今にも落ちてきそうな星空の下で ◆MANGA/k/d.



 「…これは、『聞いた話』だから、どこまで正しいかは分からない…が…。
 『スタンド能力』を引き出すモノがあるそうだ…。
 私の父が、エジプトの占い師の老婆から聞いたと言っていた。
 それを使うと、先天的にスタンド能力を持っていない人間も、スタンド能力に目覚める…。
 しかし、『素質がない』 場合は、まれに… 『死ぬことがある』 らしい…。
 私には関係ない事だと…そんなに信憑性のある話でもないと…そう思ったから、ほとんど忘れていたし………たいして信じても居なかったよ…。
 だが…まさか…いや…。
 『コレ』がそうなのか…?
 今ここで、これだったとでもいうのか…?
 そんな馬鹿なことが…いや…馬鹿げたことが…」

 ◆◆◆

 おん…おん…おん…おん…。
 音が。
 耳の奥から聞こえてくる。
 脈打つ様な感覚。
 その音が。
 徐々に…徐々に……大きくなり………そして…。
 ――― すえたような匂いがする。
 アンモニア臭…古く、じめじめとして…陰鬱になる様な匂いだ。
 地下室…? いや、全体に薄暗いが外から光が入ってきている。
 違うな…これは、人口の光だ…。
 鉄格子が見える。ここは牢獄なのか。
 しかし…この部屋の中には様々なモノが溢れている。
 積み上げられた本…時計…ギター…トレーニング用のダンベルや鉄アレイ…玩具の類…。
 『出ろ! わしと帰るぞ』
 『消えな』
 誰だ…? 長身の、いかつい初老の白人…と…ローブをまとった黒人…。
 『魔術師の赤 (マジシャンズレッド)』
 赤銅色をした、鳥の怪人。
 『承太郎! 悪霊と思っていたのはおまえの生命のエネルギーが作り出すパワーある像なのじゃ!』
 『側に現れ立つというところからその像を名付けて…』
 『幽波紋 (スタンド)!』
 黒い服を着た長身の男が手に人形を持ち側に立つ。
 床には、口から血を吐き出した女が倒れている。
 『『悪』とは てめー自身のためだけに 弱者を利用しふみつけるやつのことだ!!』
 『だから おれが裁く!』
 細い、紐のような触手が腕を伝う。
 『動くなよ花京院。しくじればテメーの脳はおだぶつだ』
 額に埋め込まれている奇怪な…植物の芽の様なモノを引き抜く。
 老人が手刀でそれを払うと、一瞬光がほとばしったように瞬き、塵と化して消えた。
 塵…宙に舞う粒子…砂粒。
 砂。砂。砂。乾いた空気。一面の砂漠…。
 『バカな。自分のスタンドで自分を!』
 その男の頭からしたたる血が、見る間に砂に吸い込まれている。
 男は言う。
 『悪には悪の救世主が必要なんだよ』
 赤い血…赤い陽…赤い…アカイ…アカイ…唇。
 『花京院のやつも…すでに始末してやったぞ………』
 ぐみのように赤く、ふっくらとして蠱惑的とまで言えるその唇。
 『世界ッ(ザ・ワールド)! 時よ止まれ!』
 その唇から放たれた言葉と共に、全てが止まって見える。
 風も、木々の揺らぎも、街頭の瞬きも、あるいは自らの吐息の先さえもが、静寂の中に封じ込められている。
 『見えて………………いるのか?』

