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**Bellis perennis ◆1qmjaShGfE    ◇ ◇ ◇ 赤木が目を覚まして起き上がると、すぐ隣に居たヒナギクは呆れ顔をしていた。 「良くこの状況で寝れるわね」 「……クククッ、矢でこの怪我を背負う気があったのなら、お前が寝ても良かったんだがな」 肩をすくめながら両手を挙げるヒナギク。 「適材適所よ。怪我は構わないけど、私にはここで寝るだけの度胸は無いわ」 ヒナギクの痺れの有無を確認すると、赤木はヒナギクを伴いエレオノールの後を追う。 ヒナギクは自然と赤木の前を歩いている。 不意打ちに対応する能力はヒナギクの方がより高いと自負してるからだが、赤木もそれに異存は無かった。 会話も無く歩を進める二人。無口な赤木に無理に話題を振るのも悪いとヒナギクは気を遣ったのだが、その赤木の方から沈黙を破ってきた。 「桂、ここに突入した連中のお前の印象を聞かせろ」 突拍子も無い話題フリに少し面食らう。 「どうしたの急に?」 「何、暇潰しだ。構わないだろ」 通路はある地点から半分程の広さになる。 相変わらず移動するには充分すぎるが、派手に飛びまわるには少し不足している、そんな大きさである。 順番は適当に、思いつくままに各人の印象を述べていくヒナギク。 赤木は時折相槌を打ちながら、気になった事を問い返しながら、話の続きを促す。 不意に通路が大きく開ける。 先ほどの通路より大きな空洞。 立体交差のように幾本もの通路が交差する吹き抜けに出たのだ。 思わず足の止まるヒナギク。彼女は高所恐怖症であった。 「……どうした?」 妙に緊張感のある声で赤木が問うも、ヒナギクは問題無いと答える。 今通っている通路に沿って歩くと、手すりも無い幅3メートルの橋を渡る事になる。 下は五メートルを越える高さ。うまく飛べば何とかなりそうな高さではあるが、恐いものは恐いのだ。 カタカタ震えながらも橋の入り口の所まで歩を進めるヒナギク。 赤木は少し強い口調でそれを制する。 「迂回するぞ桂」 その口調にカチンと来たのか、ヒナギクはムキになって言い返す。 「何でよ! べ、べべべ別にこんなのどうって事ないわよ!」 「ある。いいから戻るぞ」 理由すら説明せずに戻る事を主張する赤木。 少し冷静さを欠いているヒナギクは気付かない。 普段の赤木ならば、この時ヒナギクの主張なぞ歯牙にもかけず、さっさと自分は元来た道を引き返しているだろうに、今の赤木は何故かヒナギクから目を離していないという事に。 ヒナギクは赤くなってぎゃーぎゃー喚くも、赤木は一切取り合わず、赤木がそれっぽい理由を並べ立てると瞬く間にやりこまれてしまう。 頬を膨らませながらも、渋々元来た道を戻ろうとした時、ヒナギクの視界が暗闇に閉ざされた。 列車突入時の間断ない戦闘。 本拠地突入という極度の緊張を強いられる環境。 自分の能力を超えるカマキロイドとの戦闘。 これら全てがヒナギクに過度の負担を強いていた。 身体的な事ではない、精神的な意味合いでのその負担は、ヒナギク自身にも知りえない形で徐々にヒナギクを蝕んでいた。 口では文句を言いつつも、高い所を通らずに済むという安堵感が良くなかったのだろう。 ヒナギクの意識は突然そこで失われた。 二度目の死んだフリ。 これは彼女本来の流れから逸脱した行為であると赤木は思っていた。 ツキの流れを手放しかねない大きな分水嶺であったと。 生死を賭けたこの場所で幸運の流れを失ったなら、結果はどうなるかわかりきった事だ。 だから赤木は三人での突入を避け、エレオノールにこの影響が及ぼされる事を回避しつつ、赤木が共にある事で更にツキの流れが変わるのを待った。 大事をとって休息を長めに取り、何かがあったとしてもすぐに対応出来るよう常にヒナギクを視界内に収めるよう動き、 ヒナギクの心理的負担を取り除く為に会話を続け、明らかに苦手であると思われた高所での移動を回避する。 今もヒナギクから目を離さずに居たのはその為だ。 ここは一瞬先に何が起こるかわからない戦場。 