5スレ>>693-3

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少女は青年と対峙する。 少女は何を思い、青年は何を感じるのか。 その行く先は、誰にもわからない。 その行く末は、神ノミゾ知ル。 「エアちゃん!飛んで!クラゲちゃんは向こうの相手を!」 「まかせろっ!」「…ん。」 触手を操り、ハクリューを追い詰めるドククラゲ。 四方八方から迫る触手に対し、防戦一方のハクリュー。 上空に飛んだエアームドの方も気に掛けつつ、触手を避けていくが、それも一時。 手馴れた様子で操られる触手は、突破口を見出そうとするハクリューに対し、的確にいやらしいところを狙って操られているのだ。 流石にハクリューも上空へも警戒するのは容易い事ではなくなってくる。 もちろん、他にマグカルゴ、リーシャンにも気を回さねばならないのだ。 「…ッ!」 瞬間、ハクリューは迫る触手に捕らえられて、しかしその姿はフッと消える。 ドククラゲは直ぐに状況を理解し、青年の方へと視線を送る。 その眼光の先の青年の隣に、ハクリュー。 “こうそくいどう”である。 「…ご主人様…!」 「悪いな、むぅちゃんには子守頼んであるから、たぶんこれない」 青年とハクリューにとって、非常に辛い状況である。 相手は強い、そして総員で掛かってくる、それに対し、青年側は一人。 「…でも、やるしかないですよね…」 「…ハクリュー、“10万ボルト”」 青年が、『愛称』でなく『種族名』でハクリューを呼ぶ、本気の証。 そう呼ばれるだけでここまで気が引き締まるのはなんでかな、一瞬、ハクリューはそう考えて、しかし直ぐに止めた。 全神経をドククラゲへと集中させ、放つ稲妻は一直線、ドククラゲへと飛ぶ。 「リーちゃん!」「うんっ!」 上空から落とされる光り輝く壁。 それがハクリューの電撃を遮る。 「…っ。」 それはすべてを遮れてはおらず、ドククラゲにも多少のダメージが入る。 しかし、それがなければ水に電気は致命傷。 リーシャンのナイスサポートである。 「ふぅ、あぶなかったぁ……」 「リーちゃんナイスよっ!エアちゃん!あいつのうしろにいって!」 「ああ!」 旋回しつつ、ハクリューの後ろに回る少女達。 そこに放られる一つのボール。 「マグちゃん!“ねっぷう”!クラゲちゃんは“バリアー”!」 刹那吹き荒れる灼熱の風。 それはハクリューだけをつつみ、ドククラゲは“バリアー”で身を守る。 「ハク――」 青年は表情に翳りを見せるが、それも一瞬。 こんなことではやられるはずもないハクリューに、次の指示を出してやらねばならない。 それぞれがバラバラの位置にいるのならば、広範囲に効果が及ぶ攻撃を放てばいい。 「ハクリューっ!!」 これから命ずる攻撃のその効果範囲外まで走って逃げつつ、青年は叫ぶ。 「“たつまき”っ!!」 ごぉっ、という轟音と共に、強風が渦巻いた。 もちろん青年の推測に違わず、その効果範囲は青年の近くにありつつも影響の無い範囲。 威力の弱い、下位技ではあるが、ハクリューの力で起こされた強力なそれは、マグカルゴの熱風を巻き込み、更なる威力を増す。 上空のエアームドにとっては少々痛い、彼女らを撹乱させるには十分すぎる威力。 「あつっ!あっつぅい!」 「主、我慢しろ。わたしだって熱い。」 「溶けさせたの失敗かしらねぇ?」 「その所為で余計に熱いのは事実だな。」 マグカルゴに与えた指示は2つ。 一つはボールから出た後、熱風を放つこと。もう一つはその後、“とける”を使い熱で相手を撹乱すること。 おかげで、傍目にはドククラゲとハクリューの1対1になっている。 「エアちゃん、ダメージはだいじょーぶ?」 「ああ、之位ならなんとか、な。」 「いちおうこれオボンのみね。食べたら下に特攻よろしく。」 「きついね主は。了解だ。」 ジリジリと熱が体の水分を奪っていく。 そこにいる全員が水を欲しがっているであろう。 しかしその中で。ドククラゲだけは汗をかいていない。 