殺人鬼の日々の過ごし方inロワイアル

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mangaroyale

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殺人鬼の日々の過ごし方inロワイアル ◆rnjkXI1h76



 月明かりと外灯がうっすらと辺りを照らすとある公園。
 その公園に彼は――吉良吉影は一人たたずんでいた。
「…………」
 公園に設置されている時計に吉良は無言でちらりと目を向ける。――現在の時間は、ちょうど深夜0時を過ぎたところであった。

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

「――まいったな。普段は遅くても夜11時には床について8時間睡眠をとるのがわたしの日課だというのに……
 貴重な睡眠時間を一時間も無駄にしてしまったじゃないか」
 目の前にある長短ふたつの針で時を知らせるソレを見つめながら、わたしは自分に言い聞かせるようにそう呟いた。

 ――わたしの名前は吉良吉影。
 1966年1月30日生まれ。血液型はA型。
 タバコは吸わない。酒はたしなむ程度。
 目立たず、平穏な人生を送ることを願って生きている。
 『勝ち負け』にこだわったり、頭をかかえるような『トラブル』とか夜眠れないといった『敵』をつくらない……というのがわたしの社会に対する姿勢であり幸運だ。
――しかし、そんなわたしについ最近ある『トラブル』が発生した。
 わたしの願う平穏な人生に立ちはだかる障害――『敵』が現れたのだ。
 その敵のうち二人の名は東方仗助、そして空条承太郎という。
 なぜ彼らがわたしの前に立ち塞がるのかはわたしもよく分からない(――いや、実際は自分でも大体分かっているのだが……)。
 ――ともかく、わたしはこの『敵』のせいでついには『吉良吉影』ではなく『川尻浩作』という存在として生きる破目になった。
 それは結果としてわたしに『絶望』を与えた。
 スガスガしい気分になったり、絶望に落ち込んだり、このところいろんなことが起こるんで気分の波の差が激しかった――――だが、もうそのようなことはない。
 なぜなら、『絶望』のおかげでわたしは『成長』することが出来たのだ。
 それに、この『殺し合い』の場にはわたしの秘密を知る平穏な人生を妨げる者たちの姿はなかった(と思う)。
 ――まあ、仮にわたしの秘密を知るものがいたとしても今のわたしは『無敵』になったから問題はないが。

 ――『バイツァ・ダスト』。わたしのスタンド、キラークイーンが手に入れた第3の能力――――人に仕掛ける『爆弾』……
 わたしを追ってくる者全てを消し飛ばすために作動する能力。さらに、わたしの『正体』を消すと時を元通りにする『無敵』の力だ。
 そう。これがある限りわたしに『敗北』はない! そしてこの吉良吉影に『運』は味方してくれているッ!
 今のわたしの気分は『ノン気』や『スガスガしい』というものを軽く超越しいる。俗に『ハイ』というやつだ!

「……さて、『無敵』になったとはいえ、いつまでもここで油をうっている場合ではないな。
 どこかくつろいで床につけそうな場所を探すとしようか……」
 わたしは足元にあったデイパックを手に取り、それを肩に提げると早速熟睡ができそうな場所を求めて歩き出した。


 …………あの時、光成とかいう老人は言っていた、『最後の一人になるまでわたしたちには殺し合ってもらう』と。
 つまり、これは自己の生存、存在を賭けた『闘争』というわけだ。

 ――わたしは『闘争』を好かない。なぜなら『闘争』はわたしが目指す『平穏な人生』と相反しているからだ。
 わたしは『誰にも負けない』という自身はある。やる気になればこのデス・ゲームを勝ち残ることだって容易いだろう。
 ――だが、ひとつの『闘い』に勝利するということは次の『闘い』のためにストレスがたまる……。それは間違いなく愚かな行為だ。
 他人と争うのはきりがなくムナしい行為であるということをわたしは知っている。
――しかし、わたしの『平穏』を乱すものが現れた場合は別だ。『平穏』を乱す者――すなわちわたしの秘密を知ってしまった者とは戦わざるをえない。
――このデス・ゲームにおいてわたしがすべき事、それは普段どおり『平穏な生活』を送ることだ。
 そう。激しい『喜び』はいらない……。そのかわり深い『絶望』もない…………。『植物の心』のような人生を送っていればいいのだ。
 このような状況の場合、感情に流され暴走する者は最後に必ず自滅するのだ。
 『平穏な生活』を送っていれば最後は自然に『勝利』というものが自身に転がってくるのだから。

「――やはり天風が充分凌げるところがいいな。
 まずはその辺りの住宅街で静かに過ごせそうな空き家でも探すとするか…………」

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 ――吉良はまだ知らない。このバトル・ロワイアルには彼の敵である空条承太郎がいるということを。
 そして――彼が『無敵』と称した『運命』にすら干渉する能力、『バイツァ・ダスト』は使用することが出来ないということを……
 それがこれから先、吉良にどのような結果を与えるのか――それはまだ誰にも分からない。



【E-4 池の公園/1日目・深夜】
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム×0~3(全て未確認)
[思考]
基本:普段どおり平穏に過ごす。
1:どこか床につけられそうな場所を探す。
2:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。
[備考]
※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。
※支給品はまだ何もチェックしていません。そのため承太郎が殺し合いに参加していることに気づいていません。
※自身が吉良であることを承太郎はまだ気づいていないと思っています。
※スタンドの能力制限や『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。

005:二つの零、二つの魂 投下順 007:正義のカタチ
005:二つの零、二つの魂 時系列順 007:正義のカタチ
初登場 吉良吉影 040:零式防衛術外伝 すごいよ!!散さん


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