 『くたばりやがれッ! DIO! OOOOッ』
 『ポルナレフ!』
 『そうだ。ジョセフ・ジョースターの血を吸うための 「逃走経路」だ!』
 赤い…血に塗れた…男の姿。
 『ロードローラーだッ!』
 『11秒経過だぜ』
 ぽとり、ぽとりと、足下にしたたり落ちる。
 『ば…ばかなッ! ………こ…このDIOが………』
 赤い鮮血をほとばしらせ、ナタで割ったように真っ二つに割れる。
 赤い…血が。
 手のひらでなでると、すっ、と消え去った。
 『こんなキズくらい簡単に…オレのスタンドが』
 小綺麗に整った室内。
 一人の男が座り込み、もう一人の仰向けに倒れている男…制服を着てる初老の…警官をのぞき込んでいる。
 『仗助……』
 『人間は何かを破壊して生きているといってもいい生物だ』
 『その中でおまえの能力はこの世のどんなことよりもやさしい』
 『だが…生命の終わったものはもう戻らない』
 男はゆっくりと顔を上げて、こっちを見る。
 『コッチヲ見ロォ~』
 それは、小さな亀の様にも見えた。 
 丸いシルエットの、キャタピラ付きの玩具の戦車に、悪趣味な髑髏の顔を付けている。
 『やれやれだ。初めて出会ったぜ。こんなガンジョーな「スタンド」は…』
 熱。音。光。爆風と、痛み。
 『康一くん……君は。精神的にはその男に勝っていたぞ………』
 猫のような顔をした「スタンド」が振り返る。
 受け止め…押し返し…対峙する…視線が下がる…膝をついた…? 後頭部に…振り抜く。
 拳が男の 「スタンド」 を打ち抜くと、ぐらりと体勢を崩した。
 あっけにとられた顔。何が起きたのか信じられぬという顔。
 『オラオラオラオラオラオラオラオラオラ』
 拳が雪崩のように降り注ぐ。
 吹き飛んだ痩せた男を目の端に納め…ゆらり…ゆらり…ふるえ…ゆらり…煙が、揺れる…。
 『み……見てくださいッ! あの人ケガをしている!』
 静かな朝の風景に、異質なモノが差し込まれていた。
 小さな少年が叫ぶ。
 『今! ここにある 「正義の心」 に比べればちっぽけな力なんだッ!』
 『そしてあの男は 「川尻浩作」 だ……。どうやら………話が見えて来たようだ……』
 『いいや、限界だ押すね! 今だ』
 『この、クソカスどもがァ ー――― ッ!!』
 男は宙に舞い、倒れ…下敷きになって…どくどくと…川のように…血が流れ…ゆれて…ゆらり…血が…。
 鎖骨の間から吹き出す。
 『スタープラチナ!』
 糸を編み上げて作った手の様なモノが、直撃を防いでいる。
 冷たい、機械的な部屋の中。
 煙が…煙草の煙が揺れている。
 少女は、止まった時の中で仰向けに倒れかけたまま。
 指で弾丸を弾く。
 漂う気流の渦に、それがふわふわと舞っている。
 ふわふわと…ゆらゆらと…揺れて…震え…どろりとした…意識が…溶かされ…。
 弾丸…宙を舞う「スタンド」…。銃を撃つ男…少女…。
 振り返る。
 壁を這うモノ…。
 ナメクジのように貼り付いているそれ…。
 少女を突き飛ばし…弾丸から守って…はじき飛ばし…背後…。
 『「一手」 遅カッタ…ナ…。空条承太郎………待ッテイタゾコノ時ヲ』
 衝撃が脳を揺らす。
 ゆら…ゆら…揺れて…
        頭から何かが…
    …漏れて…       取り出されていく…。
 ゆら
             ゆら
                          ゆら          
    ゆら…。
 地面が。
     回り。
 おん…  
            おん…
       おん…         おん…。

 耳の。
 奥から…。
 音が…聞こえる…。
 血の流れる音だ。
 自分の身体の中。
 血管の中を、血が流れる音だ。
 どくり。どくり。
 おん。おん。おん。おん。
 血が、流れ。
 それが。
 次第に。
 ゆっくりと…。

                             暗転。

 ◆◆◆

 真っ黒な、漆黒の液体が、カップになみなみと注がれている。
 この部屋の中よりもなお暗い、夜の闇の中から一掬い。
 それを真っ白なカップに注ぎ込み、たっぷりの角砂糖を溶かしたかのようなコーヒー。
 カフェインが疲れた身体に喝を入れ、糖分は脳にエネルギーを与える。
 褐色の腕をカップに伸ばし、熱々の液体を一気に飲み干す。
 「ふぅ~…」
 息を吐いた。
 「飲まへんか?」
 入り口の側、壁際に立っている赤毛の少女にも促した。
 さほど興味なさげに視線をよこし、
 「いらないアル」
 とつぶやく。
 「その代わり、酢昆布があったらよこすネ」
 そう言って、杖代わりにしている番傘に肘を乗せたまま、再び、開いたドアから廊下の方へと視線をやる。
 そのドアから、小さな少年が入ってきた。
 「とりあえず、落ち着いてるよ」
 そう言って、江戸川コナンは、服部平次の正面に座る。
 柔らかいソファは、コナンの小さな身体を包み込み、ともすれば心地よい忘却の彼方へと誘いかねない。
 だが、今はそのときではない。
 コナンはその小さな手で、もう一つのカップを手にして、コーヒーを飲んだ。
 「お子ちゃまにコーヒーは毒やで」
 「ほっとけ」
 軽口を言う平次に、同じくコナンは軽快に返す。
 薬品によって一時的に身体は10歳児並になっているが、コナンの意識と頭脳は東の高校生探偵、工藤新一のままだ。
 服部平次は、表向き秘密にされているその事を知っているからこその軽口であり、又お互いがお互いを、心の底では信頼し、尊敬し合っているからこそのやりとりでもある。
 その二人が向き合って座っているソファの間。
 低いガラステーブルの上には、コーヒーカップ以外にもいくつかのものが置かれている。
 ノートパソコンが一つ。
 造花が一つ。
 携帯電話。
 ショットガン。
 まだ閉じたままの紙…「綾崎ハヤテ御用達ママチャリ」 と書かれている。
 そして、銀色にぬらりと光る、一枚のDISC。
 二人の視線は、自然とそこに注がれる。
 テーブルに並べられているのは、今ここに居ないアミバの所持品だ。
 先ほど…。