予め“冷凍ビーム”で自らの体の表面を凍らせているので、水分を失っていないのだ。それでもほぼ一瞬だが。 しかし一瞬があれば十分。その体の触手が鋭く動き、ハクリューの体を押さえつける! 「…もらったよ。私達の…」 「勝ちだ!“ドリルくちばし”!」 速度によりさらに鋭さを増す嘴(状に回転した刀を持ったエアームド)がハクリューへと突き刺さる――と思われたが、しかし寸前でピタリと止まった。 そして、その直後に発せられた声は、この場の誰のものでもない声。 「……“サイコキネシス”」 その声に、青年とハクリューだけが状況を理解した。 未だ理解できずに気を取られているドククラゲの隙をついて、ハクリューは触手から脱出。青年の隣へと戻る。 「なにやってんでしか、まったく」 「むぅちゃん、助かったよ」 声の正体、青年の手持ちの一人、ムウマージ。 言葉にも態度にも呆れを表し、溜息をついて“サイコキネシス”を解く。 「………あらー……」 着地した少女の目に飛び込んだのは、溶けっぱなしのままダウンのマグカルゴと、刀が地面に刺さっているエアームド、げんかい切り切りのドククラゲ。 状態的に負けを認めざるを得なかった少女とリーシャンは降参のポーズをとる。 「あーもう!まけまけ!わたしたちのまけよー!うちにつれてくなりすきにすればいーでしょー!」 「いや…連れて行くとかじゃなくてね…」 あーだこーだわがままを言い、逃げる隙をうかがう少女。 それに困っているような青年。 「あー…このうるさいのどうするでしか、マスタースパークで焼き払うでしか。」 「それはダメだけど…そうだ!」 青年は名案とばかりに少女に提案を持ちかける。 「よかったらだけど…後でちょっとしたパーティやるんだ。よかったら君たちも来ない?」 「「「……はぁ?!」」」  ※ ※ ※ 萌えもんセンターのとある一室。 子ども組みと料理できない組みが料理待ちをしている。 が、微妙に空気は悪く、ちょっぴりギスギスしている。 「………」 「………」 こたつに入っているマスター二人、少女の後ろに立っているのはドククラゲ。 子ども組み(エネコ、リーシャン、ワタッコ)はテレビに夢中。アニメでもやっているのだろうか。 ムウマージは影の中で休憩。エアームドは扉の前でガードマンの役であろうか。 初めて会う二人なのでこれといった話題もなく(青年が耐えきれず『ご、ご趣味は?!』とかいって場が凍ってるのもある)かれこれ1時間近くはこの状態である。 一方の料理組みは料理という共通項かすぐに打ち解け、どんどん材料を切り、鍋の味付けをしたりしている。 「御出汁はいい感じになりましたよー。」 「こっちも材料は全部切りましたー。」 「じゃあ向こうに運びましょうか。」 「えぇ。」 鍋が完成し、いよいよ鍋パーティーが始まろうとしていた…。 「よーし、じゃあやるか。」 全員で囲むコタツの上に準備も整い、青年の声と共にパーティーが開始された。 本来は青年達の、エネコの歓迎会のはずだったのだが、もはや通夜に近い気まずさである。 とりあえずと、青年は適当に肉・野菜などを適当に鷲掴みにして、鍋の中へと入れようとする。 その時である、 「ちょっと待ってください!」 グツグツとしか音を立ててなかったその部屋に、ハクリューの声が響いた。 全員の視線がハクリューへと集中する。 「何やってるんですか! 肉は最後に決まってるじゃないですか!」 ハクリューは青年の持っていた材料を引ったくりながら叫び、手馴れた様子で白菜から鍋へと入れていく。 「最初は野菜からだって、何度も言ってるじゃないですか!」 「あーもー、食えればいいんだよ。ねぇ?」 青年は何度も聞かされてる話にうんざりしながら、同じように呆れ顔をしていた少女に話を振ってみる。 「まぁ…ねぇ…」 予想外にも、青年と意見が合った。 やっと話が通じるようになったかなと青年はホッとしたが、しかしその理由は別なものであった。 ハクリューの鍋奉行具合を見ていたマグガルゴもまた、叫びだしたのだ。 