5スレ>>715

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5スレ>>715」(2009/05/14 (木) 22:34:53) の最新版変更点

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 コスチュームプレイ、略してコスプレ。  コスプレとは何か。コスプレとはまぁ普段着用しないような一風変わった衣装を身に付けて堪能する遊びである。  で、なんで俺が今こんなことを説明してるかというと。 「……お前ら、何してんだ」 「えへへ……えーと、ご主人様っ♪」 「メリィさんが、私の服を着たいって言ってたので……折角なので、衣装を交換してみたんです」  まぁ、要するに。  メイド服に身を包んだメリィと、メリィの普段着のワンピースを身に付けたデルが、俺を起こしに来た訳なんだが。 「メリィのメイドさん体験記 ~おつかい編~(題名に偽りアリ)」  そんなこんなで、メリィが用意したという朝食を食べながらデルから事情を聞いた。 「事の次第はとりあえず理解した……んで、メリィはどこいったんだ?」 「ちょっと足りないものがあったので、タマムシデパートまで買出しをお願いしました」 「タマムシに?」 「ええ、この辺ではタマムシのデパートにしか無い物なので」  デルはさらっと言ってのけるが、タマムシって大都市ひとつ挟んで西側のこれも大きな町だ。 「……流石に遠くないか?」 「私だったら半日もあれば行って帰って来れますけど……」  お前は慣れてるだろうからそうだろうけど、メリィはそうもいかんだろ…… 「はぁ……流石にお前と同じようには行かないだろ。手伝いに行くぞ」 「でも、折角メリィさんがやる気になっていらっしゃるんですから……」 「それで何かあっても困るからなぁ……」  正直、メリィは何かと鈍くさいし。 「兎に角、俺たちもタマムシに行こう」 「ですけど……」 「……わかった、とりあえず昼までは二人でデートしよう。その後はメリィ探して見守る、ってのはどうだ?」 「はぁ……わかりました、そうしましょう」 「よし、そうと決まれば準備していくぞ」  俺は食べ終わった食器を片付け、身なりを整えるために部屋へと戻る。  ダイニングに残されたデルが「ご主人様は過保護なんだから……」とか言っていた気もするが、とりあえずスルーした。  ……だって心配なものは心配なんだからしょうがないじゃないか。  支度を済ませて戻ると、デルがメリィの普段使っている髪留めを使って髪をツインに上げていた。 「あれ、その髪型……」 「折角ですから、髪型まで真似てみようかなって。流石にロールする時間は無かったですけど……似合いませんか?」  ツインテールにしたさらさらの黒髪を揺らしながら、デルはすこし困ったような表情で俺を見る。 「いや……中々似合ってて驚いた。そういうのもなんかいいな」 「そうですか?……ふふっ、試してみてよかった」  嬉しそうに微笑むデル。  ……やっぱ普段と違う格好のせいか、年頃の女の子っぽさがいつもよりも増し増しな気がする。  やべ、なんか頬が緩んできた。  そんな顔を見せるのもなんだか小恥ずかしいので俺はそっぽを向きつつ手を差し出す。 「さ、時間が勿体無いから早く行こうぜ」 「はい、お兄様」 「……はい?」  今、何と? 「どうかしましたか、お兄様?」 「いやちょっと待てお兄様って誰だってか俺かってそうじゃなくて何故お兄様ってくぁwせdrftgyふじこlp」 「とりあえず落ち着いてください」  落ち着けって言われたって、それは(ry 「はぁ……この格好でご主人様って呼ぶものどうかと思ったんですけど」 「理由になってないだろ……」 「……そんなに嫌ですか?」 「や、嫌どころかむしろ発狂しそうなほど嬉しいが」  ってか今発狂したし。 「なら行きましょう、お兄様」 「ああ……」 「……というわけでタマムシに着いた訳なんだが」 「今日も中々にぎわってますね……」  バスを降りた後、デルの後ろをついていくようにして俺は歩く。  と、余所見をしている隙にデルが俺の腕に抱きついてきた。 「っと、どうしたんだ?」 「こういうことは、メリィさんばっかりでしたから……私も、してみたかったんです」 「そか……」  そういや、あんまり俺に甘えてきたりはしないもんな。 「で、どっか行きたいところとかあるか? 