5スレ>>547

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【ネギは食べれないけどお酒は欲しいな♪】 「フーディン、相手の速度は厄介だ、近づけるな!」 「ラスピアス、速度で翻弄しろ!攻撃は見えないが足を止めなければ早々当たらない!」 昼前のトキワジム。 そのスタジアムで、二人のトレーナーとその萌えもんが戦っていた。 フーディンのマスター、トキワジムリーダーのクリム。 挑戦者であり、ラスピアスの主人でもあるトレーナーのリン。 「ふっ…はっ…!」 「えい!やぁっ!」 遠距離から念の拳やサイコキネシスで攻撃するフーディンと、それをかわしながら距離を測り、チャンスを狙うラスピアス。 膠着している戦況を覆すために、二人のトレーナーは同時に動いていた。 「フーディン、ケリをつけるぞ!」 「ラスピアス、ここで決める!」 「了解…!」 「わかった…いっくよー!」 フーディンの体が念力によって無意識の制限を外され、赤く燃えあがりはじめるのと、 ラスピアスの鋼の装甲が最大出力に備えて展開されたのは―――ほぼ同時。 「おぉぉぉぉぉぉぉっ!!」 「たりゃあぁぁぁぁっ!!」 超高速での機動と激突。そして――― 「はぁぁっ!!」 「やぁぁっ!!」 スタジアムの中央、互いに拳と槍を突きつけ合った体勢で動きは止まっていた。 静止した空間。それを打ち破ったのは、ひとつの柏手だった。 「はいっ、そこまでです!」 審判席に立っていたシャワーズの声で、二人のトレーナーと萌えもんは同時に息を吐く。 「はぁっ…引き分けか…」 「ふぃ~っ…疲れたぁ…」 「しかし驚いたよ…まさか追いつかれるとは」 「日頃の鍛錬は嘘は付かない、って事だね」 「ふぅ…腕を上げたな、リン。こっちも本気を引き出されてしまった」 「いえいえ、俺なんかまだまだですよ。…借りてる萌えもんで勝っても意味はないですし」 「けど、その割にはちゃんと指示も出せてた。ユカだって、お前がちゃんと面倒を見てくれると考えたからこそ、  ラスピアスやエアームド達を預けたんだ、自信を持て。これで8つのジムを制覇したんだからな」 「…はい、ありがとうございました!」 満足げに笑うクリムは、フーディンをボールに戻して軽く体を伸ばす。 「さて、と。どうする?リーグ出場の申請、ここから出来るけど。  せっかくだしやっていくか?もう資格はあるんだし、時間も時間だから昼飯くらいは食わせてやれる」 「…そうですね、お願いします」 「じゃ、ついてこい。ちょっと時間かかるぞ」 「はい!…姉さん、しばらく待っててくれないか」 リンが振り返った先には、伝説の萌えもん、ホウオウ。主(?)の言葉に微笑んで返す。 「はい、行ってらっしゃい  あ、それと…おめでとう、よく頑張ったね」 「まぁね…手持ちを貸してくれたユカの為にも頑張らないとね」 そういってリンも微笑む。 クリムも振り返り、その先の萌えもんに声をかける。 「じゃあシャワーズ、そっちはよろしくな」 「わかりました」         - Side A  シャワーズ - 「お疲れ様」 審判席から降りたシャワーズに、相手のパートナーらしき萌えもんが声をかけてくる。 みたことのない萌えもんだったが、伝説の存在、ホウオウらしい。 「いえ、私は何も…」 相手は伝説…の、はずなのだが。3年前に対峙したファイヤーや、数か月前戦ったディアルガのような威圧感は微塵も感じられない。 それも彼女の実力のうちなのだろうか…だとすれば、もし戦って勝てるだろうか。 (…戦わないのが一番いいですよね) シャワーズは知っている。圧倒的な力の恐怖を。仲間や愛する人と一緒に立ち向かっていった、あの時の恐怖を。 伝説の存在たる彼女は、それを知っているのだろうか。…いや、それは自分が気にすることではない。 「…………」 「…………」 …会話が、続かない。 (な、何か…何か話のネタは…) 逃れるように換気のために開かれた天井を見上げると、真上に太陽。 「そ、そういえば…もう、お昼時ですね」 「そ、そうね…」 と。