I bet my belief(後編) ◆O4VWua9pzs



闇夜の中を歩く一人の男がいた。
シアーハートアタックの死線を超えた赤木しげるであった。
今アカギは目的地である学校へと足を運んでいた。
この半日の間に有力な情報を携え、主催者に対抗できる力を着々と身につけていった。
だが、しかし・・・
「承太郎を失ったのは……痛かった」
あまり会話を交わしていないとはいえ、承太郎の瞳は鳴海と同じように強い意志を持っていた。
どんな逆境に立ち向かえる強い意志。
主催者に立ち向かうにあのような強い意志を持った人間が必要だったのだ。
それに加え、承太郎はスタンドという未知の能力を持っていた。
主催者に立ち向かえる筆頭になるはずだった。
…だが…死んだ。

「とんだ災難だったな…承太郎」
普通なら弱かったから死んだと思うだろう。しかし、アカギは違った。
本来なら対主催に活躍できたであろう武藤カズキ。槍からあれほど強い光の柱を打ち出すのだ。
かなりの強さを持っていたのであろう。だが、二回目の放送で死んだ。
そして、次に承太郎が死んだ。
二人には共通点があった。詳細は分からないが武藤カズキはある人物といて、そのまま亡くなってしまった。
そして、それを引き継ぐように承太郎がその人物といて、亡くなった。
単なる偶然なのだろうか? 違うな。
これは必然だ。

三千院ナギ―――この女はこの舞台にとって、曲者だ。

たぶんそこらの一般人と変わりないだろう。
しかし、この女は殺し合いの舞台で最も運に見放されている。
つまり疫病神って奴だ。博徒にとって最も恐ろしい存在。
かかわるもの全てを飲み込む悪魔である。
どんなに強者でも、ツキに見放されればあっさりと死んでしまう。
勝負には流れがある。不利な流れでは、勝負を仕掛けない。
運が自分のところまで向いてくるまで、力を溜め込み。
運が回ってくれば、全力で開放する。当たり前の行動である。

三千院ナギはギャンブルでいう負けの込んだ人間だ。
ツキを失った奴は負けがこむ。そして、悪循環に見舞われる。
負けるたびに、打ち筋が弱くなり、更に落ちていく。
覚悟が足りない、そのために打ち筋が弱くなる。
運と力を自ら手放すのだ。一種の錯乱状態だ。
そして、その運の無さは最終的に周囲を巻き込む。
武藤カズキも承太郎も三千院ナギの運の無さ、実力の無さ、覚悟の無さに翻弄されたにちがいない。
「……三千院ナギ…もし…お前がこの舞台にいることを嘆き、自暴自棄になっているようなら…」
切り捨てる。
逆境に耐えられる者こそ、強い意志を貫くものこそ生き残ることが出来る。
逆境に立ち向かう者こそ高みに登れる。
三千院ナギが現状に怯え、立ち向かわないような人物なら切り捨てる。

「ククク…ジグマールさんは…どうなったのかな?」
十数分前の同行者ジグマールのことを思う。
たぶん、爆弾に追われていること間違いないだろう。
あの場面で二手に分かれれば、十中八九爆弾はジグマールを追うだろうとアカギは予想していた。
案の定、予想は的中していたのだが…。

アカギはあのときのことを振り返る
ジグマールには悪いが、あそこは二手に別れる必要があった
本来なら二手に分かれる必要はなかった。しかし、今後の展開のためにもそうする必要があった。
アカギはジグマールの存在は必要不可欠だと認識していた。

(マーティン・ジグマール―――奴はこの舞台にとって最も主催者に近い男だ)

奴の能力である『人間ワープ』。
それが、主催者の居場所を突き止める最大の鍵だとアカギは確信した。
そう確信させた要因はジグマールに課された制限である。

奴は言っていた。
本来なら最大200メートルは移動することが可能だと。
しかし、この舞台だとたったの2メートルしか移動できないと言っていた。
どう考えても制限を設けすぎていると考えられる。
他の能力者がどこまで制限をかけられているか分からないが、奴の『人間ワープ』は異常だ。
何故そこまで制限をかける必要がある? 一方的な殺し合いをさせないため?
くくく…ちがうな。
たぶん真相はこうだ。

主催者が奴の能力を恐れている。
そう考えられる。一瞬で長距離を移動できる、そこがポイントだ。
そこで、ある仮説が思い立つ。
主催者がこの舞台からそんなに離れていない距離にいるとする。
そこは幾重にもトラップを重ね、戦陣を固めた要塞だとする。絶対に攻略できない難攻不落の要塞。
しかし、そんな要塞を意図も簡単に落城させることが出来る方法がある。
それが『人間ワープ』。ジグマールのアルター能力だ。

主催者は怯えているのだ。ジグマールの能力に。
だから、命いっぱい『人間ワープ』に制限を施したのだ。
そして、それと同時にあることが分かる。
主催者の居場所が200メートル以内の場所にあるということだ。
この舞台内なのか。舞台外なのかは分からない。
しかし、200メートル以内にあることが予測される。
だからこそ、ジグマールの存在は必要だ。