先のコマンドロイド乱入に対したように、赤木が対応出来るよう備えていたのだ。 ヒナギクの崩れ落ちていく体は、橋げたから外側へ、唯一死を迎える方向へと倒れ込んで行く。 手足のとっかかりとなる場所を床に見つけ、滑り込むように駆け寄る赤木。 その伸ばした手がヒナギクの腕を掴み取る。 しかし、赤木の怪我と疲労に弱った握力で、ヒナギクの汗に滑る腕を固定し、女の子とはいえ人間一人を支える程の力は望めなかった。 耳元を走る風の息吹に目を覚ます。 ひゅーひゅーと騒々しい音の理由に思い至った時、掛け値なしに背筋が凍った。 上を見上げていた体を捻り下を向きながら叫ぶ。 地面との距離を測って、バルキリースカートで落下の衝撃を受け止めるしかない。 「ぶ」 まだ距離はある、どうしよう、壁に剣を突きたてて落下を止めようか。 「そ」 ちょっとスピードつきすぎね。ならそれで速度を落として、着地の衝撃を和らげましょう。 「う」 ちょ、ちょっと待って。これ、もしかして…… 「れ」 間に合わない? 衝撃が来た。 体が動かない。 痛い、ただひたすら痛い。 全身が痺れたあの時と違って、痛くて痛くてしょうがない。 どうして、私どうしてこんな事になってるの。 痛い場所をさすろうとするけど、手が動かない。 私何か失敗した? 私悪い事したの? どうしてこんなに痛いのに誰も来てくれないの? 誰か、誰か居ないの? お姉ちゃん、お姉ちゃんは何処? 痛いよお姉ちゃん。恐いよお姉ちゃん。助けて、早く助けに来て。 ……そうだ、お姉ちゃんはここには居ないんだ。 じゃあハヤテ君。助けに来てくれるって言ったじゃない。 ……そうだ、ハヤテ君ももう居ないんだ。 私は殺し合いをしろって言われたんだ。みんなそう言われたんだ。 だから私は死んじゃうんだ。ナギやマリアさんみたいに。嫌、そんなの嫌。 小五郎さんは? 死んじゃった。 本郷さんは? 死んじゃった。 つかさは? 死んじゃった。 川田君は? 死んじゃった。 独歩さんは? 死んじゃった。 かがみは? 村雨さんは? エレオノールさんは? 赤木さんは? 服部さんは? ジョセフさんは? みんな来てくれないの? 覚悟君は? 私と一緒に居ないって言った。私の事好きにならないって。 じゃあ私一人ぼっち? 嫌、そんなの嫌。寂しい、誰も側に居てくれないのは寂しいよ。 誰か、一緒に居て……お願い……私死んじゃうのやだ…… ねえ……最後まで会いに……来て、くれないの? 私……本当に……死んじゃうよ……それでも……来て……くれ……ない……の…… ……お父さん、お母さん…………    ◇ ◇ ◇ バルキリースカートは扱うには訓練が必要だ。 木刀も赤木には不要な武器。ならわざわざ下に降りる必要は無い。 「……桂ヒナギク、お前は良くやった。だからもういい、そこでゆっくり休め」 赤木のような狂人ではない、かといって命のやりとりを常とする世界観に生きた人間でもない。 ごく平凡な生活を送ってきただろう彼女。 にもかかわらず、彼女は勇敢で恐れを知らぬ戦士であった。 無理をして、強がって、それでもと自分の生き方を貫いたのだろう。 敬意に値する。 だからだろうか、自らが巻き込まれる危険を顧みず、桂と共にあろうとしたのは。 今この手から桂を取りこぼした事で、自分の盛運も桂の不運に巻き込まれ、衰退の一途を辿っているだろう。 それでも構わない。そう思えるのは何故だろうか。 性分もあるだろう、より厳しい状況を好む性質は昔からの物だ。 しかしそれだけでは無い。 ズレた所はあるが、自分の身などおかまいなしで他人を案ずるエレオノールも、 恐れる気もなく死地に飛び込み、そこから必死になって生を拾おうとするヒナギクも、 どちらも赤木は気に入っていたのだ。 二人共、最初に出会った時とは見違える程、輝いて見えた。 同時に赤木は大首領へと想いを馳せる。 奴はヒナギクの生き方にも何ら感慨を抱かぬだろう。 それは生死を超越しているからではなく、ただ単純に「死」を知らないだけだ。 「……だから俺が教えてやる。