三千院ナギと素直じゃない仲間 ◆ozOtJW9BFA


朝を迎え、空条承太郎は東に空に高度を増していく太陽を見つめていた。
凄惨な殺し合いの舞台となる町並みも、承太郎が元居た世界と同じく色を取り戻していく。

(DIOだけでも厄介だってのに、最初に集められた場所居た勇次郎と拳王。その上パピヨンみてーな、得体の知れない野郎も居る。
 そういえば光成と呼ばれていたじじいは、この『ゲーム』の参加者を『一騎当千と呼ぶにふさわしい面々』とか言っていたな。
 ……やれやれこの『ゲーム』は、俺が思った以上に面倒なものみてーだな…………)
承太郎はこの殺し合いに集められた者が、未知の能力を持つ者を含めて
自分やDIOに比肩し得る強者が、ほとんどを占める可能性を考慮していた。

(そうかと思えば、あんなガキを参加させやがる……)
承太郎は前を歩く、三千院ナギを見やる。
おそらくは何ら戦う術を持っていないであろう、華奢な体躯を持つ少女。
(あいつ一人で殺し合いを生き残るのは難しい、考えてみれば何処かに隠れてやり過ごすにしても
 この『ゲーム』の性質上俺の支給品の首輪探知機や、じじいのスタンド『ハーミットパープル』みたいに索敵能力を持つ者が居る可能性が高い。
 かと言ってこのまま行動を共にしても、足を引っ張られて共倒れになりかねない。

本来承太郎にとってナギは、出会ったばかりの人間でありその身の振り方について心配する必要は無い。
だが見捨てるのも、やはり目覚めが悪い。
「……やれやれだ」
承太郎は誰にも聞こえない程の小ささで、ため息をつく。

◇ ◆ ◇

朝を迎え、三千院ナギは東に空に高度を増していく太陽を見つめていた。
凄惨な殺し合いの舞台となる町並みも、ナギが元居た世界と同じく色を取り戻していく。

(やっと、朝になったか……)
夜の闇は晴れ、ナギを恐れさせるものはもう何も無くなった。
(これで私は夜間の3倍のスピードで、ハヤテ達を捜して動ける)
ナギの顔に不敵な笑みが浮かぶ、己が恐怖するものを振り払った者の余裕の笑み。

(短い間だが一緒にいたJOJOとも、ここでお別れだな。
 なんとなく…なんとなくだが迷惑を掛けてる気がするし! なんとなく!!)
なんとなくで無く、迷惑を掛けています。
(う……パピヨンとの戦いを、治めてやったりもしたぞ……)
あの戦いの原因は、あなたです。
(うっさい、バーカ!! だから別れると言ってるだろ!!)

ナギは承太郎の方に向き直る。
「JOJOよ、世話になったな。夜も明けたから、私はもう一人で行く」
「待ちな。……てめーにはまだ訊きたい事がある」
「なんだそれは?」
「てめーはこの『ゲーム』に、乗っているのか?」

「なんだ今頃になって、そんな事ならもっと早く訊いて……」
「オラァッ!」
承太郎のスタンド・スタープラチナの拳がナギの鼻先通り抜け、隣に立っていたポストを破砕した。
「余計な事は言わねーで、訊かれた事に簡潔に答えな。
 そして答えによっては……てめーには死んで貰う」
「な……なんの真似じゃ、この無礼者!!」
「やかましいッ! うっとおしいぞ!!」

ナギは幼い頃から誘拐や命の危険に何度も晒され、今では殺すと脅された位では大きく動揺はしない。
その筈が承太郎の気勢を受け、ナギは声も立てられず身を震わせる。
「もう一度だけ訊くぜ、てめーはこの『ゲーム』に乗ってるのか?」
「……の!乗る訳無いだろ! 殺し合いになど!!」
「だったら死ぬ気か?」
「なんで、そうなるんだ!」
「この『ゲーム』は生き残る最後の一人になるには、少なくとも一人は殺さないといけない計算になる。
 それともてめーは何もしないで自分一人だけが生き残れるなんて、虫の良い事を考えてるんじゃねーだろうな?」

(確かに爆弾が仕込まれた首輪を嵌められている限り、いずれ最後の一人になるまで殺し合わざるを得ないのか……)
ナギは自分が今までただ漠然とこの状況もハヤテがなんとかしてくれると思い、具体的な解決方法を考えていない事に気付く。
「馬鹿にするな! 私は三千院家の主として使用人と友人を殺してまで生き残る様な真似も、安易な死を選ぶ様な真似も出来ん!!」
「だったらどうするって言うんだ、てめーは?」
「そ……それはだな……」
「オラァァッ!!」
スタープラチナが、ナギの足下のアスファルトに穴を開ける。

