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アンデルセンは二度死ぬ!!仮面ライダー最後の日!! 俺の名は―――」(2009/07/11 (土) 18:58:34) の最新版変更点

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**アンデルセンは二度死ぬ!! 仮面ライダー最後の日!! 俺の名は――― ◆VACHiMDUA6  コートに、半裸身の神父アレクサンド・アンデルセン。  ロードローラーに圧殺された下半身は、長い時間をかけようやっと再生された。  遂に、遂に回復、快復した。  故に、故に異教徒共、悪魔共を葬ることが、法務ることができる。 「ぶぅぅるぅあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛」  故に吠える。神父は吠える。  歓喜とも、怒号ともとれない『狂気』の叫び声を上げる。  ――まずはあの売女、そしてあの化け物  アンデルセンは二人の顔を思い浮かべる。  瞬間、アンデルセンの脳髄をある感覚が包み込む。 「ぶぅぅぅぅるぅぅぅぅゥぁあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ッッ!!!!」  体の滾りを音に変え、口から放つ。  ―――俺の名はアレクサンド・アンデルセン  イスカリオテのユダの名にかけて、あの異教徒共を轢殺する。  再度(ふたたび)はない、あの者共は必ず轢殺する。  確実に轢殺するのだ。 ■  装備を万全に整えなくてはならない。  アンデルセンはデイパックから一枚の紙を取り出し、懐に入れる。  傷のある顔に思わず笑みが浮かぶ。この装備は文字通り、異教徒共を『轢』殺するシロモノだ。 「こんなものを使うことになるとはな」  次にまた一枚の紙を取り出す。  『東方仗助』とかかれた紙。それを勢いよく広げる。  紙から現れたのは、黒い制服、靴と靴下という衣類一式だ。  そのズボンを掴み上げ、股関節の位置で千切る。  そして、それを衣類を失った下肢に着用する。  短パンは快適とは言えないが、バルキリースカートは『肌に密着させた方が精密性が上がる』為、やむを得ない。  残った一枚は扱えそうもない支給品だ。これは開くまでもない。  アンデルセンは靴を履いた足で立ち上がる。  追跡の目標はあの仮面の化け物が流した血だ。  途中に出会う異教徒は全て見的必殺。仮面の化け物も見的必殺。  走りだす。それは最早人の速度を超えた加速。  バルキリースカートの可動肢を駆使して、アンデルセンは走る。  目標!!「化け物」!! 目標!!「売女」!!  ―――『追撃開始』 ――――――――――――――――――――――  住宅地の中心部、遂に両者は邂逅する。  ここまで本郷、アンデルセンともに誰にも出会うことはなかった。果たして、それは幸運なことなのか、そうでないかはわからない。  だが、遂に両雄は合間見える。  二人の心情は共に正義。ただ、立ち位置が大きく違うだけだ。 「久しぶりだな化け物(フリークス)」  アンデルセンは狂喜に嗤う。 「………………」  対して、本郷に表情はない。 「どうした、あの売女は一緒じゃないのか?」 「……………………」  神父の問いかけに、本郷は応えない。ただ、腰に手をやっただけだ。  そして、 「変ん………身んんッ!!!!」 「ヴゥァアアアアルキリィイイイイイイイイッッスカァアアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛トッッッッ!!!!」  両者の叫びと共に、朝焼けの戦いの火蓋は切って落とされた。 ■  本郷、アンデルセン共にお互いの腕の鎌首を上げ、対峙した敵へと突進する。  アンデルセンのもたげた腕は四本。  対して、本郷は一本。  だが本数が戦力の決定的差にはならない。  機動力がある。  手数が足りないなら、相手の攻撃の手を回避し、懐に回れば良い。  本郷程の実力者ならそのことはとうに理解している。  しかし、如何せんとも現実は非常である。  処刑鎌は手数も多い上に、素早いのだ。  多角からの斬撃。しかもその全てが必倒必至。  そのため、本郷は回避に専念することをやむを得ない。  或いは、斬撃が歪で不正確ならば良かったのだろう。  しかし、精密。  とてもじゃないが打ち損じを狙えない。  『肌に密着させた効果』、これは関係ないかもしれない。  しかし鎌は本郷の急所、隙を全て狙い、またアンデルセンの隙を隠す。  無理に崩しに行けば、逆に本郷が崩れ落ちるだろう。  まさに『攻撃は最大の防御』の精神が形となった、絶対無敵将軍である。  この防壁は容易に崩せそうにはない。 ■  戦いが経過してから、太陽が1゜は上昇しただろう。  しかし戦いに進展は、決定打はまだない。  本郷へ迫る処刑鎌。  避けつつアンデルセンの隙をつこうとする本郷。  その本郷へと攻撃をするアンデルセン。  また攻撃を避ける本郷……  と、戦いは膠着状態に陥った。  だが、状況は五分でない。  本郷の方が消耗が激しいのだ。  鎌の攻撃が高速、多角、多数な分、本郷の移動は素早く、そして大きなものになってしまう。  更に加えて、アンデルセンはバルキリースカートによる攻撃、しかし一方、本郷は己が肉体を用いての攻撃。  