ドアが開く音がしたので振り返ってみると、クリムの声が聞こえた。 「悪いシャワーズ。意外と時間かかりそうだから、昼は先に食べててくれ!」 「何かあったんですか?」 「リンのトレーナーカードの更新が切れてた。手続きが増えただけだ、心配ない。  それと、そっちのホウオウのことも頼む!」 「え、あ、はい、分かりました!」 それだけ言い残すと、主人はドアの向こうに消えていった。 とりあえず、唖然としてるホウオウに声をかける。 「あの、まぁ、そういう事らしいので…よかったらこちらにどうぞ。ここよりは涼しいですよ?  お昼ごはんも今用意してた所ですから、食べて行って下さい」 「え、えっと…いいのかな?」 「うちのマスターはもともとそのつもりだったみたいですから…」 主人にとって友人、もしくは弟子のような存在であるホウオウのマスターが来ると聞いて、 彼は朝から少し楽しそうだった。…昼食を多めに用意するようにとも言っていたし。 「折角ですし、みんなで食べた方が楽しいでしょう?」 「でも…」 ―きゅるるるる…― タイミング良くホウオウのお腹が鳴った。 「お腹…減ってるんですね?」 「は…はい…」 「それで、どうしますか?」 「・・・・・お願いします」 ホウオウは顔を赤くして答える。 二人は並んで、ジムの奥へと入って行った。 ジムの奥は、居住空間となっている。 シャワーズとフシギバナの希望でかなり強化されたシステムキッチンと一体のリビングへ、ホウオウを通した。 と、そこには先客がいた。――フライゴンだ。 「ありゃ、シャワーズ?もう終わったん?」 「ええ、お昼を先に食べることになったので…こちらが、リンさんのホウオウです」 「は、はじめまし…うぷっ!?」 「やーん、かわええー♪なにこの和服似合いすぎぃ♪」 「ちょ、ちょっとフライゴン!」 紹介が終わる前に、フライゴンがホウオウを抱き締めていた。…どこかで見たような光景だ。 自分の胸に相手の頭を押し付け、そのまま体を抱くフライゴン特有の抱き方。 「……あの、フライゴン。いいかげん離してあげないと…」 「え?あ、そやな。ウチ、ちょっとフーディンに用事があるんやった」 「えーっと…今はマスターと一緒に事務室にいると思います」 「ん、そっかー。じゃあ後でな、シャワーズ」 …それだけ言って、フライゴンはリビングを出て行った。相変わらず…なんというか、変わっているというか。 「…大丈夫ですか?」 「は、はい、なんとか・・・」 「気を悪くしないでくださいね…フライゴンはいつもああなんです」 とりあえず、ホウオウを椅子に座らせて、昼食の用意にかかる。 鍋で仕込みをしておいたスープを確認。 「…よし」 まずはどんぶりを用意し、ほんの少しゴマ油を入れ、さらに鍋の鶏がらスープを注ぐ。 これも調理済みの麺を入れ…そこで、ふと気付いてテーブルのホウオウに振り返った。 「ホウオウさん、ラーメン何か苦手な具とか、多めにして欲しいものとかありますか?」 尋ねると、ホウオウはしばらく考えた後で、とんでもないことを口にした。 「えっと…私、ネギがダメなので…ネギ抜きで」 「………え?」         - Side B  ホウオウ - 「お疲れ様」 試合が終わって、私は審判席に居た萌えもん―ジムリーダー・クリムのシャワーズ―に声をかけた。 「いえ、私は何も…」 そう謙遜するシャワーズ というは少し違うか? これは…畏怖? そう言えば彼女は数年前にファイヤーと戦ったらしい。 (もし戦ったら…私が負けるな) 涙が出るほどに己のひ弱さは理解している。 戦闘力に秀でたファイヤー達と相対し、尚且つその発する『恐怖』に彼女は仲間たちと共に打ち勝った。 『勇者』とは絶対的な恐怖に打ち勝った者に与えられるもの。 そんな『勇者』とやりあおうなどとは考えない。 というより私が戦う意味ってあるのかしら? 「…………」 「…………」 思考を続けていた私と、話しづらそうなシャワーズ …か、会話が続かない。 「そ、そういえば…もう、お昼時ですね」 「そ、そうね…」 そういえば…もうお昼時か…お腹、すいたな。 