 吉良、神楽の二人と、コナン、平次、劉鳳、アミバの四人が合流して、簡単な情報交換をした際、アミバの持っていたDISCについての言及があった。
 これを頭に差し込む事で、『スタンド』 という特殊な能力が手に入る ―――。
 荒唐無稽な話だが、既にしてこの場は荒唐無稽に過ぎる。
 アミバは、自らそれを試みようとし ―――。
 一枚のDISCを頭に差し込んで ―――。
 昏倒した。
 頭にDISCを差し込んだとき、最初は身動きもせず、目を見開いていた。
 それから、次第に息を荒げ、うめき声を上げ、それが悲鳴に変わった。
 劉鳳が素早く駆け寄り、吉良が驚愕した顔で覗き込んでいる。
 駆け寄った劉鳳の腕の中に、くずおれるように倒れ込んだアミバは、右手を指さすように掲げて … そのまま、意識を失った。

 「脈は正常だったぜ。疲れが溜まっていたから…だろうかな。
 何かあったら吉良さんが呼んでくれるだろうし…まぁ、大丈夫だろう」
 その幼い外見には不似合いな、大人びた声音でコナンが言う。

 とにかく、倒れたアミバを野ざらしには出来ない。
 手近な民家を探して、劉鳳と服部の二人で担いで、寝室に運び込む。
 念のため、平次のバイクは少し離れた位置に隠しておいた。
 アミバを寝かせ、同じく意識はハッキリしているものの、左手首を失うという重傷を負っている吉良が、休息を兼ねてアミバの様子を見る役を買って出た。
 現在は、残りの四人…コナン、平次、そして神楽と劉鳳の四人が居間に陣を張り、二人は別室で休んでいる状態だ。
 いずれにせよ、彼らに休息が必要なのは誰の目にも明らかだった。
 吉良の怪我は、頸動脈を縛る応急処置でなんとか出血は抑えられているようだったが、下手をすれば出血多量にもなりかねないほどだし、気丈な様子の神楽も、仲間の死に直面したばかりで精神的な疲労が強い。
 コナンは比較的軽傷だが、全身の打ち身がずきずきと熱をはらみ、今でも痛んでいる。
 左肩の脱臼は、民家に落ち着いてすぐ、劉鳳によって手荒く治療された。
 HOLY という特殊部隊の精鋭だった劉鳳にしてみれば、この程度の応急措置はお手の物、とは言うが、名探偵とはいえ民間人。同年代の一般的高校生としては群を抜いた運動神経を持つ工藤新一とは言え、本格的な格闘技や軍事訓練の経験はない。
 ましてや子供の身体になっている今のコナンでは、かなりの荒療治だ。
 そうやってはめ込まれた肩に、家捜しして見つけた湿布を山のように貼り、包帯で固定している。同じく、全身の打撲にも湿布を貼りまくった。
 自由に動くというほどではないが、なんとかさまにはなっている。
 劉鳳が治療に使っていた核鉄は、吉良に渡されている。
 核鉄の治癒効果がどれほどまでのモノかは知らないが、劉鳳の右手は既に動くようにはなっているようだし (とは言え、彼特有の強がりの可能性もあるが)、コナンの怪我は一番軽い。
 失った手首が元に戻る …とは、流石に考えにくいが、とりあえず失血死は免れるだろう。

 応急手当を一通り済ませてから、支給品の食料を皆で摂ることにした。
 湯を沸かすことには些かの心配があったが、位置的にも目立たぬ民家を選んだし、何より気力体力の充実をするのには、冷たいものばかりでは拙い。
 結局、ガスコンロと薬罐でお湯を沸かし、コーヒーを炒れた。
 ついでにインスタントのカップスープも作り、これは神楽も飲んだ。