お前に、死を」 &color(red){【桂ヒナギク@ハヤテのごとく 死亡】} &color(red){【残り8人】} 【サザンクロス内部 二日目 日中】 【赤木しげる@アカギ】 [状態]:脇腹に裂傷、首輪がありません。麻痺毒の影響を僅かに受けています。全身数箇所に打撲 [装備]:基本支給品、ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス(残り8本)、マイルドセブンワン1箱、     454カスール カスタムオート(5/7)@HELLSING 13mm爆裂鉄鋼弾(13発) 、シルバースキン@武装錬金(首輪を巻いています。核鉄状態) [道具]:傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの)     始祖の祈祷書@ゼロの使い魔(水に濡れふやけてます)、水のルビー@ゼロの使い魔     工具一式、医療具一式、沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ)、成仏鉄球@覚悟のススメ 、伊藤博士からの手紙、     伊藤博士からの手紙(ポケット内)、『注意書きを必読』と書かれたエニグマの紙(ポケット内)     ジャッカル@HELLSING(残弾数1)、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂     ベレッタM92(弾丸数0/15)、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳、懐中電灯@現地調達、包帯と湿布@現地調達、不明支給品×2 [思考・状況] 基本:対主催・大首領の肉体となる。 1:大首領との再会。バトルロワイアルに引きずり込む。 2:覚悟に斗貴子を死に追いやった事を隠し、欺く。 [備考] ※大首領との接触により、大首領とBADANとの間のズレを認識。 ※BADANという組織はあまり合理的に動かないと認識。 ※首輪は核鉄(シルバースキン)にパピヨンがやっていたように巻き付けており、使用できます。 【才賀エレオノール@からくりサーカス】 [状態]:疲労小 全身に火傷(ほぼ完治)。首輪が解除されました。 [装備]:エンゼル御前(核鉄状態&首輪@エレオノールが巻かれている)@武装錬金、あるるかん(白金)@からくりサーカス [道具]:青汁DX@武装錬金、ピエロの衣装@からくりサーカス、支給品一式、生命の水(アクア・ウィタエ) 保健室で手に入れた様々なもの [思考・状況] 基本:自分を助けてくれた者、信じてくれた者のためになんとしてでも主催者を倒す。 1:別れた仲間と合流。 2:夢で見たギイたちの言葉を信じ、魂を閉じ込める器(強化外骨格)を破壊する。 3:ナギの遺志を継いで、殺し合いを潰す。 4:一人でも多く救う。 5:できる事ならパピヨンを助けたい(優先順位は低い) [備考] ※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。 ※エンゼル御前は使用者から十メートル以上離れられません。 それ以上離れると核鉄に戻ります。 ※解除した首輪は核鉄(エンゼル御前)にパピヨンがやっていたように巻きつけており、使用できます。 [[前編>Bellis perennis]] |255:[[覚悟のススメ]]|[[投下順>第251話~第300話]]|257:[[天国の時 運命の夜明け]]| |255:[[覚悟のススメ]]|[[時系列順>第6回放送までの本編SS]]|257:[[天国の時 運命の夜明け]]| |251:[[人の瞳が背中についていない理由は]]|&color(red){桂ヒナギク}|&color(red){死亡}| |251:[[人の瞳が背中についていない理由は]]|[[才賀エレオノール]]|258:[[拳]]| |251:[[人の瞳が背中についていない理由は]]|[[赤木しげる]]|258:[[拳]]| ----
