北斗神拳



陰陽の考えに基づき、南斗聖拳を「陽」とし「陰拳」として対する拳法。一子相伝の暗殺拳。
1800年間他門に敗れたことはないとされ、戦いの中で奥義を見出し、常に進化を続ける点から「地上最強の拳」と呼ばれている。
北斗神拳の真髄は極限の怒りと哀しみであるといわれ、哀しみを背負う者のみが究極奥義を極められる。北斗宗家の拳の発展形。

独特の呼吸法により、「常人は己の潜在能力の30パーセントしか使えないが、北斗神拳は残りの70パーセントも使用するのが極意」という。
なお、この呼吸法を用いれば長期にわたって食事を取らなくても肉体的な衰えがほとんどない。

北斗神拳の極意は経絡秘孔(経絡とは血の流れ、神経の流れで秘孔とはその要。
経絡秘孔は全部で708あり、深く突けば血の流れを異常促進させ細胞を破壊し、柔らかく押せば体内の治癒力を活発化させる)を突くことで、
身体を外部からではなく、むしろ内部から破壊することにある。すなわち物理的な破壊力を重視する南斗聖拳に対し、気の流れを重視している
(なお、南斗聖拳も闘気を使う関係上、ある程度の経絡秘孔に関する知識も伝承されており、レイも南斗虎破龍を使った際にケンシロウの秘孔を突いていた)
当然、人体の潜在能力(=怪力)を100パーセント引き出し、闘気も駆使する北斗神拳は物理的破壊力も絶大である。

北斗神拳では「人体の構造」や「気の流れ」を徹底的に研究しており、使い方を工夫すれば医学的な応用も可能でトキは核戦争前、自らが伝承者になった場合、「北斗神拳を拳法としてではなく医学として使おうと思う」とケンシロウに語っていた。

北斗神拳の究極の到達点は「愛」であり、北斗琉拳のそれが「悪」であるのと対照的である。
なお、北斗神拳伝承者には同じ北斗宗家の血を引く北斗琉拳の一族に対し「愛を説く」ことを初代シュケンより代々伝えられている。

歴史

この拳法の成立はおよそ2000年前、漢の時代に遡る。まだ小勢力であった西方の浮屠教徒(仏教徒)たちが、群雄割拠する乱世にあり、
その教えを守り、生き抜くためにあみだした秘拳であった。創始者はシュケン。
発祥地は修羅の国、西の砂漠(中国の寧波→実際の寧波は東部沿海地域)にある泰聖殿(院)
修羅の国で2000年前に完成していたインド拳法から発展した北斗宗家の拳をベースにし、北斗神拳伝承者が乱世で奥義を編み出していくことで進化した。
あまりに凄絶なその秘拳は太平の世には「死神の拳法」として忌避され、20世紀にはただ伝説として語られるのみであった。
リュウケン(日本名は霞羅門)は治安の悪化から中国から日本に移り、日本で北斗神拳を伝えた。

北斗の掟

北斗神拳はその凄絶な力と創始者の悲話ゆえに一子相伝とされているが、伝承者以外は他流との闘いで奥義を封じねばならないという意味で、
実際には多くの門弟が北斗神拳を学んでいる。リュウケン門下にも多数の門弟がいたことがジュウケイやフドウによる「道場破りエピソード」で明らかになっている。
伝承者候補になった場合、候補者同士で争い、「心技体」に優れたものが伝承者となる。伝承者の決定は先代伝承者が決定するか、
1人を除く残りの候補者全員が辞退することで決定される。なお、伝承者争いに敗れた(辞退した)者は、「自ら拳を封じて隠居する」か、
「伝承者によって拳を破壊、もしくは記憶を奪われて拳を封じられる」のが掟である。
もっとも、伝承者にならなかった伝承者候補は北斗神拳の「拳法としての使用」が禁じられるわけであり、
トキのように隠居後も北斗神拳の技や知識を医学の一種として活用することまでは禁じられてはいない。
なお、一子相伝とはいえ、伝承者が他の伝承者候補の拳を封じることはまれであり、リュウケンと伝承者を争い、
敗れたコウリュウは自ら拳を封じたもののラオウとの戦いでは独自の北斗神拳を披露した。

分派・派生流派

北斗神拳は一子相伝ということもあり、南斗聖拳のように多数の流派は存在しない。ただし、中国の三国時代、魏呉蜀の三皇帝(曹操・孫権・劉備)を守護するため、北斗宗家から分派した「北斗三家」の拳が分派として存在している。それぞれ北斗曹家拳、北斗孫家拳、北斗劉家拳という。
なお『北斗の拳』の劇中でケンシロウが使う北斗神拳がウイグル獄長から劉家北斗神拳と呼ばれていたことがあったが、
北斗の掟では、時の北斗神拳の伝承者無き時は、劉家門からこれを出すとされている。
すなわち、劉家と宗家は三家の中でも密接な関係にあるといえる。

そもそも、北斗神拳の奥義は代々の伝承者が独自に編み出したものであり、系統だった技は見られない。
伝承者から伝承者になんらかの技としての奥義が伝えられることはまれであり、「心構え」を伝えるにとどめている。
従って、ラオウ・トキ・ケンシロウで使っている技が全く異なり、彼らの拳はそれぞれ「別の北斗神拳」といえなくもない。
なお、技の継承も多少は行っているものの、基本的に自ら技を食らって覚えるという方法を取っている。
なお、ケンシロウの技とラオウの技が似ているのはケンシロウにラオウが「実戦形式」で教えた(リンチに近い形)からである。

もっとも、ラオウの拳は「圧倒的な闘気で相手を圧倒する」ものでリュウケンが言うよう「拳法ではない」といえなくもないが、
ラオウも北斗神拳を使える上であえて「闘気技」を使っているわけで、あえて言うなら北斗琉拳に近いといえる。

北斗孫家拳
北斗曹家拳
五叉門党(曹家拳の一派)
北斗劉家拳(北斗琉拳)
極十字聖拳
魔導琉拳(ゲームのみの設定)
天帝拳(ゲームのみの設定)
北斗無明拳(ゲームのみの設定)
北門の拳(「新・北斗の拳」、「小説 北斗の拳」で登場)
サーラが使っていた医術(「新・北斗の拳」、「小説 北斗の拳」で登場)