逢鬼ヶ刻  ◆uiAEn7XS/.



ガタンゴトンとやかましい騒音があちこちの壁に反響する。
トンネルの先へと消えていく列車を見送りながら、範馬刃牙はS2駅のホームに立っていた。
『刃牙よ……』
「分かってるさ、零」
その手に持った鞄からの声に、気負いなく答える。
列車の中から、すでに刃牙は異常に気がついていた。
ホームの各所にある蛍光灯が割られており、その暗さは10m先もロクに見えないほどだ。
そして列車のドアが開いた瞬間に鼻をついた血の臭い。
何よりも――その全身に纏わりつくような空気の異様さ。
山に篭り、夜叉猿と戦った時を思い出す。
あの時と同じ、自分が魑魅魍魎の跋扈する異世界へと迷い込んだような、そんな感覚。
だからこそ刃牙はこの駅へと降り立ったのだ。
ここはヤバイ。
ここには何かがいる。
そう、今まで出会ったことのないような、そんな――怪物が。

ひたり、ひたり――。
刃牙の足音だけが、やけに大きく聞こえる。
天井にある、割れた蛍光灯の残骸がバチバチとスパークして、その度に辺りの景色が明滅を繰り返していた。

――いる。
約20m後方。
得体の知れない気配がゆっくりと近づいてくる。
刃牙は歩調を変えない。

ひたり、ひたり――。
聞こえるのは自分の足音だけ。
他には何も聞こえない。だが、間違いなく、いる。
そこに――、ゆっくりと――、近づいてくる。
10m。
5m。
地上へ続く階段に足をかけた瞬間。
『気配』はいつのまにか刃牙の背中に貼り付くような距離まで近づいていた――。

ふうぉんっ、と刃牙の拳が空を切る。
身を捩り、背後の何かに向けて放ったバックブロー。
だがそこには何もなく――、

「君に質問があるのだが……」

振り返った刃牙の背後――つまり直前まで刃牙の真正面だった場所。
階段の中ほどに、いつのまにか男が一人、立っていた。
「……ッツ!」
零を持ったまま、刃牙は飛びすさって男から距離をとる。
『貴様、何者だ!!』
零の警告に、男は答える。
その声は冷たく、暗く、そして抗いがたい蟲惑的な何かを含んでいた。
「ほう……鞄が喋るのか。君の凄まじいほどに鍛え上げられた肉体、無数の傷……興味深いな」
「……奇遇だね。俺もアンタに興味がある……何者だい」
「私の名はDIO。そこまでの肉体を手に入れるのに、どれほどのトレーニングを積んできたのか……。
 そして、その苦しみに耐えてまで強くなろうとする理由は何なのか……。
 私なら、君の苦しみを取り除いてあげられるかもしれない……。
 ――話してみないか?


君に力を、安心を――与えてあげよう」


『刃牙ッ!!』
零の鋭い声。
零は、この男を危険だと判断した。
この声は人を闇へと誘う。
そして誘われてしまえば、もう二度と光の当たる場所に戻る事はできない。
「そうだ……俺には強くならなきゃいけない理由がある……」
わかっている。
その身に、記憶に深く刻まれたその理由。
そのために、そのために刃牙は、零を床に置き――そしてこう言うのだ。

