ピンクの髪のペッタンコ娘、そしてマダオ

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mangaroyale

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ピンクの髪のペッタンコ娘、そしてマダオ ◆uiAEn7XS/.


「――動かないで」

いきなり背後から女の声。
その張り詰めた口調から、少なくとも冗談などの類ではないことは神楽にも感じ取れた。
「だ……誰アルか!」
「それはこっちの台詞。ゆっくりと振り向いて、顔を見せなさい。妙な真似をすれば――分かるわね?」
声から察するに、女との距離は一足飛びで奇襲を仕掛けるにはやや遠い。
おそらくあちらは飛び道具を持っているのだろう。
ここは言うことを聞いておいて、隙を窺うべきか。
神楽は女の言うとおりにゆっくりと振り返った。
「…………デッケー」
「……は?」
ムッチムッチである。
バインバインである。
ボンキュッボンである。
銀時が隠れて読んでるエロ本そのまんまの女が、何やら杖の様なものを構えて立っている。
「……やっぱりルイズじゃないわね。胸がペッタンコなとこまで一緒だけど」

かちん。

「な……自分がデカイからっていい気になるなアル!どうせそのうち垂れる一方で、将来は垂れ乳牛女って呼ばれるに決まってるネ!」
「……貧しい者のひがみなんて、いちいち聞いてられないわね」

ぷちん。

「貧しいって胸か、胸のことアルか!私は成長期だからまだまだこれからネ!」
「あらあら。あなたより年上でよく似た娘を知ってるけど、その子もぜ~んぜん変わってなかったわよ?
 頼むから大人になっても、そんな言い訳だけはしないでね?見てるだけで可哀想になってくるから」

ぶちぶちぶちっ。

「ふざけんなァァァァ!!そんなにそのチチやケツが自慢アルか!!
 どうせお前みたいに無駄にエロ光線振りまいてるような女は、有象無象の男は引っ掛かっても、本命は他の女に持ってかれるタイプアル!!
 恋愛漫画から昼ドラまで古今東西、不変の法則ネ!」
「な――」
「おやおや図星アルか?まったくお前みたいな奴にそのチチは資源の無駄遣いアル。
 私が有効利用するから、とっととちぎって寄越すネ。
 まるでダメなオッパイお化け――――略してマダオ!!!!」
「……やっぱり、あなたルイズじゃないわね。いえ、それどころか数段タチが悪い。
 ちょっと貴族に対する口の聞き方ってものを教育して差し上げるわ」
言うが早いか、女がその眼前に杖を構えると、その空間にいきなり炎が出現した。
「ふん。お前が貴族なら私はかぶき町の女王ネ。こっちこそ教育してやるアル!」
先手必勝。
まずは斜めに跳び、細かくステップしつつ接近。
動きを止めることなく、相手に狙いを定めさせない。
「くっ――速い!?」
慌てて炎を発射しても、もう遅い。
回避行動をとるまでもなく、炎は神楽を捉えきれず後方へ通り過ぎていく。
見た目は少女でも神楽は全銀河にその名を轟かせた戦闘民族、夜兎族の生き残りである。
やや遠い程度の距離でも神楽にとって、そこはもう必殺の間合い。
桁違いの脚力で一気に懐へ飛び込む。

「あ――」
「もらった!」

そして木刀を一閃するだけで勝敗は決した。

     *

「……えーと、あった!支給品の紙!」
もはやピクリとも動かず横たわる女には目もくれない。
神楽はその女の所持品であるデイパックを漁っていた。
「紙になんか書いてる……何々、ジャッカル?……うお!」
紙を開けると、そこから出てきたのは巨大な漆黒の銃――化け物を殺すための切り札、ジャッカル。
「スゲー。黒くて、固くて、でっかいアル。っていうかこの女、私の支給品と比べて贔屓されすぎネ。
 あのジジイ、このチチに目が眩んだアルか。やっぱり男は皆、けだものアル」
そういいつつ、倒れて動かない女に視線を向ける。
「……あれ?」
後頭部に木刀を一撃入れて気絶させた。手加減したはずだった。
なのに――。
その女の頭から、髪の中から滲み出るようにして、いつのまにか決して少なくない血が流れ出ていた。
慌てて木刀の刀身を調べると、ほんの僅かに血のりがこびりついている。

神楽が力加減をしくじったのは、実はこの木刀のせいである。
正式名称は『木刀正宗』。
装備した者の感情を高ぶらせ、潜在能力を最大限まで引き出すという、木刀のくせにまんま妖刀なシロモノだ。
そんなわけで神楽は知らず知らずのうちに力加減を誤ってしまったのだが。
「そんな……わ、私はそんなつもりじゃ……」
そして思考はあらぬ方向へ逃避を始める。
「そ、そうだ!これゲームアル!前に銀ちゃん達と一緒にやったOWeeとかいうバーチャルコントローラーだか何だか…………だから……これは……」
女の体を慎重に抱き起こす。
後頭部にヌルリとした生暖かい感触。
「……これは……ゲーム……」

思い出す。
父と兄の凄惨な「殺し合い」。
無我夢中で泣きながら止めに入った。
二人とも血まみれですごく怖い顔をしていた。
――あの時と同じ臭いがした。

「私……は……」

思い出す。
銀時や新八と万屋を営んでいた日々。
色々危ない目にもあったけど、皆で助け合って。
人を傷つける自分じゃなくて、人を助ける自分になれたと思った。
――あの時の自分に戻れなくなる気がした。


「……ふんぬううううううううううううううう!!!!」

二人分のデイパックを抱えながら、女の体を背負い上げる。
病院にいけば何とかなるかもしれない。
いや、たとえ何とかならなくとも――、
何もしないのは、見捨てるような真似だけは、絶対に嫌だった。


【G-8 ボーリング場付近 一日目 黎明】

【キュルケ@ゼロの使い魔】
{状態}昏倒 気絶中 後頭部から流血
{装備}タバサの杖@ゼロの使い魔
{道具}支給品一式
{思考}
1:???
2:タバサ、サイト、ルイズと合流する
3:危害を加えて来ない限りは仕掛けない。
基本行動方針
学院に四人で帰る。

【備考】
キュルケの登場時期は原作10巻。
ガリア王ジョゼフからタバサを救出した直後辺りです。
怪我の具合は他の書き手さんに任せます。


【神楽@銀魂】
{状態}健康 かなり焦っています
{装備}木刀正宗@ハヤテのごとく 
   ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(30×2)@HELLSING
{道具}支給品一式 拡声器@BATTLE ROYALE
{思考}
1:マダオ(キュルケ)を何とかするため、病院へ向かう。
2:銀ちゃん(銀時)と新八とヅラ(桂小太郎)を探す。
3:帰る方法を考える
4:殺し合いに乗る気は無い。
基本行動方針
殺し合いに乗っていない人は守る。乗っている人は倒す。

【備考】 原作18巻終了後から参戦。


054:貴重な貴重なサービスシーン 投下順 056:才賀勝
049:上がれ!戦いの幕 時系列順 035:嫌なこった
014:貴族、そしてチャイナ娘 キュルケ 068:マダオはマダオであってマダオ以外の何者でもない
014:貴族、そしてチャイナ娘 神楽 068:マダオはマダオであってマダオ以外の何者でもない



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