しかもその肉体は、参加者を拘束する制限で蝕まれている。  最早これだけの要因があれば、本郷の不利は確定的である。  しかし、それでも戦いが止むことはない。  本郷猛は正義の改造人間なのだ。  牙を持たぬ者の為にも、こんな場所で潰える訳にはいかない。  牙を持たぬ者の為にも、この狂った牙を野放しにしてはいけない。  熱く滾る正義の心で体に降りかかる消耗を抑えつけ、本郷猛は動き続ける。  太陽が更に1゜上昇した頃、変化が現れ始めた。  処刑鎌の可動肢の動きに誤差が出始めたのだ。  一ミリにも満たなかったそれは、動きを重ねるごとに数ミリ、数センチと幅を広げていった。  アームによる高速移動、多角的高速精密攻撃の連続、想像を超えた本郷の回避速度……原因はこれらだろう。  何にせよ、攻撃には絶好の好機。  本郷は重心を素早く移動し、アンデルセンに拳を振るう。 「ライダァーーパァンチ!」  ライダーパンチは、誤差が出たバルキリースカートでは受け止められない筈の、必中の一撃の筈だった。  しかし、それは二本の鎌に阻まれ、   ずぶ。  そして逆にカウンターとばかりに、残り二本が本郷の腹へと差し込まれた。 「ゲハハハハハハァァァァァハァァ」  そう、ブラフ。『行使過多による可動肢の異常』とはアンデルセンのブラフだったのだ。  お互いが膠着状態ならば、そこに隙という『石』を投じれば良い。  『石』が起こした波紋は、慎、と張った戦いの水面を波立たせ、水を零させる。  そうなれば戦いの均衡は戻らない。平衡だった力は傾いたまま戻らなくなる。  そう、全てはアンデルセンの策略。  そして、  本郷の腹に刺さった鎌が、均衡を崩さんと動きだす。 「はァァァァら゛ァァァァわ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛たァァァァを゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛  ブゥゥウゥウ゛ゥゥチィィィ゛ィ゛ィ゛ィ撒゛ァァァァけェェェろォォオォォオオォォオォォォオ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛  フゥウリィィィィィィクゥゥウスゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッッッ!!!!!」  叫びとともに左右に開く鎌の動きは、深く貫いた本郷の腑を周囲に撒き散らすもの。  だが、ブチ撒けない。  スピード、精密動作性、手数……バルキリースカートにあって仮面ライダーに足らないものは手数。  ならば逆に仮面ライダーにあってバルキリースカートに足らないものは、パワー。  掴んだ蛇口をねじきり、戦車を逆さに覆すパワーは制限下とて、バルキリースカートを圧倒するものなのだ。  広がろうとしたアームは逆に、閉じられ引き抜かれた。  そして、 「ライダーーーーーーきりもみシューーーーーーート」  掛け声と共に、アームを支点としてアンデルセンの体を放り上げる。  巻き起こる一筋の竜巻と、術なく紙のごとく巻き上げられたアンデルセン。 「トウッ!」  すかさず本郷は追撃に飛び上がる。 「電光ォーーーーー」  空中で回転、上昇する。 「ライダァァァーーーーー」  自分に迫るソレを、アンデルセンは嗤って見下ろす。 ■  アンデルセンは本郷の行動を嗤いに歪んだ顔で睨む。  ―――愉快。化け物は自分の手の上で踊っている  ここまでの流れは、アンデルセンの筋立て通り。  アームの罠にかかる化け物、腹部に突き刺さる処刑の鎌、放り上げられる自分。  全て筋書き通り。この後化け物が蹴りで追撃する事も。  既に一度戦った。アンデルセンにはそれで充分だった。  あの時化け物が見せた技、「ライダーパンチ」「ライダーキック」「ライダーきりもみシュート」……どれも射程が乏しい無手の技だ。  このことから、確実に接近してから攻撃する、いや『確実に接近しなければ攻撃できない』ことが容易に読みとれる。  つまり、『隙を作れば確実に接近する』ことは簡単に予測できるのだ。  そして化け物の『パンチは決定打にならない』ということ。  あの時化け物は地面に向けて「ライダーパンチ」を放った。  つまりこのパンチは『決め手』に非ず、次の技に繋げる『繋ぎ手』ということ。  化け物の『決め手』とは「ライダーキック」だろう。  「ライダーパンチ」で動きを止め、「きりもみシュート」で放り投げ、「ライダーキック」で留めを刺しに来る。  ―――恐らくこれが定石。  ならば『繋ぎ手』を封じるとどうなるか?  化け物はなんとかして自分の動きを止め、『決め手』に持ち込もうとするだろう。  そして多少の無茶が許される、奴のタフネスを加える。  これらを総動員して『決め手』までの流れをつくるとしたならば、『受け止め、放り投げ、決め手を放つ』ことは想像に足る。  後はそれを逆手にとればいい。  加速をつけて止めにきたところを串刺し、場合によっては懐のもので轢殺する。  前は売女のせいで阻まれたが、こんどそうはいかせない。  ―――手負いの状態で、教皇庁に、第13課に、この私に同じことが通用するか!  ―――踊れ、踊れ、化物が、全ては私の掌の上でな。 ■  本郷に計算違いがあるとすれば、アレクサンド・アンデルセンが存外にキレる人物だったということ。  