「だから俺は……アンタと戦う!!」

刃牙はいつでも、どんな時でも闘い続けてきた。
勝ち目がなくとも、生命の危機が迫る時でもファイティングポーズをとった。
そしてこれからも――全ては父を超える為に。
「フッフッフ!……いいだろう。君の力を見せてもらうとしようか」
「ああ、俺もアンタの実力を見せてもらう。――――ッシャアッ!!」
気合と共にノーモーションから放たれた左ミドルは、腕組みをしたままのDIOの右脇腹を正確に狙う。
スピード、パワー、共に一級の一撃だ。
だがDIOは組んだ腕をほどこうともせず、ただ眺めているだけ。
そのまま、刃牙のファーストアタックがヒット――しない。
「何ッ!」
刃牙の蹴りがガードされ、さらに何かがこちらに攻撃を加えてくる。
かろうじてガードしたが、そのパワーを受け止めきれず、刃牙は自ら後ろに飛んで流す。
「~~~~~~~ッ!!」
「フフ……どうした。終わりかね?」
今、何かが――突然出現して蹴りをガードし、反撃を繰り出してきた。
『刃牙、今のが見えたか!?』
「ああ……何かが……いる」
刃牙と零の会話を聞き、DIOは唇の端を吊り上げて答えを告げる。
「やはり見えているようだな。このDIOの『世界』が……」
「へえ……そういう名前なのかい、その人形は」
「これは人形ではなく、このDIO自身の力を具現化した存在……つまりもう一人の私だ」
黄金の輝きを纏った『世界』が刃牙の目の前に立ちふさがる。
体格は2mを軽く超えている。
170cm弱の刃牙と比べれば、その差は明確だ。
「この『世界』で君の力を試してやる……さあ、来るがいい」
「へ……言われなくてもッ!!」
疾風となって駆ける刃牙。
DIOとの間に立ち塞がる『世界』へ向かって、一直線に突進する。
そして牽制の左ジャブから右ストレート。
右拳の勢いをそのまま利用して、さらに右ハイキック。
「ヌウッ!!」
初めの二撃はかわされた。そして右ハイを腕でガードされる。
だが、まだまだだ。
ローキック。
肘打ち。
正拳。
前蹴り。
ヒザ。
さらに連打、連打、連打!
次々と繰り出すラッシュを相手は防ぎきれず、何発かがヒットする。
が、さほど効いている様子はない。
笑みすら浮かべて、こう言ってのけた。
「中々のラッシュだ……では速さ比べといこうか」
DIOの眼がぎらりと光る。

「フン!フン!」

『世界』の左右の拳が、砲弾のような迫力と勢いで刃牙を襲う。
一撃をかわし、もう一撃をなんとか受け流した。

「フン!フン!フン!」

さらに三連打。
かわす、流す、拳をぶつけて弾く。
その隙に返しのボディ。

「無駄無駄無駄無駄――――」

スピードが上がった。
かすめた拳が刃牙の皮膚を切る、ガードした腕が軋む、拳で弾こうとして逆に弾かれる。
さらなる攻撃が刃牙のガードを完全に崩した瞬間――。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 無駄ァァァァ――――――――!!!!」

圧倒的な拳の弾幕が、ひとつ残らず肉体に食い込んだ。
目の前で火花が飛び散って、熱い衝撃が体の中を次々と貫いていった。
刃牙の視界の中のDIOの姿が遠ざかって、どんどん小さくなっていく。
――どこに行くんだ。
そう思ったら、周りの景色まで向こうに動いている。
違う。刃牙がDIOから遠ざかっているのだ。

「貧弱、貧弱ゥ!!」

DIOの嘲笑と、吹き飛ばされた刃牙が壁際のゴミ箱に激突するのは、ほぼ同時だった。
ゴミ箱のけたたましい金属音が駅の構内全体に響き渡る。
『刃牙ィィィィッ!!』
零の叫びが聞こえた。
――大丈夫だ、俺はまだ戦える。
そう言いながら起きようとして、刃牙の体に激痛が走った。
「ガッ……ハアッッ!!」
「ほう。今のはチョッピリ殺す気で殴ったのだが、すぐに起き上がろうとするとは素晴らしい」
DIOの憎たらしい台詞に言い返したいところだが、ダメージのチェックが先だ。
軽く頭を振り、上体を起す。
大丈夫だ。かなり効いたが、まだ――。
「え――?」
起き上がるために床に手をつこうとして、妙な柔らかい感覚があった。
首無しの、いまどき珍しいセーラー服を着たミイラに刃牙の手が触っている。
「オワッ!?」
慌てて手を引き周りを見ると、同じようなミイラがあと二体、自分の周りに転がっていた。
そのうち一つが、散らかったゴミ箱から半分はみ出ている。
そのミイラが着ている服は、どう見ても十歳に満たない程度の少女のものだった。

「パワー!スピード!どちらにおいても、この『世界』が上回っている!
 さらに言っておくが、『世界』はまだ力を隠している……。
 つまり刃牙、君の勝ち目は全く無いということ!
 おとなしくこのDIOの軍門に下れば良し、さもなくばそのミイラ共のように――」

――待て。今、こいつは何て言った?

