ろに『暗闇の子ら』を引きつれ、サザンクロス内部の通路を引き返す。 おもむろに姿を消したパピヨンの捜索は、既に部下達に命じてある。 無差別に暴れまくる方針から一転、息を潜めて隠れることにしたようだが……何、見つかるのは時間の問題。 隠れ潜んだ、ということは、彼の体力や戦力も限界が近いのだろう。見つけさえすれば、制圧可能。 サザンクロスから出た形跡も出る方法もない以上、いずれ解決する。暗闇大使はそう判断する。 それよりも今重要なのは、『会場内の全ての参加者の首輪の反応が消えた』という、この一点。 暗闇大使は、後ろにつき従う『暗闇の子ら』に問い掛ける。 「全ての反応が消えた、と言っていたが……では、『最後まで』首輪の反応が残っていたのは誰だ?」 「え? えっと、それは……愚地独歩だけど……それがどうかしたのかしら?」 「ククク。確か空手家だったか。予想外ではあったが、資格は十分だな」 「資格って、何のことだよ!?」 「強化外骨格を纏う資格よ。つまり……」 暗闇大使は、そして宣言する。暗く歪んだ満面の笑みをもって、高らかに宣言する。   「全ての参加者の『ドロップアウト』をもって、『バトルロワイヤル』は無事『終了』。    これより、BADANの総力を挙げて『優勝者』愚地独歩の回収を行う!」 「なっ……!」 「で、でも、愚地独歩は……!」 「…………!」 暗闇大使の宣言に、暗闇の子らは揃って息を飲む。 表情に乏しいカニロイドの顔にさえ、焦りと驚愕の色が滲む。 なにしろその愚地独歩は、つい先ほど、彼らが戯れ半分に『処刑』してしまった相手である。 いや、実際にはその寸前に首輪の解除が間に合っていたのだが、それは彼らの知るところではなく。 「で、でもよ親父! もし、愚地独歩が死んでたりしたら……! 首輪の反応消えたってこたぁよ……!」 「そそ、そうよ! それに、まだ生きてるバカどもはいっぱい残って……!」 「…………(ブツブツ)」 「あ、『強化外骨格に篭める魂の数はどうするんだ』ですって。そうよカニロイドの言う通りよ!」 「ククク……! そんなこと、どうでもよい……! どうとでもなる……!  もちろん、我らに逆らう者・我らの邪魔をするものは、全て鏖(みなごろし)にするところだが……」 焦る3人に、それでも暗闇大使は笑みを崩さない。 彼の余裕は、崩れない。 もちろんこんな形での終了は、彼も望んではいなかった。 生き残った反逆者の存在は厄介だし、未だ行方の知れないパピヨンのことも気にはなる。 強化外骨格に集めた魂は当初の予定よりいくつか少ないし、この状態で儀式が上手く行く保障はない。 けれど、その程度の問題、どうしたというのだ。 大首領は絶大なる力を持つ御方なのだ。全てを超越した御方なのだ。 多少の問題は軽々と越えられるはず。そして大首領さえ降臨すれば、他の全ての問題は些事に過ぎない。 今は、その中核となるモノ……大首領を『降ろす』ための『器』を手に入れることが、最優先だ。 「生死は問わん。この『選考』で最後まで残った『愚地独歩の肉体』を探し出し、回収しろ。  首輪を外して生きているなら、それはそれでよし。生け捕りに出来れば手間も省ける。  死んでいたとしても、再生怪人の要領で『修復』すればそれで済む話だ」 魂までは取り戻せない、再生怪人の再生処置。 そして必要とされているのは、あくまで優勝者の『肉体』のみ。そこに宿る『魂』は、最初から求めていない。 そう、彼の計画はその根幹のところで、実に順調に進んでいたのだった―― ――遠くから、更なる異変を告げる叫びが聞こえてくるまでは。   「た、大変だァーーッ! 『長足クラウン号』が、勝手に動き出したぞォーーッ!!」 【マップ外/サザンクロス内 二日目 昼】 【暗闇大使@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]疲労(小)、 [装備]エニグマのDISC@ジョジョの奇妙な冒険 [道具]不明 [思考・状況] 基本:大首領の命令のままに。 1:『優勝者』愚地独歩の肉体を確保し(できれば生きて、しかし死体でも可)、早急に大首領を降ろす 2:引き続き、消えたパピヨンを探させる。発見したら殺させる 3:他の首輪解除済みの反逆者も、発見しだい殺させる 4:……!? 長足クラウン号が!? [備考] ※首輪をつけてます。 ※ガモン大佐がつけている首輪には、エネルギー抑制装置、盗聴器、GPSが付けられていません。 ※起爆装置は点けられていませんが、付いてはいます。スタンドDISCが使えます。 ※プッチに大して少し不信感を抱いていたが、現在はある程度信用しています。 ※赤木しげるは、大首領により殺害されたと思い込んでいます。 【ジゴクロイド@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:健康、焦り [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況]: 基本:暗闇大使のために働く 1:暗闇大使の命令に従う 2:愚地独歩の(暗闇の子らの独断による)処刑をなんとか誤魔化したい 3:その過程で派手に沢山殺したい 【カマキロイド@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:健康、焦り [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況]: 基本:暗闇大使のために働く 1:暗闇大使の命令に従う 2:愚地独歩の(暗闇の子らの独断による)処刑をなんとか誤魔化したい 3:その過程で外連(けれん)の愉しみを満喫したい 【カニロイド@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:健康、焦り [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況]: 基本:暗闇大使のために働く 1:暗闇大使の命令に従う 2:愚地独歩の(暗闇の子らの独断による)処刑をなんとか誤魔化したい 3:でも面倒くさいことは出来るだけ避けたい [[(前編)>AFTER_THE_PERIOD(前編)]] |250:[[集結]]|[[投下順>第251話~第300話]]|252:[[人の瞳が背中についていない理由は]]| |250:[[集結]]|[[時系列順>第6回放送までの本編SS]]|252:[[人の瞳が背中についていない理由は]]| |247:[[帝王賛歌]]|パピヨン|253:[[この身は我が組織のために]]| ----

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