対化物技術の結晶は狂った虎などではなく、虎の体を得た人間なのだ。  また、アンデルセンに思い違いがあるとするなら、仮面ライダー1号には「技の1号」と呼ばれる程、多彩な技があること。  そして本郷猛は、その技をもって多数の敵を破ってきたのだ。 「キィィィィーーーーーーー」 「シィィィィィィィィッッ」  空中で二つの影が接触する。  近づく点は足。  近づく者は本郷猛。  受け止める点は肢。  受け止める者はアレクサンド・アンデルセン。  本郷の渾身の蹴りを、バルキリースカートの処刑鎌二本を盾とし、受け止めにかかる。  爆ぜる可動肢。  本郷の渾身の蹴りは、バルキリースカートのガードを弾き飛ばし、余力でアンデルセンを弾き飛ばす。  しかし、一蹴はそれでご破算。  キックの余分で上昇を続ける本郷。そこへ、残りの二本の鎌が、   がくん。  動かない。  突然の停止、ガードも弾け飛び無防備になった躯へ、 「……ーーーーーーッック!!!!」  キックの二撃目が到達。  瞬間、  アンデルセンの体が爆ぜる。  昔、本郷猛は必殺のライダーキックをもって怪人に敗れたことがある。  傷つき倒れる本郷。その怪人を破るには、更なる必殺技が必要だった。  そこで、特訓を重ね、必死の特訓の末に本郷猛は新たな技を体得した。  それが、「電光ライダーキック」。  一蹴を以て、両足で撃する蹴撃の技。  ――それが「電光ライダーキック」なのだ。 「ぐがぁぁぁぁア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛」  裂ける皮膚。千切れる筋肉。砕ける骨。噴き出す血糊。  ただの一撃。威力は本来二撃のものより少ないのだが、  その一撃は「再生者」アンデルセンの躯を砕くに足る威力。 「ウオォォォーーーーーーーーー!」  そのままの勢いでアンデルセンの躯を貫こうとする本郷。 「「ぶぅぅぅるぅぅぅゥぁあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ッッ!!!  ヴゥァアアアルキリィイイイイッッスカァアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛トッッッッ!」」  しかしアンデルセンもそのままみすみす貫かれたりはしない。  バルキリースカートを本郷の体の一番硬い部分、ベルトに押し当て自ら弾け飛ぶ。  更なる上昇を加えるアンデルセンと、地上に降りる本郷。  有利はアンデルセン。  大地を踏みしめる本郷。仕損じたなら再び跳べば。 「トウ!!……ヌ」  膝の力が抜ける。  ――限界、というものか。  能力を制限され、肉体を負傷し、体力を消耗した体での必殺技の行使は、本郷の体に重くのしかかっていた。  そして大技、「電光ライダーキック」の使用。  それが止めと本郷の体に限界をもたらせたのだろう。いや、或いは既に限界など突破していたのかもしれない。  膝に力が入らない。  膝を折り、地面に崩れる本郷。  一方、アンデルセンは―― 「ぐおおおおおおおおおおおおおおおお」  ―――同じく限界。  ボロ布の体で宙を舞う。  両者共に満身創痍。しかしアンデルセンにはまだある。  ――切り札が、ある。 「ブゥウラァァァァッッックゥゥゥウウバァァア゛ァァァァァァァァァァァアドッッッッ!!」  懐から取り出した紙。  そこから発現される漆黒の十字架。鉄(くろがね)の破壊鎚。  ―――EXP-14LIE高々度実験機。  SR-71『ブラックバード』をベースに異常改造を加えた漆黒の実験機。  高々度高速度レコードを塗り替える為に作られたソレは、アーカードに破壊鎚として使用され、  ―――ここでも、そう、なる。  迫り来るアンデルセン。  処刑を告げる鉄の十字架。  満身創痍、既に動くこともままならない本郷に、  ―――かわす術は、ない。  本郷は、ふとアンデルセンのデイパックに目をやる。  隣に打ち捨てられたソレの中に、知っている言葉を見つけた気がした。  ――いや、既に知っているでは生温い、戦友の名前。 「シィィィィィィィィィィィィィィィィィィイイイイイ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛イ゛イ゛イ゛」  鎚を掲げたアンデルセンが迫る。  本郷にもう猶予はない。 「ライダァァァパワァァァァァアーーーー」  ベルトの脇のスイッチが動き、ベルトが光る。  回転を増す風車。一時的であるにしろ生まれるパワー。  最後の力を振り絞れ、俺は……  ―――俺は仮面ライダー、正義の味方だ。  地面を強く踏みしめ、立ち上がる。  腕を一文字に構え、反対側に振る。   静寂。後に、    ブ オ ォォ オ オ オ   巻き起こる嵐。 「おおおおおおおおおおおおおお」  空中という足場のない空間では、アンデルセンと言えども「しよう」がない。  為す術もなく、渦の中心へと引き寄せられる。  更に増す回転。  そこへ、本郷は跳ぶ。 「ライダァァァァーーーーーーーー」  足をブラックバード、アンデルセンに向けて、  「スクリュゥゥーーーーーーーー」  自身が回転。それに、きりもみシュートの回転を加えて、 「キィィィィーーーーーーーーーック!!!!」  増幅させた威力で、アンデルセンとブラックバードを貫く。  