 食事を摂りながら、服部とコナンは筆談をしている。
 お互いが推理してきた事などをすりあわせ、纏める必要があった。
 一旦それらを検証して、共通の仮説を組み立てる。他の仲間に対しての説明は、その後でも良い。
 食事中で口にものを入れている状況ならば、会話が少なくなっても取り立てて不自然ではない。
 今の内に済ませておきたいことの一つだった。
 中心になった話題は二つ。
 一つは、この世界が何なのか、という事。
 そしてもう一つは、あの光成老人のメッセージについてだ。
 前者、この世界の可能性については、早々と合意が得られた。
 つまり、「ここには、異世界といえるような異なる時代背景、世界の人間や道具が集められている」というその一点だ。
 『アミバ、劉鳳、→携帯電話の存在を知らない (?)』
 『神楽、新八 → 異星人が地球上に存在し、生活している世界』
 『ルイズ、タバサ → 魔法』
 名前と、重要と思えるキーワードを矢印で繋げる。
 「…まったく、参ったよな。まさに荒唐無稽な漫画の世界。ナンデモアリ、だ」
 それぞれがお互いに集めてきた状況証拠は、照らし合わせれば確実にその結論に至らざるを得ないものだ。
 そして、服部はノート新しいページの真ん中に、3つの単語を書き並べる。
 『スタンド(DISC)』『アルター』『核鉄』
 そして、お互いがそれぞれに、
 『スタンド(DISC) → 吉良』
 『アルター → 劉鳳、ジグマール、カズマ(?)、シェリス(?)』
 『核鉄 → キャプテン・ブラボー』
 と、名前を書き入れる。
 括弧書きで (?) と入っているのは、直接確認をしていない、伝聞による情報だ。
 「やっぱり気になる具は、この3つだよね」
 これらのどれか…あるいは何れかのオーバーテクノロジー、超常能力は、この事件の中心に居座っている。
 そんな気がしてならない。
 だとすれば、それらの謎を解くことが、この事件の謎を解くことに最も結びついているのではないか?
 その可能性が考えられる。
 一旦、「このセカイの謎」については、そこで切り上げた。
 それから、服部は別のページを開き、
 『光成の言葉』 と書いて、丸で囲って強調する。
 「冷めた……うん、まぁ、二つ、やろな」
 『地下闘技場、前半の演説部分での繰り返し』
 タッパに詰まった梅干し入りの冷めたおじやをかっ込む服部に、ノートを受け取ったコナンが、バナナをほおばりつつスラスラと返す。
 ちなみにそのセットに入っていた飲み物は、炭酸の抜けたコーラだった。
 栄養吸収効率は良さそうだが、味としては趣味が悪い。 
 「その、アレな」
 『地下闘技場 → おそらくは、特定人物 (集団?)への語りかけを示す固有キーワード』
 「誰かが…知ってるんだろうなぁー、これ」
 『最初に集められた場所で、あの老人にくってかかった赤毛の大男 →ハンマユウジロウ』
 「会ったことあるぜ、一度」
 「ホンマか」
 コナンは、そのときのことを思い出し、一人身震いをする。
 まるで猛獣の檻に閉じこめられたかのような…背後から不意にツララを刺し込まれたかのような…純粋なる恐怖。
 捕食者を目の前にした、小さな小動物…。
 それが、あのときの自分だった。
 『あいつは間違いなくゲームに乗っている。そして、間違いなく桁違いに強い。
 最初のやりとりからすると、老人とは旧知だ。もしかしたら地下闘技場というヤツの関係者かもしれない』
 そして、その下に矢印で、
 (ハンマユウジロウ - ハンマバキ → 血縁? )
 横に広げていた名簿を示しながら、
 (名簿 → 知り合いグループ順)
 「多分、間違いない」
 「ま、せやろな」
 自分たちの名前を指で囲み、劉鳳とシェリス、アミバとケンシロウ、神楽と銀時、新八をそれぞれ指でなぞる。
 今まで得た情報、交流関係の相関図と名簿を重ねれば、親しい者同士、知り合い同士でまとめられている名簿であることは明白であった。
 コナンは、名簿を指でなぞりながら、ピタリと吉良吉影のところで止める。
 上、下、にそれぞれ指を移し、
 「どっちかなー。シャケと梅干し」
 「サンドイッチでもええやろ」
 コナンはノートでは無く、敢えてメモ用紙に、
 (誰も知り合いは居ない、とは言っていた)
 と書き、服部に示してからすぐに破り捨てた。
 範馬勇次郎が光成老人の旧知であり、知り合い同士がまとめられている名簿の並びであるとする。
 ならば考えられるのは、
1.吉良はその真上の範馬勇次郎と知り合いで、光成老人とも知り合いである。
2.吉良はその下にいる空条承太郎と知り合いである。
3.本人が言うようにただ一人孤立していて、知り合いが一人もいない。
 という可能性の、3つがある。
 そして同時に、先ほど確認した仮説、「異世界の人間が集められている」 事と重ね合わせて考える。
 範馬勇次郎と光成老人の知り合いは、光成老人が 「地下闘技場」 というものを主催している世界の人間であり、吉良がそこに属しているならば、吉良もその関係者かもしれない。
 そしてその場合付け加えれば、
 『範馬勇次郎 → スタンド使い?』
 という可能性も考えられる。
 そこに、コナンはさらに矢印して 『→その可能性は低い?』 と書き込む。
 それまでに集めた情報をパターン化すると、集まっている人間(世界)には、ある程度の共通のキーワードがある。
 つまり、それぞれの世界に、最低でも一つ、あるいはあまり重複しない特定のキーワードがある、という事だ。
 コナン、服部達の属するグループは、『探偵』である。
 死んだ毛利小五郎もそうだが、自分たちは 『探偵』というキーワードで括られうる存在だ。
 劉鳳とそのグループは、『アルター』で、キャプテン・ブラボーとそのグループは 『核鉄、錬金術』。
 アミバとそのグループは、『北斗神拳』及び『文明世界の崩壊』。
 タバサとルイズ、神楽と銀時、新八らにも同様のことが言える。
 もし、光成老人と範馬勇次郎たちのグループを繋ぐ共通キーワードが 『地下闘技場』 だとするならば、そこに 『スタンド』 が入り込むのは、どうにもしっくりこない。
 それよりは、その下にいる空条承太郎、ジョセフ・ジョースターという名前の人物等と、『スタンド』 という共通キーワードで結びついている方が、すんなりいく。
 『知り合いがいない ≠ 同じ世界の人間がいない』
 吉良について、コナンはそう付け加える。
 『スタンド』 という超常能力をキーワードとする世界から来たのが吉良一人だとすれば、DISCの存在が多すぎる。
 これは、あくまで証拠ではなく類推できる可能性としてでしかないが、吉良一人に対してスタンドDISCが複数、というのであれば、バランスが悪い。
 勿論、これには明確な根拠はない。
 ただ、このゲームを主催した人間が存在すると仮定して、その人物の考え方のパターン…言い換えれば犯罪者心理として…そこではバランスをとろうとするのではないか、と。
 そう思えるのだ。
 「『登場人物が作者を指弾することは出来ない』…か」
 「『世の中に不思議なことは無いのだよ』 やな」
 コナンが、素早くペンを走らせる。
 『この事件は、大がかりで全体像が大きすぎる上に、網が幾重にも張られているが、仕掛けは穴だらけで目が粗すぎる。
 粗雑だし稚拙だ。
 まるで手当たり次第に別の海や川で投網を投げて、手に入った獲物を一つの水槽にそのままぶち込んだみたいだ。
 それは、俺たち登場人物が、とうてい作者に近づけないという自信故なのか、あるいは、作者自身が既にこの事件を制御仕切れていないか』
 「偶然の上に張られた蜘蛛の巣か ――― 蜘蛛の巣の上に載せられた偶然か ―――」
 『スタンド』『核鉄』『アルター』『魔法』『北斗神拳』 ―――。
 多種多様でまとまりのない様々な要素を集めてぶち込んでいる割に ――― それぞれの扱いが実にぞんざいだ。
 首輪で個々の人間を管理してはいるが、それらの中にその首輪解除の可能性はないのか?
 それら多様な要素を、あまりに無計画に放り込んでいるのではないか?
 何れにせよ、
 『作者が作者のままではなく、この舞台に降りてきて貰う』
 のが、
 「…一番やな」
 服部が応える。
 「ま、そいつは一旦置いとこうや。次のを食おう」
 ノートを引き寄せて、服部がさらにペンを走らせる。
 『光成の演説 → 呼びかけ
 獲物が狩人 逆も又真なり チャンスは平等』
 「…このあたりやろな」
 持って回った言い回しだが、ニュアンスの近い言葉を繰り返している。
 『主催者に対しての逆転の可能性の示唆?』
 二人はこれらの言葉に、同じ印象を持っていた。
 『挑発、じゃないよな。
 それならもっとわかりやすく言う。
 刃向かえるモンなら刃向かってみろ、返り討ちにしてやる、とかな。
 これでは、慎重に聞かなければ、その真意には気づけない』
 『わし個人の趣向』
 続けて書い抜き出した単語に、強調の○印を重ねる。
 『真意をボカす為の強調』
 『誰に対して? → 別の主催者の可能性? 参加者の一部への煙幕?』
 『光成 → 地下闘技場 → 知り合いへの反抗の呼びかけ?』
 『光成自身は本当の主催者ではない? →要 光成と知り合いの参加者との接触。情報不足』
 『本当の主催者 → スタンド、核鉄、アルター等の所持者?』
 二人の筆談は、そのほとんどが余計な部分を省いた、必要最低限の疑問と仮説の繰り返しで行われている。
 これが、旧知でない、あるいは細かい説明が必要な相手であれば、もっと丁寧なものになるだろうが、この二人の間では必要がない。
 お互いがお互いの思考の裏を表も知り尽くしているかのような、そんな関係だからこそ出来るコミニュケーションだ。
 実際には出会って交流を持ち始めてから半年程度でしかないが、その短期間で、既にそこまでお互いのことを知り抜いている。
 『仮説 光成自身も登場人物の一人である?』
 服部が最後に纏めた一言。
 そこに、矢印をしてコナン。
 『こちらから協力を呼びかける手段は?』
 「無くはない…よね?」
 指で、首輪を指し示す。
 「せやな…そら、たいしたご馳走や」
 光成が放送を使って参加者に反逆を呼びかけたのなら、首輪の盗聴を逆手にとって、光成に協力の意志を伝える ―――。
 今それをするのは拙速だろうが、無くはない考え方だ。
 「…ったく。ボウズの食い意地にはかなわんわ」
 嘆息したように顔を上げ、両手を後ろについた服部に、コナンはニッコリと笑いかけた。

