アノマロP

アノマロP(動画、モデラー)・・・進化し続けるという能力、確かな意志の強さ


備考)彼はMMDが発表されるずっと以前から活躍していたPである。

アノマロPの作品を見ていると、人間の凄さ、可能性を深々と考えてしまう。
サカモPにとって、彼は底の知れない、奥深い存在なのだ。
まず、下の初音ミクのモデルを見て欲しい。
とてもじゃないが、同じ人が造ったとは思えないでしょう?
これ、全部、アノマロPが造ったんだぜ・・・。

最初にアノマロPが、【初音ミクが3Dになる過程を作ってみた】という作品で、ニコニコ動画に登場した時は、
3Dミクの黎明期であり、ミクの3D化自体がまだまだ進んでいなかったため、視聴者達の声は、彼の挑戦に暖かだった。
しかし、やはり、一部、その造形に難色を示す視聴者もいた・・・。
いや、正直に書くと、評判は良くなかったように思う。つまり、あまり手放しで「可愛い!」と評価する人は少なかったのだ。
しかし、アノマロPの凄い所は、その声を即座に取り入れ、5日後には、造形をやり直している。それどころか、何度も何度も、モデルに修正を加えたのだ。
その結果、生まれたのが、上段左のミクで、これがアノマロPの初期モデルと言えるだろう。
しかし、ミクの3D化は彼にとって野望の第一歩に過ぎなかった。
映画「マトリックス・リローデッド」の有名なアクションシーンをミクに演じさせるという離れ業を彼は演じてみせた。【初音ミク-リローデッド-Ver.3(完成版】
これだけミクが動き回るという動画は当時、殆ど無かったはずである。もしくは皆無であったろうか。
彼は後に、【初音ミク-リローデッド-(メイキング編)】で、その製作過程を披露するのだが、彼の努力と創意工夫の一端が分かる。
驚愕しましたとも。特に、人物同士が重なったしまう時、つまり、ミクの手前にエージェント・スミスがいるという状態を再現する為に、スミスの3Dモデルまで造っていたとは!!
彼は、このチャレンジで、ミクを有機的に動かすというスキルを飛躍的に高めたことは想像に難くない。
彼の初期のチャレンジは、魅力的なモデルの創造より、ミクを動かすというところにあったのだろうか。
そして、彼はしばらく、自作のロボット、メカの作品を投稿していたのだが、久しぶりにミクを扱った動画はまたしてもミクのモデリングだった・・・!!
それが下段左のモデルである。【初音ミク・PV化計画 vol.2-初音ミクを今度はゼロから作り直してみた】
これは完全に視聴者達を萌えさせることが出来るクオリティのミクであった。
しかも、動画のタイトルを見て分かる通り、今度はPV化を睨んでのモデルだと言う。
ここで、サカモPは非常に疑問に感じたことがある。それはこのモデルのカラーリングだ。
アノマロPはどちらかといえば、メカにしろ、ミクにしろ、ビビットなカラーリングだったのだが、このミクはパステルカラーが基調となっている。
ミクの顔の造形もさることながら、これは劇的な変化だ。
漫画家等で、連載を続けていくうちに、人物の顔が変わっていくことはよくあるが、それは徐々にだ。
これほど、劇的に変化を遂げることが出来るというのはアノマロPの個性の一つである。
自分の造形物、もしくは造形能力に対してクールであり、変化を厭わないという資質を持っていると言うことであり、
このような資質を持っているクリエイターは、確実に少数派だ。
そして、初期型ミクが動きを見せる為に作られたミクであり、第二期ミクはPVの為に演技をさせるミクである。
アノマロPは計画性と広い視野を持つクリエイターだと感じた。
そして学ぶことに貪欲だ。
つまり、いくらでも伸びていくクリエイターなのだ。