「ちょっとまったぁぁぁぁぁぁ!」 先程と同じように、今度はマグカルゴへと視線が集まる。 「白滝の側にお肉を入れちゃいけませんっ!」 その怒声は、ハクリューへのダメ出し。 そのダメ出しを受けて、ハクリューは『なんだってー!?』、と雷が落ちたような衝撃を受けていた。 そう、マグカルゴは、鍋奉行のハクリューを超えた奉行なのだ。 「将軍だ……、将軍がいる……」 青年がポツリと呟く。 その呟きを聞いて、少女はやれやれと呆れ顔。 お互い苦労してるんだなと、少し仲良くできそうな気が湧いた青年であった。 「そういえばさ。」 鍋もあらかた食べ終わり、エネコを猫じゃらし状のおもちゃであやしていた少女が青年に話しかける。 「ん?なんだ?」 「この子のニックネームは?」 「ニックネーム?」 「ほら、ハクちゃんとかむぅちゃんってニックネームでしょ?この子のは何かなと思って。」 「あぁ、これからつけるんだよ。今日捕まえたばかりだからさ。じゃ今考えるか……」 5分ほど悩むもなかなかいい案が出ず、ついには少女一行までもが名前案をだしていた。 (※ ここからセリフオンリーになるのでセリフ前に名前が入ります。) 少女「エネちゃん!」 青年「いや、安直過ぎやしないか?」 ハク「エネちゃん可愛いじゃないですか!」 青年「ハクと考えてたのか!」 マグ「じゃあネコちゃんではどうでしょう?」 青年「見たまんまじゃねぇか!」 むぅ「ちぇん!」 青年「あにゃぁぁぁん!」 リー「と○ほうかっ」 青年「突っ込まれた!」 わた「わたぽんはねー、えーっとー、えーっとー」 青年「いや、考えてないなら無理に言わなくていいぞ?」 少女「エコちゃん!」 青年「環境に優しそうだなぁ!」 ハク「エコちゃん可愛いじゃないですか!」 青年「お前実はなんでもいいだろ!」 マグ「どらえ……いえなんでもないです。」 青年「ネコ型だけども!」 むぅ「おりんりんランド!はっじまるでしー!」 青年「もうそっちのネタはいいよ!」 リー「ムラサメライガー!」 青年「ネタがわかりづらい!」 わた「えーっとー…えーっとー…」 青年「だからな、無理はしなくていいんだぞ?」 エアームド「埒が明かんな。」 その一言でその場が収まる。 「だいたい主達よ、まじめに考える気はなかっただろう?」 「…あら、ばれてた?」 「………いいかげんにしてくれよ……」 青年が疲れたといわんばかりに座りこむ。 ふと見上げると、ドククラゲが何か考え込んでいた。 少女もそれに気づき、話をそちらに振る。 「クラゲちゃん?何か思いついたの?」 「…エネっち…いや、なんでm」 「そ れ だ。」 かくして、エネコのニックネームが決まった。 『エネっち』。青年一行の、新たな仲間の新たなスタート。 起こる拍手、照れるエネコ。なんとも暖かい空気である。 青年と少女、それぞれの一行も、お互い仲良くやっていけそうだ、そう思った。 そして、それでは最後の締めと、青年が言う。 「じゃ、鍋の残りで雑炊するか」 その言葉に反応したのは少女。 「は?なにいってんの締めはうどんでしょ?」 先程までの暖かい空気が、一瞬にして氷点下である。 「「……」」 青年と少女、無言で睨み合って意思を交わしている。と思うほどに長い時間の戦いだった。 雑炊だ、うどんだ、雑炊だ、うどんだ。 そして、 「くらげちゃんっ!“なみのり”!」 「ハクっ!“なみのり”!」 二人はそれぞれのパートナーに、殴られた。 ~~あとがき~~ 【れい】 ずいぶん長らくお待たせいたしました。え?待ってない? ひなちゃんとの邂逅、それとちぇぇぇぇぇぇん!! 交互に書いていたのでいろいろとごっちゃごちゃになって申し訳ないところ... 【ひな】 なんかずいぶん時間かかったね… 明らかにわたしの文が足引っ張ってるが気にしない方向で(ぁ ここまで読んでくれてありがとうだぜ!

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