「――私に忠誠を誓え、刃牙よ。そうすれば君に力を与えてやる。
 そう、君が欲してやまない強大な力を!!
 欲しかったのだろう?そのために辛いトレーニングを積んだのだろう?
 そのために己の肉体に無数の傷を刻み付けたのだろう?」

――こいつが、これを、やったってのか?

DIOの言葉が、遠い。
代わりに心臓の鼓動だけが、自分の中で大きくなっていく。

――ドクン。
「おとうさんをよろこばせなさい!!!!」
絶叫した母の顔は、普段の美しさの欠片も見えないほど滑稽に崩れて、恐ろしかった。
――ドクン、ドクン。
「勇次郎ォォオオォォッッ!!――あたしが相手だッッ!!!!」
混濁した意識の中で聞こえたその声は、とても頼もしくて、とても悲しかった。
――ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。
「ぼ……う…………や……よ…………い……こ…………だ…………」
満天の星空の下で、何かとても大きくて、あたたかいものに包まれていた。

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン――!


「…………思い出したよ」
刃牙はそう言いながら、ゆっくりと立ち上がった。
背中から首筋にかけての部分がやけに熱い。
ざわり、ざわり、と体の中からマグマのような何かが湧き上がる。
「最初の気持ちってやつを、思い出した」
「ム……?」
広くスタンスをとり、そして大きく両腕を広げた。
それは父の、範馬勇次郎の本気の構え。
その背中に浮かぶのは、数々の戦いで鍛え上げたグラップルの結晶。
そして鬼の血が受け継がせた筋肉の貌。

「ありがとうよ……。――最悪の気分だ」

「フン、どうやらまだ理解できないようだな。もう少し痛い目をみる必要があるか」
DIOの『世界』が拳を振り上げる。
対して刃牙が、かざした両腕を振り回すようにして身をよじると、上半身が180°捩れてDIOの目に刃牙の背中が映る。

鬼が、哭いていた。

「無駄無駄無駄無駄ァ――!何をする気か知らんが、猿が人間に勝てるかァ――――!!
 お前はこのDIOにとっての、モンキーなんだよォォ刃牙ィィィィ!!」

パワーの差は明確だ。
さらに『世界』は上からパンチを打ち下ろす形になっている。
ただでさえ不利な対決で、重力のハンデまである。
この状況で刃牙がとった行動とは?
ただ、思いっきりブン殴った。それだけだ。

爆発音。
この音だけを聞いた人間が、これが拳をぶつけ合ったものだと説明しても、納得できる者はいるだろうか。
だが事実である。
二人の拳は岩をも砕き散らす威力を持つ凶器、まさに爆弾そのものなのだから。
そして、打ち勝ったのは刃牙。
「ナァニィィィィ!?」
DIOは驚愕の表情。しかしその時、刃牙が見ていたのはそこではない。
『世界』の拳を弾き飛ばした瞬間、DIOの動きがリンクして、同じように体勢を崩したということ。
初弾のパンチを振り抜いて、その体を戻す動きで間髪入れず第二撃を放つ。
竜巻のような左フックが肝臓の部位にヒット、『世界』が体ごと刃牙の前から「ズレた」。
前が開いて、その向こうにDIOの本体が見える。
しかも体勢を崩しており、反撃できるとは思えない。
つま先でコンクリートの床を砕かんばかりに強く踏み込んだ。
さらに足首から膝。
腰。背筋。肩。肘。手首。
下半身から胴体、そして拳へと、パワーとスピードを無駄なく伝達。
そしてDIO本体の心臓部へ拳が届いた、そのインパクトの瞬間に全身の関節をロックする。
そうすることで、自分の体重の全てを拳にのせることができる。
だが説明だけでは虫も殺せない。
くぐり抜けた幾千、幾万の修羅場の数だけが、そのタイミングを教える。
生まれてからの己の人生全てを格闘に賭けた、グラップラー刃牙の最高の技、剛体術。
そこに悪魔から授かった筋肉の、そのパワーのありったけを叩き込む。
DIOの分厚い胸板も、その奥の胸骨も、肋骨をも巻き込んで内側にへし折って、内部の肺を、心臓を、風船を潰すように貫通して、その奥の脊髄まで――、