「あ…あ…」
「殺したくも死にたくもねーならどうするのか、さっさと答えて貰おうか! ナギ!!!」
混乱する頭をフル回転させ、ナギは必死に答えを探す。
(ど、どうすると言われても……やはり死にたくはないし、だからと言ってハヤテと殺し合いなど絶対に出来ない!
 私とハヤテは何よりも強い絆、互いの愛で結ばれているのだから。ならば……答えなど最初から決まっているではないか)
「こ! このゲームから脱出すればいいだろう!! 必要なら首輪も外し、このゲームを主催した者も倒す!!
 とにかく私は絶対にハヤテと共に生き残って、三千院の屋敷に帰るからな!!!」

「ほう、つまりおめーは俺と目的が同じって訳だな」
「……え?」
「それならナギ、俺と手を組むぞ」
「ば…! 馬鹿者!! 手を組むなどそんな事をしてハヤテに見付かったら、ご…誤解されるではないか!!」
「……手を組むと言っても、ゲームから脱出するまでだ。それまでは互いを、仲間だと思って行動する。
 言っておくが、あくまでお互いの仲間の安全を確保しゲームから脱出する為の手段だ。いいな?」
「……まあよかろう、そこまで頼むのなら力を貸してやる。JOJOよ、付いて来い」
先程までの怯えた様子を微塵も残さず、ナギは承太郎を先導した。

◇ ◆ ◇

「JOJOは繁華街に行き、我々の知り合いを捜してくれ」
ナギと承太郎は、路上で地図を広げ行動方針を話し合う。
「私はその間この地図上の、端を確認しにゆく」
「却下だ」
「なんでだ!?」
「ゲームに関する情報収集よりも、まずは仲間との合流を優先させる。
 その為に戦力は分散しないほうがいい、二人で固まって動いた方が人脈を広げやすいからな
 情報収集は俺達の仲間と合流してからでも、遅くは無い」
「仲間の捜索を最優先として、動くという事か」

「それと捜索箇所は、もっと限定したい」
「それならとりあえずだが、3つの施設に絞り込める」
「何処だ?」
ナギは地図上の3点を、指し示す。
「学校と総合スーパーと病院だ。
 この3つは地図に名前が記載されている施設で、医療品が存在する」
「それなら、このホテルにも人は集まるんじゃねーか?」
「そこは地図の端に在る上、他の主要な施設から遠すぎる。
 言い忘れたがさっき上げた3つは、集団を作る際の活動拠点にもし易いのだ」
「活動拠点ね……。ま、いつまでも話してたって正解なんて出ねぇんだから
 その線で、捜索してみるか」
「うむ。目的地が決まったからには、さっさと出発するぞ」
地図をたたみもせずデイパックに押し込んで、ナギは承太郎を置いて歩き始める。
「……やれやれだぜ」
その背中を見て承太郎は、今日だけで何度目かも分からない口癖を呟いた。


【B-2、工業団地/一日目 早朝】
【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]頬に切り傷。多少の打撲。
[装備]無し
[道具]首輪探知機@BATTLE ROYALE、支給品一式、不明支給品0~2(本人は確認済。核鉄の可能性は低い)
[思考・状況]
基本:殺し合いからの脱出
1:ナギと協力して、学校と総合スーパーと病院を捜索する。
2:ジョセフ、ハヤテ、マリア、ヒナギクと合流する。
3:首輪の解除方法を探す。
4:DIOを倒す。
5:主催者を倒す。
6:パピヨンを警戒。
参戦時期:原作28巻終了後

【B-2、工業団地/一日目 早朝】
【三千院ナギ@ハヤテのごとく】
[状態]健康 
[装備]無し
[道具]支給品一式、不明支給品0~2(本人は確認済。核鉄の可能性は低い)
[思考・状況]
基本:殺し合いはしない
1:承太郎と協力して、学校と総合スーパーと病院を捜索する。
2:ハヤテ、マリア、ヒナギク、ジョセフと合流する。
参戦時期:原作6巻終了後


062:立ち止まるヒマなんかないさ 投下順 064:闇と嘯く
062:立ち止まるヒマなんかないさ 時系列順 064:闇と嘯く
034:変態!!俺? 空条承太郎 086:漫画キャラバトルロワイアル特別編『SAGA』
034:変態!!俺? 三千院ナギ 086:漫画キャラバトルロワイアル特別編『SAGA』