本来ならば制限下で本来の威力が出ない「スクリューキック」も、「ライダーパワー」、「きりもみシュート」の回転を加えれば本来の威力を取り戻す。  そして威力を取り戻した必殺技は、文字通り「必殺」の一撃と化す。  無慈悲に、直列したアンデルセンとブラックバードを、「スクリューキック」は貫き、穿つ。  キックの余力で上空へと上がった本郷。その眼下で、 「法王庁……万歳゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィィィィィィィィィィ」  アンデルセンは切り札の爆発に巻き込まれ、四散した。  二度目の直撃。  ーーーこれが狂戦士の、最期である。 &color(red){【アレクサンド・アンデルセン@HELLSING:死亡確認】} &color(red){【残り52人】} ――――――――――――――――――――――  変身の解けた姿で、本郷は地を踏みしめていた。  その手には核鉄。  皹を入れたが、あの爆発に巻き込まれて砕けなかったというのは凄まじい。  改造人間の再生能力と相まって、バルキリースカートで負った体中の傷も加速度的に修復されていく。  だがただ一部、再生されない箇所がある。  ――ベルトの、風車。  ここだけは再生能力をもってしても治癒が進まない。  これも制限だろうか、それは本郷にもわからない。  ただ、こうなった原因はわかる。  度重なる変身、連続した必殺技の使用、傷ついて尚の回転数の上昇……これら全ての複合がなした業だ。  そしてもう一つ、わかることがある。  本郷猛は、いや仮面ライダーは、アンデルセンと相討ちになり、ここで死んだのだ。  仮面ライダーにもう変身はできない。もし変身をするならば、それは本郷猛の最期になる。  しかしこの先、弱者の為、正義の為ならそれも惜しまない。  本郷猛は―――正義の味方―――なのだから。  アンデルセンのデイパックを拾い、立ち上がる。  この中に含まれたモノは、ZXの記憶、メモリーキューブ。  これがここにあるということは、ZXが、自分の知っている村雨良でなくなっているかもしれないということ。  自分と初めて出会った時の破壊の化身と化しているかもしれないということ。  弱者の為にも、村雨の為にも、それを放っておけるわけはない。  ―――一刻も速くZXを見つけ出さなくては。  まだ傷の残る体を推し、本郷猛はその場を駆け出した。  この先には自分の死が待っているかもしれない。  それでも、 「それでも俺の名は――――仮面ライダーなのだから」 【G-4/一日目 早朝】 【本郷猛@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:前腕部に切創、腹部に重度の切創、ベルト(風車)の中破、 疲労(大)、     (ベルトの中破以外全て自然治癒中。ライダーの自己再生能力+核鉄の治癒効果) [装備]:核鉄(バルキリー・スカート、皹)@武装錬金 [道具]:支給品一式、ZXのメモリーキューブ(紙状態)@仮面ライダーSPIRITS [思考] 基本:弱者を保護するが、襲ってくるものには容赦しない 1:轟音の正体を確かめる(三影ではと思っています) 2:村雨との合流、メモリーキューブの装着、三影の阻止(場合によっては破壊) 3:1、2を達成後にヒナギク達と合流 4:可能ならばベルトの修繕 [備考] ※ 参戦時期はコミックス7巻(第二十八話)です ベルトの損傷の再生は自己再生能力及び、核鉄の治癒効果では難しいと考えています ベルトの損傷により、次の変身が自分の最期であることを自覚しています。しかし、正義のためには迷わず変身するつもりです メモリーキューブの説明、状況から、ZXが当初出会った状態になっている可能性を危惧しています 仗助の学生服(上着)@ジョジョの奇妙な冒険、仗助の靴下(ミスタージュンコ)@ジョジョの奇妙な冒険 は【G-5 林】に放置されています EXP-14LIE高高度実験機@HELLSINGは爆散しました EXP-14LIE高高度実験機@HELLSINGの爆発音は周囲8マスに響いた可能性があります 【必殺技解説】 【ライダーパンチ@仮面ライダー】:オーソドックスなパンチ 【ライダーきりもみシュート@仮面ライダーSPIRITS】:敵を掴んで回転させ、竜巻と共に上空へ打ち上げる 【電光ライダーキック@仮面ライダー】:ライダーキックの強化版。両足で蹴撃する 【ライダーパワー@仮面ライダー】:ベルト左脇のパワースイッチで、一時的にパワーを上昇させる 【ライダースクリューキック@仮面ライダー】:ライダーキックの強化技。高速で回転しつつ、ライダーキックを放つ 【ライダーきりもみシュート(空撃ち)@仮面ライダーSPIRITS】:空のきりもみシュート。竜巻を巻き起こす。原作ではZXが使用 ※本編では【ライダースクリューキック】と【ライダーきりもみシュート(空撃ち)】を併用しました ※【@仮面ライダー】=特撮版、【@仮面ライダーSPIRITS】=漫画版 |052:[[永遠の夢に向かって]]|[[投下順>第051話~第100話]]|054:[[貴重な貴重なサービスシーン]]| |052:[[永遠の夢に向かって]]|[[時系列順>第1回放送までの本編SS]]|054:[[貴重な貴重なサービスシーン]]| |033:[[出動!バルスカ神父]]|&color(red){アレクサンド・アンデルセン}|&color(red){死亡}| |050:[[摩天楼の死兆星]]|花山薫|079:[[Blue sky]]| ----
