5スレ>>522-1

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「あれ? 何してんのよ」 荷物の整理も佳境に入ったところで、ゴースに話しかけられた。 「何って…見ての通り引越し準備」 「はぁ!? ちょ、ちょっと待って、引っ越しって…!」 大学の寮に空き部屋ができたので、めでたく寮に入れる事になった。 そんなわけで引っ越す準備をしている。 …と伝えると、彼女はなぜか怒り出した。 「なんで私に教えてくれないのよ!?」 正直なところ、どう言い出したらいいか分からなかったのだが… 「君なら放っといても勝手についてくるでしょ?」 そう考えていたところも確かにあった。 「~~~……なによ! 絶対ついて行ってやらないんだから!」 「ふーん、そう」 「寂しくて泣いたって知らないんだからね!」 「誰が」 「アンタが!」 「ないない。一人暮らしをエンジョイさせていただきますとも」 「ッ…! ばかーーーーーーーーーーーっ!!」 出ていってしまった。 …ちょっと言い過ぎたかもしれない。 でもあの子の過剰反応はいつものことだし、別にいっか。 そう思ったあの日から引越しの日まで、一度もゴースの姿を見ることはなかった。 「はー…あそこまで怒ることかなぁ。」 ため息をつきながら荷物を開封していく。 「ちょっと心配だけど、ここまで来たらもうどうしようもないし…」 あまりの箱の多さに少しうんざりしてくる。 「…ま、日々を過ごしながらのんびり考えますか」 ゴースのことも、部屋の片付けも。 学校へ行って授業を受ける。 部屋に戻り、コンビニ弁当の夕飯。 予想していたほどの変化もない、平凡な日々。 …ただ違うのは、ゴースがいないことくらい。 学校へついてきてくれたり。 そうでないときは、帰ったとき「おかえり」と言ってくれたり。 授業中に教室内を飛び回って目障りなこともあるけど…いないとほんの少し寂しい。 そして数日が過ぎたころ。 いつものように授業を終え、部屋に戻ると… 綺麗に片付いた部屋、並べられた料理。 それに… 「アンタねぇ! いくら引越し直後だからって、もう少し部屋片付けなさいよ!」 「食事もずっとコンビニ弁当だったわね!? お金かかるし栄養偏るからダメ!」 「それでも私のマスターなの? しっかりしてよね!!」 うるさいけど、少し懐かしいゴースの小言。 結局ついてきてんじゃん、とか 色々してくれてありがとう、とか 言うことは色々思いついたけど。 とりあえず、 「ただいま」 「……おかえりっ」

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