全て吹き飛べ!
ブチ砕けッ!
俺の拳は!範馬刃牙の拳はッ!
俺の拳はてめえのような、親父のような奴を――否定する為にあるんだッッ!!


「ちぇぇりゃァァァァアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」


刃牙の闘志がこもった気合、そしてDIOの断末魔の叫び。
「GUUUUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
だが、まだ決着ではなかった。
DIOの苦悶に歪んだ顔が、勝利の確信に満ちた哄笑へと変わる。

「KUUAAAA……見誤った……。素晴らしいッ!気に入ったぞ、刃牙ッ!
 人を殺せる一撃を躊躇無く撃ちこめる、善のブレーキが存在しない、その本性ッッ!!」

――違う。
母の死に顔が脳裏をかすめた。
DIOのその言葉が、極限まで燃えさかっていた刃牙の闘争本能にかげりを落とす。
その一瞬の隙だけで、DIOが「チェックメイト」をかけるには充分すぎた。


「時よ止まれッッ!!――――ザ・ワールドッッ!!」


まるでコマ落としだった。
DIOを貫いたはずの拳は、何も無い空間に向けて突き出されていた。
何をしたと考える前に、刃牙の首筋にチクリと痛みが走る。
自分の首に手を当てながら振り向くと、DIOが腕時計のようなものをこちらにかざしていた。
反撃を試みようとするが、その瞬間に頭が重くなる。
足元がおぼつかない。
体の感覚が失くなっていく。
自分の視点がDIOの顔から胸、さらに足、地面へと下降している。
零の声。
『刃牙ィィィィィィィィ!!』
DIOの嘲笑。
「心配――らない――忠誠――――君に――力――を――」


そして刃牙の意識は闇に落ちた。

【C-2 S2駅 1日目 朝】
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:額に突き刺された傷、胸部損傷(治癒中)。疲労(中)
[装備]:スタンド『世界』
[道具]:デルフリンガー(紙状態)、ダーツ(残弾数1)
    参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿。ルイズの杖。
    イングラムM10サブマシンガンの予備マガジン9。ライドル。
    スタングレネード×2。時計型麻酔銃(1/1)。麻酔銃の予備針8本。
    デイバック×4(DIO、桂、灰原、みゆき)
[思考]
基本:帝王に負けはない。参加者を殺し、ゲームに優勝する 。アーカードのボディを乗っ取り、太陽を克服する
1:夜になるまで地下で英気を養う。及び、地下鉄に乗りにやって来た参加者を各個撃破し体力を回復
2:アーカードの打倒
3:平賀才人に時止めを使って『勝利』する
4:ジョースターの血統を根絶やしにする
5:ゲームを仕組んだ輩を断罪する
[備考]
ジャギの右腕を移植しました。完全に馴染むまでしばらく時間がかかりますが、普通に自分の右腕として動かすくらいは可能です
アーカードとの戦闘で更に鬱憤が溜まりました。アーカードにはどんな手を使っても勝つつもりです
時を止められる時間は約3秒間です
首輪の他に、脳内に同様の爆弾が埋め込まれています
S5駅方面の列車は途中で地上に出ることを確認しました
刃牙との戦いで血を流したため、時止めはあと1~2回が限度です