 それから。
 アミバの持っているという、もう一枚のDISCを確認することにした。
 それが今、テーブルの上に並べられているものだ。
 デイバッグに無理矢理詰め込まれていた番傘は、神楽が受け取った。
 元々は彼女の物だったのだという。
 懐中電灯の小さな明かりで、それらを照らす。
 持ち運びに不便そうな 「綾崎ハヤテ御用達ママチャリ」は、紙のままにしておいた。
 ノートパソコンは一旦取り出して確認してみたが、中に重要なデータが入っているという事もなさそうだ。
 携帯電話も、今は保留。
 ショットガンには弾がない。
 問題は…一枚のDISC。
 見た目は、ただのCDのDISCの様だ。
 つやつやと銀色に輝いた円盤状で、真ん中に穴が開いている。
 しかし、触ればぐにゃりとした弾力があり、何か生き物のように湿った感じもする。
 はっきり言って、薄気味が悪いシロモノだ。
 「服部」
 「何や?」
 「これ、頭に入れてみろよ」
 「アホか! いややっちゅーの! 工藤、お前がやれや!」
 「オレだっていやだ!」
 「自分がいやなものを人にやらせるなッ!」
 「冗談だ」
 「どおーゆー性格しとんのや!」
 神楽がこっちを振り向いた。
 「…意外と呼吸が良いネ…」
 小さく呟く。
 とは言え、アミバの例がある。
 「…真面目な話、用心しなきゃなんねーよな…」
 可能性を挙げるだけならいくらでも出来る。
 このDISCを入れると、一時的に体力を消耗してしまうというだけかもしれない。
 単純に、自分の頭に異物を差し込むという異常な行動へのストレスから緊張が極限に達して、それまでの疲労が吹き出しての事…だったのかもしれない。
 「…ま、これは様子見…やな…」
 ただ可能性を並べ立てることは、推理とは言わない。
 それらの取捨選択をして、部分から全体像を組み立てること ――― それが "推理"だ。
 全てにおいて材料の足りない現状で、彼らは常に無力感を感じている。