そんな事を考えていると、向こうのドアが開いて― 「悪いシャワーズ。意外と時間かかりそうだから、昼は先に食べててくれ!」 「何かあったんですか?」 「リンのトレーナーカードの更新が切れてた。手続きが増えただけだ、心配ない。  それと、そっちのホウオウのことも頼む!」 「え、あ、はい、分かりました!」 …あー、そういえばトレーナーカードの更新最後にいつやってたっけ? 切れてたか… 「あの、まぁ、そういう事らしいので…よかったらこちらにどうぞ。ここよりは涼しいですよ?  お昼ごはんも今用意してた所ですから、食べて行って下さい」 呆けていた私にそう声をかけるシャワーズ 「え、えっと…いいのかな?」 「うちのマスターはもともとそのつもりだったみたいですから…」 リンとクリムは…何ていうか『弟子と師匠』みたいな関係になってるからなぁ… でも、本人が居ないうちに先に食べてていいんだろうか。 「折角ですし、みんなで食べた方が楽しいでしょう?」 「でも…」 ―きゅるるるる…― そんなタイミングで鳴る私のお腹。 …恥ずかしい… 「お腹…減ってるんですね?」 「は…はい…」 「それで、どうしますか?」 「・・・・・お願いします」 …こうとしか答えられませんでした…だってお腹すいたんだもん! その後、私はジム奥の居住空間へ通された。 …へぇ、システムキッチン付きか。 かなり力はいってるなぁ… 「ありゃ、シャワーズ?もう終わったん?」 「ええ、お昼を先に食べることになったので…こちらが、リンさんのホウオウです」 どうやら先客がいた様子。 緑髪に羽根…フライゴンだ。 「は、はじめまし…うぷっ!?」 「やーん、かわええー♪なにこの和服似合いすぎぃ♪」 「ちょ、ちょっとフライゴン!」 ってちょ…!? 何か柔らかくてでっかいものが顔面にぃ!? っていうかでかすぎ!確かに私もそんなに小さくないし現在の大きさで満足はしてたりするけど何か悔しい! しかも苦しい!息が出来ない! 脱出しようと必死にもがいてみたが、彼我の腕力差は如何ともしがたい…あぁ、己の体力不足が恨めしい… 「……あの、フライゴン。いいかげん離してあげないと…」 「え?あ、そやな」 そういって拘束を解かれる。 …はぁ…色々と複雑な心境… 「ウチ、ちょっとフーディンに用事があるんやった」 「えーっと…今はマスターと一緒に事務室にいると思います」 「ん、そっかー。じゃあ後でな、シャワーズ」 そう言って彼女はリビングから出て行った。 「…大丈夫ですか?」 「は、はい、なんとか・・・」 「気を悪くしないでくださいね…フライゴンはいつもああなんです」 椅子に座って落ち着くことにする。 そをを確認した後、シャワーズは食事の支度を始めた。 どんぶりと麺…どうやらラーメンのようだ。しかもスープまで取る本格派… 「ホウオウさん、ラーメン何か苦手な具とか、多めにして欲しいものとかありますか?」 そう聞かれたので、ほぼ何時もの習慣で― 「えっと…私、ネギがダメなので…ネギ抜きで」 そう答えた。 「………え?」 …あ、何かマズかったかな?         - Side A  シャワーズ その2 - 「…えっと、ネギを抜くん…ですよね?」 「は…はい」 念のために確認した。 シャワーズは普段は控えめな性格であるが、それは決して、自己主張しないという事ではない。 それは、自分と他者の意見や思考が違う事を理解したうえで、相手のそれを尊重することができる、という彼女の冷静さだった。 だが。 眼前のホウオウの言葉は、とうてい理解しがたいものだった。 …いや、理解はできるが承服したくない。認めたくない。 「ネギを…抜くんですか…」 ネギ。この場合は、ラーメンの上に刻んで載せる青ネギ、もしくは薬味ネギをさす。 主人の嗜好もあって、この家でのラーメンは常にネギを多めに入れている。 もちろん、人(2人とも萌えもんだけれど)には好みがあるから、彼女のネギ嫌いもおかしくはない。 「一応聞きたいんですけど…ネギのどのあたりが苦手なんですか?」 「えっと…何ていうかあの臭いがちょっと…」 なるほど。