しかし、時期が早かった。

ジグマールは殺し合いに乗っていた。
現時点で、対主催を吹聴しても、それを利用されるのが目に見えていた。
奴は土壇場で裏切るのは自明であった。
だから、あの場面で一旦別れる必要があった。
奴は自分の力を信用せず、保身に回っていた。
勝とうとする意志が無い、あのままの状態では最後まで生き残れない。
奴に足りないのは逆境に打ち勝とうとする強い意志だ。
本来の力を奪われたおかげでジグマールは無意識に自棄になっていた。

―――理不尽に対抗しようとする意志。

それが備われば奴は大いに化ける。
殺し合いに乗る輩に化けるか、それとも対主催を掲げる輩に化けるかはまだ分からない。
しかし、まだ希望はある。奴は根っからの殺人狂ではない。
殺人狂なら真っ先に俺を殺しにかかっただろう、奴の判断は俺を利用することだった。
ジグマールは仕方なしに殺し合いに乗っていた。
首輪に命を握られている。だから、最後まで生き残る。
ジグマールからそんな意志が感じ取れた。

そんな男を対主催に転向させるには……
首輪を外す方法と主催者の居所を与えれば、俺たちに協力するだろう。
更に運がいいことにジグマールは表の主催者光成に対して、怨恨を抱いている。
それを利用しない術は無い。

「おもしろくなりそうだ……」
主催者がジグマールの行動を把握しているなら、奴は殺し合いに乗っていると判断していることだろう。
だったら、俺はその隙を狙う。
もし、殺し合い乗っている奴が突然対主催に転向し、しかもその能力が最も恐れている能力の持ち主なら……
主催者は何らかの行動を行うだろう。

「ククク……」
待っていろよ。影の主催者。高みから笑っていられるのは今のうちだ。
すぐにでも同じ土俵に引き摺り下ろしてやる。
「そのためにも…ジグマール」

―――生き残れ
―――己の力を存分に引き出せ
―――己の力を信じるんだ

そうすれば、お前はより強くなれる、高みに登れる。
だが、それが出来ないようなら……

「それまでの男だ…」

アカギは歩みを止めない。
更なる高みを目指すために。
主催者に反旗を覆すために。
意志を貫き通す限り、止まることは無い。

そんなアカギにバッサバッサと鳥のはばたく音が聞こえる。
闇夜の使いである梟が上空を横切る。
その瞬間、銀色の星が流れてくる。
いや、それは星ではなかった。
鋼の信念がアカギの信念に呼応する。

正義の意志を最後まで貫いた男がいた。
遥かなる己の意志を貫いた男がいた。
その男の意志の結晶体がアカギの目の前に転がる。
『シルバースキン』。
核鉄を手に取る。
信念は砕かれぬことなく、アカギに受け継がれた。


【E-4 市街南 1日目 夜】

【赤木しげる@アカギ】
[状態]:脇腹に裂傷、全身打撲(両方とも治療済み) 小程度の疲労 眠気 核鉄で自己治癒中
[装備]:核鉄(シルバースキン) 基本支給品、 ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス (残り9本)
[道具]:傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの)
 始祖の祈祷書@ゼロの使い魔(水に濡れふやけてます) キック力増強シューズ@名探偵コナン
 水のルビー@ゼロの使い魔、工具一式、医療具一式 沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ)
[思考]
基本:対主催・ゲーム転覆を成功させることを最優先
1:学校に向かって、自分の情報を伝える。
2:脱出のカードを揃えてから、ジグマールを説得する。
3:対主催を全員説得できるような、脱出や主催者、首輪について考察する
4:強敵を打ち破る策を考えておく
5:このバトルロワイアルに関する情報を把握する
(各施設の意味、首輪の機能、支給品の技術 や種類など。)
6:ツンデレの意味を知りたい。
[備考]
※ツンデレの意味を色々間違った意味で捉えています。
※マーティン・ジグマールと情報交換しました
※光成を、自分達同様に呼び出されたものであると認識しています。
※参加者をここに集めた方法に、
 スタンド・核鉄・人形のいずれかが関係していると思っています。
※参加者の中に、主催者の天敵たる存在がいると思っています(その天敵が死亡している可能性も、考慮しています)
 そして、マーティン・ジグマールの『人間ワープ』は主催者にとって、重要な位置づけにいると認識しました。
※主催者のアジトは200メートル以内にあると考察しています
※ルイズと吉良吉影、覚悟、DIO、ラオウ、ケンシロウ、キュルケ、ジグマールはアルター使いと認識しました
※吉良吉影の能力は追尾爆弾を作る能力者(他にも能力があると考えています)だと認識しました。
※DIOの能力は時を止める能力者だと認識しました。
※ジグマールは『人間ワープ』、衝撃波以外に能力持っていると考えています
※斗貴子は、主催者側の用意したジョーカーであると認識しています
※三千院ナギは疫病神だと考えています
※ゴールド・エクスペリエンスのDISCを持った梟(桐山の首)が会場をさまよっています。


182:今にも落ちてきそうな星空の下で 投下順 184:風前の灯火
182:今にも落ちてきそうな星空の下で 時系列順 184:風前の灯火
171:十九九九九九九~史上最大の同い年~ 赤木しげる 198:われらのとるべき道は平常心で死にゆくことでなく非常心にて生きぬくことである
171:十九九九九九九~史上最大の同い年~ マーティン・ジグマール 191:男とアルター