 「おい」
 窓際の方から、別の声がした。
 劉鳳だ。
 「いつまで…ここでじゃれている気だ?」
 声に、僅かながら苛立ちがある。
 焦れとるな。
 服部は思う。
 "ここ"に来て、劉鳳とは短くはない時間を過ごしている服部には、その焦りが分かる。
 それは服部も同じだ。
 HOLYという組織がどんなものかは、服部にも分からない。
 いずれにせよ、何らかの治安組織にいた彼は、単純だが強固な信条に基づいて行動している。
 「悪を断罪する正義」
 危ういが、明確だ。
 探偵は違う。
 探偵の仕事は、裁くことではない。
 隠された真実を露わにし、つまびらかにすることだ。
 罪を裁くのは、個人が行って良いことではない。
 そこを踏み越えれば…探偵も犯罪者も同じになる。
 私人として、犯罪にもっとも近づくが故に、服部もコナンも、そのことを常に意識しわきまえている。
 劉鳳に、その境界はない。
 アミバは、その境界からかろうじて戻ってきた。
 彼岸から此岸へと戻ってきたのだ。
 勿論…アミバの凶行によって殺された者や、その関係者にとってみれば、「だからどうした」 というべき事だろう。
 アミバが過ちを悔いたからと言って、殺された者が帰ってくるわけでもなく、虐げられた者達が浮かばれることもない。
 安易に、「生まれ変わったのだから水に流そう」 などと言って良いことではない。
 服部やコナンには、断罪する権利もない代わり…赦しを与える権利もないのだ。
 完全なる裁きも、完全なる赦しも、人の道理を越えた所業。言うなれば、神の所業だ。
 彼らが事件との関わりにおいて、決して犯人の生命を危険にさらそうとしないのはそのためだ。
 人の秘密を知り、人の暗部をかいま見る。
 その中で、自らに人を裁く権利があると考えてしまえば、彼らは、彼らで居られなくなる。
 自らが自らの在り方を全うするために、彼らは事件との関わりでの人の死を忌避するし、恐れる。
 殺人の忌避の最たる理由は、人道主義でも倫理でもない。
 彼らが、探偵の分を越えてしまうことへの忌避であり、彼らのアイデンティティに関わる問題なのだ。
 過去は繕われることはない。
 ただその傷跡を時間が覆い隠し、その痛みを気にしなくなるだけだ。
 人の本質は、そうそう変わらないものだ、とも思う。
 探偵として、様々な事件に関わり合ってきた。
 勿論、生まれながらの悪と呼べる者は少ない。
 そして誰しも常に、 "動機" を抱えている。
 不安をなんとかしたい。より多くのものを手に入れたい。愛している。憎い。好きだ。嫌いだ。許せない。
 環境と、機会と、手段が…その様々な情念に、カタチと輪郭を与える。
 犯罪というカタチを。
 アミバは、文明の崩壊した荒んだ環境の中で、他人より認められたいという強い情念を持ち、その手段としての特殊な拳法を習得し、そうする機会に巡り会った。
 あるいは、それを人助けという方法で実現することも可能だったろう。
 だが、彼はそれを、狂気の人体実験というカタチにしてしまった。
 それは、不幸であり悲劇であるとしか言い様はない。
 今更悔いたところで、既に遅いのだ。
 劉鳳の正義も又、常に過ちを犯す危険性をはらんでいる。
 彼の信念に対する躊躇の無さは強みだ。
 強いが、それは直線的すぎる。
 探偵は、あらゆる可能性を多面的に考えて、それを一つ一つ検証する事で、なんとか全体像を見つけ出そうとする。
 過程が最も重要で、最も繊細なのだ。
 それが、彼にはない。
 そのことを、服部は危ぶんでいる。
 予断と思いこみと、正義感。
 それこそが、冤罪を生み出す最たるものだと言うことを、服部は知っているからだ。
 だがそれでも…。
 今ここに居る彼の気持ちは、服部にも分かる。
 コナン…工藤新一にも同様の感情があるだろう。
 無力感。
 探偵というのは基本的に、事件が起きてから現場にいるものだ。
 多くの場合、既に起こった事件にしか、関わることはない。
 起こりつつある事件の渦中で、次々と死に行く人たちに対して、何も出来ずにいる。
 そのことが、あまりにもやりきれない。