**アンデルセンは二度死ぬ!! 仮面ライダー最後の日!! 俺の名は――― ◆VACHiMDUA6  コートに、半裸身の神父アレクサンド・アンデルセン。  ロードローラーに圧殺された下半身は、長い時間をかけようやっと再生された。  遂に、遂に回復、快復した。  故に、故に異教徒共、悪魔共を葬ることが、法務ることができる。 「ぶぅぅるぅあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛」  故に吠える。神父は吠える。  歓喜とも、怒号ともとれない『狂気』の叫び声を上げる。  ――まずはあの売女、そしてあの化け物  アンデルセンは二人の顔を思い浮かべる。  瞬間、アンデルセンの脳髄をある感覚が包み込む。 「ぶぅぅぅぅるぅぅぅぅゥぁあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ッッ!!!!」  体の滾りを音に変え、口から放つ。  ―――俺の名はアレクサンド・アンデルセン  イスカリオテのユダの名にかけて、あの異教徒共を轢殺する。  再度(ふたたび)はない、あの者共は必ず轢殺する。  確実に轢殺するのだ。 ■  装備を万全に整えなくてはならない。  アンデルセンはデイパックから一枚の紙を取り出し、懐に入れる。  傷のある顔に思わず笑みが浮かぶ。この装備は文字通り、異教徒共を『轢』殺するシロモノだ。 「こんなものを使うことになるとはな」  次にまた一枚の紙を取り出す。  『東方仗助』とかかれた紙。それを勢いよく広げる。  紙から現れたのは、黒い制服、靴と靴下という衣類一式だ。  そのズボンを掴み上げ、股関節の位置で千切る。  そして、それを衣類を失った下肢に着用する。  短パンは快適とは言えないが、バルキリースカートは『肌に密着させた方が精密性が上がる』為、やむを得ない。  残った一枚は扱えそうもない支給品だ。これは開くまでもない。  アンデルセンは靴を履いた足で立ち上がる。  追跡の目標はあの仮面の化け物が流した血だ。  途中に出会う異教徒は全て見的必殺。仮面の化け物も見的必殺。  走りだす。それは最早人の速度を超えた加速。  バルキリースカートの可動肢を駆使して、アンデルセンは走る。  目標!!「化け物」!! 目標!!「売女」!!  ―――『追撃開始』 ――――――――――――――――――――――  住宅地の中心部、遂に両者は邂逅する。  ここまで本郷、アンデルセンともに誰にも出会うことはなかった。果たして、それは幸運なことなのか、そうでないかはわからない。  だが、遂に両雄は合間見える。  二人の心情は共に正義。ただ、立ち位置が大きく違うだけだ。 「久しぶりだな化け物(フリークス)」  アンデルセンは狂喜に嗤う。 「………………」  対して、本郷に表情はない。 「どうした、あの売女は一緒じゃないのか?」 「……………………」  神父の問いかけに、本郷は応えない。ただ、腰に手をやっただけだ。  そして、 「変ん………身んんッ!!!!」 「ヴゥァアアアアルキリィイイイイイイイイッッスカァアアアアアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛トッッッッ!!!!」  両者の叫びと共に、朝焼けの戦いの火蓋は切って落とされた。 ■  本郷、アンデルセン共にお互いの腕の鎌首を上げ、対峙した敵へと突進する。  アンデルセンのもたげた腕は四本。  対して、本郷は一本。  だが本数が戦力の決定的差にはならない。  機動力がある。  手数が足りないなら、相手の攻撃の手を回避し、懐に回れば良い。  本郷程の実力者ならそのことはとうに理解している。  しかし、如何せんとも現実は非常である。  処刑鎌は手数も多い上に、素早いのだ。  多角からの斬撃。しかもその全てが必倒必至。  そのため、本郷は回避に専念することをやむを得ない。  或いは、斬撃が歪で不正確ならば良かったのだろう。  しかし、精密。  とてもじゃないが打ち損じを狙えない。  『肌に密着させた効果』、これは関係ないかもしれない。  しかし鎌は本郷の急所、隙を全て狙い、またアンデルセンの隙を隠す。  無理に崩しに行けば、逆に本郷が崩れ落ちるだろう。  まさに『攻撃は最大の防御』の精神が形となった、絶対無敵将軍である。  この防壁は容易に崩せそうにはない。 ■  戦いが経過してから、太陽が1゜は上昇しただろう。  しかし戦いに進展は、決定打はまだない。  本郷へ迫る処刑鎌。  避けつつアンデルセンの隙をつこうとする本郷。  その本郷へと攻撃をするアンデルセン。  また攻撃を避ける本郷……  と、戦いは膠着状態に陥った。  だが、状況は五分でない。  本郷の方が消耗が激しいのだ。  鎌の攻撃が高速、多角、多数な分、本郷の移動は素早く、そして大きなものになってしまう。  更に加えて、アンデルセンはバルキリースカートによる攻撃、しかし一方、本郷は己が肉体を用いての攻撃。  しかもその肉体は、参加者を拘束する制限で蝕まれている。  最早これだけの要因があれば、本郷の不利は確定的である。  しかし、それでも戦いが止むことはない。  本郷猛は正義の改造人間なのだ。  