ふたりはスカーフェイス ◆7jHdbxmvfI


暗闇が包み込む夜の校舎。
そして、その校舎の中の一つの教室に二つの声が小さく響く。
その教室は外敵を警戒してか、灯りをつけず月明かりだけが教室の中を明るく照らしている。

「……つまりあのピエロはいきなりあんたを襲ったってことか」
「ああ、本当にいきなりナイフを投げてきた。君が来なければ私はきっと……心から礼をする」
「あれぐらい大したことじゃねえよ」

斗貴子は先ほど起こった出来事を説明し、丁寧に頭を下げる。
花山は例を丁重に受け取ると、気になっていたことを質問する。

「それより姉ちゃんのその傷……ただの女子高生じゃねえのかい?」

先ほどは夜の闇で気付かなかったが、斗貴子の顔にはうっすらなピンク色の傷がある。
傷は古い為に、先ほどのピエロに付けられた物ではないことは容易に推測できる。
そのために聞いてみる事にしたのだ。

「これは……昔いろいろあってな……聞きたいのか?」

花山の問いに斗貴子は思い出す。
幼少期のホムンクルスに襲われたときの事を。
出来る限り触れてほしくない過去だった。
あの時の記憶がよみがえり、目には少しだけ哀しみが訪れた。

「別に話したくないならいい。変な事聞いちまったな……本当にすまねえ」

傷痕を軽く手で押さえ、目は僅かに曇り、途切れ途切れで話す仕草から話したくないであろう事はすぐに分かる。
その変化から、自分の過失で目の前の女性を傷つけてしまったと感じ取り、追求をやめ謝罪する。花山は丁寧に頭を下げた。

「あっ、いや。君が謝ることじゃない」

花山の風貌とは想像できない反応に、逆に斗貴子も恐縮してしまう。
そのせいで変な沈黙が生まれる。

 しまった。予想以上にこの男、女性には優しいみたいだ。私の周りにはこのようなタイプいなかった。
 どうする。私はこういったタイプの扱いは苦手だ。しかしこのままでは……そうだ。支給品があるじゃないか。
 その話題でこの場は乗り切るしかない。それにもし核鉄を持っていれば借りれるかもしれない。よしっ!

「……そうだ。君の支給品は何がある。私は……この三つだが」

この妙な空気を打ち破るべく斗貴子のほうから話を切り出す。
支給品の確認のために、率先して自分の支給品を机の上に出す。

「……何だ?」

思わず聞き返す。
何より花山は自分の支給品を確認していない。いや、一度もバッグを開いていない為に、武器のことを知っていない。

「支給された武器らしいのだが……残念だが私の物は武器とはいえない物ばかりだ」

机の上に出ている物は、一冊の本と指輪と小学生サイズの運動靴。
斗貴子は試しにと本を開くが、見たことのない文字のために意味が分からない。
靴はいくら自分が小柄と言っても、小学生のサイズではさすがに合わず履けない。
指輪は試しにとはめてみたが、はめたところで特に何も起こらなかった。

「……支給品か。調べてなかったな……」

斗貴子の支給品を見て、花山も自分のバッグを開く。
すると中から出るは包み紙が三つ。斗貴子はその中に核鉄が入っているのを祈る。
しかし紙を開くと、中から出た物は突撃用ライフルとその予備マガジン、そしてタバコ一箱だった。

 核鉄は無いのか……

少しばかり斗貴子はうなだれる。
しかし花山はすぐに銃を手に持ち、

「……使うかい?」

丁寧にそっと、斗貴子の前に置いた。

「これは君の……いいのか?」

そしてそれを斗貴子は受け取りながら問い返すが、花山はいつもどおりの顔で――

「構わねえ」

――簡潔に答え返す。
事実花山は銃を好まない以上、いくら高性能の銃であっても無用の長物にすぎない。
それに斗貴子は普通の女子高生のように花山には感じられた。
その女子高生が丸腰で歩き回っては的にされるだけと感じとり、護身用にと銃を渡したのだった。
なによりこの銃は誰でも扱えるのがウリのAK。銃の心得が無くても銃に振り回される心配もなかった。

「……さてと、どこに行くかい?」

互いの支給品の確認を終えて、バッグに戻して再度わずかの沈黙が流れた直後だった。
今度は花山が次の移動先を聞くことにより沈黙を打ち消した。
いつまでもここに居てもあまり意味は無い。行動を起こす必要があると言う判断ゆえの行動だった。

「……そうだな、市役所にでも行くか。あそこなら人が集まる可能性が高い。君もいいのか?」
「ああ、付き合うぜ」

斗貴子は冷静に考え結論を出す。
ここよりは繁華街に近く、人の集合場所に使われそうな施設に思えたからだった。
花山も了承して、移動先は決まる。

花山と斗貴子。
二人のスカーフェイスは学校を出て、新たな目的にへと歩き出す。


【C-4 北東部 1日目 黎明】

【津村斗貴子@武装錬金】
[状態]:健康
[装備]: USSR AK74(30/30) 水のルビー@ゼロの使い魔
[道具]:支給品一式、USSR AK74の予備マガジン×10 始祖の祈祷書@ゼロの使い魔 キック力増強シューズ@名探偵コナン
[思考・状況]
基本:主催者をなんとしても倒す
1:花山と市役所に向かう
2:カズキ、またはブラボーと合流。パピヨンには警戒

【花山薫@グラップラー刃牙】
[状態]:健康。
[装備]:
[道具]:支給品一式、川田のタバコ@バトルロワイアル
[思考・状況]
基本:乗っていない奴は助けるor手を出さない
1:斗貴子と市役所に向かう
2:襲ってくる奴はぶっ飛ばす


040:零式防衛術外伝 すごいよ!!散さん 投下順 042:オーガ=範馬勇次郎
039:北斗神拳の恐怖 時系列順 045:ひとりぼっちのエスケープ
009:銀の道化師と痕面 津村斗貴子 051:鬼と戦士と喧嘩師
009:銀の道化師と痕面 花山薫 051:鬼と戦士と喧嘩師