 「劉鳳はん」
 落ち着いた調子で、服部がそう返す。
 窓の外に目をやっていた劉鳳は、僅かに顔を向けた。
 もとより、激情型の人間だろうが、今はそれをかなり押さえ込んでいるのが分かる。
 再三、後手に回り続けている今、ただ闇雲に激しているような余裕はないのだ。
 「もとより…まずはアミバはんの回復を待つべきなんやけど…」
 ペンを手にして、ノートに文字を走らせる。
 『次は、劉鳳はんの荷物を頼んます』
 「俺らも、少しは休んでおかな」
 「ふん…」
 不承不承、という態で、劉鳳は自分のデイバッグを服部達に渡す。
 半分はここにきて足止めを食っていることへの苛立ち。半分は、主催者側への牽制としての演技だ。
 アミバのDISCの件もあったため、休息と行動方針の確認をすると共に、それぞれの持っている荷物についての再確認をしておく、というのが、先ほどこれも筆談で決めたことだった。
 これらの中に、一見どうという事のないものに見えて、実は重要な手がかりになるものや、有効な道具があるかもしれない。
 又、ある人物にとっては無用でも、他の者にとっては有用なものと言うこともある。
 現に、アミバが持っていた番傘は、神楽にとっては必要なものだったのだ。
 (本来の持ち物であった番傘を手に入れた神楽は、「これ、いらないネ」 と言って、木刀を一本投げて寄越した。
 その木刀はコナン達の間をもの凄い勢いですり抜け、深々とソファに突き刺さり穴を開けたのだが。
 結局その木刀は、剣道有段者の服部が持ち、服部はその代わりに既に持っていた棍棒をコナンに持たせることにした)
 何よりも、それがどんなに些細なことであっても、知識は力だ。
 盗聴のことを考えて、これらに関しての詳細な会話は極力控えている。
 アミバの荷物について触れないのは返って不自然だと言うことで、それらを見ることについては会話で話す。
 結果、内容に関しては取り立てて有益な情報はなかったが、細かいことは筆談にした。
 また、こうしておけば、今ここに居ない吉良やアミバにも、後で情報を伝えるのが楽になる。
 だから、実際に盗聴している者達が居ても、服部達はただアミバの回復を待って、食事と休憩と、無駄口を叩いている様にしか思えないはずだ。
 劉鳳の荷物の中に、取り立ててめぼしいものはなかった。
 スタングレネードと液体窒素は、戦闘能力に乏しいコナンか服部が持つ方が何らかの利用価値があるかもしれないと言うことになったが、ひとまずはどうするか保留にする。
 神楽の装備も同様に、銃と木刀があっただけだし、服部の荷物も、やたらと大きいライトとバヨネット。裏にしても逆さにしても、新しい発見はなかった。
 スーパー光線銃がかなりの威力のある武器であることは劉鳳の言により分かったが、かといって今ここで試すわけにもいかない。
 それぞれの装備品について分かったことと分からないことをノートにメモ書きをする。
 「アカンなぁ…」
 さほど期待しては居なかったが、やはりたいした発見はない。
 最初に開けたアミバのノートパソコンにも、それほどの成果がない。(というより、服部達の知らないOSが組み込まれていたので、分かりようもなかったのだが)
 「成果無し…か」
 ソファに沈み込むように、コナンがぼやく。
 『まだ、お前の分がある』
 服部が突きつけたノートの文字に、コナンが応じて荷物を取り出した。
 『俺のが一番ひどいかもしれねーぜ』
 コナンがメモを返す。
 真っ赤な宝石と、一部が透明になった麻雀セット。
 「これは…」
 つい、服部が口に出す。
 麻雀のセットは、まぁそれなりに高級そうでもある。(もしかしたら象牙なども使われているかもしれない)
 しかし何より、宝石だ。
 血のように真っ赤な、あるいは太陽そのものから削り取った燃えさかる炎を閉じこめたかのようなきらめきを持つ宝石。
 美しさも類い希なるものだが、何よりその大きさだ。
 『5~7cmはあるか?』
 『こんなときじゃなきゃ、まさにこいつが殺人の動機になってもおかしかねーよな』
 『数億じゃ済まんやろ。こんな宝石、見たことない』
 『怪盗キッドの予告状がもれなくついてくるぜ』
 ルビーでも無いし、ダイヤでも無い。
 どんな宝石か分からぬが、相当の価値があることだけはハッキリ分かる。
 細工も飾りも、一流の仕事だろう。
 しかし…。
 それが、何らかの解決に結びつくものには、とうてい思えない。
 服部とコナンは顔を見合わせる。
 出来れば、コナンが言った様に、こいつを盗みに来た怪盗との知恵比べ、等という場面で見たかったものだ。
 「…ちょ」
 横合いから声がした。
 「何コレ、何なのコレ!?」
 神楽だ。
 「ちょ、神楽はん、声…」
 食いつかんばかりの勢いで、深紅の宝石を見る。
 「いやいや、ここでこんなにも素早く再会できるとはネ。これ、ママの形見で、ズットサガシテイタヨ。美しかった思い出が全力で詰まりまくっているネ。つべこべ言わずにさっさと寄越すアル」
 「う…嘘をつけー―――ッ!」 
 「ウソナイ。ホント。ヤトゾクウソツカナイ」
 「急にカタカナでしゃべるな!」
 「バ、バーロ、見え見えすぎだっつーの…!」
 二人の男、いや、一人の少年と一人の幼児が、チャイナ服の少女に押されている。
 流石に、さらなる怒気を含ませた劉鳳が向き直り、 
 「おい、服部、ふざけるのもいい加減…」
 途端。
 その脇のガラス窓に、小さな穴が開いた。