**Bellis perennis ◆1qmjaShGfE    ◇ ◇ ◇ 赤木が目を覚まして起き上がると、すぐ隣に居たヒナギクは呆れ顔をしていた。 「良くこの状況で寝れるわね」 「……クククッ、矢でこの怪我を背負う気があったのなら、お前が寝ても良かったんだがな」 肩をすくめながら両手を挙げるヒナギク。 「適材適所よ。怪我は構わないけど、私にはここで寝るだけの度胸は無いわ」 ヒナギクの痺れの有無を確認すると、赤木はヒナギクを伴いエレオノールの後を追う。 ヒナギクは自然と赤木の前を歩いている。 不意打ちに対応する能力はヒナギクの方がより高いと自負してるからだが、赤木もそれに異存は無かった。 会話も無く歩を進める二人。無口な赤木に無理に話題を振るのも悪いとヒナギクは気を遣ったのだが、その赤木の方から沈黙を破ってきた。 「桂、ここに突入した連中のお前の印象を聞かせろ」 突拍子も無い話題フリに少し面食らう。 「どうしたの急に?」 「何、暇潰しだ。構わないだろ」 通路はある地点から半分程の広さになる。 相変わらず移動するには充分すぎるが、派手に飛びまわるには少し不足している、そんな大きさである。 順番は適当に、思いつくままに各人の印象を述べていくヒナギク。 赤木は時折相槌を打ちながら、気になった事を問い返しながら、話の続きを促す。 不意に通路が大きく開ける。 先ほどの通路より大きな空洞。 立体交差のように幾本もの通路が交差する吹き抜けに出たのだ。 思わず足の止まるヒナギク。彼女は高所恐怖症であった。 「……どうした?」 妙に緊張感のある声で赤木が問うも、ヒナギクは問題無いと答える。 今通っている通路に沿って歩くと、手すりも無い幅3メートルの橋を渡る事になる。 下は五メートルを越える高さ。うまく飛べば何とかなりそうな高さではあるが、恐いものは恐いのだ。 カタカタ震えながらも橋の入り口の所まで歩を進めるヒナギク。 赤木は少し強い口調でそれを制する。 「迂回するぞ桂」 その口調にカチンと来たのか、ヒナギクはムキになって言い返す。 「何でよ! べ、べべべ別にこんなのどうって事ないわよ!」 「ある。いいから戻るぞ」 理由すら説明せずに戻る事を主張する赤木。 少し冷静さを欠いているヒナギクは気付かない。 普段の赤木ならば、この時ヒナギクの主張なぞ歯牙にもかけず、さっさと自分は元来た道を引き返しているだろうに、今の赤木は何故かヒナギクから目を離していないという事に。 ヒナギクは赤くなってぎゃーぎゃー喚くも、赤木は一切取り合わず、赤木がそれっぽい理由を並べ立てると瞬く間にやりこまれてしまう。 頬を膨らませながらも、渋々元来た道を戻ろうとした時、ヒナギクの視界が暗闇に閉ざされた。 列車突入時の間断ない戦闘。 本拠地突入という極度の緊張を強いられる環境。 自分の能力を超えるカマキロイドとの戦闘。 これら全てがヒナギクに過度の負担を強いていた。 身体的な事ではない、精神的な意味合いでのその負担は、ヒナギク自身にも知りえない形で徐々にヒナギクを蝕んでいた。 口では文句を言いつつも、高い所を通らずに済むという安堵感が良くなかったのだろう。 ヒナギクの意識は突然そこで失われた。 二度目の死んだフリ。 これは彼女本来の流れから逸脱した行為であると赤木は思っていた。 ツキの流れを手放しかねない大きな分水嶺であったと。 生死を賭けたこの場所で幸運の流れを失ったなら、結果はどうなるかわかりきった事だ。 だから赤木は三人での突入を避け、エレオノールにこの影響が及ぼされる事を回避しつつ、赤木が共にある事で更にツキの流れが変わるのを待った。 大事をとって休息を長めに取り、何かがあったとしてもすぐに対応出来るよう常にヒナギクを視界内に収めるよう動き、 ヒナギクの心理的負担を取り除く為に会話を続け、明らかに苦手であると思われた高所での移動を回避する。 今もヒナギクから目を離さずに居たのはその為だ。 ここは一瞬先に何が起こるかわからない戦場。 先のコマンドロイド乱入に対したように、赤木が対応出来るよう備えていたのだ。 ヒナギクの崩れ落ちていく体は、橋げたから外側へ、唯一死を迎える方向へと倒れ込んで行く。 