第二回放送 ◆3OcZUGDYUo



辺り一面が真っ暗な闇で覆われた空間。
そこで時計の秒針の動く僅かな音だけが響いている。
やがて時計の長針と短針が一つに重なり、12という数字を指し示した時一人の男が口を開く。
「時間だ」
その言葉に一人の老人、徳川光成が無言で頷き、彼が座っている机に置かれたマイクを手に取る。


◇  ◆  ◇

気分はどうかの諸君?
午後12時を迎えたので2回目の定時放送を行うぞ。
脱落者、禁止エリアの事は諸君も気になるじゃろう?
一言も聞き逃さないよう心して聞くがよい。
それでは禁止エリアから発表するぞ。
午後13時からH-2
午後15時からC-2
午後17時からA-7
次に午後12時までに惜しくも脱落していった者達を発表する。

桂小太郎
灰原哀
高良みゆき
本郷猛
花山薫
鷲巣厳
カズマ
平賀才人
桐山和雄
フェイスレス
武藤カズキ
以上、11名じゃ。
前回より3人も増え、ペースが上がっているようでなによりじゃ。
この調子で各人、存分に闘いを続けるがよい。
ちなみに今読み上げた脱落者の中に自分の大切な者、愛する者が居た諸君。
今頃、悲しみに明け暮れているじゃろうがそう悲観する事もないぞ?
これは言い忘れてた事なんじゃがな、実は最後の一人まで勝ち残った者には優勝者の褒美として
一つだけどんな願いも叶えられる権利が与えられるんじゃ。
勿論、死者を現世に呼び戻す事も可能じゃ。
盗聴がどうとか言っておる者達もこの事をよく考えて自分達の身の振り方を考えるがよい。

それでは、バトルロワイアルを続行する!!
◇  ◆  ◇

定時放送が終わり、数秒後一人の男が気味の悪い笑い方をしながら光成に向けて拍手する。

「ククク……大した演技だ徳川光成」
軍服に身を包んだ男が口を開く。
その声の主はガモン共和国の英雄ガモン大佐、そしてまたの名を……暗闇の使い、暗闇大使。

「お、お主達は一体何が望みなんじゃ!? こんな悪魔がやるような事を……」
先程の放送の時とはうって変わって隠しようの無い恐怖を浮かべながら、光成は今まで自分を脅し続けた暗闇大使に訊ねる。

「キサマの役目は我々の用意した台本を只、読み上げる事をするだけだ。
それ以外は何も考えずやり遂げればよい」
そう言って暗黒大使はその場を離れ、自室に戻ろうと背を向けて歩き出す。
一方光成は只、絶望に打ちひしがれたままその場に座り込む。
自分が既にメイド服を着て、シエスタと呼ばれていた少女に行ってしまった仕打ちを後悔しながら。

「お主達は……何者なんじゃあ…………?」
思わず光成の口からこぼれ出た言葉。
その言葉を聞いた暗闇大使はその場で立ち止まり、光成の方にゆっくりと振り向く。
再び気味の悪い笑みを浮かべながら。

「ならば聞くがよい……我々は『BADAN』。神に愛されし者。」

現時刻約午後12時。
依然、バトルロワイアル続行中。

【残り41人】


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