俺はあんまりこっちまで来ないから、良くわかんなくてさ」 「そうですね……では、前から気になっていた甘味処があるんですけれど」 「オッケー、そこに行こうか。場所は?」 「こっちですよ、お兄様」  少しはしゃぎ気味のデルに手を引かれつつ、俺は町を歩いていった……  ……一方その頃。  メリィはメモに書かれた品物を探してデパートの中をてんてこ舞いであった。 「はぁぅ~、疲れた……」  メリィは品物を一つ見つけるたびにレジに持っていき、再びメモを見る……ということを繰り返していた。  ぶっちゃけ非効率的だが、本人は全く気づいていない。  更には何度か長いスカートの裾を踏んで転倒している。  アキラが鈍くさいと思うのももっともである。  それは置いておくとして、メリィは今デパートの屋上で荷物を横に置いて休憩中であった。  勿論、荷物は転送サービスを使えばいいのだがメリィはそれに気づいていない。 「はぁ……デルちゃんって、いつもこんな大変な買い物してたんだ……」  そんな訳は無いのだが。  というか現時点でまだメモの半分買い物が終わっていない。  先は長いなぁ……と、空を見上げながら考えていると。 「うえぇぇ……うあぁぁん……」 「あれっ……」  どこからともなく聞こえてくる女の子の泣き声。  そちらを振り向くと、小さな女の子がしゃがみこんで泣いていた。  それを見た瞬間、メリィは考えるまでも無く彼女に話しかけていた。 「ねぇねぇ、こんなところでどうしたの?」 「うぅ、ママが……どこかにいっちゃったの……」 「そっか……それじゃ、お姉ちゃんと一緒にママを探そ?」 「いっしょ……?」 「うん、一緒。一緒なら寂しくないでしょ?」 「……うん」 「それじゃ、行くよ~」  少女の手を引きながら、メリィは下の階へと降りていく。  ……その数分後、少女の母親が戻ってくる可能性なんぞ微塵も考えずに。 「中々いい感じの店だったな」 「ええ、思っていた以上でした」  店を出て、二人で歩きながらさっきの店のことを語り合う。 「何度かあんみつって食べたことあったけど、あの店のが一番だな」 「あら、私の作ったあんみつよりも美味しかったですか?」 「そりゃ流石に敵わないだろうな。でも、今回のを参考にすればよりうまく作れるんじゃないか?」 「ふふっ、それもそうですね」 「ところで、次に行きたいところはあるか?」 「そうですね……それじゃお兄様、服を見たいのですけれど」 「オッケー、それじゃデパートだな」 「ええ。行きましょう」  んで、数分後。 「なぁ、デル」 「どうかしましたか、お兄様」 「何故、服を見るって言ってマニアショップに……?」  デルについていくままに入っていった店。  そこは何というか……どう見てもいわゆる『マニア』向けの品物を扱っているお店だった。  ってか、デルがこういう趣味あるなんて初めて知ったぞ俺。 「いえ、その……いつもメイド服だと飽きられるからと、ホウさんが紹介してくださったんですけれど」 「ま た あ い つ か」  それならかなり納得だ……つか、頭痛い。  そんな俺を軽くスルーしつつ、デルは一通り服を集めてきたようだ……って。 「随分多くないかソレ」 「そうですか?」 「まぁ、買える限りは買ってやるつもりだが……」 「まさか、全部は買いませんよ。ちょっと試着してみて、気に入ったものだけを買おうかと」 「なるほどな、把握した」 「じゃ、着てきますね」  そういってうきうきしながら試着室に入っていく。  暫くして、カーテンの開く音が聞こえて俺は振り向いた。 「お、着替え終わっ……」 「どうですか、お兄様?」  全身を覆う黒いタイツに、ワインレッドの丈の短い長袖ジャケットと、同色のこれまた短いタイトスカート。  更に同じ色のブーツと白手袋、そして右手に巻いた状態で持っている鞭……ってコレは。 「……ナツメ?」 「はい、ヤマブキのジムリーダーさんの衣装ですね……似合いますか、お兄様?」  似合うも何も、黒髪赤目のお前がそのカッコしたら見事に小さくなったナツメじゃねーかとry 「いや……似合うは似合うが、どっちかって言うとそっくりさんかな」 「そうですか……それでは、違うものを」  再び引っ込み、衣擦れの音をBGMに待つこと数分。 「今度はどうですか?」  と、出てきた姿は……一瞬、赤いセーラー服に見えた。  が、よく見ると肘までの長手袋とか、膝丈の白いブーツとか……  更にはスカートに違和感があったり額にサークレットらしき物まで付けていた。 