手足のとっかかりとなる場所を床に見つけ、滑り込むように駆け寄る赤木。 その伸ばした手がヒナギクの腕を掴み取る。 しかし、赤木の怪我と疲労に弱った握力で、ヒナギクの汗に滑る腕を固定し、女の子とはいえ人間一人を支える程の力は望めなかった。 耳元を走る風の息吹に目を覚ます。 ひゅーひゅーと騒々しい音の理由に思い至った時、掛け値なしに背筋が凍った。 上を見上げていた体を捻り下を向きながら叫ぶ。 地面との距離を測って、バルキリースカートで落下の衝撃を受け止めるしかない。 「ぶ」 まだ距離はある、どうしよう、壁に剣を突きたてて落下を止めようか。 「そ」 ちょっとスピードつきすぎね。ならそれで速度を落として、着地の衝撃を和らげましょう。 「う」 ちょ、ちょっと待って。これ、もしかして…… 「れ」 間に合わない? 衝撃が来た。 体が動かない。 痛い、ただひたすら痛い。 全身が痺れたあの時と違って、痛くて痛くてしょうがない。 どうして、私どうしてこんな事になってるの。 痛い場所をさすろうとするけど、手が動かない。 私何か失敗した? 私悪い事したの? どうしてこんなに痛いのに誰も来てくれないの? 誰か、誰か居ないの? お姉ちゃん、お姉ちゃんは何処? 痛いよお姉ちゃん。恐いよお姉ちゃん。助けて、早く助けに来て。 ……そうだ、お姉ちゃんはここには居ないんだ。 じゃあハヤテ君。助けに来てくれるって言ったじゃない。 ……そうだ、ハヤテ君ももう居ないんだ。 私は殺し合いをしろって言われたんだ。みんなそう言われたんだ。 だから私は死んじゃうんだ。ナギやマリアさんみたいに。嫌、そんなの嫌。 小五郎さんは? 死んじゃった。 本郷さんは? 死んじゃった。 つかさは? 死んじゃった。 川田君は? 死んじゃった。 独歩さんは? 死んじゃった。 かがみは? 村雨さんは? エレオノールさんは? 赤木さんは? 服部さんは? ジョセフさんは? みんな来てくれないの? 覚悟君は? 私と一緒に居ないって言った。私の事好きにならないって。 じゃあ私一人ぼっち? 嫌、そんなの嫌。寂しい、誰も側に居てくれないのは寂しいよ。 誰か、一緒に居て……お願い……私死んじゃうのやだ…… ねえ……最後まで会いに……来て、くれないの? 私……本当に……死んじゃうよ……それでも……来て……くれ……ない……の…… ……お父さん、お母さん…………    ◇ ◇ ◇ バルキリースカートは扱うには訓練が必要だ。 木刀も赤木には不要な武器。ならわざわざ下に降りる必要は無い。 「……桂ヒナギク、お前は良くやった。だからもういい、そこでゆっくり休め」 赤木のような狂人ではない、かといって命のやりとりを常とする世界観に生きた人間でもない。 ごく平凡な生活を送ってきただろう彼女。 にもかかわらず、彼女は勇敢で恐れを知らぬ戦士であった。 無理をして、強がって、それでもと自分の生き方を貫いたのだろう。 敬意に値する。 だからだろうか、自らが巻き込まれる危険を顧みず、桂と共にあろうとしたのは。 今この手から桂を取りこぼした事で、自分の盛運も桂の不運に巻き込まれ、衰退の一途を辿っているだろう。 それでも構わない。そう思えるのは何故だろうか。 性分もあるだろう、より厳しい状況を好む性質は昔からの物だ。 しかしそれだけでは無い。 ズレた所はあるが、自分の身などおかまいなしで他人を案ずるエレオノールも、 恐れる気もなく死地に飛び込み、そこから必死になって生を拾おうとするヒナギクも、 どちらも赤木は気に入っていたのだ。 二人共、最初に出会った時とは見違える程、輝いて見えた。 同時に赤木は大首領へと想いを馳せる。 奴はヒナギクの生き方にも何ら感慨を抱かぬだろう。 それは生死を超越しているからではなく、ただ単純に「死」を知らないだけだ。 「……だから俺が教えてやる。お前に、死を」 &color(red){【カマキロイド@仮面ライダーSPIRITS 死亡】} &color(red){【桂ヒナギク@ハヤテのごとく 死亡】} &color(red){【残り8人】} 【サザンクロス内部 二日目 日中】 【赤木しげる@アカギ】 [状態]:脇腹に裂傷、首輪がありません。