ネギ嫌いの人がたいていあげる原因だ。それは理解できる。 確かに、ネギは比較的クセのあるものかもしれない。だが、そのクセを補って余りある利点がある。 「でも、ラーメンからネギを抜いたら野菜が少ないじゃないですか?  それに、口の中からいつまでも脂が抜けないし…ネギは、ラーメンをおいしく食べるために必要だと思うんですけれど…」 ネギの役目。それは、脂の多いラーメンを食べる際、その味に飽きがこないようにすると同時に、 脂の味をリセットできる貴重な薬味。…それを抜くのは、最早ラーメンに対する冒涜ではないだろうか? …だが、そんな事よりもむしろ。 (…なんとかこのひとのネギ嫌いを治せないでしょうか…) シャワーズの思考は別方面に飛んでいた。 ネギは確かに好き嫌いの別れる食材だが、好きになればいろいろなものの味が変わるはず。 …しかし、ネギの臭みをどうにかしつつ、他の部分を生かせる料理…それが、シャワーズには思いつかない。 (…うーん、誰か教えてくれないかなぁ…) などと、思った瞬間。救世主は…帰ってきた。 「ふんふふーん…っと、シャワーズ、何してんのん?」 「フライゴン!」         - Side B  ホウオウ その2 - 「…えっと、ネギを抜くん…ですよね?」 「は…はい」 「ネギを…抜くんですか…」 あぁ…ヤバい、完全に地雷踏んだ… ついいつものクセで… 「一応聞きたいんですけど…ネギのどのあたりが苦手なんですか?」 「えっと…何ていうかあの臭いがちょっと…」 かなり長く生きているが、どうしてもあの臭いが克服出来そうに無い… リンはそういう点に寛容なので許してもらえているところはあるが、他所様のお宅ではそうは行かない。 でもネギは… 「でも、ラーメンからネギを抜いたら野菜が少ないじゃないですか?  それに、口の中からいつまでも脂が抜けないし…ネギは、ラーメンをおいしく食べるために必要だと思うんですけれど…」 あぁ…その言葉が耳に痛い。 …って、何か途中からシャワーズの言葉に熱が入ってきているような。 何か別のものを踏んでしまったか? そんなタイミングで― 「ふんふふーん…っと、シャワーズ、何してんのん?」 「フライゴン!」 フライゴンが戻ってきた。 「何かシャワーズが珍しく熱くなってた気がしたんやけど…どないしたん?」 「…はい、実は…」 そう言ってフライゴンにコレまでの事情を話し始めるシャワーズ …やっぱりちょっと熱くなってるかな? 「そういう事なら、ウチに任せとき」 「はい?」 どうなるんだろう、これから。 …お腹すいた…         - Side A  シャワーズ その3 - 「…で、任せていいんですか、フライゴン」 「ん、要するにネギの臭みを取るんやろ?ならウチがなんとかするわ。  ウチも昔はネギ嫌いやったけど、あれのおかげで治せたからなぁ」 「へぇ…」 私は隣に立って、フライゴンの手際を見ることにした。 「シャワーズ、卵とって」 「はい」 「おーきに。…おっしゃ、やろか」 牛スジ肉を刻んで煮込んだものを、冷蔵庫から取り出す。フライゴンがよく料理に使うために、 普段から仕込んでおいてある物だ。…単品でお酒とあわせて食べてたりもするけど。 「じゃあシャワーズ、こっち頼むな。レシピはこれで」 「は、はい」 受け取ったレシピを眺めながら、準備にかかる。 スジ肉を親指の先ほどの大きさに切り、同様のサイズにしたこんにゃくと一緒に、 みりん・醤油・砂糖で炊いて行く。 同時にネギを細かくみじん切りにして、軽く水分を切る。        隣を見ると、フライゴンは生地の制作に取り掛かっていた。 鰹だし汁・メリケン粉・山芋・塩・酒・卵などを混ぜ合わせ、 完成した生地を、油をひいたフライパンに薄くのばす。 さらにその上から、ネギを大量に載せ、スジ肉とコンニャクを載せ、薬味に軽く紅ショウガを加える。 最後に生地を上からかけて、ある程度焼けたらひっくり返して強く上から押す。 「ん、いい匂いがしてきましたね」 「せやろ?」 