「……何ソレ」 「え、えっと……火星に代わって折檻よ!」 「……」 「な、何か反応してください……流石に無反応は堪えます」 「いや……なんていうかな」  正直、反応に困るって言うべきなんだろうか。  似合うことは似合うんだが…… 「ぶっちゃけ、よくわからん」 「はぁ……コレは失敗、と」  妙に凹んだ様子で試着室に引っ込むデル。  ……似合ってるってくらいは言ってやったほうが良かったか。 「それでは……これはどうでしょう?」  今度は……割と普通、か?  黒い長髪をバレッタでアップに纏め、ふち無しのメガネ。  白いブラウスと地味なタイトスカートの上に白衣を羽織り、持っているのは……教鞭か? 「へぇ……理系の女教師か。案外似合うもんだな」 「お兄様、案外ってどういうことですか?」 「いやまぁ、ほら……ギャップ萌えって奴か?」 「……」  ……あれ、地雷踏んだ? 「どうせ私は、実年齢よりも数段幼い外見してますよ……」  と、言って試着室に引っ込んでしまった……しまったな、折角のデートなのに。  次は何とかして褒めなければ、と考えていると、着替えが終わったらしく再びカーテンが開いた。 「なら、これはどうですか?」 「へぇ、これは……」  若草色の振袖に緋色の袴。  大和撫子を髣髴とさせるその衣装は、さらさらの黒髪が自慢のデルに非常によく似合っていた。 「いいな、これ……しかし、どっかで見たことあるような」 「ふふっ……これ、タマムシのジムリーダーさんとお揃いの物なんですよ」 「ああ、なるほど。通りで」  それにしても、いつもメイド服だから和服が似合うってのは新鮮な新発見だな。 「じゃあ、それにするか?」 「んー……ちょっと待ってくださいね」  そう言って再び試着室に以下略。 「……こっちはどうですか?」  数分後、試着室から出てきたデルが着ていたのは艶のある黒色の振袖。  袴はさっきと同じもののようだった。 「おお、こっちの方が似合ってるな」 「ありがとうございます。じゃ、これにしますね」  と、そんなこんなで会計を済ませて店を出た訳なんだが。 「……それ、着ていくのか?」 「折角ですから……それに、今後着る機会もそうそう無いでしょうし」  買ったばかりの袴を身に付け、上機嫌で言うデル。  まあ、確かに今のうちの家事関係はデルにまかせっきりだから明日からはまたいつものメイド服に戻るんだろう。  ……メイド服も悪くないけど、やっぱ何だか名残惜しいな。 「……そのうち、また服買いに来ようぜ」 「え……あ、はい。お兄様♪」  一瞬驚いたような表情の後、デルは向日葵のような笑顔で俺に答えた。 「さてと、それじゃそろそろ昼飯にでも……あれ?」 「お兄様、どうしたんですか?」 「いや、あれって……」  俺の指差した先。  そこには…… 「メリィさん……みたいですね」 「あんな大荷物抱えてキョロキョロして、何やってんだ……って」  よく見てみると、メリィのメイド服の裾をちっちゃな女の子が掴んでいる。  メリィもそれは承知のようで、時々泣きそうな彼女をあやしながら何かを探しているようだ。 「……なぁ、デル」 「なんでしょう?」 「メリィのやつ、何してるように見える?」 「うーん……誘拐、でしょうか」 「いやお前ちょっと待て」  幾らなんでもそりゃ無いだろ……と、思いたいが。 「……とりあえず、予定変更。接触するぞ」 「はあ……仕方ないですね」  と、いうわけで。 「おーい、メリィ!」 「ふぇ……? え、マス……じゃなくて、ご主人さま!?」 「いや、別にマスターでいいから。ところでお前、何やってんだ」 「何って、この子が迷子になっちゃったみたいだから、お母さんを探してあげてるの」 「……なぁメリィ、お前その子のお母さんってどんな人なのかわかるのか?」 「……あ゛(汗」  アホだ。  先生、アホの子がここにいます。 「あとメリィさん、荷物は注文したら宅配便で送ってもらえばよろしかったんですけど……」 「そ、それはお店の人にも言われたんだけど……お家の詳しい場所、覚えてなくて……」 「……シオンタウンジムにお願いしますって言えば良かったんだが」 「そ、そうなの!?」 「まぁ、一応は……って、それよりもその子はどうするんですか?」 「どうって、探してあげないと」 「だが、探す方法が無いだろ……お譲ちゃん、お母さんはどんな人なんだい?」 「やさしーの……」 「いやそうじゃなくて……服とか、覚えてる?」 