麻痺毒の影響を僅かに受けています。全身数箇所に打撲 [装備]:基本支給品、ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス(残り8本)、マイルドセブンワン1箱、     454カスール カスタムオート(5/7)@HELLSING 13mm爆裂鉄鋼弾(13発) 、シルバースキン@武装錬金(首輪を巻いています。核鉄状態) [道具]:傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの)     始祖の祈祷書@ゼロの使い魔(水に濡れふやけてます)、水のルビー@ゼロの使い魔     工具一式、医療具一式、沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ)、成仏鉄球@覚悟のススメ 、伊藤博士からの手紙、     伊藤博士からの手紙(ポケット内)、『注意書きを必読』と書かれたエニグマの紙(ポケット内)     ジャッカル@HELLSING(残弾数1)、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂     ベレッタM92(弾丸数0/15)、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳、懐中電灯@現地調達、包帯と湿布@現地調達、不明支給品×2 [思考・状況] 基本:対主催・大首領の肉体となる。 1:大首領との再会。バトルロワイアルに引きずり込む。 2:覚悟に斗貴子を死に追いやった事を隠し、欺く。 [備考] ※大首領との接触により、大首領とBADANとの間のズレを認識。 ※BADANという組織はあまり合理的に動かないと認識。 ※首輪は核鉄(シルバースキン)にパピヨンがやっていたように巻き付けており、使用できます。 【才賀エレオノール@からくりサーカス】 [状態]:疲労小 全身に火傷(ほぼ完治)。首輪が解除されました。 [装備]:エンゼル御前(核鉄状態&首輪@エレオノールが巻かれている)@武装錬金、あるるかん(白金)@からくりサーカス [道具]:青汁DX@武装錬金、ピエロの衣装@からくりサーカス、支給品一式、生命の水(アクア・ウィタエ) 保健室で手に入れた様々なもの [思考・状況] 基本:自分を助けてくれた者、信じてくれた者のためになんとしてでも主催者を倒す。 1:別れた仲間と合流。 2:夢で見たギイたちの言葉を信じ、魂を閉じ込める器(強化外骨格)を破壊する。 3:ナギの遺志を継いで、殺し合いを潰す。 4:一人でも多く救う。 5:できる事ならパピヨンを助けたい(優先順位は低い) [備考] ※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。 ※エンゼル御前は使用者から十メートル以上離れられません。 それ以上離れると核鉄に戻ります。 ※解除した首輪は核鉄(エンゼル御前)にパピヨンがやっていたように巻きつけており、使用できます。 [[前編>Bellis perennis]] |255:[[覚悟のススメ]]|[[投下順>第251話~第300話]]|257:[[天国の時 運命の夜明け]]| |255:[[覚悟のススメ]]|[[時系列順>第6回放送までの本編SS]]|257:[[天国の時 運命の夜明け]]| |251:[[人の瞳が背中についていない理由は]]|&color(red){桂ヒナギク}|&color(red){死亡}| |251:[[人の瞳が背中についていない理由は]]|[[才賀エレオノール]]|258:[[拳]]| |251:[[人の瞳が背中についていない理由は]]|[[赤木しげる]]|258:[[拳]]| ----

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