備考
1:B-3、C-3の境界付近に列車が地上と地下に出入りするトンネルがあります
2:S5駅のホームに肉片と鮮血が結構広い範囲に飛び散っています
3:C-3の地下線路にジャギの胴体(血が抜かれている)、ジャギの両足(血が抜かれている)、ジャギの左腕、DIOの右肩が転がっています
4:S5駅のどこかに空っぽになったジャギのデイパックが放置されています
5:S2駅のゴミ箱付近に桂、灰原、みゆきの血を抜かれた死体が散乱しています。


   *

ガタンゴトンという走行音が、トンネルに反響して聴覚を刺激している。
やがて出口に辿り着き、窓から太陽の光が差し込んできた。
長らく地下の暗闇に慣れていたため、まぶしくて思わず目を細める。
『刃牙よ、いい加減に目を覚ませ!』
そんな刃牙に、傍の座席に置かれていた鞄から、訴えるような声がまたもや同じ言葉を繰り返す。
「るっせぇなぁ……しつこいぜ、零」
ため息をつきながら、バリバリと頭を掻く。
「しょーがねーじゃん。俺がDIO『様』の血を派手にぶちまけちまったんだから。
 責任取って代わりの人間を捕まえてこなきゃ。新鮮なら死体でもいいらしいし」
『それは何の罪も無い人間を、あの男の食料にするという事なのだぞ!
 まさに外道の所業!そのようなことは許されん!』
「知らねえよ、そんなこと。それよりDIO様が約束してくれたんだぜ?
 回復に必要な分の人間を調達してきたら、俺に力をくれるって。
 DIO様と同じ、あの吸血鬼の力があれば……親父を、殺せる」
『刃牙!お前は父を殺すのではなく、超えるのではなかったのか!?
 そのような得体の知れぬ力に頼って勝ったところで、そんな勝利にどれほどの価値がある!?
 お前はあのDIOに何らかの細工で操られているのだ!目を覚ませッ!!』
零の言葉に刃牙は、うっとおしいことこの上ないと言わんばかりのため息をつく。
電車は徐々にスピードを落とし、次の駅に停車する準備を始めていた。

「――もういいよ」

零を座席においたままで刃牙が立ち上がる。
『頼むっ……目を覚ましてくれ、刃牙……』
「ここでお別れだ、零。……じゃあな、覚悟に会えたらまた来いよ」
零の懇願の言葉を遮って、刃牙は背を向けたまま、拒絶を示す最後の一言を叩きつけた。
電車のドアが開き、刃牙だけがS3駅のホームに降りる。

『刃牙!待て――』

零の叫びはドアが閉じる事で遮断され、電車が発車して遠ざかっていくことで、完全に聞こえなくなった。
ホームに残った刃牙は独り、やがて駅の出口へと歩き出す。
「さて……銀さん、まだいるかな?狩るなら誰でもいいけど、強い奴と闘えるならその方がいいしなァ」
風が吹く。
刃牙の髪がなびき、額の生え際が覗いた。
そこには――親指程の大きさのおぞましい肉片がヒクヒクと蠢いていた。

【D-2 S3駅ホーム 一日目 朝】
【範馬刃牙@グラップラー刃牙】
[状態]:肉の芽による洗脳状態  全身に打撃によるダメージ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考] 基本:DIOに力を授かり、親父を殺す。
1:DIOの食料(参加者)を捜し、S2駅に持ち帰る
2:ラオウ、銀時、覚悟を見つけ、勝負を挑む
3:強者と戦う
{備考}
地下トーナメント優勝直後。ただしトーナメント戦で受けた傷は治っている
DIOに受けた傷は、痛みはありますが戦闘に問題ありません


備考
・強化外骨格「零」(カバン状態)は走行中の電車の中に放置されています


082:不死王、一人 投下順 084:はらわたをまく頃に~侠客立ち編~
081:第一印象がいい殺人鬼にロクな奴はいない 時系列順 084:はらわたをまく頃に~侠客立ち編~
072:自分の選んだ道を行け! 範馬刃牙 113:大切なもの――SOLDIER DREAM――
076:美徳の不幸 DIO 107:DIOの奇妙なバトルロワイアル~帝王は手段を選ばない~