牙を持たぬ者の為にも、こんな場所で潰える訳にはいかない。  牙を持たぬ者の為にも、この狂った牙を野放しにしてはいけない。  熱く滾る正義の心で体に降りかかる消耗を抑えつけ、本郷猛は動き続ける。  太陽が更に1゜上昇した頃、変化が現れ始めた。  処刑鎌の可動肢の動きに誤差が出始めたのだ。  一ミリにも満たなかったそれは、動きを重ねるごとに数ミリ、数センチと幅を広げていった。  アームによる高速移動、多角的高速精密攻撃の連続、想像を超えた本郷の回避速度……原因はこれらだろう。  何にせよ、攻撃には絶好の好機。  本郷は重心を素早く移動し、アンデルセンに拳を振るう。 「ライダァーーパァンチ!」  ライダーパンチは、誤差が出たバルキリースカートでは受け止められない筈の、必中の一撃の筈だった。  しかし、それは二本の鎌に阻まれ、   ずぶ。  そして逆にカウンターとばかりに、残り二本が本郷の腹へと差し込まれた。 「ゲハハハハハハァァァァァハァァ」  そう、ブラフ。『行使過多による可動肢の異常』とはアンデルセンのブラフだったのだ。  お互いが膠着状態ならば、そこに隙という『石』を投じれば良い。  『石』が起こした波紋は、慎、と張った戦いの水面を波立たせ、水を零させる。  そうなれば戦いの均衡は戻らない。平衡だった力は傾いたまま戻らなくなる。  そう、全てはアンデルセンの策略。  そして、  本郷の腹に刺さった鎌が、均衡を崩さんと動きだす。 「はァァァァら゛ァァァァわ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛たァァァァを゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛  ブゥゥウゥウ゛ゥゥチィィィ゛ィ゛ィ゛ィ撒゛ァァァァけェェェろォォオォォオオォォオォォォオ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛  フゥウリィィィィィィクゥゥウスゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッッッ!!!!!」  叫びとともに左右に開く鎌の動きは、深く貫いた本郷の腑を周囲に撒き散らすもの。  だが、ブチ撒けない。  スピード、精密動作性、手数……バルキリースカートにあって仮面ライダーに足らないものは手数。  ならば逆に仮面ライダーにあってバルキリースカートに足らないものは、パワー。  掴んだ蛇口をねじきり、戦車を逆さに覆すパワーは制限下とて、バルキリースカートを圧倒するものなのだ。  広がろうとしたアームは逆に、閉じられ引き抜かれた。  そして、 「ライダーーーーーーきりもみシューーーーーーート」  掛け声と共に、アームを支点としてアンデルセンの体を放り上げる。  巻き起こる一筋の竜巻と、術なく紙のごとく巻き上げられたアンデルセン。 「トウッ!」  すかさず本郷は追撃に飛び上がる。 「電光ォーーーーー」  空中で回転、上昇する。 「ライダァァァーーーーー」  自分に迫るソレを、アンデルセンは嗤って見下ろす。 ■  アンデルセンは本郷の行動を嗤いに歪んだ顔で睨む。  ―――愉快。化け物は自分の手の上で踊っている  ここまでの流れは、アンデルセンの筋立て通り。  アームの罠にかかる化け物、腹部に突き刺さる処刑の鎌、放り上げられる自分。  全て筋書き通り。この後化け物が蹴りで追撃する事も。  既に一度戦った。アンデルセンにはそれで充分だった。  あの時化け物が見せた技、「ライダーパンチ」「ライダーキック」「ライダーきりもみシュート」……どれも射程が乏しい無手の技だ。  このことから、確実に接近してから攻撃する、いや『確実に接近しなければ攻撃できない』ことが容易に読みとれる。  つまり、『隙を作れば確実に接近する』ことは簡単に予測できるのだ。  そして化け物の『パンチは決定打にならない』ということ。  あの時化け物は地面に向けて「ライダーパンチ」を放った。  つまりこのパンチは『決め手』に非ず、次の技に繋げる『繋ぎ手』ということ。  化け物の『決め手』とは「ライダーキック」だろう。  「ライダーパンチ」で動きを止め、「きりもみシュート」で放り投げ、「ライダーキック」で留めを刺しに来る。  ―――恐らくこれが定石。  ならば『繋ぎ手』を封じるとどうなるか?  化け物はなんとかして自分の動きを止め、『決め手』に持ち込もうとするだろう。  そして多少の無茶が許される、奴のタフネスを加える。  これらを総動員して『決め手』までの流れをつくるとしたならば、『受け止め、放り投げ、決め手を放つ』ことは想像に足る。  後はそれを逆手にとればいい。  加速をつけて止めにきたところを串刺し、場合によっては懐のもので轢殺する。  前は売女のせいで阻まれたが、こんどそうはいかせない。  ―――手負いの状態で、教皇庁に、第13課に、この私に同じことが通用するか!  ―――踊れ、踊れ、化物が、全ては私の掌の上でな。 ■  本郷に計算違いがあるとすれば、アレクサンド・アンデルセンが存外にキレる人物だったということ。  対化物技術の結晶は狂った虎などではなく、虎の体を得た人間なのだ。  また、アンデルセンに思い違いがあるとするなら、仮面ライダー1号には「技の1号」と呼ばれる程、多彩な技があること。  そして本郷猛は、その技をもって多数の敵を破ってきたのだ。 