さらにひっくり返し、軽く醤油をかけてすぐにひっくり返し、両面に醤油を馴染ませた後で、 レモン汁を全体にふりかけて、皿へとうつす。 「ほい、完成!」 「さすがといいますか…手慣れてますね」 「後、シャワーズ。これにはもう一つ、必要なものがあるんやけど」 「…え?」 言うが早いか、フライゴンは冷蔵庫を開けて冷やしてあったグラス3つと、缶ビールを3つ取りだした。 「ネギ焼きで飲むビールは究極のうまさやで?」 「…昼間からお酒ですか…」 「まあええやん。…ビールがないネギ焼きなんて福神漬のないカレーやで?」 「私はらっきょう派なんですけれど…」 「ええから!」 言いながら、グラスとビール、そしてネギ焼きをホウオウの前に置くフライゴン。 「ごめんなぁ、待たせて。まぁ、とりあえず食べて飲んでみ」 「…ホントに、どうなっても知りませんからね?」 一応最後の良心っぽい事は言っておいたが、フライゴンが聞くわけもないだろうと確信していた。         - Side B  ホウオウ その3 - フライゴンとシャワーズが何やら台所で始めている。 何かの煮物…その後に醤油の焼ける臭い。 そして…さっきから私を非っ常に不安にさせる臭いが… 「ごめんなぁ、待たせて。まぁ、とりあえず食べて飲んでみ」 「…ホントに、どうなっても知りませんからね?」 と言って、置かれたのはビール…と… 「…えっと、何、これ?」 「ネギ焼きや」 山盛りのネギが入った料理。 こう来たか。 「まぁ、まずは一杯、ぐいーっと」 「えぇ!? ちょっと…」 そう言ってビールをコップに注ぐフライゴン お酒かぁ… リンが全く飲めないせいか、此処暫くお預けだったんだけど… 飲みたいけど…目の前にあるのはネギ これは分かる、飲んでしまえば相手の術中に嵌まると。 嗚呼、でも手が勝手に… そんな私の意志とは無関係に私の手はコップを掴み― 「…んぐっ、んぐっ、んぐっ、んぐっ…はぁっ♪」 コップのビールを一気飲みしていた。 「おぉ、ええ飲みっぷりやねぇ」 「ちょ、ちょっと…大丈夫ですか?」 「大丈夫ですよぉ~♪ ちょ~っと久しぶりですっごーっく気持ちいいだけですからぁ♪」 「そかそか、それじゃもっと飲んでなー。ツマミはここにあるから、な?」 「は~い♪」 「それじゃウチも…んぐっ、んぐっ…ぷはーっ!やっぱりこれやね!」 「ちょ、ちょっとフライゴン…」 「ホレ、シャワーズも一杯」 「え…えぇっ!?」 その後の記憶は無い― 「どうも、要らない苦労までかけてすみませんでした…」 「いや、いいさ。こんな事は良くある」 やっと手続きの完了したリンとクリム 二人は先に食事をしているであろうホウオウ達に元に向かっていた。 「しかし…あの二人で大丈夫かな…シャワーズのヤツ、結構やりづらそうにしてたからな」 「大丈夫じゃないですか? 苦手意識もあるでしょうけど話せば  まぁ、姉さんは取って喰えるような生き物じゃないですから」 「なんだよ、そりゃ…」 そんな事を言いつつ、リビングへやって来た二人が見た光景は―            - Side ? クリム編 - …今の俺の脳内にはこの一言がふわふわと浮かんでいた。 「…なんだ、これは…」 待て、落ち着け。リンも唖然としてるってことはおそらく予想外の事態なんだ。 フライゴンがかなり酔ってる…昼間っから酒かよ、いつもの事だけど。 リンのホウオウもだ…伝説の威厳もどこへやら、だな。 シャワーズ…多少顔は赤いが正気のようだ、俺の方に走ってきてる。 「シャワーズ、何があっ…ぐぉあ!?」 …前言撤回。こいつもぶっ飛んでる。 「マスタぁあぁ…なんかふわふわしますー…」 「止めろシャワーズ、服を剥ぐなっ!フライゴン、何気に加勢しようとしてるんじゃない!」 「よーしウチもやるーっ!」 「HA☆NA☆SE!」 く、くそっ!いくらなんでも押し倒されて押さえつけられた状態でこいつら2人相手はキツいぞ!? リンは…駄目だ、あっちもホウオウにしがみつかれてる。 「えへへへ、リン~♪」 「ちょ、姉さん酒臭っ!勝手に飲んだのか!?」 くっ…後が面倒だが、ここはあいつに頼るしか…! 