話しは逸れるが、「ワンクリエイター、ワンセンス」というのは決して悪いことではない。
例としてサカモPの好きな漫画家で車田正実がいるが、極論すると、彼は新連載が始まっても主人公の顔が変わるだけで、展開はまるで同じ。だが、それがいいw
「リングにかけろ!」の頃から、彼の作品は全部読んでいる。大好きだw
アノマロPは作品の為に、複数のセンスを使い分けるのか、もしくは進化していくのか・・・、おそらくその両方だと思うのだが、驚愕しました、本当に。
そして、【初音ミク3DPV「サイハテ カヴァー」】【初音ミク3DPV「あるお節介な言葉」FULL.ver】が投稿される。
泣きましたよ。涙が出ました。すごいとしか言えない。
【初音ミク3DPV「サイハテ カヴァー」】は「失恋の別れ」を彼が「死という別れ」に解釈し、PVを造っているのだが、さわやかな曲調に、透明感のある悲しさが表現されている。
これ以上は、各人の解釈が分かれそうだし、サカモPもなかなか言葉に出来ないので書かないし、書けない。
【初音ミク3DPV「あるお節介な言葉」FULL.ver】はネルとの友情?を主題に描いたものだが、これがやらしくないエロあり、百合ありと、狙いすましているのだ。
内角高めギリギリによくコントロールされていて、誰も打てないだろう。サカモPも完全にノックアウトされてしまいました。
この二作に共通するのは、人と人との心のつながり。
臭いこと言いますが、当たり前のことを言いますが、仲の良い友人や、愛すべき恋人の存在って、本当に大切だとこの両作品を見て思いました。
【初音ミク3DPV 「ブラック★ロックシューター」】
この作品は単純に爽快感溢れるアクションが楽しめる。でも、これでも涙がでましたね、なんでやろ?泣くような展開ではないのに。
これを一人で造るという手間ひま、本当に好きなことを情熱を持ってやってるんだろうな〜と思いを馳せるからなのだろうか?
とにかく、あのまろPのPV、三連発で泣かされてしまいましたww
そして、【3番目にモデリングした初音ミクでGO MY WAY】で、またまたミクのモデルを一から作り、
視聴者からかなりのアドバイス(?)をもらって、【初音ミク_アノマロver データ公開!】が完成する。
そして、現在、アノマロPはPV制作から引退し、MMDのモデリングを中心に活躍している。
もっと彼のPVを鑑賞したいのだが、彼なりの考えがあるのだろう・・・。
これも更に伸びていく為の計画の一環なのか。

ここからは、サカモPの想像だけど、アノマロPは意志の強い、理性的な人物ではないかと思う。情熱をその理性でコントロールし、素晴らしい作品を生み続けているのだろう。
彼の作品は、「すごいセンスが良い!!」と語られるようなタイプではない。
いや、センスが悪い訳ではない。作品の中に「無骨さ」、「不器用さ」といったものが存在するのだ。
この「無骨さ」、「不器用さ」が実に人間らしく、登場人物やテーマの存在感を確かなものにし、作品を忘れられないものにしている。
例えば、ビートルズもそうだ。極めて大雑把に言うと、ジョン・レノンの無骨さ、不器用さとポール・マッカートニーの洗練されたセンスの融合、
ビートルズの楽曲が、いつになっても色褪せない秘密はこういうところにあるのだと思う。
(実際にはジョンも優れたセンスの持ち主だし、ポールも無骨な部分は持っている。しかし、歴史的にも総評としてはこういう受け止められ方をしているし、役割としてはそうであろう。)

彼のようにクリエイターとして、変化を恐れず、進化を続けるには力強い意志の力が必要だ。
彼はベストをつくし、その時点では最高の作品をつくりながら、それを良しとせず、常に新しいものを求め、レベルアップを図ろうとしている。
決して、蓄積にあぐらをかこうとしないのだ。これは普通の人ならば、想像以上に疲弊するはずだ。
非常に精神的なスタミナがなければ続かない。
引き出しが多く、人の意見を聞き入れることが出来るというのも、それらをまとめるのに自分というものを相当しっかりもっていなければならない。
異なる意見を持った人達が会議をするなら、強力なリーダーシップを持った人が居なければ意見がまとまらないのと同じだ。
アノマロPの自分のレベルアップを織り込みながらの計画を遂行させる意志の力はすごいものがある。

そして、アノマロPはMMDのモデラーになっても、無軌道でミーハーで、ニコニコ動画の有名キャラや自分の好きなキャラを手当たり次第にモデリングしている。
カオスだ・・・(笑)
アノマロPよ、何処へ行くのか?願わくば、ニコニコ動画に投稿を続けて、その先行きをずっと見ていたいものだ。


初音ミク-リローデッド-Ver.2 (修正版)


伝説の作品。当時、ここまで動くミクはいなかったはずだ。
ミクの可能性を示し、後に続くP達に多大な影響を与えた。
ただ、言わしてもらうならば、ミクである必要性がまるでない(笑)
だからこそ、彼が、違うモデルを使い、この作品を造っていたら、ニコニコ動画に置ける初音ミク3D作品の歴史は大きく変わっていたかも知れない。
ぬるぬる動くどころではない。膨大な時間をかけて、ネオのアクションシーンを完全にトレースしている。

初音ミク-リローデッド-(メイキング編)


作品を造る経過において、創意工夫で困難を乗り越える様子が描かれている。

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最終更新:2009年05月20日 14:13