「キィィィィーーーーーーー」 「シィィィィィィィィッッ」  空中で二つの影が接触する。  近づく点は足。  近づく者は本郷猛。  受け止める点は肢。  受け止める者はアレクサンド・アンデルセン。  本郷の渾身の蹴りを、バルキリースカートの処刑鎌二本を盾とし、受け止めにかかる。  爆ぜる可動肢。  本郷の渾身の蹴りは、バルキリースカートのガードを弾き飛ばし、余力でアンデルセンを弾き飛ばす。  しかし、一蹴はそれでご破算。  キックの余分で上昇を続ける本郷。そこへ、残りの二本の鎌が、   がくん。  動かない。  突然の停止、ガードも弾け飛び無防備になった躯へ、 「……ーーーーーーッック!!!!」  キックの二撃目が到達。  瞬間、  アンデルセンの体が爆ぜる。  昔、本郷猛は必殺のライダーキックをもって怪人に敗れたことがある。  傷つき倒れる本郷。その怪人を破るには、更なる必殺技が必要だった。  そこで、特訓を重ね、必死の特訓の末に本郷猛は新たな技を体得した。  それが、「電光ライダーキック」。  一蹴を以て、両足で撃する蹴撃の技。  ――それが「電光ライダーキック」なのだ。 「ぐがぁぁぁぁア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛」  裂ける皮膚。千切れる筋肉。砕ける骨。噴き出す血糊。  ただの一撃。威力は本来二撃のものより少ないのだが、  その一撃は「再生者」アンデルセンの躯を砕くに足る威力。 「ウオォォォーーーーーーーーー!」  そのままの勢いでアンデルセンの躯を貫こうとする本郷。 「「ぶぅぅぅるぅぅぅゥぁあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ッッ!!!  ヴゥァアアアルキリィイイイイッッスカァアアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛トッッッッ!」」  しかしアンデルセンもそのままみすみす貫かれたりはしない。  バルキリースカートを本郷の体の一番硬い部分、ベルトに押し当て自ら弾け飛ぶ。  更なる上昇を加えるアンデルセンと、地上に降りる本郷。  有利はアンデルセン。  大地を踏みしめる本郷。仕損じたなら再び跳べば。 「トウ!!……ヌ」  膝の力が抜ける。  ――限界、というものか。  能力を制限され、肉体を負傷し、体力を消耗した体での必殺技の行使は、本郷の体に重くのしかかっていた。  そして大技、「電光ライダーキック」の使用。  それが止めと本郷の体に限界をもたらせたのだろう。いや、或いは既に限界など突破していたのかもしれない。  膝に力が入らない。  膝を折り、地面に崩れる本郷。  一方、アンデルセンは―― 「ぐおおおおおおおおおおおおおおおお」  ―――同じく限界。  ボロ布の体で宙を舞う。  両者共に満身創痍。しかしアンデルセンにはまだある。  ――切り札が、ある。 「ブゥウラァァァァッッックゥゥゥウウバァァア゛ァァァァァァァァァァァアドッッッッ!!」  懐から取り出した紙。  そこから発現される漆黒の十字架。鉄(くろがね)の破壊鎚。  ―――EXP-14LIE高々度実験機。  SR-71『ブラックバード』をベースに異常改造を加えた漆黒の実験機。  高々度高速度レコードを塗り替える為に作られたソレは、アーカードに破壊鎚として使用され、  ―――ここでも、そう、なる。  迫り来るアンデルセン。  処刑を告げる鉄の十字架。  満身創痍、既に動くこともままならない本郷に、  ―――かわす術は、ない。  本郷は、ふとアンデルセンのデイパックに目をやる。  隣に打ち捨てられたソレの中に、知っている言葉を見つけた気がした。  ――いや、既に知っているでは生温い、戦友の名前。 「シィィィィィィィィィィィィィィィィィィイイイイイ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛イ゛イ゛イ゛」  鎚を掲げたアンデルセンが迫る。  本郷にもう猶予はない。 「ライダァァァパワァァァァァアーーーー」  ベルトの脇のスイッチが動き、ベルトが光る。  回転を増す風車。一時的であるにしろ生まれるパワー。  最後の力を振り絞れ、俺は……  ―――俺は仮面ライダー、正義の味方だ。  地面を強く踏みしめ、立ち上がる。  腕を一文字に構え、反対側に振る。   静寂。後に、    ブ オ ォォ オ オ オ   巻き起こる嵐。 「おおおおおおおおおおおおおお」  空中という足場のない空間では、アンデルセンと言えども「しよう」がない。  為す術もなく、渦の中心へと引き寄せられる。  更に増す回転。  そこへ、本郷は跳ぶ。 「ライダァァァァーーーーーーーー」  足をブラックバード、アンデルセンに向けて、  「スクリュゥゥーーーーーーーー」  自身が回転。それに、きりもみシュートの回転を加えて、 「キィィィィーーーーーーーーーック!!!!」  増幅させた威力で、アンデルセンとブラックバードを貫く。  本来ならば制限下で本来の威力が出ない「スクリューキック」も、「ライダーパワー」、「きりもみシュート」の回転を加えれば本来の威力を取り戻す。  そして威力を取り戻した必殺技は、文字通り「必殺」の一撃と化す。  無慈悲に、直列したアンデルセンとブラックバードを、「スクリューキック」は貫き、穿つ。  