「やぁ、呼んだかいマスター」 「やっぱり呼ぶ前に来てくれると思ったぜ、フーディン」 「なんなら『Help me, Fudiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiin!』とか叫んでくれたらよかったのに」 「冗談だろ?」 「冗談だよ?」 フーディンが冷蔵庫を開け、1.5リットル入りペットボトルを取り出す。 「とりあえず酔いをさませばいいんだろう?」 「ああ、頼む。…後始末が面倒だが仕方がないな」 「わかった。…それ!」 「ひゃあああああああっ!?」 「みぎゃあああーっ!」 「うひゃああああああっ!?」 何が誰の悲鳴なのやら。フーディンがボトルを逆さにして出した冷水を、 念力で塊にして酔っ払い三人組に浴びせたのだ。 「…ふぇ?」 「あ、あれ、私、何を…」 「リ、リン?」 よし、三人とも正気に戻ってるな。 「とりあえず二人とも、どけ。話はそれからだ」 「…はい」 「…うん」 シャワーズとフライゴンが退いたので、俺は立ち上がる。…全く、服がびしょびしょだ。 「悪いなフーディン、助かった。ついでにちょっと雑巾を持ってきてくれ。  …お前らは着替えてこい。あと、そこの二人の分の着替えも頼む」 「うぅ…分かりました…」 無理やり覚ましたので多少調子が悪そうだが、仕方ない。 「リン、立てるか?」 「…酷い目にあいました…」 「むしろ見た感じまんざらじゃなさそうだったが」 「まぁ…姉さんがあそこまで甘えてくるのは…珍しいですけど」 …なるほど。逆に危険すぎて普段は飲めないってわけか。 「着替えを今用意させてる。部屋もあるから、今日は泊まって行け」 「いいんですか?」 「気にするな。…ひとつ、壁を乗り越えたんだ。一日くらいゆっくりしてもいいだろ」 「…お世話になります」 「素直でよろしい。…とりあえず、ホウオウをフォローしてこい」 「はい」 …さて。俺も着替えないとな… シャワーズとフライゴンは後で叱っておくとして。 「…しかし、なんでコイツらは昼間から酒を飲むような事を…」 「さ、さぁ…?」            - あとがき Side シーク  - ホウ「・・・・・」 シャ「?」 フラ「どないしたん?」 ホウ「…シャワーズって、着やせするタイプなんだ…」 そんな会話がそのあとあったり無かったり… こんにちは、合作と聞いて即答でストーム7氏を指名したシークです(ぇ 時間かかりました…すみません。 製作段階で、こちらのネギ嫌いをネタにしてみよう、ということになりまして、こんな感じになりました。 一応話の流れとしては リン、ユカと合流    ↓ ユカ、リンにリーグに出ることをすすめる    ↓ リン、リーグ挑戦を決意、その際ユカから手持ちを一部借りる    ↓ 最後のジムとしてゴーグルのジムに挑戦 という流れになっています。 第一弾のCapri氏・嫁ドリル氏の作品はバトルチックでしたが、こちらはややほのぼの、暴走系、と言えるでしょうか? さて…次は…書けるかな?(ぇ            - あとがき Side ストーム7 - シャ「え、えっと…ほら、私はあんまり体のラインが出る服は着ないので…」 フラ「シャワーズ、それ言い訳にもなってないと思うで?」 ホウ「うぅ、なんでクリムさんのとこの子はみんな…」 フー「…みんなが皆そういう体じゃあ…ないんだよ…(血涙」 さらにこんな会話が(殴 誘われるままにホイホイとしぅくさんと合作に挑んだストーム7です。 時間かかったのはもっぱら僕の方でした…ごめんなさい。 個人的にネギが大好きだったので、なんとかしてネギ嫌いを治す流れにしようと。 このゴーグルはみぃ編の少し前か後くらいだと思われます。 二十歳前後なので…お酒が飲めるかは微妙なあたりですが、気にしない方向で。 次回は…どうしようね(ぇ 合作の話はあちこちで上がってるので、前向きに進めて行きたいと思います。 …3ヶ月後には受験だけどね!

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