 「な」
 空白は沈黙と衝撃と動揺を現す。
 「殺す気かー―――― ッ!?」
 「いや、ちょ、何、今の!?」
 「何や、レ、レーザー…!?」
 一筋の光が、宝石から一直線に放たれ、一瞬にして窓に穴を開けたのだ。
 「待て、待て、待ちぃ。劉鳳はん、こっち、まずこっち」
 服部が促し、劉鳳が従う。
 声もなく、コナンが手にしている宝石を見つめる一同。
 その脇の、懐中電灯。
 それを、服部が慎重に手に取り、ゆっくりと宝石にかざし…。
 閃光。
 再び放たれたそれは、やはり一直線の赤い光の筋となり、窓ガラスを貫いた。
 「光を増幅するんだ…」
 筆談することも忘れて、コナンが呟く。
 「この宝石は、光を集めて内部で増幅して…一種の熱線として照射する事が出来るんだ…」
 「…みたいやな…。こりゃ、なんとも…信じられんわ…」
 「たいした兵器だな…」
 兵器、というその言葉に戦慄する。
 服部、コナンのみならず、破格の戦闘能力と経験を持つであろう劉鳳ですら、驚愕の色を隠せない。
 ちらりと、神楽を見る。
 「ママもたいした形見をくれたもんやなぁ」
 ぶるぶる、と首を振り、
 「シラナイネ、ソンナノ、ワタシシラナイネ」
 「また言葉がカタカナになってるぜ…」
 座ったまま後ずさった。

 その神楽の背に、何かが当たる。
 スーツを着たサラリーマン風の男。
 吉良吉影だ。
 「吉良さん…」
 コナンが声をかける。
 「…何やら騒がしいようだが…」
 「あ、ああ、すまん。問題は無い…わけでも無いけど、まぁあとで説明するわ…。
 それより…」
 「ああ。アミバ君が目を覚ましたよ」
 入り口に少しもたれるようにして、吉良はそう告げた。

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