キックの余力で上空へと上がった本郷。その眼下で、 「法王庁……万歳゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィィィィィィィィィィ」  アンデルセンは切り札の爆発に巻き込まれ、四散した。  二度目の直撃。  ーーーこれが狂戦士の、最期である。 &color(red){【アレクサンド・アンデルセン@HELLSING:死亡確認】} &color(red){【残り52人】} ――――――――――――――――――――――  変身の解けた姿で、本郷は地を踏みしめていた。  その手には核鉄。  皹を入れたが、あの爆発に巻き込まれて砕けなかったというのは凄まじい。  改造人間の再生能力と相まって、バルキリースカートで負った体中の傷も加速度的に修復されていく。  だがただ一部、再生されない箇所がある。  ――ベルトの、風車。  ここだけは再生能力をもってしても治癒が進まない。  これも制限だろうか、それは本郷にもわからない。  ただ、こうなった原因はわかる。  度重なる変身、連続した必殺技の使用、傷ついて尚の回転数の上昇……これら全ての複合がなした業だ。  そしてもう一つ、わかることがある。  本郷猛は、いや仮面ライダーは、アンデルセンと相討ちになり、ここで死んだのだ。  仮面ライダーにもう変身はできない。もし変身をするならば、それは本郷猛の最期になる。  しかしこの先、弱者の為、正義の為ならそれも惜しまない。  本郷猛は―――正義の味方―――なのだから。  アンデルセンのデイパックを拾い、立ち上がる。  この中に含まれたモノは、ZXの記憶、メモリーキューブ。  これがここにあるということは、ZXが、自分の知っている村雨良でなくなっているかもしれないということ。  自分と初めて出会った時の破壊の化身と化しているかもしれないということ。  弱者の為にも、村雨の為にも、それを放っておけるわけはない。  ―――一刻も速くZXを見つけ出さなくては。  まだ傷の残る体を推し、本郷猛はその場を駆け出した。  この先には自分の死が待っているかもしれない。  それでも、 「それでも俺の名は――――仮面ライダーなのだから」 【G-4/一日目 早朝】 【本郷猛@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:前腕部に切創、腹部に重度の切創、ベルト(風車)の中破、 疲労(大)、     (ベルトの中破以外全て自然治癒中。ライダーの自己再生能力+核鉄の治癒効果) [装備]:核鉄(バルキリー・スカート、皹)@武装錬金 [道具]:支給品一式、ZXのメモリーキューブ(紙状態)@仮面ライダーSPIRITS [思考] 基本:弱者を保護するが、襲ってくるものには容赦しない 1:轟音の正体を確かめる(三影ではと思っています) 2:村雨との合流、メモリーキューブの装着、三影の阻止(場合によっては破壊) 3:1、2を達成後にヒナギク達と合流 4:可能ならばベルトの修繕 [備考] ※ 参戦時期はコミックス7巻(第二十八話)です ベルトの損傷の再生は自己再生能力及び、核鉄の治癒効果では難しいと考えています ベルトの損傷により、次の変身が自分の最期であることを自覚しています。しかし、正義のためには迷わず変身するつもりです メモリーキューブの説明、状況から、ZXが当初出会った状態になっている可能性を危惧しています 仗助の学生服(上着)@ジョジョの奇妙な冒険、仗助の靴下(ミスタージュンコ)@ジョジョの奇妙な冒険 は【G-5 林】に放置されています EXP-14LIE高高度実験機@HELLSINGは爆散しました EXP-14LIE高高度実験機@HELLSINGの爆発音は周囲8マスに響いた可能性があります 【必殺技解説】 【ライダーパンチ@仮面ライダー】:オーソドックスなパンチ 【ライダーきりもみシュート@仮面ライダーSPIRITS】:敵を掴んで回転させ、竜巻と共に上空へ打ち上げる 【電光ライダーキック@仮面ライダー】:ライダーキックの強化版。両足で蹴撃する 【ライダーパワー@仮面ライダー】:ベルト左脇のパワースイッチで、一時的にパワーを上昇させる 【ライダースクリューキック@仮面ライダー】:ライダーキックの強化技。高速で回転しつつ、ライダーキックを放つ 【ライダーきりもみシュート(空撃ち)@仮面ライダーSPIRITS】:空のきりもみシュート。竜巻を巻き起こす。原作ではZXが使用 ※本編では【ライダースクリューキック】と【ライダーきりもみシュート(空撃ち)】を併用しました ※【@仮面ライダー】=特撮版、【@仮面ライダーSPIRITS】=漫画版 |052:[[永遠の夢に向かって]]|[[投下順>第051話~第100話]]|054:[[貴重な貴重なサービスシーン]]| |052:[[永遠の夢に向かって]]|[[時系列順>第1回放送までの本編SS]]|054:[[貴重な貴重なサービスシーン]]| |033:[[出動!バルスカ神父]]|&color(red){アレクサンド・アンデルセン}|&color(red){死亡}| |050:[[摩天楼の死兆星]]|本郷猛|079:[[Blue sky]]| ----

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