「うん……ぴんく」 「……これだけの手掛かりで探すのは無謀では」 「それじゃ、どうすればいいのかな……」 「そういや、この子の名前は?」 「ひなちゃんって言うんだって。かわいい名前だよね~♪」 「……それだけわかってるなら、迷子センターに預ければ呼び出してもらえるんじゃねーのか?」 「……あ゛(滝汗」  ……先生、アホの子がここに(ry  んで、結局のところ。  彼女を迷子センターに送り届けて呼び出しの放送をしてもらうと、彼女の母親はすぐにやってきた。 「娘が、お世話になりました」 「いえいえ、こちらこそ勝手に連れ出しちゃったような格好になってしまい……」 「ですが、お陰で娘は安心していられたようです。ありがとうございました」  ……待ってるように言われたのを勝手に連れてっちゃったのはどう考えてもダメだろ、と思いつつ、  母親はあえてそこに触れないつもりのようなので俺もそれ以上は話を引っ張らないようにする。  一方でメリィは、少女……ひなちゃんだったか、彼女とお話しているようだった。 「ごめんねひなちゃん、いろいろ連れまわしちゃって」 「ううん、おねーちゃんのおかげでさみしくなかったから……ありがと!」 「あはっ、どういたしまして!」  ……ま、丸く収まったんだしこれでいいか。  そうして親子を見送った後。 「さて……メリィ、買物は終わったんだっけか?」 「そ、それは……まだ、半分くらい」 「はぁ……メリィさん。手伝いますから、早く終わらせましょう」 「うぅ……ごめんね」 「んじゃ、とりあえずはその荷物を宅配便で先に送っちまおう。大荷物抱えて歩くと邪魔だしな」 「そうですね」 「はーいっ」  こうして俺たちの休日は終わった。  まぁこの後にも、メリィの非常に効率の悪い買い物法にデルが頭を抱えたりもしたんだが、ここでは語らないでおこう。  ……その頃、シオンジムの一室にて。 「……ホウ、何やってんだ」 「???」 「いや、はてなみっつ出してもわからんっての」 「……強いて言うなら、コスプレ?」 「把握したが何故に疑問形」 「……なんとなく」  風呂をあがったゲンがリビングに顔を出すと、ホウが巫女服を着ていたのだった。  黙ってれば純朴系美人である彼女には、中々似合っている。 「ってか、ウチにそんなもんあったんか」 「ん、クリム君の所のフーディンが送ってきた……余ったからくれるって」 「ま た あ い つ か」 「ねぇ、ゲン……」 「あ、あんだよ」 「ボクに、似合ってる……?」 「……別に、言わなくてもわかんだろ」 「キミの口から……答えを、聞きたい……」 「う……」  ホウはすっとゲンの傍まで寄ると、ゲンの胸に手を当てて少し彼を見上げる。  上目遣いでそんな風にねだるホウに、ゲンは観念した。 「あ、ああ……すっげー似合ってる」 「……ホントに?」 「嘘ついてどーすんだっての。今すぐ襲い掛かりてぇくれーだ」 「我慢する必要、無い……」 「……いいのかよ」 「キミがボクを欲しいなら……ボクは、いつでも」 「へっ……言ったな、覚悟しろよ」 「それは、ボクの台詞……」 「あ?」 「今夜は、離さない……」 「……上等だぜ!」  ……翌日、ゲンは魂を抜かれたような表情で、ホウは満足気な表情でぐっすりと寝ていたというのはまた別の話である。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き  どうも、二回連続で本編すっぽかした曹長です(ぇ  だってこんなステキな祭り、参加しないわけにはいかないじゃまいか……いや、一応本編も書いてますので。  とりあえずいきなり題名からアレですね。メリィ全然目立ってない(笑  題名に偽りアリとは正にこのことだと(10万V  てかアホの子度が有頂天に達したようd(ry  んで、実際のメインはデルでしたが。  途中のコスプレシーン、ネタに走りましたw  もうちょい普通のコスも入れれば良かったかなと少々反省。  最後に、相も変わらず自重しないゲンホウ。  ってかこいつらホントにオチに使いやすいな。  掛け合いがいつの間にか一人歩きし始めるのが少々問題ではあるが(ぇー  ……さて、そろそろ長いこと放置してる本編を仕上げねば。  それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。

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